(C)47 DOWN LTD 2016, ALL RIGHTS RESERVED
みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。
今回鑑定をするのは『海底47m』です。
早速ですが皆さん、スキューバーダイビングの経験はありますか?
管理人は大学生のころにハワイに短期留学をした際、ダイヤモンドヘッドの沖合で初めて体験をしてます。
ライセンスがなくても大丈夫なコースだったんだけど、9年間水泳をやっていて泳ぎには自信があったし、貴重な体験だということで友人と参加をしたのですが、先生(レイリーって名前だった、確か)の自宅の浅くてきったないプールで数分練習をした後、いきなり沖に出て水深30メートルまで潜らされたもんだから、今思うとかなり危険な行為だったんだと感じてガクブル。
これは水深7メートルくらいかな?
一見ダイビングを堪能しているように見えるが、実は耳抜きしても耐えられないほどの圧に限界を感じていてパニック状態。
とっさに「耳に異常!」のジェスチャーを出したんだけど、テンパりすぎて「マハロ~」のサインに・・・。
それを見ていた先生がこちらにカメラを向けて撮ったのがこの写真(苦笑
もう諦めて、海底まで気合で頑張りましたよ・・・。
海底では間近でこんな素敵な出会いもあったので良かったですけどね・・・。
話が脱線しましたが、とにかく今回鑑定をする『海底47m』は、ダイビング経験者であればリアルな恐怖を体感できるかと。
続編の『海底47m 古代マヤの死の迷宮』の日本公開が今週に迫っていることもあり、ぜひ本日も鑑定にお付き合いいただければと思います。
■作品情報
・基本情報
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■原題:47 Meters Down
■発掘国/制作年:イギリス(2017)
■キャッチコピー
戦慄の深海パニックスリラー解禁!
・監督、キャスト
■監督:ヨハネス・ロバーツ
■主要キャスト
ケイト:クレア・ホルト
リサ:マンディー・ムーア
テイラー船長:マシュー・モディーン
ハビエル:クリス・J・ジョンソン
ルイス:ヤニ・ゲルマン
ベンジャミン:サンティアゴ・セグーラ
・あらすじ
姉妹でメキシコに旅行に来ていたケイト(クレア・ホルト)とリサ(マンディ・ムーア)。
しかしリサは旅行の前に彼氏のステュに振られており、ひどく落ち込んだ様子を見せていた。
なんとか彼女を元気づけようとするケイトは、街で知り合ったルイス(ヤニ・ゲルマン)とベンジャミン(サンティアゴ・セグーラ)から、檻に入って海中のサメを眺める「ケージダイビング」の話を聞き、リサに一緒にやろうと提案をする。
いまいち気の乗らないリサであったが、退屈な女じゃないことを証明しようと言うケイトに背中を押されてしぶしぶ海へ向かうことに。
ケイトたちはルイスらの友人のテイラー船長(マシュー・モディーン)の小型船に乗って沖に出る。
ルイスとベンジャミンがケージダイビングを楽しんだ後、姉妹もケージに入って海中で間近に見るサメの迫力に興奮していたが、突如ケージのワイヤーが切れ、ケイトとリサを入れたケージは一気に海底へと沈んでいき・・・。
■ざくっと感想
本作の鑑定結果は、、、
海中のサメを間近で見るスリル満点のケージダイビングを楽しんでいた姉妹が、不慮の事故で海底47メートルへと落下。
薄暗く不気味な海底で窒息攻め 閉鎖攻め サメ攻めの迷惑すぎるオプションに苦しめられる姉妹を描いたパニックムービー。
『海底47m』という邦題がどことなくダサいような気もするが、原題も『47 Meters Down』なのであながち間違いでもなく、カタカナで「47メートルダウン」と表記するよりかはマシなのかもしれない。
サメ映画と分類されていて、もちろんデカくて恐ろしいサメが襲い掛かるシーンもあるのだが、サメによる豪快な人喰いシーンを期待していると肩透かしを食らうかも。
それでも、海底という不自由な状況でのパニックを描いたシチュエーションスリラーとしては、シンプルに怖かった。
以下、ネタバレありの感想と考察になります。
作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!
■感想と考察
・海底の圧迫感ある恐怖
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言葉の分からない異国の地、錆び付いた船とケージ。
安全性がお墨付きとは言えない状況でのケージダイビングというアクティビティに現実味があるため、より多くの人が肌で感じやすい恐怖を味わうことができる。
実際に海底47mでの姉妹のパニック劇にはそれなりのスリルがあり、光の届かない薄暗い海底で空気が底を付きそうになる焦燥感と人喰いサメに包囲された気の休まらない恐怖は、考えただけでも身の毛がよだつ。
全身を水に包まれた海底特有の孤立感、ケージに閉じ込められて身動きの取れない閉鎖感、47m地点よりももっと下の海底が見えない中を泳がなくてはいけないという先天的な恐ろしさ、視界の効かない闇の中にサメ以外にも得体のしれない何かがいるかもしれないという本能的な不安。
ダイビング経験者はもちろんのこと、閉所恐怖症、海洋恐怖症、パニック症候群の人が鑑賞するにあたっては非常に圧迫感を感じる作品である。
登場人物が最小限に抑えられていることもあり、意外にもサメによる人喰いシーンはほとんどないようなもので、サメ先生の喰いっぷりを目当てにスタンバイしていると消化不良になるかも。
でも薄暗い水の奥にサメがいるかもしれないという自然界の恐怖の存在という圧力は普通に怖い。
意図的に視界の悪い水中の先を映しておき、「あ、これはいきなりサメが飛び出してくるな」と匂わせておいて何度もはぐらかす中で、急にサメ先生が「こんにちは!」をしてくるのも堅実なサスペンスだ。
発煙筒で周囲を照らした途端、実は大口を開けたサメたちがこちらを取り囲んでいたと分かれば、嫌でもおしっこちびっちゃうよ。
サメ先生のガブガブの噛みつきぶりの他にも、水中銃で手の平が裂けたり、ケージの下敷きになった脚を無理やり引きずりだして皮がえぐれたりと、痛々しい描写が素直に痛い。
助かったと思わせておいてもっと状況が悪くなるような窮地に一気に陥るシーンも少なくなく、監督の嫌らしい性格を観ているかのような「天国から地獄へ」っぷりだった。
管理人がダイビングで体験した海底30mでも相当きつかったのに、それよりも17mも下に落ちるとなると想像もしたくないね。
劇中の姉妹は顔全体を覆うマスクを使用しているからまだいいかもしれないけど、これが口にくわえるだけのレギュレーターだったらもっと地獄になっていただろう。
余談だけど、口呼吸のみのレギュレーターって、途中から死ぬほど口内と喉の奥がカッピカピに乾くんだよね。
でも何かを飲める状況でもないし、無理に唾を飲み込めばむせて水を飲み込みそうになるという、今考えると水深25mあたりでむせかけた時には一瞬死を感じたもんな・・・。
ダイビング未経験の人は、ちゃんとライセンス取ってから楽しむようにしましょうね。
・救いのない結末
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彼氏にフラれて落ち込んでいたリサを元気づけようとケイトが誘ったケージダイブで起きた惨劇。
ケイトはただ落ち込む姉を放っておけなかっただけなのに、それが裏目にでてしまった。
くそー、悪いのは全部元カレのステュなのに。
だけど物語を通して描かれる姉妹劇がなんとも味気ないものだった。
ダイビングをやったことがないくせに「経験がある」と嘘をついていた割には、2人とも海底でそこそこ手際よくマスク外しやボンベ交換を行うため、未経験というハンデがあまり活かされておらず、期待していたほどのサスペンスは得られていなかった。
落ち込んでいたリサが勇気を出して立ち上がり姉を救いにいくという流れも何か意味合いがありそうだが、冷静に考えるとストーリーのテーマとして位置付けるには軽くて質素、結局は特に何も生まれてない。
最終的にはサメに襲われたケイトが重傷を負い、もう潜水病とか気にしてられないと海面に急浮上。
ボートに上がろうとするも何度もサメから追撃を受ける最後のあがきは、絶妙な歯がゆさでラストのスリルを盛り上げていたと思う。
がしかし、観客が観ていた姉妹のボートへの生還劇は、途中から海底のケージの中で窒素酔いを起こしたリサの幻覚であったことが判明する中々パンチの効いたオチ。
窒素でラリってしまったリサが1人海底で笑っている画には思わず体が固まる。
「窒素酔い」と「幻覚」というワードは劇中で登場していたため、ほんのりとラストは読めていたような気はするが、それでもいざ映像で見せつけられるとぞっとした。
その後、ラリったまま沿岸警備隊に救出されるリサだが、サメに襲われて姿を消したケイトがどうなったかは明確に語られることはない。
まああんな喰らいつき方をされて生き残っているというのがおかしい話だから、つまりは死んだんでしょうね~。
後味の悪い映画や、コレ・・・。
くそー、悪いのは全部元カレのステュやないか・・・。
■日本がらみ
■鑑定結果
あまりサメサメしていないような気もするけど、人間の本能的恐怖をつつくかのような海底のスリルは他では味わえない代物。
後味が悪い映画を探している人にもお勧めができる。
となります!!
それでは今回の鑑定はここまで。
またお会いしましょう!
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