【ネタバレ/感想/考察】映画『ジャングル・クルーズ』の鑑定【ラストは? アトラクションとの違いは?】

アドベンチャー
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Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『ジャングル・クルーズ』です。

ディズニーランドの老舗アトラクションの実写化作品。

ロック様エミリー・ブラントという大物スターを配置し、原作のジャングルや川といった設定を最大限に広げて万人受けする冒険活劇として仕上げているのが魅力的です。

そんな『ジャングル・クルーズ』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

ロック様が演じる主人公フランクの正体は衝撃的!?

 

■『ジャングル・クルーズ』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

「ジャングル・クルーズ」特報 ロングver.

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■あらすじ

好奇心旺盛で行動力のある植物博士のリリー(エミリー・ブラント)は、アマゾンのジャングルの奥深くに存在するという、「手にすれば不老不死の力を得る」とされる伝説の奇跡の花を追い求めていた。ブラジル、アマゾン川に沿う町に到着して腕のいいクルーズ船の船長を探すリリーは、クルーズツアーを営みつつアマゾン川の全てを知り尽くしているというフランク(ドウェイン・ジョンソン)と出会うのだが・・・。

 

 

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■原題:Jungle Cruise

■発掘国/制作年:アメリカ(2021)

■上映時間:127分

■キャッチコピー:史上空前のアトラクション・アドベンチャーへ

■監督:ジャウム・コレット=セラ

■主要キャスト

フランク:ドウェイン・ジョンソン

リリー:エミリー・ブラント

マクレガー:ジャック・ホワイトホール

アギーレ:エドガー・ラミレス

ヨアヒム王子:ジェシー・プレモンス

ニール:ポール・ジアマッティ

 

■『ジャングル・クルーズ』のネタバレ感想と考察

①原作に愉快痛快なアイデアを肉付けしまくった冒険活劇

②ジャッキー・チェンへのオマージュアクション?

③『パイレーツ・オブ・カリビアン』で培った多彩なディズニー呪い

④昨今らしいディズニー演出

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:原作に愉快痛快なアイデアを肉付けしまくった冒険活劇

ロック船長のドキドキクルーズ旅!

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原作となるアトラクションは管理人も小さいころから馴染みがあって、日本はもちろん、カリフォルニアと香港のディズニーランドでも体験済み。それぞれでコースや仕掛けに若干の違いはあれど、「船長のクルーズ船に乗ってガイドに参加する」というスタイルは一貫していて、船長の巧みな話術に沿って様々なジャングルの景色を楽しみながら奥へと進んでいくのが何よりの特色だ。船長はあくまでもガイドに過ぎず、このアトラクションの主人公は僕たち「ゲスト」であって、明確な「ストーリー」やストーリーを牽引する「主人公」が存在しない(まあほとんどのディズニー古参アトラクションに同じことが言えるけど)。

前置きはここまでにして、そんな「ジャングルの川を船で進んでいく」というもの凄くシンプルながらも色々な方向に枝を生やすことができる下地から、一本の映画へと進化させた発想と構成が素晴らしかった。近代文明の発達と未開拓の秘境の存在、すなわちアドベンチャーが成立する20世紀初頭のジャングル、嗚呼、なんとロマン的な響きなんだろうか。男の心を鷲掴みにする「ジャングル」はアクションやファンタジーとの相性は抜群! ロック様エミリー・ブラントという2大ドル箱スターの視覚的安心感請け負いな主人公たち、永遠の命を手にすることができる花の伝説と呪い、そして花を巡って出し抜き合いを繰り広げる敵とのデッドヒート。『インディ・ジョーンズ』『ハムナプトラ』アクション×コメディ×ちょっぴりダークファンタジーの風味で味付け、愉快痛快なアドベンチャーアイデアを肉付けしまくった、いち冒険活劇として観ていて楽しい作品に仕上がってました。

Jing-Fu
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花で世界征服をしようとする悪の軍団がドイツ人だったり、スペインのコンキスタドールが別の悪党として登場していたりと、『インディ・ジョーンズ』シリーズを彷彿とさせるポイントがあってニヤリ。

 

オリジナリティに長けている一方、原作アトラクションとしての演出やオマージュポイントは結構控え目だった。水面のカバ(フランクの模型)、滝の裏(フランクの冗談)、原住民(フランクのダチ)とかキーワードとしてはいくつか登場するものの、アトラクションを再現したイベントとしてはほぼ皆無。木に5~6人の人間がしがみついて下のサイに追い立てられる場面くらいはあるかな〜と思ってたけど1ミリも映らなかったな笑 でも下手にアトラクション要素を詰め込むだけではエディ・マーフィ『ホーンテッド・マンション』の二番煎じになってしまいかねない。その点、演出面だけでなく起承転結の立ったストーリーを巧妙に練っている本作は、軸がブレずに非常に濃度と品質の高い逸品として満足できた!

Jing-Fu
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ロック様エミリー・ブラントのコントのような身振りやり取りも抱腹絶倒必至です。特に水中での空気補給のシーンがいちいちアホでツボ笑

 

ネタバレ②:ジャッキー・チェンへのオマージュアクション?

立ち回りから爆発まで、見応え抜群のアクション劇!

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ジャンルの王様である冒険活劇なだけあって、ファンタジーやホラーなどの様々なエンタメ要素が目白押しなのとテンポの良さに圧倒される本作。その中でも一番熱がこもっているのはやはりアクションでしょう。立ち回りからスタント、そしてランスルーなどといったバスター・キートンジャッキー・チェンを意識したかのような、多岐に渡って体を張るスラップスティックアクションの連続が嬉しい。本作の監督であるジャウム・コレット=セラリーアム・ニーソン主演の『ラン・オール・ナイト』『トレインミッション』などのアクション大作でも手堅い実績があるので、戦闘シーンではちょっとカメラの切り替えが速すぎるような気もしたけど、その迫力と娯楽性はお墨付きだった。またジャウム監督は『エスター』『蝋人形の館』『ロストバケーション』などといったホラー作品にも定評があり、ここでの経験が本作の程よいホラー演出に活きてるんだな〜ともしみじみ。

そうそう、ジャッキー・チェンと言えば、序盤のクルーズ船出港前のアクションシーンにその影響が強く見受けられた。ここではブラジルのアマゾン川に面した港町を舞台に、フランクとリリー、船着場のドンであるニーロとその手下たち、さらにドイツのヨアヒム王子一味を交えたゴタゴタ騒動が勃発する、本作の入りを担う重要なアクションシーンだ。リリーは市場を舞台にニーロの手下たちから逃げながら応戦するんだけど、狭い路地で障害物をかわしつつくんずほぐれずの追いかけっこをする様子がまさにジャッキー映画のスタイルだった。相手とぶつかって痛がるんだけど結果としてそれが攻撃になっていたりするのもそうだし、香辛料(?)を相手の顔面に叩き込むのはまんま『プロジェクトA2 史上最大の標的』だったしね笑

Jing-Fu
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時間にしてそこまで長いシーンでもないけど、個人的にはニンマリできるアクションシーンでした!

 

同シーンでは、その後のボートチェイスも凄まじい迫力だった。アマゾン川を舞台にフランクのクルーズ船と、なんとドイツのUボート(!!)が追いかけっこを繰り広げるのだ。まあ、『アンチャーテッド』でもネイトが「ジャングルにドイツのUボートはつきものだろ?」って言ってたからね〜笑 そんな異色の鬼ごっこが続く中、機銃によるスピーディでスリリングな追撃と回避があったり、建物が崩壊する大袈裟なオチがあったり、挙げ句の果てには水中の魚雷をジャンプ台で間一髪避ける『ワイスピ』じみた文字通りのぶっ飛びアクションなんかもあってお腹いっぱい。

こちらの期待に応えるかのように体を張って飛び回り、敵にメガトンパンチをお見舞いし、周囲の環境を破壊しまくる我らがロック様の頼もしさは言うまでもないけど、驚いたのはリリー役のエミリー・ブラント。好奇心旺盛で行動的なキャラ設定もあり、ロック様以上に動き回る彼女のダイナミックアクションには惚れ惚れした。よく考えればエミリー『オール・ユー・ニード・イズ・キル』撮影にて鍛え上げた体でトム・クルーズに負けじとアクションに挑んでいたこともあるので納得のたくましさ。誰もが振り向く美貌を持っていてコメディもできる女優さんなので、実はジャッキースタイルアクションとの相性が良い逸材なのかもしれない。

Jing-Fu
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冒頭、リリーがはしごで竹馬をするシーンは『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』のエヴリンへのオマージュなんだろうか。

 

ネタバレ③:『パイレーツ・オブ・カリビアン』で培った多彩なディズニー呪い

『パイレーツ・オブ・カリビアン』と見間違うほどの本格呪い!

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本作のキーポイントの一つが、「ジャングルの呪い」。かつて奇跡の花を追い求めてアマゾンへと足を踏み入れたスペインの探検家であるアギーレとその一味は、訳あって「ジャングルの川から離れられない」呪いに縛られてしまったことが語られている。川から一定距離離れれば、ペナルティのように木の蔓が伸びてきて引き戻されてしまうという、死ねない体で一生ジャングル暮らしを強制されるというめんどくさ過ぎる呪いなのだ。

長年ジャングルに囚われたアギーレとその手下3人はジャングルのアレコレと同化してしまい、見るも無惨な見た目になってしまって・・・なんだけど、このジャングル呪い体質の描写がバラエティに長けていて実に秀逸。アギーレは無数の蛇と同化してしまった「ミスターヘビ」。それに「(木の)蔓べえ」「泥男」「ハチミツマン」(全部今勝手につけたあだ名)と、それぞれが異なった見た目をしているのが最大の特徴だ。見た目のインパクトがとにかく面白く、みんな攻撃方法も弱点も異なるので自然とアクションが盛り上がっているのが分かる。

Jing-Fu
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この呪い設定が劇中のドラマとアクションが川の周囲で展開していくという流れをごく自然なものにして、「ジャングル・クルーズ」であることの定義が守られていることも感心です。

 

これまで看板シリーズである『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで、ゾンビ、海洋生物、ゴーストなど多種多様な見た目と特質の呪い体質を描いてきたディズニー。本作のジャングルならではの呪い体質は、『パイレーツ』シリーズでディズニーが培ってきた映像表現の集大成とも言えるクオリティだし、本家『パイレーツ』シリーズの新作に登場させても良いくらいのアイデアになっていると思う。中でもアイデアの宝庫であるジャングルの中からハチミツマンを選んだ製作陣のセンスと、彼の奇抜な能力は絶賛したい。全身がハチミツと蜂の巣だから当然切れないし、蜂というオプションは攻撃だけでなくドローンとして遠隔操作ができ、遠距離で意思の疎通もできるハチネットワークとしても機能している利便性の高さ。常に体からハチミツが流れ出ているから、疲れている時に舐めれば疲労回復できるだろうという冗談は置いておいても、これほど斬新でキャラの立ったニッチアイデアはそうそうお目にかかれませんよ。

物語の中盤で、実はロック様演じるフランクはかつてアギーレの仲間で、彼も400年以上生きている呪われた存在であるというサプライズには素直にびっくりした。文明社会に憧れている、それにも関わらず川から離れない生活を送っているなど、序盤から彼のバックヤードをほのめかす伏線は漂っていたものの、まさかこれは予想できませんでした笑 剣で刺されても死なないロック様、とうとう最強ハゲはここまできてしまったか。しかも400年前の回想シーンでロン毛なロック様を観ることができるのもレアな見所もあるぞ 笑 ちなみにアギーレは本作の悪役ポジションの役所であるものの、奇跡の花を探し求めて暴挙に出てしまったのが病にかかった幼い娘を救うためという人間らしい想いによるものだった。富や権力を追い求めていなかったことを考えると、彼を純粋な悪役として観るのが難しくなる、なんとも複雑なキャラクターでした。

 

考察①:昨今らしいディズニー演出と失敗例

フランクのペット兼相棒として、戦闘もじゃれあいも芝居もできるジャガーのプロクシマを登場させているのも、擬人的な動物で魅せるディズニー作品らしいポイントで、常にほっこりを忘れないのが嬉しい。

一方で、作中にジェンダーやLGBTを表現しているのも、昨今のディズニーではよく目にする光景だ。本作も例外ではなく、原住民のリーダーが女性であったり、リリーの弟であるマクレガーがゲイである設定が存在している。前者はラストにマクレガーが「女性が長の原住民でもよく統率された素晴らしい組織だった」と聴衆に告げ、呆れる男性陣の一方で女性陣が拍手を送っているという分かりやすいもの。一方、後者は中盤でマクレガーがフランクに「男を好きになって(明確に男とは言ってないけど)周囲から非難を浴びる中で、姉のリリーだけが賛同してくれた」ことが、彼女に着いていく理由だと説明している。・・・でも、それだけなんだよね。特段、ストーリー的にマクレガーがゲイである意味を感じられず、ずいぶん雑な設定だな〜と思った。

Jing-Fu
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ただ単にジェンダーキャラを配置すればそれで良い、なんて考えはよくないと思うんだけど・・・。

よくない事例ですね、これは。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
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冒険活劇としては非の打ち所がないほど楽しく、ディズニーアトラクション出身の作品としてはトップクラスのクオリティだと思います!

鑑定結果:エメラルド映画(☆8)

 

■映画『ジャングル・クルーズ』はどんな人におすすめ?

 

『インディ・ジョーンズ』『ハムナプトラ』が好きな人

『パイレーツ・オブ・カリビアン』が好きな人

・夢とロマンの詰まった冒険活劇を堪能したい人

 

■最後に

本作と同じくディズニー作品の鑑定はコチラ☆

『ラーヤと龍の王国』

 

『アラジン』

 

リリー役のエミリー・ブラントが出演する作品はコチラ☆

『クワイエット・プレイス』

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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