【ネタバレ/感想/考察】映画『マイル22』の鑑定【ラストは? スパイは?】

アクション
(C)MMXVIII STX Productions, LLC. All Rights Reserved.

 

Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

今回鑑定をするのは『マイル22』です。

『ローン・サバイバー』ピーター・バーグ監督と主演のマーク・ウォールバーグの4回目のタッグ映画となるアクション・スリラー作品です。

『ザ・レイド』で世界を圧巻したアクションスターのイコ・ウワイス『ウォーキングデッド』ローレン・コーハン『コン・エアー』ジョン・マルコヴィッチらが華を添えます。

そんな『マイル22』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

ラストの大ドンデン返しは予測不可能?

 

■『マイル22』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

映画『マイル22』予告編

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■あらすじ

CIA分析官のビショップ(ジョン・マルコヴィッチ)が司令官を務める、凄腕の兵士が集められた極秘部隊の「オーバーウォッチ」。地上部隊を率いるリーダーのシルバ(マーク・ウォールバーグ)は、アメリカから強力な放射性物質のセシウムを奪ったロシア人組織FSBを急襲して壊滅させた。それから16ヶ月後、東南アジアのインドカーにセシウムがあると情報を掴んだオーバーウォッチだったが、結局セシウムを発見できずに終わる、だがその後、現地のリー・ノア(イコ・ウワイス)という男が、セシウムの在処の情報と引き換えにアメリカに亡命を求めてくるのだが・・・

 

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■原題:Mile 22

■発掘国/制作年:アメリカ(2018)

■上映時間:95分

■キャッチコピー:世界をダマす究極のミッション

■監督:ピーター・バーグ

■主要キャスト

シルバ:マーク・ウォールバーグ

リー・ノア:イコ・ウワイス

アリス:ローレン・コーハン

サム:ロンダ・ラウジー

ビショップ:ジョン・マルコヴィッチ

 

■『マイル22』のネタバレ感想と考察

①アクションへの気遣いが裏目に

②本作と相性の悪いイコ・ウワイス

③大ドンデン返しのラスト

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:アクションへの気遣いが裏目に

戦場と化す部隊の臨場感はかなりのもの。

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舞台は架空の国であるインドカー(インドネシアじゃダメだったのか?)。特殊工作員グループが「22マイルの距離なんて楽勝〜」と挑んだ護送ミッションだったが、道中無数の敵たちが襲いかかってきて、はじめてのお使い気分だったミッションが無理ゲーと化して・・・と、ざっくり言えばそんな映画。そう、ブルース・ウィリス『16ブロック』みたいな筋書きのストーリーだ。

この映画の最大の特徴は、劇中のミッションが実際に現場で動く工作員と、それを裏方でバックアップするデスクワーク司令塔の2方面から描かれていることでしょう。司令塔が衛星や町中の監視カメラなどありとあらゆる映像ツールで工作員たちをリードしつつ、「足が無いならそこの誰かのベンツを使え!」とか徳のないことも平気でバンバンやっちゃう語り口は、『ワイルド・スピード スカイミッション』の「神の目」を利用したアクションシーケンスの拡張版とも言える。司令塔側の介入がほぼ全編に渡って続くので、決して珍しくはない同類のアクション映画の中でも少しだけ抜きん出た個性がありますね。

非常に残念なのが、このストーリースタイルと本作のアクションが調和していないことだ。簡単だと思っていたミッションが激務と化し、ありとあらゆる方向から止めどなく敵が押し寄せてくる四面楚歌の状況は中々の緊張感のはずなのに、常に司令塔のナビタイムが付いていることによってどこか安心感があり、せっかくの緊張の糸が削がれてしまっているのが否めないのよね。敵が立ち塞がるの繰り返しでそれ以外にこれと言ったイベントがない一本道なこともあっていまいち盛り上がりにも欠ける。それだったら普通に司令塔からの指示が途絶えて工作員が孤立し、敵がわんさか徘徊する中で道なき道を進んでいくサバイバル劇にした方が単純に楽しめたんじゃないかな〜。ハリウッドにありがちな、ジョークと皮肉の会話劇もちょっとわざとらしすぎて思わず寒くなってしまった。

そしてアクション中のカット割が多すぎ! これスタローンが監督したんか??ってくらいカメラの切り替わりと動きが目まぐるしいこと目まぐるしいこと。これが本作最大の致命傷となっていて、アクションをスピーディかつスリリングに見せようとした意気込みが裏目に出てしまい、単純にアクションを目で追いにくいだけの鬱陶しさが残ったガッカリ仕様になってしまった。「『エイリアン』みたいに暗がりを利用してモンスターを映した方が怖いっしょ!」と無駄なことをして単に画面が暗くなってしまっただけの『AVP2 エイリアンズVSプレデター』と同系統のミスですねこれは。アクション自体はやっていることの迫力が凄く、マーク・ウォールバーグイコ・ウワイスローレン・コーハンジョン・マルコヴィッチなどアクションを盛り上げることのできる豪華なメンツが揃っているだけに、彼らのポテンシャルを潰しかねない演出には頭を抱えます。

Jing-Fu
Jing-Fu

『エクスペンダブルズ3』『ワイルド・スピード スカイミッション』のゴリ子ことロンダ・ラウジーは、思っていたほど見せ場のないでもない噛ませ犬でしたね。

 

ネタバレ②:本作と相性の悪いイコ・ウワイス

期待通りザ・レイドをやってくれるイコ!

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管理人の期待値はもちろん、全てがイコ・ウワイスに注がれていました。イコにとっては通算4本目のハリウッド作品で、役所の大きいレギュラー役としては『スカイライン 奪還』に続いて2作目となる。本作では後述する通り「荷物」こと護送人として物語のキーパーソンとなる役所を演じていることもあり、彼にフォーカスを向けたアクションシーンももちろんある。・・・のに、前述のアクションの悪い見せ方の影響をもろに被ってしまったイコ手数の多い連打と小回りの効くシラット戦法が売りのイコと、カット割の多いスピーディなカメラワークの相性は水と油のごとく最悪で、せっかくのイコの個性が真っ向から否定されてしまっているかのようで観ていて切なくなってくる。もうどうやって闘っているのかが認識できない。香港映画などのマーシャルアーツ映画に目が慣れている人にとっては苦痛以外の何物でもないね。

本作にはイコが手錠でベッドの取手と繋がれている中で闘うという縛りプレイがあり、取手を引きちぎってアイテムとして使用するのは『ラッシュアワー』でハンドルと一体化して立ち回っていたジャッキー・チェンのようにトリッキーな戦法だ。ここでは他にも打点の高い蹴りを放ったり、トニー・ジャーのように逆さか上がりで体制を立て直したりと、他では観れないような特殊な動きをするイコが観ることができる。それだけに、カメラの切り替わりが速すぎて落ち着いて堪能ができないのがもどかしいなぁ。エレベーター前の複数VSイコ戦においても、画面の暗さも手伝って観安いとは言い難い。

でも批判点ばかりではなく、イコの代表作である『ザ・レイド』シリーズを明らかに意識した、血みどろバイオレンスなアクション演出は中々見応えがあって良かったし、僅かながら拳銃×格闘のプチリベリオンをやってくれたのもレアなショットでした。

Jing-Fu
Jing-Fu

イコのアクションシーンでは、彼自身がファイトコレオグラファー(格闘振付)を担当していることにも注目です!

 

ネタバレ③:大ドンデン返しのラスト

最後の最後にちゃぶ台をひっくり返してくるイコ

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全編に渡って暗い雰囲気のストーリーなので、当然ラストは綺麗には終わらないんだろうな〜と悟っていたけど、案の定でしたね。しかもこれはちょっと強めのヒネりだ。アメリカ大使館にセシウムの情報と引き換えに亡命を名乗り出た「荷物」のリー・ノアは、インドカー政府を裏切った二重スパイと見せかけて、実は裏でロシアと繋がってインドカーに潜入し、オーバーウォッチを壊滅させることが目的であった三重スパイだったという事実が急カーブで突っ込んでくるんですね。ここで冒頭のミッションに話が繋がってきて、シルバが殺害した18歳のロシア人青年は、ロシアの高官である女性の息子だったこと。リー・ノアが輸送機に搭乗する際に「あんたの母親によろしく」と捨て台詞を吐いたこと。リー・ノアが設定したパスワードがロシア語で「クリスマス」であり、冒頭ミッションのロシア人達のアジトがあった町の名前もクリスマスだったこと。伏線と言えばまあ伏線だけど、種明かしがあまりにも急すぎて、矢継ぎ早に飛んでくる情報に頭の整理がつかない。そう、これは練り込まれた伏線と言うよりは大ドンデン返し。美味しい前菜で焦らしに焦らされた上で最高のメインディッシュがトリを飾るのではなく、いきなり出てきた昭和の親父にちゃぶ台をひっくり返されるような衝撃だった。

その後はシルバ以外のオーバーウォッチメンバーが司令塔も含めて皆殺しにされてしまうわ、リー・ノアには逃げられてしまうわの大カオスで、最後はシルバがリー・ノアに復讐を誓って幕切れになるんだけど、主人公のシルバにとっては完全無欠のバッド・エンディングになっちゃったってことなんですよね〜。後味は最高に悪かったけど、ここまで潔い負けのエンディングは中々観ることができないので個人的には気に入った!

Jing-Fu
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一応3部作の構想があるらしく、続編を意識しての復讐を匂わせた終わり方らしいですけど、作品的に失敗しちゃったようなのでまあ製作はされないでしょう笑

 

■鑑定結果

Jing-Fu
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90分でサクッと観れるアクション映画であり、マーク・ウォールバーグの短気の短期で高圧的なキレキレ演技は観ていて面白いけど、いかんせんアクションが観づらいのが悔やまれます。

 

鑑定結果:プラチナ映画(☆6)

 

 

■映画『マイル22』はどんな人におすすめ?

 

・エキセントリックなマーク・ウォールバーグを観たい人

イコ・ウワイスのファンの人

・大ドンデン返しが好きな人

 

■最後に

リー・ノア役のイコ・ウワイスの鑑定はコチラ☆

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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