【ネタバレ/感想/小ネタ】『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の鑑定【戦慄の恐竜サバイバル】

パニック
(C)1996 Universal City Studios, Inc. & Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

 

Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

今回鑑定をするのは『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』です。

恐竜パニックの金字塔『ジュラシック・パーク』のその後を描くシリーズ2作目。

恐竜の天下となった孤島を舞台に、再び恐竜たちに襲われる人間たちのサバイバル劇が描かれます。

ジェフ・ゴールドブラム演じる前作にも登場したマルコム博士が主役に昇格し、監督は前作から引き続きスティーヴン・スピルバーグが務めました。

そんな『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

ラストは『キング・コング』へのオマージュ?

 

■『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

金曜ロードショー2021年9月17日放送「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」

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■あらすじ

コスタリカ沖のヌブラル島で起きた、ジュラシック・パークでの事件から4年後。惨劇から生還した生存者の1人であるマルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)は、ジュラシック・パークの創始者であるハモンド(リチャード・アッテンボロー)に再度呼び出される。ハモンドはマルコム博士に、ジュラシック・パークが建設されたのはイスラ・ソルナ島のサイトAと呼ばれる場所で、実は恐竜たちの飼育を目的としたサイトBという場所があることを告げる。そこで未だに生存を続けている恐竜たちの調査団の一員に加わってほしいと頼まれたマルコム博士だったが・・・。

 

 

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■原題:The Lost World: Jurassic Park

■発掘国/制作年:アメリカ(1997)

■上映時間:129分

■キャッチコピー:そして何かが生き返った・・・

■監督:スティーヴン・スピルバーグ

■主要キャスト

イアン・マルコム:ジェフ・ゴールドブラム

サラ:ジュリアン・ムーア

ケリー:ヴァネッサ・リー・チェスター

ニック:ヴィンス・ヴォーン

エディ:リチャード・シフ

ピーター:アーリス・ハワード

ローランド:ピーター・ポスルスウェイト

ハモンド:リチャード・アッテンボロー

 

■『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』のネタバレ感想と考察

①前作よりも強まったサバイバル・パニック劇

②恐竜、文明社会に降り立つ

③スピルバーグの手腕が唸るパニックシーン

④小ネタ/トリビア

⑤日本がらみ

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:前作よりも強まったサバイバル・パニック劇

前作以上のショッキングなサバイバル劇!

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公開当時には「並行して製作されていた原作からの改変が大きすぎる」とか「前作が良すぎた」という辛辣なコメントが相次ぎ、首を横に振る批判が続出したという本作。でも管理人からすれば、言うほど悪いか? というのが正直な話。原作を読んだことがないので偉そうなことは言えないけど、天下のスピルバーグが引き続き監督をしているだけのことはあり、あくまでも映画としてはつまらないなど決してあり得ない話ではないか。それに下地は前作で出来上がっているので導入部もサクサクしているし、人工物が自然に飲まれ、恐竜たちが我が物顔で闊歩している失われた世界=ロスト・ワールドの世界観もゾクゾクするほど素晴らしい。何より嬉しいのが、前作よりも格段にサバイバル感が強まっていることだ。恐竜たちが支配する島に何人もの孤立無縁なモブ要員を上陸させることにより、前作以上に人間がバクバク喰われる阿鼻叫喚のモンスターパニック劇になっているのが嬉しい限り。人間が喰われていく様子をゲラゲラ愉快に感じる管理人のようなヒトデナシにとってはたまらないなぁ!

Jing-Fu
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管理人はむしろ前作よりも本作の方がお気に入りです。

 

そして登場する恐竜たちの種類も増え、男が喜ぶ恐竜図鑑がアップデートされているのも見どころの一つ。本シリーズのアイコンでもあるティラノサウルスとヴェロキラプトルは前作以上に暴れる規模が大きくなってスリリングアクションに貢献しているし、ステゴサウルスや頭突き専門のパキケファロサウルスといった草食恐竜による脅威を描いているのも、肉食恐竜による暴走に目が行きがちな恐竜パニック作品の隙を突いた趣だよね〜。

Jing-Fu
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小動物サイズながらも群れで獲物を仕留めるコンプソグナトゥスに、舐め腐った態度のディーター(『コンスタンティン』のサタン!)が唇を噛みちぎられそうになる様子は、観ていて何か物をぶっ壊したくなるような衝動に駆られるので注意。

ネタバレ②:恐竜、文明社会に降り立つ

ビビりすぎてエビジャンプする車 笑

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絶海の孤島で繰り広げられる恐竜サバイバルはもちろん、物語の終盤ではなんとティラノサウルスがアメリカのカリフォルニア州サンディエゴに降り立つという激アツな展開が用意されており、平和ボケした人間たちで溢れかえる街を恐竜が破壊していくという男子の夢を見事なまでに映像化している、ご近所さんが寝静まった夜の住宅街に侵入し、信号機に噛みつき、玉突き事故を誘発し、そして路線バスと並走してぶっ壊すなどやりたい放題。文明社会のど真ん中に恐竜を降り立たせるという無理難題を、「アメリカ本土にジュラシックパークを再建しようと目論む人間の手によって輸送されてきた恐竜が暴走する」として、人間のエゴを交えて違和感なくごく自然な流れで成り立たせていることもエラい。

Jing-Fu
Jing-Fu

本シリーズ以下のB〜Z級恐竜パニックは、大体このあたりがずさんで随分アバウトだからね笑 『T-REX』とかさぁ・・・。

 

ネタバレ③:スピルバーグの手腕が唸るパニックシーン

落ちる、落ちる!!

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本作の真髄とも言うべき興奮は、実は肉食恐竜に追い回されるサバイバル劇や終盤のティラノサウルス アメリカに上陸の巻ではなく、中盤のとあるシーンに凝縮されていたりする。そのシーンこそが、トレーラーの落下シーンだ。

マルコム博士ら恐竜調査隊がサイトB内での移動手段兼ベースキャンプとして利用するのが、エディが調達した無線付きデスクトップ付きキッチン付きの好物件トレーラーである。サラとニックが、ハンターたちによって傷つけられたベビーティラノを車内で治療したことが運のツキで、我が子がいじめられていると勘違いしてブチギレたパパティラノとママティラノが、トレーラーを押して崖から落とそうとするのだ。2両編成のトレーラーは片側が崖から飛び出して宙ぶらりんになってしまい・・・。

と言う感じで次第に不穏な空気が増していくんだけど、宙ぶらりんになって垂直になったトレーラーの中でサラがリアガラスに落下したあたりからスピルバーグの手腕が本領を発揮し始める。衝撃でヒビが入るガラス、ガラスの向こうには遥か下に広がる荒れた海、ガラスの上からゆっくりと起きあがろうとするサラ、サラの動きと連動してさらにガラスにヒビが広がっていく・・・。ピキピキという音と共にいつ割れてもおかしくなくなっていくガラスを眺めているのはエクストリーム恐ろしすぎ。スピルバーグはこういう、観客の心臓をギューっと握りつぶすかのような戦慄の演出が上手すぎるのでタチが非常に悪い笑

Jing-Fu
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そのセンスは初期作の『ジョーズ』を観ただけで一目瞭然でしょう。

その後はこれまで大した活躍のなかったハゲ親父のエディの独占ターンで、崖をズルズルとズリ落ちていくトレーラーを落とすまいと必死になってもがくエディの奮闘が展開する。ここからがまた凄いのなんの・・・。ジリジリと落下までのカウントダウンが迫る焦燥感、フックやロープを使用してすんでのところでトレーラーの落下を止めるエディ、しかしすぐに落下が再開するトレーラー、また別の策を模索しなくちゃいけないエディ、その繰り返し・・・。ジョン・ウィリアムズの鬼気迫る音楽効果も相まって、とにかく息をつく暇のないギリギリの極限状態が持続する。これはちょっと凄い。派手な画で興奮を盛り上げる映画は腐るほどあるけど、純粋かつ巧みな演出力で手に汗を滲ませるシーンを持つ映画は、本作意外に中々頭に浮かばない。シリーズやスピルバーグのキャリアはおろか、映画史において間違いなく5本の指には入るスリリングシーンと言えるね。
恐らくは給料以上の働きをして、最後までマルコム博士たちを救おうと奮闘を続けて株を上げたエディ。そんな彼の努力を文字通り踏み潰すかの如くこちらに帰ってきたティラノ夫妻が、まるで恋人がポッキーゲームを楽しむかのように両側からエディを食べてブッツンしちゃうのが何とも切ないんだよなぁ。

ネタバレ④:小ネタ/トリビア

・『キング・コング』へのオマージュ?

前述もした、ティラノサウルスがサンディエゴに上陸するハイライト構成に気になるものがあったので改めて振り返ってみる。遠く離れた孤島にいたモンスターが、人間の手によって海上デリバリーされ、到着した文明社会の中で暴れ回る・・・。うむ、これはどっからどう観ても『キング・コング』を意識した流れですよね。本作では間違ってもティラノサウルスがエンパイアステートビルや世界貿易センタービルに登ったりはしないものの、岬から都市部に向かって咆哮をあげる様子には、コングがビルのてっぺんでドラミングをする姿が重ならないだろうか。

極め付けは、ティラノサウルスを輸送してきた貨物船の名前が「The Venture(ベンチャー号)」。なんとこれ、それこそ『キング・コング』キング・コングが輸送された船の名前と全く一緒なのだ。

Jing-Fu
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『キング・コング』の大ファンであるスピルバーグが携わったからこその、絶大なるリスペクトが感じられるラストでした。

 

・カメオ出演

まず1人目。サンディエゴに上陸したティラノサウルスから必死に逃げる市民たち。その中で、メガネをかけた兄ちゃんが店の中に逃げ込もうとするも、ギリギリのところでティラノサウルスに捕まえてオヤツにされてしまう。実はこの兄ちゃん、『ミッション・インポッシブル』『スパイダーマン』など、ハリウッドにおける数々の有名映画の脚本を担当しているデヴィッド・コープと言う人なのだ。もちろん、本作の脚本を担当したのも彼である。

そして2人目。どうやら作中に監督のスピルバーグが「Popcorn-Eating Man(ポップコーンを食べてる人)」なる役名でカメオ出演しているとの情報を見つけたので調べてみた。その前に本編をちゃんと観て彼を探したんだけど、どうしても見つけられない。じゃあどこに出ていたのかというと、ティラノサウルスをサイトBに輸送中の船がテレビに映るラストシーン。ソファに座るマルコム博士とサラとケリーがポップコーンを食べながらそのニュースを眺めているんだけど、テレビ画面をよーく見ると、何とスピルバーグがこの3人と並んでソファに座っているのが反射で確認できるのだ笑笑 そりゃ発見できないわけだよ。

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↑ほら、よく観て。中央に座ってるスピルバーグが反射してる笑

何やってんだよ笑笑

 

ネタバレ⑤:日本がらみ

・ニコンのカメラ

序盤、サラがステゴサウルスの写真を撮るために「ねえ、そのカメラ日本製? 貸して!」とニックからカメラ(ニコン製)を受け取る。さすが、メイドインジャパンは頼りにされてるな〜と思ってたのも束の間、サラが構えたカメラから異音が発生してステゴサウルスの群れを驚かせてしまい、危うく死にかけることに。何やってんだよ日本製! スピルバーグはメイドインジャパンに恨みでもあるのか?笑

 

・ゴジラだ〜!

ティラノサウルスがサンディエゴの街に出現してパニックが発生している中、スーツ姿のコテコテステレオタイプな日本人サラリーマングループも必死になってティラノサウルスから逃げている。その際、「うわ〜ゴジラだ!」と叫んでいるのがいかにも日本人らしくて笑える。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
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前作よりもサバイバル・パニックムービーとしての質が確実に上がっており、手に汗握るパニック劇の連続、スピルバーグの術中にはまること間違いないでしょう!

 

鑑定結果:エメラルド映画(☆8)

 

■映画『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク2』はどんな人におすすめ?

 

・『ジュラシック・パーク』シリーズが好きな人

・恐竜が好きな人

・手に汗握るサバイバル・パニックが観たい人

 

■最後に

『ジュラシック・パーク』シリーズの鑑定はコチラ☆

 

『ジュラシック・パーク』

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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