みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。
今回鑑定をするのは『グーニーズ』です。
スティーブン・スピルバーグも携わっている、幼い少年たちが、伝説の海賊が残したとされる財宝を求める大冒険を描くアドベンチャー映画の名作。
子供が観ても大人が観ても楽しい、世代を超えて愛され続ける作品です。
そんな『グーニーズ』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。
子役だったキャストたちのその後も紹介します!
目次
■『グーニーズ』のあらすじと基本情報
まずは予告編をどうぞ☆
(C) 1985 Warner Bros. Entertainment Inc . All rights reserved.
■あらすじ
アメリカのオレゴン州アストリアの田舎町グーンドックス。意地悪な資産家が高台の土地をゴルフ場にするために買い占めようとしており、そこに住む住民は半ば強引な立退を迫られていた。明日の立退を前に、ウォルシュ家のマイキー(ショーン・アスティン)と兄のブランド(ジョシュ・ブローリン)が憂鬱な気分になっている中、仲良し親友グループ「グーニーズ」のマウス(コリー・フェルドマン)、データ(キー・ホイ・クアン)、チャンク(ジェフ・コーエン)が自宅を訪ねてくる。そんな折、屋根裏へと上がった5人は偶然、伝説の海賊「片目のウィリー」が隠したとされる宝の場所を示した地図を見つけるが・・・。
(C) 1985 Warner Bros. Entertainment Inc . All rights reserved.
■原題:The Goonies
■発掘国/制作年:アメリカ(1985)
■上映時間:114分
■キャッチコピー:スピルバーグアドベンチャーは夢と驚きのスペクタクル! 莫大な財宝の謎を追って いま《86年=冒険時代》の幕があく!!
■監督:リチャード・ドナー
■製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ
■脚本:クリス・コロンバス
■主要キャスト
マイキー:ショーン・アスティン
ブランド:ジョシュ・ブローリン
マウス:コリー・フェルドマン
データ:キー・ホイ・クァン
チャンク:ジェフ・コーエン
アンディ:ケリー・グリーン
ステフ:マーサ・プリンプトン
フラッテリー・ママ:アン・ラムジー
ジェイク:ロバート・ダヴィ
フランシス:ジョー・パントリアーノ
スロース:ジョン・マトゥザック
■『グーニーズ』のネタバレ感想と考察
それでは鑑定していきましょう!
ネタバレ①:少年たちの、希望とロマンが詰まった冒険
(C) 1985 Warner Bros. Entertainment Inc . All rights reserved.
本作は少年たちが中心となってアクションを起こし、ひとときの経験を経て大人へと近づく様子が描かれる、いわゆるジュブナイル映画の一つ。少年たちの夏休みをシリアスな現実問題も交えて描いた名作の『スタンド・バイ・ミー』、本格的なホラーながらもジュブナイルとしても長けていた『イット』などとは異なり、徹底して娯楽性に富んだアドベンチャー作品になっているのが大きな特徴です。少年たちのティーンネイジ前特有のおちゃらけ具合、みなぎるロマンを求め、危険を乗り越えて成長していくグーニーズのメンバーたちを観ているのは何とも微笑ましい。仲間との友情やちょっとした甘酸っぱい恋愛を交えているのも素敵だし、特段人が死ぬこともなく、女ボスと息子2人の悪役トリオはタツノコアニメ感溢れるデコボコっぷりで、子供でも安心して眺めることができる。この雰囲気は映画版の『ドラえもん』に近いね。
『スタンド・バイ・ミー』や『イット』が、子供時代を主要人物の過去の回想として描いていたのに対し、本作は基本的にグーニーズの子供時代がリアルタイムとして物語が進んでいく。回想系のジュブナイル作品は、大人になってから観ることでより楽しみの真価を発揮するのが醍醐味だけど、本作は子供の目線に立ったストーリー進行のため、同世代の子供が観ていても楽しめるし、もちろん大人たちにもジュブナイルとしての味が機能するようになっていて、これこそが未だに、本作がシリーズ化されていないのにも関わらず、世代を超えて語り継がれている理由だと思う。アドベンチャー×ジュブナイルとしては、恐らく本作の右に出る作品はこの世に存在しない。
キレの良いアクション描写は、過去に『スーパーマン』、後に『リーサル・ウェポン』シリーズを手がけることになるリチャード・ドナー監督の手腕。そして脚本に『ホーム・アローン』や『ハリー・ポッターと賢者の石』のクリス・コロンバス、おまけに製作総指揮にはスティーブン・スピルバーグ大先生とフランク・マーシャル、キャスリーン・ケネディまでが名を連ねている。
まさに「子供の視点に立つことができる映画」を構築できるエキスパートが集結してるんですね!
「強欲な資産家に自分たちが住む土地を奪われそうになり、両親たちの懐にも限界があるので、屋根裏で見つけた宝の地図を頼りに海賊の秘宝を見つけてお金に変えて、自分たちの暮らしを守ろう!」という、グーニーズが掲げる目的は非現実的と言うか、はっきり言って青臭いです。でも、この「子供の考えそうなこと」感がいいんだよね〜。子供なんだから、ひたむきにナンセンスなロマンに夢中になってもいいじゃない。「海賊の財宝」という一見するとおとぎ話に過ぎないコンテンツを、不自然でない範囲でストーリーに絡める脚本術も素晴らしい。
日本で例えるなら、裏山の徳川の埋蔵金を探しに行くようなもんだ。
ネタバレ②:スリルとワクワクのトラップ群
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海賊ウィリーの財宝へと続く長い洞窟には、生前に海賊たちが仕掛けた罠で溢れている。水道管の通路、岩の重りが落下する通路、落とし穴、ピアノ試練、ウォータースライダーなど、グーニーズが直面する危機やトラップの数々はいずれもかなりスリリング。死と隣り合わせの危険なトラップを、アドレナリンが発生するほどのシリアス寄りにしているわけではなく、あくまでも対象を子供とし、スリルとエンタメを意識して絶妙にマイルドに仕上げているあたりがクリス・コロンバスやスピルバーグらしい。男子という生き物は何歳になってもこういうトラップを観るのが大好きだからね、アガらない訳が無い。しかもただ単に罠が作動するのではなく、その罠の裏で動いている理屈的なギミックを映しているのも、まるでピタゴラスイッチを観ているかのような感覚になって男心をくすぐる。
バラエティに富んだトラップのアイデアには、少なからず『インディ・ジョーンズ』シリーズで経験値を得たスピルバーグが貢献していることでしょう。
ネタバレ③:個性的なグーニーズのメンバーたち
■グーニーズ
グーニーズの名の由来は、舞台となる町の名「グーンドックス(いも波止場)」と、「goonie(まぬけな連中)」を合わせたもの!
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・マイキー
物語の主人公。幼い頃から父親に聞かされていた海賊話からバリバリに影響を受けており、グーニーズのメンバーに宝探しを提案する発起人。ママにキスされた頬を拭うほど、成長期に絶賛突入中なのが分かる。中々プライドが高く、そのこともあって兄のブランドと衝突する機会も少なくないけど、実は兄ちゃんのことが大好きなツンデレ具合が可愛い。冒頭から度々喘息用の吸入器を吸うシーンがあるけど、冒険を終えたラストでは「もうこんなのいらへん」と吸入器を投げ捨てている。これはいわゆる「大人へのメタファー」で、冒険の中で様々なことを経験したマイキーが「子供」を脱却し、大人へと一歩近づいたことを意味してるんですね。
演じるショーン・アスティンは本作で本格俳優デビューを果たし、後に主人公のフロドを支える相棒サムを演じた『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでの漢の演技には全世界が涙した。ちなみに本作のソフト版でマイキーの吹き替えを務めた超人気声優の浪川大輔氏は、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのフロドの吹き替えも担当しているという、どうでもいいトリビアがある。ゴラムから「バカだよ!デブのホビット!」と言われていた通り、チャンク役のジェフ・コーエンではなく、大人になったらこちらがデブってしまった。
・マウス
グーニーズきってのお調子者であり悪ガキ。マウスというあだ名が表す通り、大人も顔負けするほどよく舌が回る。場の空気を読まず平気でブラックな冗談をこいたり、チャンクいじりが大好きだったりするけど、メンバーのムードメーカー的存在でもあって憎めない奴。友達にこういうのがいたら絶対楽しいよ。学校でスペイン語を習っていてペラペラなことが自慢で、特にロザリータに対する「怠けたらゴキブリと一緒に閉じ込める〜」のくだりがバカバカしすぎて抱腹絶倒。それだけでなく、劇中には海賊の地図に書かれたスペイン語を解読して先を導く場面が何回もあり、役割としてちゃんと物語に活かされている。
演じるコリー・フェルドマンは『グレムリン』や『スタンド・バイ・ミー』など、80年代の映画ではよく目にするほどの名子役だった。その後は薬物中毒に陥ったこともあってキャリアが低迷したけど、今では持ち直し、最近だと『シャークネード エクストリーム・ミッション』なんかにも出演している。
・データ
007に憧れる中国系の少年で、マイキー家の横の家に住んでいるお隣さん(ブランドに自転車を奪われる女の子はデータの妹)。発明オタクでいくつもの発明品を開発しており、まるでドン・クリークのように全身にあらゆる発明品を仕込んでいるのが特徴。それらがしっかり機能するかはさておき、バラエティ豊かなアイテムの持ち主であるが故に、劇中では何かと見せ場が多い。しかも本作のキャラクターで唯一、スネ夫よろしく専用のテーマ曲まで用意されているほどの高待遇!
演じるキー・ホイ・クアンはなんと言っても『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』のショーティ役があまりにも有名で、同作でスピルバーグに見染められて本作への参加が実現したと思われる。当時は日本でもファンクラブができるほど大人気だったらしい。その後は俳優活動よりも制作スタッフとして裏方での仕事が多くなり、ジェット・リーの『ザ・ワン』や『X-メン』にも携わっている。
管理人は6歳の頃に初めて本作を観たんだけど、一番思い入れがあるというか、大好きなキャラクターがデータだった。やっぱりオールタイムベストである『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』にキーが出演していたこともあるんだけど、同じアジア人ということで自然と親近感が湧いていたんだと思う。当時のハリウッド映画における同ジャンルに作品では、大体このポジションには黒人がセッティングされることが多い中で、アジア人が選ばれたのはかなり貴重。しかもデータというキャラクターがアジア人として揶揄されることもなく(発明が趣味のアジア人というのには、少なからず当時のアメリカ人の、バブル技術で世界を圧巻していた日本人に対するイメージが見え隠れしないこともないけど)、主要メンバーとしてマイキーたちと同等の扱いを受けている。むしろ都度発明品で窮地を脱する見せ場と専用テーマ曲が与えられていることもあって印象はかなり強い。スピルバーグがキーのことをちゃんと「俳優」として意識していることが分かる。『燃えよドラゴン』で大成功を果たしたブルース・リーがすでに逝去し、ジャッキー・チェンですら当時はハリウッド進出に3回も失敗していた状況で、子役ながらもハリウッドの大作で2作続けて注目される役柄を与えられ、しっかりとそれに応えたキーは、まさにハリウッドにおけるアジア人先駆者の1人だったと言えますね。
・チャンク
・ブランド
マイキーの兄で、額に巻いた赤いバンダナがトレードマークの筋トレバカ。年上ということもあり、グーニーズ全体の兄貴的存在としてメンバーをまとめる。強気な性格で、マイキーも含めて結構強い当たりを見せるけど、彼なりに喘息のマイキーを心配していて、なんだかんだでマイキーが大好き、かっこいい兄ちゃんだ。運転免許試験に落ちているらしく運転のスキルは疑わしいが、補助輪付きの自転車を疾走させる姿が滑稽。アンディに心を寄せていて分かりやすくデレる。
・アンディ
可愛さ弾ける明るいチアリーダー。成り行きで海賊の宝探しに同行し、その過程でブランドとは両思いに成長する。老後の体型を気にしている。暗闇でブランドと間違えてマイキーにキスしてしまい、骨抜きにするほど男への道を開かせてしまった張本人。幼少期にピアノを習っていた設定があって、ピアノのトラップ部屋では周囲からのウルセー野次とプレッシャーに耐えてトラップを解除した。よく頑張った! ただ、「ピアノを習っていた」事実は唐突に判明するため味気がなく、せっかくなら冒頭からそのスキルを匂わせて伏線として機能させてほしかったかな。
・ステフ
・フラッテリー・ママ
・ジェイク・フラッテリー
・フランシス・フラッテリー
・スロース
小ネタ/トリビア
・インディ・ジョーンズ?
冒頭、フラッテリー一家のジェイクが脱獄するシーンで、彼が被っている帽子には見覚えが・・・。そう、これは『インディ・ジョーンズ』シリーズでインディのトレードマークであるフェドーラ帽で、なんとハリソン・フォードが被っていたモノホンを拝借したらしい。冒険が物語のテーマになっているし、スピルバーグ、キー・ホイ・クアンも参加しているし、意外に『インディ・ジョーンズ』との接点が多い。
・グレムリン?
チャンクが町の保安官にフラッテリー一家の通報をする際、「またいたずら電話だろ」と呆れられるが、その会話の中で「過去に水をかけるとどんどん増える小さな悪魔の話もしてたよな」というセリフがある。これは完全に『グレムリン』ネタで、同作でも製作総指揮を務めていたスピルバーグ繋がりがあったからこそのパロディです。
・スーパーマン?
終盤、スロースが海賊船の甲板で着ている服を引きちぎり、胸に大きな「S」がついたTシャツをあらわにする。「スロースのS!」と言っているけど、「胸にSマーク」といい、その時のBGMも完全に『スーパーマン』。これは本作の監督であるリチャード・ドナーが『スーパーマン』の監督も務めていたから実現したお遊び。ちなみにドナー監督はラストにビーチに駆けつけて「見ろ、グーパーズだ!」と間違える保安官役として顔出しをしている。
・タコとは??
冒険が終わった後、ビーチでメディアからの取材責めにあうグーニーズのメンバー。その途中、データが唐突に「巨大なタコに襲われた、恐ろしいタコだったね」と発言するんだけど、観ている観客からすればそこで「???」となる。タコなんてどこに登場していたんだ? 実はこのタコは本編に登場していないものの未公開シーンで姿を表しており、ウォータースライダーを経て海賊船に向かっていくグーニーズに脚を伸ばして襲いかかっていたのだ。ここではデータが活躍し、タコの口である「タコとんび」にラジカセを投入、ポップな音楽でタコをノリノリにさせて撃退するという珍シーンになっていました 。ソフトの特典映像で観ることができるので、興味がある人はぜひ!
・シンディ・ローパーとは?
マイキーたちが家を飛び出す直前のシーンで、TV画面に陽気な歌を歌う女性歌手のアップが映り、その曲がそのまま映画のBGMとして流れている。彼女はシンディ・ローパーという実在する歌手で、日本でも知名度があるかなり著名な存在。ここで流れているのは彼女が本作のテーマ曲として提供した『The Goonies ‘R’ Good Enough(グーニーズはグッド・イナフ)』。実はソフトの特典映像にはこの曲のMVが収録されており、彼女が家の壁に空いていた穴を見つけ、中に入って『グーニーズ』と同じような冒険をするというもの。MVの中にはグーニーズメンバーがゲスト出演していたり、なんとスピルバーグまでも顔を出している。
・本物の家族?
冒険を終えてビーチで発見されたグーニーズの元に、それぞれの家族が迎えにくるエンディングシーン。実はマイキーの両親以外は、子供たちの本当の家族がキャスティングされてるんです! それを踏まえると、彼らが笑いながら抱擁し合う姿は演技ではなく、素の家族の光景であることが伝わってより温かいシーンに変化する。特にキーの家族の熱い抱擁とキスが印象的。
■鑑定結果
管理人にとっては6歳からの付き合いの映画で、もう何回観たか分からないけど何回見てもやっぱりワクワクする。大人になった今では子供の頃とは別角度で楽しむことができ、そういう意味でもこれからのチビッコたちにもドンドン観て欲しい名作です!
■映画『グーニーズ』はどんな人におすすめ?
・子供たちの夢とロマンが詰まったアドベンチャーが好きな人
・ジュブナイル作品に興味がある人
・スピルバーグやクリス・コロンバスが携わった作品が好きな人
■最後に
本作の製作総指揮、スティーブン・スピルバーグが監督をした作品がこちら☆
『E.T』
データ役のキー・ホイ・クアンが出演している『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』の鑑定がこちら☆
それでは今回の鑑定はここまで。
またお会いしましょう!
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