©1989 Universal Studios. All Rights Reserved.
みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。
今回鑑定をするのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』です。
前作に続き、金曜ロードショーでの放送が話題になっている本作を、早速鑑定していきます!
今回も伏線や小ネタについて言及します。
■作品情報
・基本情報
©1989 Universal Studios. All Rights Reserved.
■原題:Back to the Future Part II
■発掘国/制作年:アメリカ(1989)
■キャッチコピー
・監督、キャスト
■監督:ロバート・ゼメキス
■主要キャスト
・マーティ/マーティJr/マーリーン・マクフライ:マイケル・J・フォックス
・エメット・ブラウン(ドク):クリストファー・ロイド
・ロレイン:リー・トンプソン
・ビフ/クリフ:トーマス・F・ウィルソン
・ジェニファー:エリザベス・シュー
・あらすじ
1955年の過去から無事に1985年へと帰還したマーティ(マイケル・J・フォックス)。
久々に再開した彼女のジェニファー(エリザベス・シュー)とともにドライブに出かけようとしていたところ、2人の前にどこからともなくタイムスリップをしてきたデロリアンが現れる。
中から降りてきた、奇抜な衣装に身を包んだドク(クリストファー・ロイド)は、2人の息子が危ない状況に陥るため、それを回避するために2015年の未来へ同行するように2人に告げる。
状況が飲めないままデロリアンに乗り込んだマーティとジェニファーを乗せ、ドクが運転するデロリアンは宙を走りながら2015年の未来へとタイムスリップをする。
その光景を偶然、マクフライ家から出てきたビフ(トーマス・F・ウィルソン)が目撃をしており・・・。
■ざくっと感想
本作の鑑定結果は、、、
前作の終わりからストーリー始まるシリーズの2作目である本作。
物語の舞台はなんと1985年の30年後である2015年のヒルバレーで、イマジナティブな文化で彩られた2015年の「未来世界」は、眺めているだけでも非常に楽しい、タイムトラベルを扱うSF映画には決して外すことができないお楽しみポイントになります。
現実世界の2015年当時には、本作で描かれた2015年の様子が改めて世界的な話題となっていたことを覚えている人も多いはずです。
そしてとある大騒動が起こる物語の後半ではマーティが再び1955年の過去へ戻ることになり、1作目とは異なった視点で映し出される1955年で展開する、タイムパラドックスのスリルと隣り合わせの奮闘に手に汗握ります。
歴史が変わってしまうタイムパラドックスの恐ろしさが前作以上に物語に絡んでいて、人間の欲深い心が生み出す惨劇へのメッセージ性にも注目です。
前作と同様、物語の随所に伏線や小ネタが散りばめられているので、何回観ても新しい発見があり、飽きを感じることがありません。
本作を観るにあたって、前作を観ておくと面白さが格段に上がります。
前作の鑑定もしていますので、良ければこちらの記事もいかがでしょうか。
以下、ネタバレありの感想と考察になります。
作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!
■感想と考察
・タイムトラベルの醍醐味が増した続編
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前作ではマーティは30年前の過去へとタイムトラベルをしていましたが、本作では冒頭から、今度は30年後の未来である2015年へと旅立つことになります。
人類がまだ経験したことのない「未来」の世界に足を踏み入れるという、タイムトラベルをテーマとするSF映画が持ち合わせる最大の醍醐味が遺憾なく取り扱われています。
映画としてのSF要素は、前作よりもかなり高まった印象です。
いざ映し出された2015年の未来は、その独創的で発想豊かな世界観を眺めているだけでも楽しく、日常的な小道具やファッションだけでなく、社会の在り方など細部までこだわり深く作り込まれており、2015年が過ぎた今に観ても興味深いものばかりです。
2015年の未来で最新の機能にカスタマイズされて生まれ変わり、ホバーコンバージョンによって空を自在に飛び回るデロリアンのカッコよさは、おそらくシリーズ中で最も高いです。
そしてタイムトラベルのリスク「タイムパラドックス」が浮き彫りになる物語の後半では、マーティが再び1955年のあの日にカムバック。
「新たなタイムパラドックスを防ぐため、未来からやってきた老ビフと過去の両親に見られることなく、そして1作目の自分に出会わないようにビフからスポーツ年鑑を取り戻して歴史を修復する」という難易度の高すぎる無理ゲーミッションが課せられます。
前作の登場人物たちの行動の隙を掻い潜り、ここしかないというタイミングでアクションを起こしていくマーティによって誘発されるスリルは前作以上!
前作で描かれたキャラクターたちの動向を第三者目線で見直す楽しさは、まさに本シリーズにしかできない芸当ですが、手に汗握る緊張の中にもコメディタッチのドタバタが忘れられていないのが、いかにも本作らしい魅力です。
・感服する合成技術
本作からのお楽しみ要素の1つとなるのが、出演俳優の1人複数役の演技と演出方法です。
前作においてジョージ、ロレイン、ビフを演じた俳優は、1955年の過去では素の姿、1985年の現在では実年齢よりも高齢の老けメイクをすることにより、異なる年齢の同人物を演じていました。
シワや頭髪だけでなく、顔周りの肉つきまでも徹底されたその老けメイクの表現力は今見ても色褪せませんが、本作では「1人の俳優が異なるキャラとして同じ画面内に複数人登場し、互いに会話などのやり取りを行う」という、当時としては前代未聞の合成による新たな映像表現にチャレンジをしています。
老ビフとクリフがカフェ内で一画面に収まるシーンの、合成の粗さがまったくもって目立たない自然すぎる映像に早速驚かされます。
2人が順にドアをくぐるシーンでは、開閉するドア枠でフィルムの境界線を分けて不自然さを抹消しています。
老ビフとクリフと若ビフを、それぞれトーマス・F・ウィルソンが演じているのは、作品を何気なく観ている人にとっても分かりやすい演出ですね。
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ここではマーティと彼の息子と娘、そしてロレインの4人が映っているのですが、実際にはこの1画面には2人の俳優しかいないことは、普段映画を観ない人であれば気が付かないかもしれません。
なんとマイケル・J・フォックスが、マーティと彼の息子と娘の3役を演じているのです。
マーティが息子のコップにドリンクを注ぐ物理的な描写もあって、マイケルが本当に3人いるのかと錯覚するほどです。
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そして車の運転席に座った老ビフがスポーツ年鑑を助席の若ビフに渡す、タイムパラドックスの引き金となる重要なシーン。
フロントガラスの窓枠でフィルムの境界線をぼかしているのですが、ボンネットに2人がそれぞれ反射している徹底した表現、フィルムをまたいで移動するスポーツ年鑑の大胆さには思わず目を丸くします。
1985年のドクが、1955年でデロリアンがタイムスリップする装置を準備していた若ドクに鉢合わせたシーン。
1本の電灯がフィルムの繋ぎ目となっており、レンチを電灯越しに渡す腕がちょっと不自然な動きをしており、1985年のドクの腕ではなく1955年のドクのフィルム側にいる全くの別人が演じた腕であると察することができます。
今現在の映画でしたら、優れたCGによって簡単に映像化できると思うかもしれませんが、当時はまだ映画界にCGが普及していませんでした。
そこで用いたのが、当時としては最先端であった「ビスタ・グライド・システム」という、別々に撮影した映像をフィルムの境界線をぼかして自然に繋げる合成技術です。
空から降りてきたミニチュアのデロリアンが、フィルムの繋ぎ目が隠された電灯の後ろを通り過ぎた瞬間に実物の自動車に切り替わったり、走り去る実物のタクシーが老ビフの後ろ姿に隠れた瞬間に映像を切り替え、ミニチュアタクシーが空に飛びあがっていく様子を違和感なく繋げていたりと、上記の他にも粗のない合成技術が光るシーンは多々あり、観ていて感服するばかりなのです。
・「腰抜け!」
本作から物語の展開において重要なワードとなるのが「腰抜け!」というセリフです。
本作でこの言葉をぶつけられたマーティは分かりやすく怒りを露わにし、「誰にも腰抜けなんて呼ばせない!」とけんか腰になる、彼が最も忌み嫌う言葉でなのです。
恐らくはパッとしない(しなかった)父親のジョージに例えられて、マーティは人生の中で何回もこの言葉を投げかけられており、馬鹿にされることに何より腹を立てているのでしょう。
1作目では全く持って触れられることがなかったので、2作目からの唐突な追加要素として不自然と言えばそうなのですが、1作目でマーティがビフに対して果敢にも拳を向けていることからも、彼の短気で喧嘩っ早い性格はすでに確立されていたので一応は納得ができます。
この短気があだとなりマーティは、本作、そして次作においてことあるごとにその場の事態を悪化させてしまうのです。
2015年のマーティが落ちぶれてしまった理由として「ロールスロイス事件」なるものが簡単に語られますが、これも事の発端はマーティの短気であったことが示唆されています(ロールスロイス事件の真相は次作までいったん保留となる)。
我を忘れて感情的になってしまうマーティの性格は、その場の状況を180度変えてしまう物語の起伏の激しさ=すなわちドキドキハラハラの展開の盛り上げを担っているだけではありません。
マーティの内面に弱さを持たせることで、ドラマ部分にも新しい見所が生まれますし、彼が単にタイムパラドックスに翻弄されるだけの退屈な存在になることを回避し、観客の彼への感情移入を促します。
冷静に物事を判断することなく、感情に任せて放出してしまった言動は、自分の「未来」を危ぶめるトリガーになってしまうというメッセージも見え隠れします。
本作での積み重なった失敗は、マーティが次作で人間として成長を見せるための経験として大きな伏線ともなっています。
・人間の欲が巻き起こしたタイムパラドックス
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物語の後半、ビフの企みによって1985年の世界は、彼がすべてを牛耳るかのような恐ろしい姿へと変貌をしてしまいます。
ドクのセリフにもありますが、タイムスリップが持ち合わせる危険度の高いリスクを映し出したこのシーンは、前作の雰囲気と比べると圧倒的に暗くて残酷な気分になります。
この状況を生み出したのが、主人公であるマーティが原因になっていることが少々ショックです。
2015年で購入した、過去のあらゆるスポーツの結果が記載された年鑑(その割には本が薄い)を過去に持ち帰り、勝つ側に賭けまくって稼ごうと目論むマーティ。
ですが「タイムトラベルを金儲けに利用するでない、未来が変わってしまう」と一喝したドクが年鑑をゴミ箱に捨てて、マーティはしぶしぶ諦めます。
そのやり取りを聞いていた老ビフがアイデアを盗み、デロリアンに乗って過去の自分に年鑑を渡したことによって別の1985年が生まれてしまったのです。
アイデアを横取りされたと憤慨するマーティですが、直後にはっとして「僕がこんなこと考えたから・・・」と、自分が惨劇の引き金になっていた事実を後悔する姿も見せます。
人間らしい欲望と後悔。
人間誰しもが容易に抱いてしまう私利私欲が、時には自分の大切なものを失う結果を作ってしまう戒めを、タイムパラドックスという本作ならではのコンセプトで発信をしています。
もしもマーティが年鑑を捨てずに無事1985年に帰還していたら、それこそ彼の私欲によって歴史は破壊されていた可能性もあるのです。
ところが、マーティが小遣い稼ぎを思いついたきっかけには、実はドクの発言が関与しているのかもしれません。
マーティは2015年のヒルバレーで、ワールドシリーズ(野球)の広告を見た流れで小遣い稼ぎを思いついたのですが、実は前作でドクはマーティに対して「未来に行くならついでにワールドシリーズの結果も見たい」と漏らしていました。
この時、おそらくドクはタイムパラドックスの恐ろしさに深くまで気づいていなかったのかもしれませんね。
科学者として軽率な発言をしてしまったからこそ、ドクは全力でマーティの考えを葬ったのかもしれませんが、彼の前作での発言がマーティの頭の中に思い浮かんだ可能性も捨てきれません。
「過ぎた過ちは忘れろ」と慰めるドクに対して「未来のことだろ?」と返すマーティ。
「過ぎた未来」という矛盾した概念が、暗すぎる別の1985年で笑える唯一のネタなのかもしれませんね。
余談ですが、このシーンでドクが黒板を用いて「複数の時間軸」と「タイムパラドックス」についてを科学者らしく説明するのですが、もの凄くややこしい状況なのに、線と文字だけで表される解説がとても理解しやすく、印象に残っています。
結局はマーティとドクの活躍によってスポーツ年鑑はビフの手を離れ、歴史は再び元の道を歩むことになり、老ビフの企みは阻止されます。
ビフの将来も変わることはなくなり、前作のマーティに続いて、本作ではビフが自分の在り方と人生に決着をつけたと言えます。
・前作から繋がり、次作にも影響する伏線
1:デジャヴ現象の数々
2015年に到着したマーティは、ドクの指示通りカフェに向かい、そこでビフの孫であるクリフと争い、時計台広場をホバーボードに乗って逃げて、、、。
と、1作目で観たカフェの構造や流れとほとんど一緒の展開になっていることが分かります(ビフ老人も「前(1955年)に観たことがある光景だぞ」と呟いている)。
クリフに「おいあれはなんだ!」攻撃を防がれたり、スケートボードがホバーボードに代わっていたりと、前作との僅かな違いを見せながらも、タイムスリップの中で巻き起こるデジャヴ現象をユーモラスに設定することで笑いを誘っています。
他にも「車に轢かれそうになるマーティ」や「目覚めて『ママ?ママなのかい?』と寝ぼけるマーティ」など、一連のデジャヴ現象はシリーズ恒例の笑いのタネとなっていて、他のシリーズには決して真似ができない唯一無二の魅力と言えるでしょう。
2:ガソリンスタンド
上記のデジャブ現象ネタの一つですが、1955年ではスタンド内に従業員がいたことに驚いていたマーティが、2015年のスタンドでは給油が全自動になって無人化となっていることに驚くのでした。
3:2015年のヒルバレー市長
2015年のヒルバレー市長は、1985年の市長であったゴールディ・ウィルソンの孫でした。
彼は道路の渋滞を解消するために、自動車を飛行可能にする改造装置の販売を行っているようですが、劇中ではドクが「空のハイウェイが渋滞している」とぼやくシーンがあって、矛盾してますね 笑
4:時計台の壊れた出っ張り
1955年でドクが壊した時計台の出っ張りは、2015年でもそのままの状態になっています。
細かいタイムパラドックスネタですな~。
5:ペプシが開けられないマーティ
1955年でもペプシのフタが開けられずジョージに助けてもらったマーティですが、2015年においても、購入した見たこともないペプシのフタを開けられず、ビフとクリフの介入もあり、結局は飲むことができませんでした。
6:肥し
1作目と同様、ビフはまたも「ジョーンズ肥料店」の肥しの餌食になってしまいます。
7:次回作を匂わせる伏線
次回作である『PART3』とほとんど同時期に製作されたこともあって、次作につながる伏線が幾つも隠されています。
覚えておけば『PART3』をより楽しむことができます。
どういう風に次作に活きてくるのかは、作品を観てからのお楽しみに☆
・マーティがカフェ80`sで「ワイルドガンマン」をプレイする際、華麗な銃さばきを見せることから分かる、彼の射撃の腕の高さ。
・マーティがクリフとの一件に決着をつけた後、戻ってきたドクが機関車の描かれたシャツを着ている。
・2015年のマーティ家で触れられる「ロールス・ロイス事件」と、マーティが落ちぶれることになるきっかけ。
・2015年から1985年に帰る前に、ドクが発する「西部開拓時代に行けなかったのが残念だ」と「今後は宇宙の神秘を研究しよう・・・女だよ」というセリフ。
・変わり果ててしまった1985年のビフ・タネン博物館の紹介VTRで映る、西部時代の彼の先祖であるビフォード・タネン。
・ビフが女を両手に風呂の中で観ている、クリント・イーストウッド主演の『荒野の用心棒』とその劇中のネタ。
・ビフから逃げるためにマーティが繰り出す、お馴染み「おいあれはなんだ」攻撃の一環であるフリスビー投げ。
・未来世界の小ネタ
本作最大のお楽しみ場面である2015年の世界観。
想像力に満ち溢れた未来の世界に現実がついていけず、結局は実現しなかったものがほとんどですが、中には現実の未来をしっかりと先取りしていたものや、実際にこの世に生まれて世界に浸透をした技術もあったりします。
まずは実現しなかったものから見ていきましょう。
1:天気予報
2015年の世界では秒単位で天気を予測できるほど、気象庁が進歩していたようです。
2:若返り手術
事前に2015年に来ていたドクは若返りクリニックに赴き、シワを伸ばして体内の血液を入れ替え、内臓も交換していたという驚くべき医療の進歩。
3:弁護士の廃止
2015年の裁判では弁護士制度が廃止され、閉廷までわずか2時間となるほどのスピード裁判です。
4:ジョーズ PART19
ヒルバレー広場にある映画館に設置され、マーティを襲うこの3Dホログラム付きの看板。
実は製作総指揮のスピルバーグが、自身が生み出した『ジョーズ』とは関係なく世界中で低俗なサメ映画が量産されていたことを皮肉り、2015年では『ジョーズ』の19作目が製作されていると仮定したメタ設定です。
19作目の監督はスピルバーグ・ジュニア。
5:マイケル・ジャクソン
カフェ80`sの店内のBGMは、マイケル・ジャクソンの名曲『Beat it』。
ノリノリです。
店内には他にも、今ならAIとでも呼ぶべきでしょうか、テレビモニターの中のウェイターが客のオーダーを聞くシステムが備え付けられていますが、カウンターのモニター内にはマイケル・ジャクソンがウェイターとして映っています(本人ではないらしいけど)。
残念なことに、マイケル自身は2009年に亡くなってしまいました。
他のモニター内のウェイターには、ロナルド・レーガン大統領やイランのホメイニも映っており(敵国関係を表してかモニター内で喧嘩をしている)、まさに80年代のアメリカをイメージしたカフェであることが分かります。
6:冷凍ピザ
レンジに入れた小型のピザが、数秒で温まって従来のサイズに巨大化しているという、地味に羨ましいネタ。
7:ネクタイ
2015年のマーティを含め、ネクタイを首元から2本垂らしているファッションが見受けられます。
ダサい 笑
ドクが身に着けているネクタイはプラスチックのような透明な素材のものでした。
続いて、映画の公開後に現実世界に羽ばたいたツールを紹介します。
8:レイザーディスクの衰退
2015年でジェニファーを寝かせておく路地裏では、大量のレイザーディスク(LD)がまとめて捨てられています。
LD自体は2000年初頭には完全に衰退してしまったのですが、路地裏に捨てられているということは、LDに代わる別の映像媒体ソフトが生み出されたことを示唆しており、実際に現在ではDVDとブルーレイが主流となっていますね。
9:自動靴ひも
マーティがドクから渡されたナイキのスニーカーは、足を突っ込むだけで靴ひもが締まる優れもの(パワー靴ひも)。
実は2011年にナイキが公式商品として、数量限定でこのスニーカーを開発・販売しています。
10:ホバーボード
劇中では明らかになりませんが、なんらかの浮遊力を発してほわほわと宙を走ることができるスケボーの進化版。
劇中のようにどんな場所でも柔軟に進むことはできませんが、2015年にある大企業のレクサスが、最新の電動技術で浮遊するホバーボードの開発に成功しています(とんでもない資金がかかったようですが、、、)。
11:指紋認証
ドアにはノブがついておらず、ドア横のプレートに指紋を当てれば開閉ができる仕組みです。
指紋認証はすでにスマホの機能の一環として浸透していますね。
12:壁掛け薄型テレビ
残念なことに管理人は持っていません(涙
いつかはスペースを取らない大型壁掛けテレビで映画を鑑賞できる日々を贈りたいな。
13:音声機能
ロレインがレンジに冷凍ピザを入れ、自身の声でピザの温めが始まります。
前述のとおり冷凍巨大化ピザは実現しませんでしたが、機械の音声操作は、Siriやアレクサなどで既にお馴染みですね。
その他:俳優の入れ替え
実はジェニファーを演じる女優は、大人の事情によりクローディア・ウェルズからエリザベス・シューに変更されています。
そのため、冒頭に映る前作のラストシーンは使い回しではなく、なんと新規に撮り直しているのです。
言われなければうっかり気づかない人も多いのでは?
個人的にはエリザベスの方が可憐で可愛いと思うので問題なしです!
※『インビンジブル』でケビン・ベーコンに出歯亀されまくってた主演の女優さんです。
また、本作にはマーティの父親ジョージも登場するのですが、クリスピン・グローヴァー演じるジョージの顔がアップになるシーンの使いまわし以外は、2015年の年老いたジョージも、1955年で不自然に後ろ姿しか映らないシーンも全く別の俳優が演じているのです。
こちらも大人の事情らしいのですが、クリスピンからの訴訟が起こるなど結構な揉め事になったそうです。
詳しく知りたい方はぜひ調べてみてください!
■日本がらみ
マーティがクリフのグループから逃走しているシーンでは、「ヒルバレージュエリー」と形の危ういカタカナで表記された店の看板も確認できます。
よく見ると、店内の反対側には「パックマン」の筐体ゲームも置かれています。
ちなみに、ゲームをプレイするマーティを馬鹿にする手前の子供は、後に『ロード・オブ・ザ・リング』などで大俳優となるイライジャ・ウッド。
1980年代の日本はバブル経済で世界的にもウハウハな好景気だったので、この頃のハリウッド映画ではビジネスの相手が日本人だったりする演出は珍しくありません。
2015年でも日本は世界経済の上位に位置しているだろう、という解釈だったんですね。
2015年を過ぎた現在でも、どこを探してもフジツーさんなんて日本人は見当たりませんが、製作陣は日本企業の「富士通」から名前を拝借したようです、やっぱり。
テレビ電話で「フジツーサン、コニチワ~」と挨拶をする47歳のマーティだが、画面上に上司であるフジツーの年齢は42歳と表記、しかも子供もいないと書いてある(あとビールが嫌いという文字も読み取れる。細かい)。
僅かな気づきではありますが、こんなところにもマーティの没落具合を痛感します。
■鑑定結果
未来の2015年を眺めているだけでも楽しく、前作以上に用意された多くの小ネタを探す楽しみも増えた本作。
後半のスリリングな展開と、タイムパラドックスにあやかった人生へのメッセージ性からも目が離せません。
ストーリーの盛り上がりが最高潮に達する中での唐突な幕引きにはやられましたね。
ますます次作が待ち遠しくなること間違いありません。
となります!!
前述の通り、前作から繋がっている部分もあるので、よろしければ復習用に前作の鑑定記事もどうぞ☆
それでは今回の鑑定はここまで。
またお会いしましょう!
よろしければシェアをしていただけると幸いです!↓↓
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