【ネタバレ/感想/考察】ディズニー+映画『プレデター ザ・プレイ』の鑑定【ラストは?】

スリラー
(C)2022 20th Century Studios

 

Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

今回鑑定をするのは『プレデター ザ・プレイ』です。

シリーズ5作目となる本作では、1719年の北アメリカを舞台に、地球に初めて人間を狩りに訪れたプレデターとインディアンの攻防が描かれる前日譚です。

過去作と繋がる部分もあり、ファンは必見です!

そんな『プレデター ザ・プレイ』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

今後のシリーズ化と過去シリーズとの矛盾についても考察!

 

■『プレデター ザ・プレイ』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

プレデター:ザ・プレイ|予告編|Disney+ (ディズニープラス)

(C)2022 20th Century Studios

 

■あらすじ

1719年の北アメリカ中西部のグレートプレーンズ。コマンチ族のナル(アンバー・ミッドサンダー)は他の女性が日々行なっている薬草採りにうんざりしており、周囲の意見を跳ね除けて自分も男たちのように狩りの腕を磨きたいと躍起になっていた。ある日愛犬のサリーと共に鹿を狩ろうとしていたナルが轟音響く上空を見上げると、分厚い雲の中に突き進む巨大な何かが見え・・・。

 

(C)2022 20th Century Studios

 

■原題:Prey

■発掘国/制作年:アメリカ(2022)

■上映時間:100分

■監督:ダン・トラクテンバーグ

■主要キャスト

ナル:アンバー・ミッドサンダー

タエベ:ダコタ・ビーパーズ

 

■『プレデター ザ・プレイ』のネタバレ感想と考察

①原点回帰の功績

②斬新なプレデターVS戦士インディアン

③近接型のプレデターはIQ低め?

④今後の展開は?

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:原点回帰の功績

監督のシェーン・ブラックが、拉致されて「最低につまらん映画を作らないと殺す!」と脅されて製作したとしか思えない能無しヘタレっぷりで神聖なプレデターというコンテンツを完膚なきまでに汚した『ザ・プレデター』。劇場で観た時にはエンドロールが終わった途端に怒り心頭で劇場を後にし、一緒に鑑賞していた知人に物凄く気を遣われてしまう羽目になった記憶しかない。前作でそんな前科を築いてしまったプレデターシリーズの最新作である本作に対しては、正直最初は期待よりも大きめの不安しか湧いてこなかった・・・。

Jing-Fu
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僕は『ザ・プレデター』を一生恨むと決意した身なので、あの駄作をシリーズとして認めていません。頭から背骨を引き抜いてやりたい。

 

ところがどっこい、いざ本作を観てみれば伝説の1作目とまではいかないし、後述するもう一歩のポイントもあるにはあるけど、少なくとも『ザ・プレデター』が犯した大失態を帳消しにする良作としてカウントしても問題ない内容だと思います! その最大の理由は、「狩る者と狩られる者」を対象にし、「狩るか狩られるか」を描くシンプルな構成に戻ったことですね。コレですよ、『プレデター』というのは。ちゃんとプレデターができているというだけで印象が良いです。いいんですよ、『プレデター』シリーズで無駄なことはしなくて。プレデターの「狩り」という行為には、トロフィー=戦利品として人間を狩る以上の「侵略」とか言った意味を持たせる必要は全くないし、『プレデターズ』以上にプレデターという種族の内部事情に介入すべきではなく、そして『プレデター2』以上に人間がプレデターという種族や科学技術を我が物としようとするエゴイズムや人欲をストーリーに持ち込んではいけない。『プレデター』は地球侵略をテーマとしないことで他の異星人映画にない個性をもつシリーズですから、その唯一無二の個性を念頭に置いて展開しないとダメなんですよね。

Jing-Fu
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それを全て無視したのが『ザ・プレデター』ですから、変な要素で肉付けをすることなく原点回帰とも呼べる設定に舵取りを戻したという点では、まず本作は評価されるべきだと思います。

 

ネタバレ②:斬新なプレデターVS戦士インディアン

本作の時代設定が今から300年前の近世という点で、過去のシリーズとは色々な面で毛色の異なっていたことも新鮮に映りました。プレデターに立ち向かうのがアメリカ先住民族のインディアンであり、これまでの特殊部隊や軍人などと比較してもより真に迫った戦士として映る。マスケット銃を除いて現代的な銃火器が一切登場しない初の作品となるため、未知の装備で身を固めたプレデターに対するインディアン特有の白兵戦アクションは中々刺激がありますね〜。プレデター側も結構ダメージ負ってたし、インディアン凄いね。

Jing-Fu
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時代的にはディカプリオ『レヴェナント 蘇りし者』と同時期で、野生動物やヨーロッパ人とかも物語に絡んできます。インディアンの神聖な佇まいと、広大な自然の詩的な風景が、神々しさすらも纏うプレデターのキャラと意外にもマッチしてたと思います。

 

主人公がシリーズ初の女性となってるのも注目ポイントです。ディズニーの手中に落ちた20世紀スタジオが製作したからかどうかは知りませんが、芯の強い女性が既存の型に反抗して飛び出すというストーリーにいかにもな昨今のジェンダー性を感じましたけど、人間の女性がプレデターと衝突して討ち取るというのは今までにない展開。『プレデターズ』でもイザベルがスナイパーライフルでバーサーカープレデターの胸を(物理的な意味で)射抜いていたり、『AVP』ではレックスが同じ髪型の仲でプレデターと共闘する熱い出来事もありましたが、女性が本格的にプレデターに特攻して返り血を浴びながらザクザクのボコボコにしていくのは本作での初の試みです。パワー一辺倒ではなくテクニカルかつ策士的に立ち回るのも筋肉アクションスターとは異なる芸当なので斬新です。

ただ残念なのは、本作のアクションシーンが全体的にそこそこ観づらいということ。至近距離での近接アクションがメインとなる本作では、大袈裟な動きよりも細かい挙動が要になってくるのに、まるでスタローンがピンチヒッターで編集に割り込んできたかのようにカメラの動作スピードと切り替えが速すぎて「今ここで何が起こったか」を把握するのが結構難しい。ラストバトルは夜の森の中ということもあって視界も悪く、これは非常に口惜しい。

あと、プレデターに対して前述した主人公ナルのテクニカルな戦闘スタイルがどうにも迫力負けをしてしまっているのも否めない。プレデターが元々重量級のパワータイプキャラクターであるがゆえに、「迫力」という点では地道に削っていく立ち回りだとなんとなく画に物足りなさを感じてしまいます。それよりもやっぱりシュワちゃんダニー・グローバー、剣でジャッキー・チェンに押し勝ったこともあるエイドリアン・ブロディのようなガタイのいいマッスル人間による、野生を力で捩じ伏せるようなパワー同士のぶつかり合いがあった方が迫力が増すのは顕著でしょう。

Jing-Fu
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『プレデター』のビリー、『プレデターズ』のハンゾーなどといった、その場の熱量で寡黙にプレデターに向き合い敗北するという胸熱なキャラがいればさらに燃えたんだけどな〜。

 

ネタバレ③:近接型のプレデターはIQ低め?

肝心なプレデターのビジュアルについては概ね良好だと思います。本作はプレデターの地球狩りデビューという設定になってるらしく、プレデターも初来訪した地球に興味津々なようで、野生動物同士の狩りをフムフムと眺めながらその勝者側を食物連鎖のように狩り取ったり、まさかり担いだ金太郎よろしく野生のくまさんと大相撲を楽しんで、くまさんの血を頭からシャワー浴びして興奮したり、初めての地球を堪能している様子が可笑しいですね。特に動物愛護団体がブチ切れそうな殺し方で蛇や狼といった地球の動物を狩ってトロフィーにするのは初めて観る光景で面白かった。

プレデターの本作における装備品の数々も非常に興味深い。まず今回のプレデターは今までのどのプレデターよりも近接格闘型の個体なんですよね。手持ちブレードを投げたりお馴染みのネットランチャーとかミニドローン型の斬撃発生機(?)も使うけど、せいぜい攻撃範囲は中距離程度。基本的には体を透明化して近づいてリストブレイドでステルスキルをしたり自ら進み出てゴリ押し攻撃をしたりと殺戮の嵐。左腕のガントレットに収めてる盾も機能動作が男心に響く新ガジェットで、攻防の両方に使えるので近距離での立ち回りに非常に強く、相手が気付いていない間に遠目から攻撃を仕掛ける戦法を見せない。

というのも本作のプレデター、どうやらエネルギーベースで作動するショルダープラズマキャノンを持ち合わせていないらしく、代わりの遠距離武器はレールガンのような仕組みで小型の槍の穂先を発射する銃。しかもレーザーサイトに向けて自由自在な軌道で追尾するホーミング機能付きという便利な代物。まあそれはさておき、光学迷彩以外は至って物理的な装備しか持ち合わせていない本作のプレデターを見ていると、プレデター側にも文化の歴史というものがあって、最初からエネルギーベースの武器を生み出していたわけではなく、300年の間に彼らも技術を進歩させてきたのか・・・と、これまでにないロマンが掻き立てられてトキメキましたよ・・・。プレデターの騎士道については、「戦う意志がない者は狩らない」というより「さっきまで戦ってても身動きが取れなくなるなどして戦えなくなった者はプイっと狙わない」という形で描かれていて、今までと比べるとちょっと違和感があるかな・・・。

Jing-Fu
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マスクとガントレットも生物の骨のような古式的デザインとなっていて、禍々しくもかっこよかったですね。

 

そういえば本作、原点回帰をしているもののプレデターの赤外線ビューを利用した駆け引きがほぼないに等しいのは意外でしたね。途中、ナルが底なし沼に落ちて死にかけるシーンがあるんですけど、ここでナルが全身泥まみれになるので「はは〜ん、ラストバトルではナルが自ら沼に突っ込んで恒例の泥コーティングをするんやな・・・」と得意げに伏線を読んでみましたが、ナルはその読みを華麗に回避してきた! 自分が沼に入るのではなく、なんと実は沼にプレデターを無理やり落とすという伏線になっていたんですね〜。そのまんまかい! 物凄く簡単な答えだったのに、プレデターということで変な先読みしちゃったじゃないか、悔しい・・・笑

で、この後のプレデターがものすごいバカな自滅をしちゃうんですよ。自分のマスクを無くしてレーザーサイトを失っているにも関わらずレールガンを発射。ナルがあらかじめ隠して仕掛けていたマスクから放たれたレーザーサイトがプレデターの頭を照らし、そこにホーミング弾が被弾してなんと自滅!!! バカ!! 自らの武器の高性能が仇となった感じだけど、沼に突っ込んで進退窮まったとしても、流石にこのプレデターはIQが低いと言わざるを得ません。最後だけもう少しなんとかならなかったかな〜。

Jing-Fu
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このしょーもない自滅も、前述した迫力の物足りなさに加担しているんですよね。

 

考察①:今後の展開は?

ラスト、プレデターの生首と侵略者であるヨーロッパ人のマスケット銃を部族長に渡すことにより、二重の意味で自らの成果と威厳を示したナル。で、このマスケット中には「ラファエル・アドリーニ 1715年」という文字が刻んであるんだけど、これはプレデターファンならすぐにピンとくるネタですね。これは『プレデター2』でハリガン警部補がエルダープレデターから選別として受け取った代物です。まさかここでこんな形で出てくるとは驚きです。でもこのマスケット銃はプレデターではなくナルの戦利品となっているので、『プレデター2』を思い出しているとちょっと「?」となる。一応その答えはエンドロール中に隠されていて、本作の出来事が描かれたコマンチ足の壁画に沿ってエンドロールが進んでいくんだけど、最後に宇宙から飛来する複数の巨大物体も描かれてます。つまりナルたちはこの後も新たにやってきたプレデターたちと交戦することが示唆されており、ここからは個人の憶測ですが、ナルはプレデターに敗れ戦利品となってしまい、そこでプレデターに回収されたマスケット銃が300年後にハリガン警部補の手元に渡った、って感じなんですかね。次作でそれが描かれるんでしょうか。

でも引っかかるのは、このマスケット銃は元々はプレデターがイタリアの海賊から戦利品として獲得をしたという設定が存在していて、コミックの『プレデター:1718』でそれが描かれています。これだと完全に本作の出来事が矛盾してしまうんですけど、『プレデター:1718』はあくまでもコミックでの話なので、映画版での正史として本作の設定に変更したのかもしれないですね。

あと、本作の時代設定である1719年がプレデターの地球狩りデビューだったというのも引っかかる。『AVP』では紀元前から地球に来ていたことが語られているし、その時に既にショルダープラズマキャノンという技術も持ち合わせていてエイリアンにぶっ放してましたよね。本作のプレデターがショルダープラズマキャノンを用いない『AVP』のプレデターとは別の氏族だったかもしれないし、『AVP』は一種のパラレルワールドの設定があるみたいだし、そう考えればそんなに違和感もなくなるかな。あれ? でも『AVP』でプレデターがレックスにプレゼントしたエイリアンの尻尾槍がポンコツ映画ながらも正史扱い(何度も言うけど認めてない)の『ザ・プレデター』にチラッと登場していたし・・・辻褄が合わなくて熱が出そうです。

ファンとしては矛盾点をスッキリさせたいですが、改めてこのシリーズの今後を考えます。ナルの今後も観てみたいけど、個人的には別のヴィジョンを持っているんですよね。本作は、『プレデター』シリーズは狩られる人間の戦闘スタイルと時代と環境でいくらでも化けられることを証明し、能無しヘタレの『ザ・プレデター』でオワコン化しかけていたこのコンテンツの可能性をさらに広げた功績があります。本作ではインディアンだったけど、次回以降はスパルタ戦士、ヴァイキング、モンゴル帝国、マオリ族、はたまたサムライとプレデターを衝突させ、是非とも「VS地球の歴史戦士シリーズ」として突き進んでもらいたい! これはロマンのある話だ!

第一希望はもちろんVSサムライなんだけど、1719年がプレデターの地球狩りデビューとなると、プレデターは映画では今後、中世の日本のサムライと戦う機会がないのかも・・・涙 岡田准一真田広之がプレデターと一線交える激アツ対戦カードは誰もが望んでいるはずなのに。となると、『プレデターズ』でハンゾーが発見した年代物の刀は江戸時代のものだったんだろうか。

Jing-Fu
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薩摩藩とか新撰組がプレデターに遭遇する話もまあ面白そうだけど。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
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『ザ・プレデター』とは雲泥の差で素晴らしい、これぞ待ち望んでいた「プレデター映画」です。

 

鑑定結果:ダイヤモンド映画(☆7)

 

 

 

■最後に

他のプレデター作品はこちら☆

 

『プレデター』

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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