【ネタバレ/感想/考察】『クワイエット・プレイス』の鑑定【モンスターの特徴は?】

ホラー
(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

 

Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『クワイエット・プレイス』です。

聴覚が優れた謎のモンスターによって人類が蹂躙され、荒廃しかけている世界を舞台に、息を殺して生活をする一つの家族のサバイバル劇と、謎のモンスターの恐ろしさを描く新感覚のホラー作品。

音を発することができないという制約は、想像以上の緊迫感を生み出しています。

そんな『クワイエット・プレイス』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

ポップコーンを食べながら、安心して観ることができない・・・!?

 

■『クワイエット・プレイス』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

映画『クワイエット・プレイス』本予告

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■あらすじ

2020年、突如として出現した謎のモンスターによって人類は蹂躙され、世界中の人々が次々に殺されていった。なんとか生き残ったアメリカのアボット一家はモンスターに視覚がなく、優れた聴覚があることを学び、息を殺して音を立てることなく毎日の生活を送っていた。モンスターが現れてから89日目、大黒柱のリー(ジョン・クラシンスキー)とその妻イブリン(エミリー・ブラント)は、生まれつき聴覚障害を持つ娘のリーガン(ミリセント・シモンズ)と臆病な性格の息子のマーカス(ノア・ジュープ)そして幼い末っ子のボー(ケイド・ウッドワード)を連れて街へ物資の調達にきていた。しかしボーが密かに持ち帰ったおもちゃが電子音を立ててしまい・・・。

 

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■原題:A Quiet Place

■発掘国/制作年:アメリカ(2018)

■上映時間:90分

■キャッチコピー:音を立てたら、即死。

■監督:ジョン・クラシンスキー

■主要キャスト

イヴリン:エミリー・ブラント

リー:ジョン・クラシンスキー

リーガン:ミリセント・シモンズ

マーカス:ノア・ジュープ

ボー:ケイド・ウッドワード

 

■『クワイエット・プレイス』のネタバレ感想と考察

 

①音が出せない恐怖

②モンスターの弱点は?

③言葉のない家族愛

④日本がらみ

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:音が出せない恐怖

 

何があっても音は出せない、強烈な緊張感!
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「音を立てたら、即死」という地味に恐ろしいキャッチコピーがつけられた本作。ほんのちょびっとでも音を出そうもんなら、殺る気MAXの地獄耳モンスターが駆けつけ、問答無用でゲームオーバーにさせられてしまう。基本的に音という音を発することができないため、口を開いて話すこともできなし、スピーカーで音楽を聞くなど論外。これじゃあ気を抜いてブブ〜っと屁もこけない(すかしっ屁にしないと・・・)、困ったもんだ! じゃあどうすれば良いのか。答えは簡単、音を出さなければいいのである。外に出るときは砂を撒いた道の上を裸足で歩き、食事をする時は素手で食器は使わない。極端な話、モンスターには目に当たる器官がないので、目の前でヒゲダンスをして煽っても音が出ていなければそれでいいんだ・・・。とまあ冗談はさておき、「音を出すことができない」という独特の縛りが強い中で、主人公ら家族がいかにしてモンスターに気付かれずに生活を営むのか、隠密のサバイバル劇が本作最大の見所になっています。

音を立てられないという設定自体はホラージャンルにとって特段珍しいというわけではなく、盲目ジジイの恐怖を描いた『ドント・ブリーズ』、はたまた聴覚を頼りに襲いかかってくるゾンビのクリッカーが登場するゲームの『The Last of Us』など、似たような雰囲気のエンタメ作品はいくらでもある。しかし本作では人間が主体となって物語が進んでいくにも関わらず「セリフが極端に少ない」という独自の特徴があり、これが他にはない緊張感を生むことに成功している。主人公家族の意思伝達は基本的に「手話」と「ジェスチャー」。ヒソヒソ話すらできない様子が、いかにこの世界がデンジャラスな環境にあるかがダイレクトに伝わり、観ていて思わず体がこわばる。その結果、主人公たちへの感情移入も強くなり、鑑賞中にこちらもちょっとした音を出せないという本能が働いてしまい、劇中で張り詰める緊張の糸とビックリ系の脅かし演出が、心臓にもたらす負担を何十倍にもデカしている。つまり本作は「外部の音が遮断されている」、「映画の音が究極に響く」、「観客が集中して鑑賞ができる」の環境全てが網羅されている映画館での鑑賞を前提として製作されているというか、映画館で観てこそ、その真価を発揮する作品になってるんですね〜。逆にその環境を再現することが難しい自宅での鑑賞は、場合によっては本作の魅力を大きく落としかねないことに・・・。

Jing-Fu
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この映画観ながら、ポリポリとポップコーンは食べられませんよ・・・

 

ネタバレ②:モンスターの弱点は?

 

デビルイヤーも泣かせるほどの地獄耳。

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本作に登場するモンスターには、これといった名称が存在しない。劇中には「メキシコに隕石が落下」という新聞記事が登場するので、隕石に張り付いて落ちてきた宇宙生物なのではないかと。こいつらは視覚を持ち合わせていないものの、頭部全てが貪欲に音を吸収する聴覚アンテナになっており、この地獄耳が最大の武器でもあり弱点でもある。全身が装甲車並みに硬いので銃が効かず、聴覚アンテナの柔らかい部分をダイレクトに打ち抜くことはできるみたいだけど、銃声が響こうものなら他のモンスターが寄ってくる、『エイリアン』みたいに厄介な防衛システムだ。とにかくウルセーと機嫌が悪くなり、良心の呵責とか関係なく騒音対象に、『バイオハザード』のハンターの首狩りを再現するかのような鋭利な鎌腕を振るって一撃必殺するほど凶暴。襲った人間をただ殺しているだけなのか、その肉を餌にしているかは不明だけど、冒頭で展開するストーリーは「89日目」と設定されており、つまりこれはモンスターが出現してから経過した日数を表していて、たったの3ヶ月で人類をほとんど駆逐してしまうほど恐ろしい存在だとを示唆しているんですね。モンスターが近づいていて息を殺している中で、モンスターが壁や床に前脚を突き立てる音の響きが、彼らの姿が見えずとも恐ろしい恐怖演出として上手く作用していた。

真っ黒な全身と丸い頭部、大きく裂けた口はどことなく『ヴェノム』を彷彿とさせる。デカすぎる耳の穴のグロテスクな気持ち悪さは良かったけど、デザインとしては可もなく不可もなくというか、いざ登場した時のインパクトがやけにあっさりしていた感じ。あと、彼らの弱点とその見せ方もちょっと微妙。前述した通りこのモンスターはその鋭敏な聴覚が弱点になりかねず、中盤から「超高音」が致命傷になることが、ラストに向けての伏線になっていた。もっと正確にいうとこれは伏線ではなく、ただのネタばらし。まさかこんなにも早く弱点が明かされるとは思わなかった。もうちょっと種明かしにヒネリを入れて引っ張ってくれないと、観客としてはオチが分かってしまったのでダレかねない。あとこの撃退方法自体もなんとも呆気なく、補聴器から発せられた超高音にて判明した偶然の産物とはいえ、「やっとこさ分かったぞ!」とするには、素人でもすぐに思いつきそうなアイデアで少々弱い。要するにマライア・キャリーみたいな歌手を連れてきて歌ってもらえば万事解決するというわけなのだ!

Jing-Fu
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弱点が分かったラストからこのモンスターに対する恐怖は一気に薄れてしまい、続編ではこのサスペンスの低迷をどうやって巻き返すつもりなんだろうか。

 

あと、このモンスターはより大きい音に向かうという習性もあるため、自分が発している音よりも大きい音がどこかで鳴っていれば安全を確保できる。滝とか川とか、止めどなく大きい音が鳴っている場所が安全だと、劇中でリーも言っていた。それなら、川とか滝の近くに拠点を作れば良いのでは?と大人気ないことを考えてしまった。古代の人間や原住民もそうしてたしね。でも水音がうるさいと寝れないか・・・。それに音を立てられない以上、新しく建築物を建てるのは実質不可能なのでこの考えは野暮かもね。

 

ネタバレ③:言葉のない家族愛

 

ジョン・クラシンスキーとエミリー・ブラントは本当の夫婦!

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音を出したら即死という特殊な設定下でのサバイバル劇が主題になっているかと思いきや、実は家族の物語が中々丁寧に練られていて、ただの脅かし系ホラーだと思っているとびっくりするよ。モンスターの襲撃から生き延びて、極限下で音を立てずにありとあらゆる工夫をして生活を続けるアボット一家はものすごく健気に映る。さらにはリーとイブリンの間には新たな生命が宿っていた。音を立てられない世界での生活、特に出産と子育てはあまりにもリスクが大きすぎる思うかもしれないけど、命がある以上、無謀を承知で何があろうとも生き続け、そして諦めずに次世代を生み育てていく彼らからは、人間=生物の生存本能というのが強く伝わってきます。赤ちゃんが産まれた直後の、赤ちゃんの泣き声が漏れ出ないようにするための対処法もしっかり考え抜かれていたと思う。

冒頭ではとある不注意にて末っ子の幼いボーがモンスターによって殺害されてしまい、その出来事が家族の中でシコリになっていて、どことなくぎこちない空気が流れているのも、全体的な家族のストーリーに作用している。自分のせいでボーが死んでしまったと苦悩し、父親であるリーに嫌われていると思い込むことで疎外感に苛まれるリーガン。彼女は他にも生まれつき聴覚障害を持っており、何度試しても補聴器が上手く機能しないことに苛立っているなど、多くの心の問題を抱えている。そして彼女の自己嫌悪と誤解、苛立ちを取り除こうと歩み寄るも理解を得られないリー。言葉ではなく手話によって意思疎通を試み、そして次第に歩み寄っていく姿からは、やりとりが決して円滑ではなく不自由な分、とても懸命で力強い絆がエモーショナルに浮かび上がる。リーがリーガンへの想いを全力で伝えて自ら犠牲となる最期は勇ましくも切なく、夫を失って自らが子供たちの守護者だと自覚して顔つきが変わるイブリンの佇まいは精悍だった。リー役で本作の監督も務めたジョン・クラシンスキーと、リーの妻のイブリンを演じたエミリー・ブラントは、実は実生活でも本当の夫婦。それぞれの闘い方で家族を守ろうとする夫婦の絆と愛情は、演技以上に本物の家族愛としてリアルに描かれているんですね。

単なるホラー映画にとどまらせない、ドラマチックな家族の成長物語としても見応えがありました。

Jing-Fu
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ちなみに耳が不自由という設定のリーガン役のミリセント・シモンズは、実生活でも聴覚に障害があり、手話の啓蒙活動などに取り組んでいるらしい。だからこそ彼女の手話演技は自然かつ感情豊かに映っていたんですね。

ネタバレ④:日本がらみ

日本も壊滅状態?

冒頭、リーが日々国際放送の周波数に合わせ、世界中にSOS信号を送っている様子が描かれている。472日目の今日では、リーは日本の東京の周波数に合わせるも、反応なしで確認済みのマーカーを引く。メキシコに落ちた隕石から拡散したモンスターは、どうやって海を渡ったかは知らないが、なんと島国の日本も壊滅させてしまったらしい。他に中国の上海もダメになっている情報があったので、アメリカだけでなくまさに世界中がこのモンスターの襲撃を受けているのは間違いなさそう。

 

■鑑定結果

 

Jing-Fu
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本作を自宅で鑑賞するにあたり、その真の恐怖を堪能したい人は、カーテンを閉め切り部屋を真っ暗にし、ノイズキャンセリング機能搭載のイカしたヘッドフォンを付け、スマホをどっかに仕舞い、1人か2人での鑑賞を強くオススメします!

鑑定結果:ダイヤモンド映画(☆7)

 

 

■映画『クワイエット・プレイス』はどんな人におすすめ?

 

・特殊な設定のホラーが観たい人

・モンスター系が好きな人

・家族の成長物語が観たい人

 

■最後に

続編の『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』についても鑑定しています☆

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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