【ネタバレ/感想】『悪魔のいけにえ』の鑑定【ラストは? 怖さは?】

ホラー
(C)MCMLXXIV BY VORTEX, INC.

 

Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

今回鑑定をするのは『悪魔のいけにえ』です。

殺人鬼のレザーフェイスとその一家による狂気を描くホラーシリーズの1作目であり、不条理ホラーの金字塔でもある作品です。

「意味不明な状況」と「不快感を煽る演出」で極上に居心地の悪いホラー作品になってます。

そんな『悪魔のいけにえ』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

 

■『悪魔のいけにえ』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

『悪魔のいけにえ 公開40周年記念版』予告編

(C)MCMLXXIV BY VORTEX, INC.

 

■あらすじ

サリー(マリリン・バーンズ)とその兄で車椅子生活をしているフランクリン(ポール・A・パーテイン)は、サリーの恋人のジェリー(アレン・ダンジガー)と、カーク(ウィリアム・ヴェイル)とパム(テリー・マクミン)カップルの5人組で、帰郷も兼ねてテキサス州を訪れる。一向はバンで目的地に向かう途中、1人の怪しいヒッチハイカー(エドウィン・ニール)を拾うのだが・・・。

 

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■原題:The Texas Chain Saw Massacre

■発掘国/制作年:アメリカ(1974)

■上映時間:83分

■監督:トビー・フーパー

■主要キャスト

サリー:マリリン・バーンズ

ジェリー:アレン・ダンジガー

フランクリン:ポール・A・パーテイン

カーク:ウィリアム・ヴェイル

パム:テリー・マクミン

ヒッチハイカー:エドウィン・ニール

老人:ジム・シードウ

レザーフェイス:ガンナー・ハンセン

 

■『悪魔のいけにえ』のネタバレ感想と考察

①意味不明なシチュエーション、だがそれが恐ろしい

②どこにいても居心地が悪い

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:意味不明なシチュエーション、だがそれが恐ろしい

先日Netflixでシリーズ最新作の『悪魔のいけにえ -レザーフェイス・リターンズ-』が配信開始されたこともあって、久々に1作目を観直して観ました。やっぱり、オチがわかってても怖いですよね、本作。いや、オチというよりかはそこに至るまでの行程こそが恐怖の真髄というか。ズバリ本作が恐ろしいのって「意味不明なシチュエーション」に尽きると思います。普通だいたいの映画って理屈とか目的とか理由とか、観客への説明があってこそ成り立っているものだと思うけど、本作にはそう言った観客に対する解説の核が存在せず、何故主人公グループが襲われているのか、何故殺されなくてはいけないのか、レザーフェイスたちが何者で一体何がしたいのか等のバックヤードに全くもってスポットが照らされないですよね。背景を一切語らず、ただ延々と殺されいたぶられていく主人公たちを直視しなくてはいけない、文字通りの不条理さ。「ただの変態一家だろ!!」というイージーな感想にはとても収められないほどの鬼畜さが詰まった映画だ。敢えて理屈っぽくしないことで返って現実味を帯びた恐怖が強まっているような気もする。「ありそうだよね、この事件」って思わせる説得量が凄い。今でこそ不条理な恐怖を描いたホラーは多いけど、不条理とは名ばかりの単純に中身のない虚空みたいな安売り作品も散見します。恐らく、形はどうであれそれらの全てのルーツは本作にあるんじゃないかと。そう思うと、本作の一種のホラーバイブル的な質の高さが伝わってくるし、本作公開当時はショッキングだったんだろうな〜。

Jing-Fu
Jing-Fu

チェーンソーを振り回すレザーフェイスに追跡される鬼ごっこは、派手ではないものの緊迫感を煽られ、窓をぶち破って2階から落下するスタント・アクションも痛々しいです。

 

ネタバレ②:どこにいても居心地が悪い

チェーンソーというこれまたスラッシャーホラーのマストアイテムがレザーフェイスの得物として登場する割には、実は本作ってそこまで痛覚を刺激するグロテスクなシーンがないんですよね。もちろんレザーフェイス一家がやってることはエゲツないことばかりだけど、「グロすぎて目を背けたくなる」ようなシーンはよほどない気がする。それよりも突出してるのが、前述もした「意味不明な状況」「不快感を煽る演出」。いきなり自傷行為に出てフランクリンの写真を焼くヒッチハイカーこと三男のイカれた挙動。なんとなくぎこちない雰囲気が漂うレザーフェイス一家のギクシャクした関係性。「大丈夫、大丈夫ゥ!」とニヤニヤしながらほうきでサリーを叩くというより突きまわしてエンジョイするオヤジ、生きてるか死んでるか分からずサリーの指の血をチューチュー堪能するミイラジジイ。常にハイテンションで狂った笑いと怒りが支配し、ドSまがいにこちらの恐怖を掻き立てるレザーフェイス邸、全てが意味不明で恐ろしい。後半は途切れることなく終始悲鳴と金切り声を上げ続けるサリーを眺めているのは正直精神的にキツい。ひたすら血走ったサリーの目のドアップを見せつけられるのは、下手なグロメイクよりもよっぽど気持ち悪いですね。終盤になんとかトラックの荷台に乗り込んで逃走に成功するもずっと叫び続けているサリーを観てると、もう撮影とかどうでもよくてサリー役の女優が本気で気がちがってしまったんじゃないかと思わせるほど強烈な迫力ですよね。倫理の欠片すらないね。

Jing-Fu
Jing-Fu

「お、サリー ノーブラだ〜♡」なんて鼻の下を伸ばしてる余裕なんてありませんよ・・・。

 

「不快感を煽る演出」で言えば、実は不快なのはレザーフェイス一家だけではない。意味もなく動物の死骸や骨をフレームインさせたりドアップさせたり、壁に溜まってワシャワシャするザトウ虫の黒い群れなんかはもちろん、主人公グループの車椅子兄貴のフランクリンも失礼ながら不快感強め。行動制限を強いられる車椅子という設定がもどかしさを募らせることはさておき、やたらと口数が多く、そのほとんどが相手を不安にさせる内容と語り方。ブルドッグみたいに唾を撒き散らしたり、爪の垢をほじくっていたナイフで食べ物をつついたりもして「ゲゲッ!」ってなるしね。この「絶対にお隣にいたくない感」は尋常ではない。洗車中に泡まみれになってフロントガラスの視界が不良になる光景すら気味悪く感じるし、低予算の都合上使用せざるを得なかった安価な16ミリフィルムによる画面の粗も返って味が出ているというか、どこにいても居心地を悪くさせるよう、監督に弄ばれているみたいだなぁ。

Jing-Fu
Jing-Fu

冒頭で「これは真実の物語である」な〜んてあたかも実話と思い込ませるミエミエの仕込みも、本作を観終えた直後であればあまりの狂気っぷりに「その通りなんか!」と錯覚してしまいそうです。こわ〜。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
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そもそも何が「悪魔のいけにえ」なのか、訳のわからない邦題すらも怖いですね。

 

鑑定結果:ダイヤモンド映画(☆7)

 

■最後に

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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