ネタバレ/感想/考察『トムとジェリー』の鑑定結果【ネコとネズミの人気アニメが初の実写化!あのキャラもゲスト参加!?】

コメディ
(C)2020 Warner Bros. All Rights Reserved.

 

Jing-Fu
Jing-Fu

みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『トムとジェリー』です。

世界一有名なネコとネズミの追いかけっこが、アニメを飛び出して初の実写化作品として生まれ変わりました。

幼少期から何回も何回も初期アニメのビデオとDVDを観直してきた管理人にとってはドストライクな作品であり、かなり前から注目していた作品です。

それでは早速鑑定していきましょう!

 

■作品情報

・基本情報

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■原題:Tom and Jerry

■発掘国/制作年:アメリカ(2021)

■キャッチコピー

大嫌いだけど、好き。

 

・監督、キャスト

■監督:ティム・ストーリー

 

■主要キャスト

トム:HIMSELF

ジェリー:HIMSELF

ケイラ:クロエ・グレース・モレッツ

テレンス:マイケル・ペーニャ

ベン:コリン・ジョスト

ドゥブロー:ロブ・ディレイニー

ジャッキー:ケン・チョン

プリータ:パラヴィ・シャーダ

キャメロン:ジョーダン・ボルジャー

ジョイ:パッシー・フェラン

ギャビン:ダニエル・アデグボイェガ

・あらすじ

アメリカのニューヨーク。職を探していたケイラ(クロエ・グレース・モレッツ)は、ひょんなことから高級ホテルの従業員として就職することに成功する。そのホテルでは、有名セレブのベン(コリン・ジョスト)とプリータ(パラヴィ・シャーダ)の盛大な結婚パーティが予定されており、世界中が注目するイベントとしてホテル中が準備に向けて大忙しだった。そんな中、ニューヨークに住まい探しに来たネズミのジェリーがホテルに住み着いてしまい、ジェリーを追い出す任務を任されたケイラはピアノを弾いて放浪するネコのトムを雇い、早速ジェリー探しに取り掛かる。犬猿の仲であるトムとジェリーは出会う度に大騒ぎを起こし、その結果パーティ準備中のホテルが滅茶苦茶になってしまい・・・。

 

■ざくっと感想

Jing-Fu
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本作の鑑定結果は、、、

鑑定結果ダイヤモンド映画(☆7)!!

 

アメリカが生んだ、世界一有名なネコとネズミのアニメーションである『トムとジェリー』2020年で誕生から「80年」て、その薄れない人気ぶりを主張するかのような凄い歴史ですよね~。そんなみんな大好きトムジェリが、満を持して初の実写化作品として描かれることが注目されている本作。実写化といっても、トムジェリはリアルテイストな動物として描かれているわけではなく、オリジナルを尊重したカートゥーン調のCGで表現されているのが特徴だ。

ひたすら追いかけっこを続けるトムとジェリーの魅力はそのままに、実写世界を舞台に暴れまわるドタバタ劇が何よりの見所。アニメーションならではのシュールなギャグ、感情表現豊かなBGMなど、原作の醍醐味を踏襲するスラップスティックコメディ具合は観ていて素直に楽しかった。また、トムジェリの追いかけっこの中には随所に過去作のアクションネタが意識されていて、特に初期のハンナ=バーベラによる第1期のアニメを観ていた人の童心をくすぐるサービス精神が豊富。

あくまでも作品のメインはトムジェリなので、純粋に彼らのドタバタ劇のみを楽しみにしていると人間のドラマパートで少々ダレるかもしれない。それでもドラマの成り行きとトムジェリの巻き起こす騒動を上手いこと融合できていると思ったし、『キック・アス』シリーズの人気若手女優クロエ・グレース・モレッツ『アントマン』での饒舌な口回しが光っていたマイケル・ペーニャなどといった魅力的なキャストが出演していることも忘れてはいけない。

 

以下、ネタバレありの感想と考察になります。

作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!


 

 

 

 

 

 

 

 

■感想と考察

・原作イメージを守った実写作品

ボロボロになっていく実写背景のリアルタイム変化が凄い。

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「トムジェリが実写化される」というニュースを初めて聞いた時、てっきりトムジェリが超リアルなネコとネズミになるのかな~なんて思ってたんだけど、いざ蓋を開けてみたらそういう訳でもなく、初期のアニメーションからそのまま飛び出してきたかのようなカートゥン調だったのが結構意外だったんですよね~。分かりやすく例えると、1988年の『ロジャーラビット』と同様のスタイル。

実写の世界にカートゥンキャラクターが立っていると、やっぱり浮いている 笑 違和感がないかと聞かれれば首を縦に振ることはできない。でもトムジェリは原作のイメージが根強く浸透していることもあり、例えば『ピーターラビット』みたいにリアルテイストな動物にフォルムチェンジして写実性を求めていたとしたら、この作品は完全に失敗していたと思う。トムジェリのシュールなスラップスティックコメディはアニメーション、もしくはカートゥン調のCGでないと絶対に描くことはできないし、それでこそトムジェリと呼べる代物なので、下手に原作イメージをデフォルメしなかったこの判断は正解ですね。肝心のトムジェリの描写は、初期のハンナ=バーベラによる第1期のアニメに寄った印象が可愛らしく、憎たらしいけどどこか憎めない愛おしさも含めて、2匹の魅力が優しく全力で伝わってくるので文句のつけようがない。ピンポイントで注目すると、特に2匹の眉毛と眉間の動きが原作らしくて凄く好きです 笑

そんなトムジェリのカートゥンイメージに合わせてか、劇中に登場する人間以外の動物は全て同じカートゥン調で描かれていたりする。それは原作出身のメインキャラだけでなく、天井の隅にいるクモや食用の魚まで、とにかく動物全てである。そもそもトムジェリが動物の擬人化されたキャラクターなので、この世界観で他の動物たちが普通の様子で描かれているとそれはそれで違和感が出てしまう。だからこの作品は、擬人化された動物たちが喋って歌う一種のファンタジー映画として捉えた方がより楽しめるはずだ。

 

・原作ファンを想う追いかけっこ

おなじみのドタバタネタが盛りだくさん!?

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作品の要となるのはやはり、トムジェリによるドタバタの追いかけっこに尽きる。ドリフのコントよろしくハードでシュールな攻防が笑いを誘うのはもちろん、2匹の追いかけっこにおける「スピード感」、そしてエッジの効いた「ドリフト」「ターボ」というシンプルながらも肝となっていた魅力がしっかりと伝わってくるのが嬉しい。 「ああ、今自分はトムジェリを観ているんだな~」と、ちゃーんと物思いに浸れる作風は大事。2匹が喧嘩の末に協力するという流れは決して珍しい展開ではないのだが、これもトムジェリの見所の一つであり、「仲良く喧嘩しな♪」のフレーズがよく似合う友情ものとしても欠かせない要素なのだ。

 

・初期アニメのオマージュシーンが盛りだくさん!

本作のトムジェリの攻防を観ていると、原作ファンであればあるほど「あれ?今のネタ観たことあるぞ!」と気付くポイントがかなり多い。例えば冒頭、トムが振り下ろす看板をバレリーナのようなポーズで避け続けるジェリーは『仲間割れ』から、トムが即席の翼を作って滑空するのは『トム君空を飛ぶ』から、気絶したトムの耳をジェリーが通り抜けるのは『ジェリーと金魚』から。こういった具合で、特にハンナ=バーベラによる第1期のアニメで出てきたネタがひじょ~に沢山仕込まれていて、管理人のような3歳のころから初期のアニメのビデオを見続けてきたような人間にとってはたまらない「ファンサービス」であり、「オマージュ」であり、「原点回帰」でもあるのだ。

しかもオマージュは1つ1つのアクションやイベントだけに留まらず、トムやジェリーのちょっとした行動や何でもない挙動までにも現れており、原作ファンであればそれらを探して懐かしみ、ムフフと楽しむのも大きな醍醐味になっていたりしてもう最高。個人的には『失敗は成功のもと』などで描かれていた、トムによるジェリーに向けたピタゴラスイッチ捕獲が観れたのが良かったなあ。

オマージュばかりに固執するだけでもなく、スマホやドローンを活かした行動も組み込むなどの現代らしいアイデアも見受けられ、新作らしさが出ていて良いと思った。そしてその他にも、ピアノが得意でソウルフルボイスで歌唱するトムだったり、チーズの匂いに誘われて宙を漂うジェリーだったり、2匹の性格や特徴も忘れず物語に活かして描写されている。

 

・感情を表現するBGM

原作のトムジェリの魅力の1つとして挙げられるのが、極めて高クオリティな「素晴らしい音楽」。トムジェリは基本的には喋らない存在なので、彼らの感情を探るにはその場の画を見るしかないんだけど、それが返って観ている子供たちの「想像力」を育むとして評価される側面ともなっている。さらにはそんなセリフのない2匹の感情や行動を画期的に表現しているのが音楽なのだ。トムたちの喜怒哀楽、今の状況が落ち着いているのかひっ迫しているのかが分かるフルオーケストラの音楽と効果音を、映像に巧みに合わせて表現しているのは神業としか言いようがなく、例えば音楽をテーマとした『ピアノ・コンサート』や『ワルツの王様』がアカデミー賞を受賞していることからもその品質の高さが伺える。

ちょっと話が脱線しちゃったけど、本作でも音楽と効果音による喜怒哀楽表現は継承されていた。本作には基本的にBGMが無音となるシーンがなく、99%は何かしらの音楽が流れてるんだよね。トムジェリだけでなくセリフのある人間パートにも音楽表現が反映されていて、楽しく悲しく、音楽の力を存分に発揮した感情豊かな作風に仕上がっていました。

 

・トムの叫び声も◎

アニメ版にてトレードマークとなっている、トムがダメージを受けた際に発する甲高い「アゥオゥオッホホホ〜ウ!!」とか「ア゛ーーーーーッ!!」の特徴的すぎる悲鳴が聞けたのにも拍手を送りたい。それだけでなく、ジェリーが腹を抱えて笑う声を小高いラッパで鳴らしていたのも従来通りのサービスポイント。せっかくなら、2人が驚いて飛び上がった時に発する「ハァァーーッ!!」も取り入れてほしかった。

 

・懐かしいあのキャラクターたちも参戦!?

ブルドックのスパイクおじさんや、トムを虜にする白雌猫(トゥードル?)などといった原作ではお馴染みのキャラクターたちが登場し、物語によく絡んでいるのもファンとしては嬉しいポイントだ。さらに黒猫のブッチだけでなく、『土曜の夜は』に登場したオレンジ猫のジョーとチビ猫のトプシー、そして『悪魔のささやき』のフランキーまで、トムの悪友たちが大挙しているのは思いがけない喜びとなった。この調子で大好きなチビネズミのニブルスも登場してくれてたらパーフェクトだったんだけどなぁ。

また、トムジェリ初期作をリアルタイム、またはビデオで観ていた世代にとっては予想外のビッグサプライズゲストまで登場していた。劇中、トムジェリが連行される動物保護局のシーンにて、薄暗いケージの中に二本足で立つ垂れ目の白犬が一瞬映って、カメラに向かって「やあ」と呟く。実は彼は、初期トムジェリの制作会社であるMGM(ライオンが吠えるロゴで有名)のカートゥーンキャラクターだったドルーピーというキャラ。トムジェリと一緒にドルーピーが主役の短編が放送されていたり、トムジェリに隠れキャラとして登場していた、トムジェリとは意外に関係の深い存在なのだ。この一瞬のドルーピーを見逃さなかった人は、通です 笑

 

・クロエは○○相手に演技をしていた!?

実写とアニメの掛け合いにも注目!

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トムジェリはCGで描かれる存在。実際には目の前に存在しない、「主役が不在」という特殊な環境下での撮影は、トムジェリと一番絡むケイラ役のクロエにとっては初めての経験だったらしい。しかもトムジェリは喋らないキャラなので、彼らの動きを想像して演技をする必要があるだけでなく、彼らの想いを喜劇向きのオーバーな表情やジェスチャーも駆使して代弁しなくてはならず、決して簡単な仕事とは言えない役柄だっただろう。それでもクロエは、流石は子供時代から頭角を現してきた抜群の演技センスと幅を発揮してそれをやってのけただけでなく、真面目で、ちょっぴりズルでドジなケイラという役柄と合わせ、全編に渡ってユーモラスな言動を魅せて喜劇に華を添えていた。

撮影中、トムジェリや他の動物たちの行動は、ごく簡単なパペットや役者による仮演技で表現され、そのイメージを相手に役者たちは演技をしていたらしい。時にはもっと斬新な物がイメージアイテムとして使用されたらしく、クロエがトゥーツを抱きかかえるシーンでは、なんとクロエは監督から投げ渡された土袋を抱えて演技をしたんだとか 笑

まだ24歳と言う若さながらも、どんどん多種多様な演技を吸収して身にしていく彼女にはぐうの音も出ない。

 

Jing-Fu
Jing-Fu

ホテルマン姿でドタバタするクロエちゃん、相変わらずかわいいです♡

 

もちろんクロエだけでなく、トムジェリやその他の動物たちとカメラの中で初めて絡むことになる他の役者たちもごく自然な演技と掛け合いをこなしており、どの角度からも、実写とアニメーションの融合が織り成す素晴らしいコントラストを味わうことができる。

 

■日本がらみ

・今回、特に日本がらみの要素は見つかりませんでした。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
Jing-Fu

今までトムジェリに触れたことのないライト層から、初期アニメを堪能してきた従来のファンまで、大人も子供も安心して楽しめる良作ファンタジーコメディになってます。

 

鑑定結果:ダイヤモンド映画(☆7)

 

となります!!

 

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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