【ネタバレ/感想/小ネタ】映画『ジュラシック・パーク』の鑑定【恐竜映画の金字塔】

パニック
JURASSIC PARK - Film TM & (C) 1993 Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

 

Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

今回鑑定をするのは『ジュラシック・パーク』です。

マイケル・クライトンによる小説を、『ジョーズ』スティーブン・スピルバーグ監督が映像化。

現代に蘇った恐竜たちの神秘とロマン、そしてそれらの恐怖に悲鳴をあげる人間たちを描いた恐竜モンスターパニックの名作です。

そんな『ジュラシック・パーク』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

CGよりも凄いのはアニマトロニクス!?

 

■『ジュラシック・パーク』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

Jurassic Park Trailer

JURASSIC PARK – Film TM & (C) 1993 Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

 

■あらすじ

古代生物学者のグラント(サム・ニール)と古代植物学者のエリー(ローラ・ダーン)はカップルで、モンタナ州のとある荒野で恐竜の化石の発掘調査を進めていた。今後の研究費用が底をついて行き詰まっている中、発掘現場に1機のヘリコプターが着陸する。グラント博士たちを訪ねたのは、彼らのスポンサーでありながらも初めて顔を出した、ハモンド財団創始者であるジョン・ハモンド(リチャード・アッテンボロー)であった。ハモンドはグラント博士たちに今後の研究費用を提供する代わりに、とある島に建設中の動物園の視察に来てほしいと頼むのだが・・・。

 

JURASSIC PARK – Film TM & (C) 1993 Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

 

■原題:Jurassic Park

■発掘国/制作年:アメリカ(1993)

■上映時間:127分

■キャッチコピー:6500万年を翔けた夢とアドベンチャー!

■監督:スティーブン・スピルバーグ

■主要キャスト

グラント:サム・ニール

エリー:ローラ・ダーン

ハモンド:リチャード・アッテンポロー

マルコム:ジェフ・ゴールドブラム

レックス:アリアナ・リチャーズ

ティム:ジョゼフ・マゼロ

ネドリー:ウェイン・ナイト

ロバート:ボブ・ペック

アーノルド:サミュエル・L・ジャクソン

ジェナロ:マーティン・フェレロ

 

■『ジュラシック・パーク』のネタバレ感想と考察

①恐竜パニックの金字塔

②CGよりも特撮が凄い?

③スピルバーグ節のヒヤヒヤスリル

④小ネタ

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:恐竜パニックの金字塔

今観てもなお圧倒されるリアルな存在感!

JURASSIC PARK – Film TM & (C) 1993 Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

ジェームズ・キャメロン『ターミネーター2』のスマッシュヒットによって、映画業界に本格的なCGによる映像革命が起こった矢先、同じVFX会社のILMによる視覚効果技術で立て続けに生み落とされたのが本作。『ジョーズ』でサメ映画ならびにモンスター映画の基盤を作り上げたスティーブン・スピルバーグが、恐竜をテーマにまたもモンスター・パニック映画に次世代の橋を築いたことで、もはや管理人が語るまでもないほどの名作です。『ジョーズ』と同じく、本作の公開以降には世界中で腐るほど恐竜映画が量産されるきっかけになったのも、その影響力を物語ってると思う。なんせあのB級映画&便乗映画の王様ロジャー・コーマンが本作の製作の噂を嗅ぎつけて、なんと本家よりも先に便乗映画の『ダイナソー・クライシス』を公開させたくらいだからね笑

それはともかく、この世に既に存在しないはずの恐竜をどこかから捕まえてきて調教でもしたのか?と思わせるくらい、リアリティあるCGの力を借りて活き活きと動き回る恐竜を眺めているのは素直に楽しい。アニマトロニクスや特撮技術の限界を超えたあの躍動感と存在感たるや。今観ると流石に時代を感じるテクスチャーだけど、それでも全くもってクオリティに粗はなく、むしろ今を生きるアサライム映画を約30年前から嘲笑しているかのよう。

琥珀の中に閉じ込められていた古代の蚊の中から、恐竜の血を抜き出してDNAをゲット。欠損しているDNA配列にはカエルのDNAをトッピングして補って・・・と、恐竜が現代に蘇った一見無茶のある大胆な設定を、妙に分かりやすい説明とそれっぽいプレゼンでいとも簡単に納得させてしまう説得力のスピルバーグマジックは素晴らしい。そんなケレン味あるロマン設定と、ハエ男ことジェフ・ゴールドブラム演じるマルコム博士の「カオス理論」や「生命は道を探す」という哲学的要素、太古のワイルドさと雄大で牧歌的な雰囲気を両立させたジョン・ウィリアムズの有名すぎるテーマ曲、そして容赦なくガブガブする人喰いモンスターパニック描写も含めて隙のない名作です。

ネタバレ②:CGよりもアニマトロニクスが凄い?

子供たちへのフォーカスもスピルバーグ映画ならでは。

JURASSIC PARK – Film TM & (C) 1993 Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

本作に対する評価って「CGが凄い、CGが凄い」がほとんどだと思う。前述した通り、確かに本作でCGによって描かれる恐竜たちはフレッシュで、未だに見応えがあるのは言うまでもないけど、なんと実際にはCG恐竜は全体の内7分ほどしか登場していないと言うのが驚き。基本的に恐竜が激しく大きく動いたり、滑らかで繊細な動きをする場面にしかCG恐竜がいないのだ。

その大部分はアニマトロニクス、つまり『ジョーズ』と同じ原寸大の機械仕掛けロボットを用いた手法で表現されている。本作の恐竜がビビるくらいリアルだと褒めちぎられているのは、CGではなくむしろアニマトロニクスのクオリティにあると言ってもいいんじゃないだろうか。爬虫類のようにゴツゴツとした乾きと重みのある独特の質感は本物そのもので、特にグラント博士たちの鼻先に迫り来るティラノサウルスの圧倒的な存在感と威圧感は尋常ではない。そしてアニマトロニクスの挙動が物凄く滑らか! 懐中電灯の光が当たった時の、眩しさを感じて黒目の面積が変わるティラノサウルスの瞳孔の動きなんかはかなり精巧な仕掛けで、どう見ても本物の生物にしか見えないので唖然とする。撮影現場に実際に実物があるわけで、それを見て演技をしている俳優たちの演技も自然とリアルになっているのが分かる、素晴らしい相乗効果。

リアルを突き詰めた恐竜アニマトロニクスの造形のためにお声がかかったのは、『エイリアン2』『ターミネーター』シリーズなどジェームズ・キャメロンお抱えで才能を発揮していたSFXマンのスタン・ウィンストン御大。『プレデター』とか『遊星からの物体X』を観てても分かる通り、モンスターや異形のアニマトロニクスや特殊メイクを担当させたら右に出る者がいない人間国宝のような人だ。この質感は残念ながら未だにCGでは再現不可能の視覚クオリティで、スタン・ウィンストンがいなければ本作の恐竜はハリボテとして失笑されていた可能性すらあるほど、作品の成功への貢献度が極めて高い。最新の技術をアピールしたかと思いきや、実は老舗の創意工夫が縁の下で頑張っていたというわけだ。

Jing-Fu
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アニマトロニクスの案が出る前にはコマ撮りのストップモーションで恐竜を表現しようとしてたらしいけど、動きがカクカクすぎて詰みそうになったとスピルバーグが苦笑いしてました、ナイスジャッジ!

 

ネタバレ③:スピルバーグ節のヒヤヒヤスリル

手に汗握るスリルの連続!

JURASSIC PARK – Film TM & (C) 1993 Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

世界中の人々に映画を通して夢とロマンを与え続けるスピルバーグだが、実はメジャーの世界で良質な人喰いモンスターパニックを撮ることのできる稀有な映画人でもある。本作はもちろんのこと、『ジョーズ』も然り、『宇宙戦争』も然り、『インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国』におけるグンタイアリ襲撃シーンなんかも気持ち悪くて最高だったからな〜。

巨大なティラノサウルスに一口でパクリといかれるか、中サイズのヴェロキラプトルにいたぶられながら喰われるか、あるいは人間大のディロフォサウルスが吐いた目潰しゲロを受けてオヤツにされるか、ひとえに恐竜といえど、考えただけで身の毛がよだつ多彩な喰われっぷり。子供の味方であるスピルバーグが配慮したセンスの良い自主規制はあるものの、まだ売れる前のサミュエル・L・ジャクソン「マザファカ!」と舌打ちする前に喰われてちぎれた腕が落ちてくるシーンもあり、キツすぎず生ぬる過ぎないモンスターパニックとして見応えはバッチリだ。

ティラノサウルスを登場させる時の演出も素晴らしい。ティラノサウルスの重量感ある歩みを地響きと共にコップに注がれた水の波紋で表現することにより、恐竜が画面に映っていなくても「とてつもなく巨大な何かが近づいている」ことを伝達させるコスパの良いアイデアは、『ジョーズ』でサメを映さずとも海中に何かがいることを匂わせる手法と似通ったものがある。他にも高速で迫るティラノサウルスとジープの鬼ごっこ、ヴェロキラプトルと子供たちの緊迫したハイドアンドシークなど、恐竜の個性を活かしたパニックアクションが光る本作だが、特筆すべきは木に引っかかったジープがグラント博士とティム目掛けて落ちてくるシーンでしょう。無数の木の枝を折りながら次第に落下してくるジープと、追いつかれまいと必死に木を下っていく2人。もうダメかと思いきや、すんでのところで太い木の枝が支えとなってジープが一時停止、再び逃げ出す2人の繰り返し。観ている観客の手に汗を滲ませて狼狽させる、スピルバーグはそんなヒヤヒヤ演出も得意なのだ。

Jing-Fu
Jing-Fu

リチャード・アッテンボロー演じる全ての元凶ハモンドのウザさも、『ジョーズ』のウザすぎる市長に通づるものがありますね。ああ言えばこう言う、エゴの塊、相手の顔を覗き込む自慢家、背筋に寒気が走るコメディセンス、クソ老害っぷりが炸裂してます。

 

ネタバレ④:小ネタ

・『トイストーリー2』がインスパイアされた?

足を負傷したマルコムを乗せ、ロバートが運転するジープがティラノサウルスから逃げるチェイスシーン。ロバートがバックミラーに目を向けると、口を開けたティラノサウルスがグワーっと迫ってきて・・・。このシーン、実は『トイ・ストーリー2』にインスパイアされている。同作のアルのおもちゃ屋で走るおもちゃの車、ポテトヘッドがバックミラーを見て「恐竜が落っこちたよー!」とレックスが迫るシーンがまんまそれだ笑

 

・『少林サッカー』がインスパイアされた?

ティラノサウルスが歩く振動を水の波紋で表現するシーンは、『少林サッカー』チャウ・シンチー演じる主人公がサッカーの壁打ち練習する場面で、その衝撃があまりにも強力すぎてコーチのコップ水に波紋が出るシーンで使われています笑

 

・『ジョーズ』が登場?

パークのエンジニアであり、パーク内の恐竜暴走のきっかけを作ってしまった、デブ、最悪の勤務態度、強欲さの三拍子で観客を不快にさせるネドリー。なんと彼は勤務中にPCモニターでこっそり『ジョーズ』を観ているのだ。これはスピルバーグ作品ならではの遊び心だね。ちなみにモンスターパニックお約束の「メガネ、メガネ・・・」はこのネドリーがやってくれる。

 

・『キングコング』へのオマージュ

劇中のジュラシックパークのパークゲートのデザインは、1933年の初代『キング・コング』における髑髏島の門をオマージュしたもの。スピルバーグ『キング・コング』に感銘を受けていることは有名な話で、本作のメイキングでは「本当は現代版のキング・コングを作りたかったんだよ!」と述べているくらい。本作の劇中においては、パークゲートを見たマルコム博士がご丁寧にも「キング・コングでもいるのか?」と呟く自虐シーンがある笑

 

■鑑定結果

Jing-Fu
Jing-Fu

28年も前の映画とは思えない視覚効果に圧倒されっぱなし、恐竜をテーマにしたモンスターパニックの金字塔です!

 

鑑定結果:エメラルド映画(☆8)

 

■映画『ジュラシック・パーク』はどんな人におすすめ?

 

スピルバーグ監督作品が好きな人

・恐竜が好きな人

・良質なモンスターパニックを観たい人

 

■最後に

スピルバーグ監督の他の作品はコチラ☆

『E.T』

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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