(C)1997 COLUMBIA PICTURES CORPORATION, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。
今回鑑定をするのは『アナコンダ』です。
管理人の少年時代に、木曜洋画劇場とがでよくTV放送していたヘビ映画で、馴染み深い人もきっと少なくないはず。
程よいB級モンスターパニックを求めている人なら確実に満足のいく作品を、早速鑑定していきますね。
■作品情報
・基本情報
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■原題:Anaconda
■発掘国/制作年:アメリカ/ブラジル(1997)
■キャッチコピー
人類はかつてない恐怖に出会う。
・監督、キャスト
■監督:ルイス・ロッサ
■主要キャスト
テリー:ジェニファー・ロペス
ダニー:アイス・キューブ
サローン:ジョン・ボイド
ケイル:エリック・ストルツ
ウェストリッジ:ジョナサン・ハイド
ゲアリー:オーウェン・ウィルソン
デニス:カリ・ウーラー
マテオ:ヴィンセント・カステラノス
密猟者:ダニー・トレホ
・あらすじ
アマゾンの奥地に暮らしているという伝説の部族、シリシャマ族の映像を撮るために、映画ディレクターのテリー(ジェニファー・ロペス)はカメラマンのダニー(アイス・キューブ)やリポーターのウェストリッジ(ジョナサン・ハイド)ら撮影隊を率いて現地に到着していた。
同行する文化人類学教授のケイル(エリック・ストルツ)からスポンサー契約が成立したと聞いたテリー一行は、早速現地人のマテオ(ヴィンセント・カステラノス)が操縦する船のミカエラ1世号に乗り込み、アマゾン川の奥地に向けて出発した。
途中、船が故障して立ち往生していたというサローン(ジョン・ボイド)を助けた一行は、彼を乗せて再び船を出す。
初めは穏便な態度を見せるサローンだったが、しばらくするとことあるごとに特定のルートに船を進めるように話を持ち掛けてくるようになった。
そのルートには巨大蛇のアナコンダが生息しているとの情報があり、どこか怪しいサローンを警戒するようになるテリー達だったが・・・。
■ざくっと感想
本作の鑑定結果は、、、
アマゾンのジャングルに足を踏み入れ、そこで巨大な人喰いヘビのアナコンダに襲われる撮影クルーたちの悲劇を描いたモンスターパニック映画。
・・・と思わせておいて、人間を丸呑みしてしまうアナコンダよりも実は人間の方が何十倍も怖いことを思い知らされる、妙にクセのあるストーリーがたまらない作品だ。
アニマトロニクスとCGを併用して映し出すアナコンダの造形は、今見ると若干粗が目立つ部分はあるものの、概ね鑑賞が苦になるレベルではないので安心して観ることができる。
出演している俳優人たちも非常に豪華な顔ぶればかりで、中でも目的のためならば手段を選ばないヘビハンター、サローンを演じたジョン・ボイドの怪演技が光っている。
ヘビの恐怖をテーマとしたパニック作品、そしていちモンスターパニック映画として手堅くエンジョイすることができる作品ではないだろうか。
以下、ネタバレありの感想と考察になります。
作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!
■感想と考察
・ヘビパニック映画の金字塔
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この世にヘビによるモンスターパニック映画は数あれど、あらゆるC級以下の作品を抑えてB級作品の一級品、ヘビ映画の代表作にカウントされるのが本作ではないだろうか。
登場するアナコンダのリアルな動き、ヘビの特性をしっかりと活かした演出、人間をペロリとたいらげるアナコンダの喰いっぷり、ブラジルロケを敢行した熱帯雨林の臨場感、派手なアクションとサバイバル、善と悪が錯誤する人間ドラマなどなど、見所を挙げればキリがないほど観ていて楽しい映画である。
ソニー傘下のコロンビアピクチャーズという大手が製作していることもあり、かけられた製作費や豪華な俳優たちの起用は、そこらへんのチープなモンスターパニック作品とはスケールと格が違うね。
登場するアナコンダは10メートルという規格外の大きさだが、のほほーんとジャングルの奥に散歩しに行ったら本当に出てきそうなボリュームでもあり、無駄にでかすぎず小さすぎずのリアルなサイズ感が肝となっていてゾワゾワする。
アナコンダはほとんどのシーンでアニマトロニクスによって映し出されているが、人間に瞬時に巻き付いたりする激しい動きを見せる場面では、一部CGによって描写されている。
肝心のアニマトロニクスだが、現代のCG映画を見慣れている人にとっては少々ハリボテっぽく見えてしまうかもしれない。
しかしヘビ独特のクネクネした動きやチロチロ出し入れする舌のモーションの良さといい、しっとりとてかりのあるウロコの質感といい、まるでスタン・ウィンストン御大が製作したかのような逸品、とにかく本物以上の活きの良さが売りである。
やはり目に見えて手に触れることができるアニマトロニクスの存在によって、俳優たちのパニック芝居も一段と自然な盛り上がりを見せているのだ。
・これぞヘビの芸当!
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ヘビを主役に持ってきたパニック作品として、ヘビにしかできない特性を劇中で描いていることが最大の評価ポイントだと思う!
アナコンダは獲物を捕らえる際、相手の体に巻き付いて強烈なハグをお見舞いし、全身の骨を砕いて血管を破裂させるという。
一思いに喉笛でも食いちぎって死なせてくれればいいのに、素直に死ねないままアナコンダに丸呑みされ、生きたまま体の中で溶かされるなんて冗談じゃねえ。
しかもアナコンダに丸呑みされた人間のシルエットが、まるで人形焼きのようにアナコンダの腹に浮かび上がっていて、もう泣いていいのか笑っていいのか分からない妙な感じがたまらない。
ヘビの長い体を活かしたアクションもちゃんとある。
アナコンダに追われて滝のてっぺんへと追い詰められたウェストリッジが、アナコンダから逃げるためにえーいままよ!と滝つぼへ決死のダイブをするのだが、木に巻き付いていたアナコンダは落下していくウェストリッジに向かって長い体を伸ばし、彼が落ちきる前にバクっとキャッチをしてしまうのだ。
決死のダイブをしたウェストリッジにもすげー!となったが、その頑張りを無に帰す、思わずリプレイでもう一度観たくなるようなアナコンダのスーパープレイには拍手を贈りたい。
また、アナコンダの捕獲に失敗したサローンが青ざめて逃げ出すシーンにもその恩恵がある。
はしごを登っていくサローンを頭上から映し、下から追ってきたアナコンダが急スピードではしごにぐるぐると巻き付きながら上昇し、すんでのところでサローンの肩にガブッ!と一発!
いずれも本作屈指の名場面であり、観客へのサービス精神旺盛なアナコンダの芸達者加減には頭が上がらないなあ。
・アナコンダよりも怖いアンジーパパ
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今のケバい姿からは想像もできないほど飾らない美しさを振りまく主演のジェニファー・ロペスをはじめ、アイス・キューブ、ジョナサン・ハイド、オーウェン・ウィルソンなど、主演級から名脇役までモンスターパニック作品としては異例の豪華な顔ぶれを拝むことができる。
冒頭でアナコンダに襲われる密猟者を演じているのが実はダニー・トレホで、ほんのわずかな出番ながらも一部のファンにはグッとくること間違いないだろう。
その中でもひときわ役になりきった演技を見せているのが、ヘビハンターのサローンを演じるジョン・ボイドだ。
『トゥームレイダー』などにも出演している名優で、アンジェリーナ・ジョリーの父親としても有名である。
金のためにアナコンダ捕獲に執念を燃やし、アナコンダを捕獲するために同族である人間を平気で利用していくイカれ具合は、ある意味アナコンダよりも怖い。
最初は温厚な態度で接するサローンが、徐々に本性を現して船を着実に支配していく不穏さもさることながら、金の力に誘惑されて撮影クルー側からも悪玉が発生してしまうという、善と悪の狭間で揺れ動く人間ドラマのサスペンスも秀逸である。
サローンの化けの皮が剥がれ始めたころからジョン・ボイドの演技が特に光りはじめ、怪しさと狂気をどこか物静かに醸し出す眼光を放つサローンは、まさに隠れた名悪役と呼ぶにふさわしい。
結局サローンはアナコンダに全身を砕かれて丸呑みにされてしまう、自身が一番酷い最後を遂げる悪役の典型的な末路を辿ることになる。
アナコンダは獲物を消化中に別のエサを見つけると、どういう訳か消化中の獲物を吐き出して新しい獲物の方に迫っていくという習性があるらしく、それに習って未消化のまま吐き出されたぐちゃぐちゃのサローンはなんとも惨めで、観ているこちらの今までの溜飲も下がる。
なぜか最後に可愛くウィンクをして朽ち果てるプチ見所を持ってくるあたりも侮れないな。
それにしても、サローンのせいでたくさんの人間が死んだというのに、物語のラストでついに発見したシリシャマ族に向かってあんなにも清々しくカメラを向けることができる精神だけはどうしても解せないんだよな。
■日本がらみ
川で獲った魚を手際よくさばくサローンを見て、テリーは「スシ料理店で働いてたの?」と質問している。
アメリカ人にとって、魚を上手くさばくことができれば誰でもスシの料理人になるのか??
■鑑定結果
ヘビ映画の『ジョーズ』と称されることも多い本作は、間違いなくヘビパニック映画を代表する作品で、堅実なモンスターパニック作品を求めている人の期待を裏切らないクオリティである。
となります!!
明日8/1から、Netflixで『アナコンダ2』の配信が開始されるみたいですよ!
これに合わせて前作である本作も楽しみたいですね☆
それでは今回の鑑定はここまで。
またお会いしましょう!
よろしければシェアをしていただけると幸いです!↓↓
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