【ネタバレ/感想/考察】『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』の鑑定【ラストの意味は?】

ホラー
(C)2021 Paramount Pictures. All rights reserved.

 

Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』です。

「音を出したら即死」という究極の縛りが最恐に恐ろしかった、ホラージャンルに新たな息吹を与えた前作『クワイエット・プレイス』のその後を描く続編。

独特の緊張感はそのままに、新たなステージ、新たな登場人物らによる世界観の拡張と、それに並行して描かれる新たな家族の成長劇が魅力です。

そんな『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

モンスターが初めて現れたエピソード0の物語とは・・・?

 

■『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』本予告

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■あらすじ

高周波のハウリングを利用して、からくもモンスターの一体を仕留めたイブリン(エミリー・ブラント)は、耳に障害を持つ娘のリーガン(ミリセント・シモンズ)、臆病な息子のマーカス(ノア・ジュープ)、そして生まれたばかりの赤ちゃんを連れ、焼失した我が家を後にした。新たな拠点を探して歩くアボット一家はとある廃墟に足を踏み入れる。しかし、遠くから彼らをスナイパーライフル越しに見ている人物がいて・・・。

 

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■原題:A Quiet Place: Part II

■発掘国/制作年:アメリカ(2020)

■上映時間:97分

■キャッチコピー:もう音を立てずには生き残れない

■監督:ジョン・クラシンスキー

■主要キャスト

イヴリン・アボット:エミリー・ブラント

リーガン・アボット:ミリセント・シモンズ

マーカス・アボット:ノア・ジュープ

エメット:キリアン・マーフィー

島の長:ジャイモン・フンスー

リー・アボット:ジョン・クラシンスキー

 

■『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』のネタバレ感想と考察

 

①音を出せない緊張感と焦燥感の発展

②逞しく主導権を握る子供たち

③エピソード0

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:音を出せない緊張感と焦燥感の発展

残されたアボット一家に襲いかかる新たな恐怖とは・・・?

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音を出せないという独特の恐怖によって、鑑賞中に息をするのも困難にさせるほどの緊張感を帯びていた前作。ホラージャンルを新しい角度から攻め込んだ名作だった前作だけど、登場する地獄耳モンスターの弱点が実に呆気なく解明されてしまったこともあり、ネタを出し切った感が否めない。続編でこれを上回る盛り上がりが見せられるのかが正直不安だった。

だがしかし、いざ観てみると面白いんだな〜コレが! 前作で構築した世界観を土台として、物語を面白くするためのアイデアを取捨選択と試行錯誤して詰め込み、それらを的確にアクションとホラーと家族ドラマに噛み合わせ、マンネリとハードルを見事に回避。ジョン・クラシンスキー監督のセンスが光る結果ですね。

まずは『クワイエット・プレイス』の世界観が拡張。物語は前作の直後からスタートし、モンスターの弱点を暴いたとは言え、状況が全く好転していない。前作のドンパチのせいで我が家と貯蓄を失い、更に頼りにしていた一家の大黒柱が殺されてしまったせいか、残されたアボット一家は明らかに凹んでいて、当たり前だが悲壮感がバリバリ。この先どうなるんだろうと、観ているこっちも心が痛い。で、アボット一家は焼失する家を背に新たな避難場所を探して歩み始めるんだけど、ステージがアボット家周辺から遠く離れた土地や島にまで広がることによって、キャラクターたちができることや新たな要素に広がりができていて新鮮な気分で眺められる。それにアボット家といういち家族の物語にほぼ限定されていた前作に対し、本作では昔の知人や他の生存者グループなどといったニューキャラが参戦、人間ドラマ面にも新たな起伏が生まれている。ポストアポカリプスものとしては鉄板の流れだけど、「音が出せない」という個性が鉄板に味付けを加え、同ジャンルで見慣れているはずの流れなのに思わず見入っちゃいましたね。

相変わらず音を出したら地獄耳モンスターがすっ飛んでくる基準が曖昧だけど、無音状態で焦らしに焦らして急に出てくるモンスターのサプライズは心臓に悪いことに変わりない。音を出してはいけないということと、モンスターの基本的な特性は既に形づけられているため、続編でできることは人間とモンスターとの駆け引きをいかに面白く見せるかに限る。その点、音を制御できない赤ちゃんと、テンパって派手に足を怪我をした息子のマーカス(トラバサミで『プレデターズ』トファー・グレイスみたい無ことになる)らハンデの存在。密閉空間で酸素が枯渇するパニック劇。緊急時に分断し、別々の形で脅威にさらされることになるアボット一家の切迫感。前作にはなかったホラーとスリラー演出で緊迫感と焦燥感を巧みに発展させることができていたと思う。色んなモブ生存者が出てくることもあってモンスターに一撃必殺されていく人数も前作より多く、様々なシチュエーションで人が死んでいく光景が愉快かつ恐ろしい。車を爆走させてモンスターを振り切るチェイスシーンもあり、派手に動けなかった前作と打って変わり、アドレナリンを煽る激しめのアクションも見所の一つになってた。

Jing-Fu
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本作でモンスターは泳げないことが判明するけど、あれ? 前作で泳いでなかったっけ?

ネタバレ②:逞しく主導権を握る子供たち

キリアン・マーフィーが演じるエメットの物語にも注目

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前作で父親のリーから愛情と勇気を継承した、長女のリーガンと長男のマーカス。本作の主人公はエミリー・ブラント演じる母親のイブリンなんだけど、スポットライトが当てられているのはこの子供達2人。まだティーンネイジでもない2人が幼いなりに答えを導き出し、別々の場所で逆境の中立ち向かっていくという、前作とはまた異なる家族の成長劇になってます。高周波のハウリング音が出せる自分が人類を救うという強い使命感を持って動くリーガンと、心の中にまだ臆病心が残っていて父親のように行動することをためらうマーカスの対比も素晴らしく、それぞれが「できること」で貢献しようとする姿が、行動の大きい小さいを問わずなんとも健気だった。ラストではお互いが文字通り一歩を踏み出して愛する人を救い、心身ともに父親の精神がオーバーラップしそうな逞しい活躍でした。

Jing-Fu
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ハウリングをラジオで拡散し、ついにモンスターの弱点を本格的に攻める準備が整った。続編では、いよいよ人類のモンスターに対する復讐が開始するんでしょうか?

 

子供達の活躍の一方、母親としての務めを果たすイブリンももちろんだけど、本作でアボット家と再開する、かつてのご近所さんであったエメットのドラマにも胸が熱くなった。モンスターの襲撃以降、子供も妻も失って孤独に息を潜めて生きてきたエメットだが、アボット家に出会い、久しぶりに温もりに触れることになる。始めの内は他人に特別な関心を抱いていないような腑抜け状態のエメットが、かつて救えなかった我が子の姿をリーガンに重ね始めたかのように、徐々に彼女を「守る」ために奮闘していく様子が勇ましい。名優のキリアン・マーフィーが、哀愁と絶望に打ちひしがれ、そこから再起して走り出すエメットを熱演していました。

あと目を見張ったのは、リーガン役のミリセント・シモンズ明らかに前作より可愛くなってる!! 前作撮影時はまだ15歳だった彼女だが、本作の撮影時は17歳。心が大人に近づいてきて自分磨きを始めたのか、前作でちょっとだけあった野暮ったい印象が払拭されていたのには驚いた。女性の美意識って素晴らしい。

Jing-Fu
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生存者コミニュティーができている島の責任者役で、これまた名優のジャイモン・フンスーが出てきたのには驚いた。・・・にしても、リーガンたちが降り立ったせいでモンスターに血祭りにされていく人々が王道パターンでも不憫だった。

 

ネタバレ③:エピソード0

最高で最恐のオープニング

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冒頭、描かれるのは「DAY 1」。つまり、人類が初めて地獄耳モンスターと遭遇をした運命の日の出来事だ。まさかエピソード0とも言うべき前日譚を観ることができるとは思っていなかったのでびっくり。いつもとなんら変わりなく過ごしていた平穏な暮らしが、空を横切る巨大隕石の登場と共に崩壊していくパニック劇の迫力はかなりスリリングだった。基本的にアボット一家の誰かの視点に近いカメラ映像で話が進んでいくので、何が何だか状況が全く理解できない臨場感も抜群。特にイブリンが運転する車の正面からコントロールを失ったバスが突っ込んでくるワンカットシーンは、下手なアクション映画よりも凄まじいハラハラ感だった。このDAY1で、エメットとリーガンの間で「野球のサイン」の手話が何気なく描かれてるんだけど、まさかこれが後の伏線として機能するとは予想できなかったなぁ。

前作で「メキシコに隕石が落下」という新聞記事が登場していたので、全ての起点はメキシコかと思いきや、どうやらアメリカにも隕石が落ちていたみたい。はたまた、アボット一家が見た隕石はメキシコに向かって落下途中のもので、モンスターは隕石から離脱して各地域に飛散したんだろうか。

Jing-Fu
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『クワイエット・プレイス』の世界線では、続編の他にもまだまだ色んなスピンオフが作れそう、そんな可能性を感じたDAY1でした。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
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前作で築いた世界観と設定の骨組みに肉付けを行い、前作よりも見応えと面白さが増しています!

 

鑑定結果:エメラルド映画(☆8)

 

 

■映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』はどんな人におすすめ?

 

『クワイエット・プレイス』のその後が観たい人

・抜群の緊張感を味わいたい人

・家族の成長ドラマを観たい人

 

■最後に

前作の『クワイエット・プレイス』も鑑定しています☆

 

映画ブロガーのぺぺさんが、『クワイエット・プレイス』の世界観、キャラクター、モンスターなどについて解説している記事が面白いです! 一度読めば作品への没入感が高まること間違いなし!

ぺぺさんの記事はこちらからどうぞ☆

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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コメント

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