【ネタバレ/感想】『バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』の鑑定【ラストは? 小ネタは?】

ホラー
© 2021 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

 

Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

今回鑑定をするのは『バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』です。

日本が誇るカプコンの人気ゲームシリーズ『バイオハザード』の、実写リブート作品です。

原作の1と2のエピソードを基に、ゾンビやクリーチャーに追い詰められていく主人公たちをサバイバルホラー要素強めに描いており、ミラ・ジョヴォヴィッチ版の作品とは趣が異なります。

そんな『バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

ゲームの小ネタが盛りだくさん!?

 

■『バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』予告1

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■あらすじ

アメリカの中西部に位置するラクーンシティは、かつて大手製薬会社であるアンブレラ社の本拠地として栄えていたが、アンブレラの事業失敗に伴う撤退で衰退し、今では会社の従業員と貧乏人のみが取り残されている状態であった。この町の出身であるクレア・レッドフィールド(カヤ・スコデラリオ)は、アンブレラの陰謀情報を兄のクリス(ロビー・アメル)に伝えるためにラクーンシティを訪れるのだが・・・。

 

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■原題:Resident Evil: Welcome to Raccoon City

■発掘国/制作年:アメリカ(2021)

■上映時間:107分

■キャッチコピー:「絶望」はこの街で産声を上げる。

■監督:ヨハネス・ロバーツ

■主要キャスト

クレア・レッドフィールド:カヤ・スコデラリオ

クリス・レッドフィールド:ロビー・アメル

ジル・バレンタイン:ハナ・ジョン=カーメン

レオン・S・ケネディ:アヴァン・ジョーギア

アルバート・ウェスカー:トム・ホッパー

 

■『バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』のネタバレ感想と考察

①バイオの雰囲気を徹底的に遵守

②散りばめられた原作の小ネタ

③もう一息、惜しいところも

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:バイオの雰囲気を徹底的に遵守

前評判がパックリ割れていたので期待しながらもハードル低めに設定して鑑賞したんですけど、これはこれであり! 恐れながらナンバリングも含め、シリーズは一通りプレイしているバイオプレイヤー、ゲーム勢からするとニヤニヤできるネタがたっぷりと詰まってましたね。ミラ・ジョヴォヴィッチ版の『バイオハザード』シリーズが、『バイオハザード』であることを忘れてポール監督が自分の嫁(ミラのこと)を自慢するだけの映画」に成り下がって爆死していたことと比較しても、かなり「バイオ愛」を感じる作品です。

本作のキモはズバリ、「雰囲気」ですね。初期のバイオ、そして1と2と3のリメイク作が掲げていた「そこを歩くという恐怖」を丹念に映像化し、普通に怖いサバイバルホラー作品として機能させていた雰囲気こそが、最も評価すべきポイントだと思います。ラクーンシティとアンブレラ社についての説明を必要最低限ながらも分かりやすく抑え、ラクーンシティが既に人気の寂れたゴーストタウンと化しつつある様子を冒頭に持ってくる、導入部からの不気味な煽り方が巧み。そしてゾンビが次第に街に溢れ始め、取り残された主人公らが「籠城」、あるいは閉鎖空間での「アイソレーション(孤立)」という絶望的な状況に陥るプロットが、ゾンビ映画としては古典的ながらも今までの実写版バイオにはなかったムードとして新鮮に映りました。

その真骨頂が、原作でもお馴染みの森の洋館におけるシーケンス。ここでのクリスパートでは、伝説の「振り向きゾンビ」が登場した途端、暗闇から無数のゾンビたちが這い出してきてクリスらに襲いかかるんだけど、これがとにかく怖い。先の見えない暗闇の中で頼れるのは残弾の決まったライフルと懐中電灯の光のみ、気を抜けばゾンビの波に飲み込まれるという本能的な恐怖、まさにサバイバルホラー。ここにミラ・ジョヴォヴィッチがいれば腕と脚を振り回すだけで打破できたかもしれないが、そんなことやって何が面白いのか。フィジカルコンバットを一切通用させない方向へ舵を切った結果、闇の中や背後で蠢くゾンビの映し方や演出が冴えていることもあり、バイオハザードが掲げる精神と真髄をちゃんと理解してるな〜と感心しましたね。クレアたちが警察署内を脱出する時の薄暗く狭い廊下をゾンビに追われるシーンも同じく秀逸な怖さでした。

Jing-Fu
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海底47m 古代マヤの死の迷宮を観て、監督のヨハネス・ロバーツには人の背筋に静かに液体を垂らすような恐怖演出が上手いと思ってましたけど、間違いありmせんでした!!

 

ネタバレ②:散りばめられた原作の小ネタ

要所要所にゲーム版からの小ネタやオマージュが、原作に忠実あるいはアレンジを加えて散りばめられていることにも、監督のバイオ愛を感じます。原作キャラクターたちの登場はもちろん、「かゆい、うま」というメッセージや「月光」をピアノで弾く(弾くのはなんとウェスカー)仕掛けだったり、ゲーム勢であればそれらを探すことで一粒で二度美味しく楽しめるだろうファンサービスはかなり旺盛。ラクーン孤児院から洋館へ行くエレベーターの鍵の束が「ダイヤ、クローバー、スペード、ハート」になってるのも、一瞬なので危うく見逃すとこでした笑 結構バイオ2のリメイクである『バイオハザード RE:2』からのネタが多かったことが意外。冒頭のトラック運転手のおっちゃんの下り(ハンバーガーとかおっちゃんの頼りないヴィジュアルとか)から可愛くねえ男の子の「ぬいぐるみ」だったり、監督がいかにここから影響を受けたかが伝わってきますね。

Jing-Fu
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ただ、クレアとレオンの「撃たないで!」「伏せろ!」の出会いがなくサラっと終わってしまったのはショック。これは入れるでしょ〜。

 

ゾンビ以外のクリーチャー勢も堅実で、ゾンビ犬にリッカー、そしてラスボスポジションにタイラントかと思いきやウィリアム・バーキンのG第一〜第三形態という、王道勢を下手にアレンジすることなく湿り気と腐臭が漂うグロテスクなヴィジュアルで登場させたことには拍手を送りたい。特にリサ・トレヴァーの完成度の高さは、ダメなポール監督が頑張った数少ない功績の『バイオハザード2 アポカリプス』におけるネメシスに感じた感動の再来で、設定の変更はともかく、とにかくリアルでした。

Jing-Fu
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「サメか蛇にどちらに喰われるのが嫌?」とジルが伏線を張ったのか?と思いきや、セリフに止まってネプチューンもヨーンも出てこなかったのは残念でした。

 

ネタバレ③:もう一息、惜しいところも

ここまではもの凄いバイオ愛に溢れていながら、100%染まることができておらず非常に惜しい作品。まず致命的なのが、主要キャラクターのビジュアル。これがほとんどオリジナルと程遠い。原作という長年ファンから愛されるブランドがありながら、その顔ともいうべきキャラクターたちの見た目をなぜ遵守しないのか、申し訳ないが理解しかねる。ラストを踏まえた役回り上、ウェスカーは仕方がないとしても(ウェスカーと言うより息子のジェイクに似ている。そう考えたらあながち間違いではないのか)、他のキャラが微妙。クリスは可もなく不可もなく。クレアはお下げではなくポニーテールにしてたらもっと雰囲気寄せられてただろうし、演じたカヤちゃんクールな顔立ちなのでキュート系のクレアの印象が薄く、どちらかと言えばカヤちゃんはジルの方が似合ってたと思う。ジルとレオンはオリジナルの面影がないので論外。レオンは「仕事ができない奴感」がハンパではなく、皮肉めいたジョークを言うこともなくイキる全てが裏目に出るネタ要員として観れば楽しめるか。

Jing-Fu
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キャラクターのビジュアルにおいては、やはり能無しヘタレのポール監督が頑張った『バイオハザード2 アポカリプス』シエンナ・ギロリー演じたジルがピークだったんだなぁ。

あとは上映時間が2時間未満ながら原作の1と2の要素をかなり詰め込んで1作で完結させてしまっているのが非常に勿体無い。全体的に急足になることによって各パートの見せ場が極端に短かったりやけにあっさりしすぎている。リッカーやG第三形態もビビるほど呆気なくフェードアウトしてしまうし、中身の濃さと容量が噛み合っていませんね。本作の雰囲気が個人的にドストライクだっただけに、せっかくであればシリーズ化して、各エピソードを丹念に描いて欲しかったです。あと「コードベロニカ」のトンボの羽むしり映像を持ってきたのは流石に無理があったかな。あれは原作でアレクシアとアルフレッドの内なる狂気を静かに表現した場面だったのに、孤児院の子供の実験の様子と捉えると原作が漂わせていた歪んだ雰囲気が損なわれてしまった感がありますね。
Jing-Fu
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ラストではウェスカーとエイダ・ウォンが接触するシーンがあるので、今後もシリーズ化させる予定はあるみたいです。

■鑑定結果

Jing-Fu
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実写版バイオハザードとして完璧な部分と致命傷が両立するなんとも惜しい作品ですが、原作ファンであればより楽しめるはずです。

 

鑑定結果:ダイヤモンド映画(☆7)

 

 

■最後に

ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の実写バイオハザードはこちら☆

『バイオハザード』

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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