ネタバレ/感想『MEG・ザ・モンスター』の鑑定結果【ステイサムと巨大サメの一騎打ち!】

パニック

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.

Jing-Fu
Jing-Fu

みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『MEG・ザ・モンスター』です。

人気アクションスターのジェイソン・ステイサムが、人外の超巨大サメと闘いを繰り広げる海洋パニックアクション超大作が、この度土曜プレミアムで地上波発放送です!

サメ映画がゴールデンタイムに地上波で放送とは、フジテレビは気でも狂ったのか??(もちろん誉め言葉)

それでは早速鑑定していきましょう。

■作品情報

・基本情報

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.

 

■原題:The Meg

■発掘国/制作年:アメリカ/中国(2018)

■キャッチコピー

悲鳴ごと、飲み込まれる。

 

・監督、キャスト

■監督:ジョン・タートルトーブ

 

■主要キャスト

ジョナス:ジェイソン・ステイサム

スーイン:リー・ビンビン

ジャック:レイン・ウィルソン

マック:クリフ・カーティス

ジャックス:ルビー・ローズ

ジャン博士:ウィンストン・チャオ

メイイン:ソフィア・ツァイ

ローリー:ジェシカ・マクナミー

トシ:マシ・オカ

・あらすじ

海底で事故に遭った原子力潜水艦の乗組員の救助にあたっていたレスキューチームのリーダーであるジョナス(ジェイソン・ステイサム)だが、突如として外部から謎の衝撃が加わり潜水艦は圧壊。

間一髪のところでジョナスは救助者とチームメンバーを乗せた救命艇を離脱させ、なんとか生還する。

しかし潜水艦には数人の救助者とチームメンバーが取り残されており、彼らを見捨てたとしてジョナスは非難を浴びてしまう。

潜水艦の外から巨大生物の攻撃を受けたと訴えるジョナスだったが、誰にも信じてもらえず、彼は仕事を辞めざるを得なくなってしまった。

それから5年後、中国の上海沖に設立された海洋研究所の「マナ・ワン」では、ジャン博士(ウィンストン・チャオ)率いるチームによるマリアナ海溝の調査が進められていた。

学者のローリー(ジェシカ・マクナミー)らの乗った潜水艇が、マリアナ海溝海底の未知の領域に到達するも、謎の巨大生物の攻撃を受けた潜水艇は故障し、浮上が不可能になる。

ローリーたちを助けるために、ジャン博士とチーフのマック(クリフ・カーティス)は、タイで自由奔放な生活をおくっていたジョナスのもとへ飛び、救助を依頼する。

精神異常者というレッテルを貼られていたジョナスはその申し出を一度は断るが、被害者の一人が元妻であるローリーと聞き、考えを変えてマナ・ワンへと向かうのだが・・・。

■ざくっと感想

Jing-Fu
Jing-Fu

本作の鑑定結果は、、、

プラチナ映画(☆6)!!

スピルバーグの『ジョーズ』以来、モンスターパニックジャンルの代表格として量産され続けているサメ映画。

その中でも本作はサメ映画界の超大作として、『ジョーズ』以降の日本では久々に世間一般で注目を浴びた作品なのだ。

全国でIMAX3Dの公開が敢行されたことからも、そのスケールの大きさを伺うことができる。

タイトルの「メグ」は、かつて200万年前に絶滅したとされる巨大サメの「メガロドン」のことを指しており、その体長はなんと驚異の23メートル!

そんな規格外のデカさのサメが劇中で再び海に姿を現し、映画館のスクリーンの大きさに負けない凶暴な暴れっぷりを見せてくれる。

アクションシーンの迫力は強めだが、グロ描写も含めて全体的には意外にもマイルドな仕上がりで、観る人を選ばない雰囲気なのもとっつきやすい。

逆に言えば、もう少しメガロドンには派手に暴れてほしかったという物足りなさも少し残った。

作品内で描かれる人間ドラマに特に面白いと感じる部分がなく、むしろ蛇足となってしまっているのも残念だ。

さて、そんな圧倒的存在のサメ・メガロドンに立ち向かうのが、現代ハリウッドアクションの前線に立つ最強イケメンハゲのジェイソン・ステイサムと聞けば、落ち着けと言う方が無理な話だ。

もはや人類に敵なしとしたステイサムが、自然界の最強生物サメに闘いを挑むという設定だけでも、十分酒の肴になるほどの夢の企画なのである。

個人的には中華スターのリー・ビンビンが、相変わらずお美しい色気を振りまきながらステイサムのお相手を務めるヒロインとして出演しているのも嬉しい限り。

 

 

 

以下、ネタバレありの感想と考察になります。

作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!


 

 

 

 

 

 

 

 

■感想と考察

・圧倒的スケールのメガロドン

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.

『ジョーズ』以降に腐るほど世界中で量産されているサメ映画。

そのほとんどはB級以下の作品として中々日の目を見ていないのが現実ではあるが、これまでに『ディープ・ブルー』『ロストバケーション』など、ツボを押さえた快作や上質さを売りとした良作なども確かに存在している。

そんな中で世に出された本作は、それら成功例とも言える作品と比較をしても、サメ映画としては過去に類を見ないほどの「超」大作として製作されているのだ。

サメのサイズがビッグなら、予算もビッグなのである。

結果的に、本作は王者『ジョーズ』が保持していた世界興収を抜き去り、「最も売れたサメ映画」として新たな記録を打ち立てたことはニュースにも取り上げられていた。

製作にあたって、ハリウッド大手のワーナーと中国の引力影視投資有限公司(グラヴィティ・ピクチャーズ)がタッグを組み、現代ハリウッドには欠かせない要素の一つとなっている「中国資本」が強力な下支えとなっているのが、超大作たるゆえんの1つである。

だがそれゆえに、本作は「中国への媚売り」であるとか「中国人キャラの美化」などといった辛辣な意見も見受けられ、賛否両論の評価がせめぎ合う結果となってしまった。

確かに良くも悪くもチャイナマネーの色が全体的に濃くて、そういうのが気になる人には気になるのかもしれない。

しかし今のハリウッドにとって中国という巨大な市場は無視できない存在。

多かれ少なかれ中国を意識した演出が挿入されるのは仕方のないことではないだろうか。

中国の要素から目を離しても、本作は娯楽映画としては普通に楽しめる作品になっているから、決して作品として面白みがないという訳ではないのだ。

あとどうでもいいけど、本作に限らず、「中国寄りだから」という理由だけで作品の評価を下げてる人をよく見るが、そういうのやめません???

 

話をサメに戻しましょう。

『ジョーズ』に登場したホオジロザメの“ブルース”が「体長8メートル、体重3トン」だったのに対し、本作のメガロドンは「体長23メートル、体重20トン」と聞けば、サメのサイズだけでもスケールが違いすぎることを痛感できるだろう。

ブルースもあれだけデカいデカいと騒がれていたのに、本作のメガロドンと比べればまるでコドモとオトナである。

規格外のデカさを売りにしているだけあって、平和の象徴であるクジラの親子を情け容赦なく喰いちらかしたり、クルーズ船を豪快に転覆させたり、壊れないとお墨付きのケージをかみ砕くのではなく丸呑みにしようとするなど、やることなすこともすべて規格外の迫力だ。

特にヘリコプターからの攻撃を避けるためにメガロドンが海中に消えていく際に、巨体にエッジを効かせた急旋回をしているのが大胆で芸が効いていて好き。

海中にこんなでかいサメが泳いでるとイメージすると、今自分が地上にいるとしても背筋が凍って足がすくむほどの恐ろしさに見舞われる。

だってクジラよりも巨体で凶暴なサメが足元を通過してるんだよ?

劇中でも、観光客でごった返す海中(今風に言うとものすごく「密」なシーンで、都知事から注意が飛んできそう)にメガロドンが出現し、そこまで深さのない回遊エリアのすぐ足元を泳いでいる様子を上空から見せるシーンは、モンスター映画界に新たに刻まれたトリハダな名シーンだろう。

酒とセックスとバカ騒ぎしか頭にないような連中が、海中で一斉にパニックになってメガロドンに喰われていくのは素直に痛快で楽しいね(心が汚れているのだろうか)。

物語の中盤でいきなりメガロドンが死亡して、マナ・ワンチームの船に吊るされているシーンでは、「尺も気になるし、あーこいつはまだ死んでないな」と誰もが想像を膨らませる中で、死亡したメガロドンよりもさらにデカいメガロドンを唐突に登場させ、巨大サメが実は2匹いましたというブッ込みの衝撃はなかなかのパンチ力だった。

これだけメガロドンが巨大であるにも関わらず、彼らの退治にあたって派手な爆発が扱われておらず、毒針や斬撃が用いられていることは地味に斬新な見せ方だと思う。

また、超大作として家族や子供を観客に意識したのだろうか、グロテスクな描写はほとんど皆無なので、そういうのが苦手で敬遠している人にとっては安心して触れることができる作風なのもポイント。

裏を返せば残酷描写を求めているコア層にとっては、マイルドすぎて生ぬるいと文句を言われそうなんだけどね。

・ステイサムVSメガロドン

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夏だ!海だ!サメだ!

そしてステイサムだ!!!

これまで数々のアクション映画で人間を血祭りに上げてきたアクションスターのステイサムが、初めて本格的に人外のモンスターに闘いを挑むことこそ、本作の最大の醍醐味とも言える。

相手はタダのサメではなく、古代の超巨大最強種メガロドンだが、本作でもステイサムはいつも通りのステイサムだった(強かった)!

元レスキューダイバーのジョナスを、頼りがいのあるタフガイっぷりと愛嬌あるキャラで魅せているステイサムには、海が舞台ということで水中でのアクションを披露する場が与えられていることが新鮮だが、彼の泳ぎや飛び込みのフォームが驚くほど美しいことに気付く人もいるのでは?

それもそのはず、実はステイサムは俳優としてデビューする前はイギリス代表として飛び込みの選手だった時期があり、泳ぎに関して説得力があるのも当然なのである。

泳げるアクション俳優として、本作の主人公枠にはステイサム以外の人選が認められていない。

終盤で破壊されて鋭利になった潜水艇の羽部分をメガロドンのドテっ腹に突き立て、そのまま一文字斬りをする攻撃は、ファンの間では俗に「ステイサムカッター」と呼ばれており、テストに出題される重要な用語のためしっかりと憶えておくように!

劇中では50代半ばとは思えないほどの屈強な上半身を拝むことのできるステイサム・サービスシーンもあるので、子は鼻血をこらえるのが大変だと思う。

 

ラストはジョナスがぶっ壊れた潜水艇から海中に脱出し、ナイフとモリを手に巨大メガロドンに闘いを挑むという、本作がサメ映画であることを完全に否定して、「これはステイサム映画だッ!!」と言わんばかりに宣戦布告のアクションを叩きつけてくるのが素晴らしい。

ステイサム映画ではあるものの、本作はステイサムが劇中で人を1人も殺していないという、珍しい一面も兼ね備えているとしても貴重な作品である。

・メガロドンの巨大に負けたストーリー

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メガロドンという、モンスター映画界に新たに魅力的なキャラクターを生み出した本作ではあるが、正直な話、メガロドンのデカさの活かした豪快さがアクションとサスペンス中で不足している気もするんだよな〜。

例えば海上をホバリングするヘリコプターに水中ジャンプして喰らいつくとか、人間を喰って満足していたホオジロザメを後ろから一口で食べる逆マトリョーシカとか、円盤生物ハングラーが自動車を吸引するかのように泳いで逃げる観光客たちを大口で次々と吸い込んでいくとか、喰われかけたジョナスがメガロドンのキバにしがみついて口内を泳ぐとか、メガロドンの巨体を強調する演出はいくらでも思いつく。

特に予告編にヘリが登場していたから、ヘリに喰らいつくアクションシーンは絶対あるだろうなと予測していただけに、該当するシーンが不在だったのはちょっと消化不良である(サメだけに)。

頭が悪くてもいいから、もっと『ディープ・ブルー』のような豪快な画が欲しかったところ。

また、ジョナスとスーインの恋の行方であったり、ジョナスと元妻のやりとりなどの人間ドラマがそこまで面白くないし、ジョナスの心の傷と葛藤が物語に特に活かされてる訳でもなく、頭を空っぽにして観れるモンスター娯楽作品にとって、惜しむらくもドラマ部分が蛇足となっている。

登場するメガロドンの規格外の大きさや超大作という位置づけに対して、ストーリー上で展開している出来事がいずれもこじんまりとした印象になっていて、ドラマと作品の規模が釣り合っていないのが残念だ。

各キャラクターたちも数は多いけど魅力がいまひとつで、特にジャックス役の近年メキメキと頭角を表しているルビー・ローズが、持ち前のミシェル・ロドリゲスのような兄貴キャラが全く立たせられていなくてもったいない。

■日本がらみ

マシ・オカの叫び
マナ・ワンに務める日本人の研究者トシを、『HERO』での「ヤッター!!」が有名すぎる日本人俳優のマシ・オカが演じている。
登場時間は長くはないものの、その独特な顔立ちと日本訛りのイントネーションはやはり印象に残りやすい。
日本人は律儀な性格をしているというハリウッドイメージの表れからか、故障した潜水艇をローリーたちが直している中、トシは万が一のためにと「愛する妻へ~」と日本語で記した遺書を書いている様子が描かれている。
遺書という最大の死亡フラグが登場した以上、トシは自らを犠牲にしてメガロドンに喰われて(というかその衝撃で爆発して)死ぬわけだが、直前に「ウオーー!!」と雄たけびを上げていて、やはりこの人は腹の底から出す叫びの姿が板についているなぁ。
・原作のヒロインは実は日本人だった?
本作には原作となる小説が存在しており、映画化にこぎつけるまでに内容も至る所が変更になっているらしい。
その中でも注目をしたいのは、原作では海洋研究所のリーダーはウィンストン・チャオ演じる中国人ジャン博士ではなく、日本人のタナカ博士であったそう。
当然、タナカ博士の娘は日本人であったが、映画版である本作ではリー・ビンビン演じるスーイン、中国人だ。
前述したとおり、中国資本が本作の大きな支えとなっており、マーケットとして重視される中国を意識した結果だとすれば、登場人物が中国人に変わることは自然な流れなのだろう。
劇中に唯一の日本人であるトシが登場しているのは、そんな原作からの名残なのかもしれない。

■鑑定結果

Jing-Fu
Jing-Fu

ステイサムVS巨大サメという夢の対決を観るだけでも手に取る価値のある作品。

規格外にデカいサメが暴れまわり、近くの水面下を泳いでいる画は確かにゾクゾクし、アトラクションムービーとしてはそれなりに楽しめるものの、メガロドンのデカさでしか表現のできない豪快なアイデアがもう一声足りず、これをもっと取り込んでいれば、もうワンランク上にサメ映画としてレベルアップできただろうに。

 

鑑定結果:プラチナ映画(☆6)

 

となります!!

 

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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