ネタバレ/感想/考察『ハリー・ポッターと賢者の石』の鑑定結果【子供をスクリーンに惹き込む魔法の力とは】

ファンタジー
TM &(C)2001 Warner Bros. Ent.,Harry Potter Publishing Rights(C)J.K.R.

 

Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『ハリー・ポッターと賢者の石』です。

老若男女を問わずに幅広い世代に認知されている魔法のファンタジーシリーズ第1弾。

2021年で劇場公開20周年という記念すべき節目を控えた本作が、それに先駆けて金曜ロードショーで放送されます。

それでは早速鑑定していきましょう。

■作品情報

・基本情報

 TM &(C)2001 Warner Bros. Ent.,Harry Potter Publishing Rights(C)J.K.R.

■原題:Harry Potter And The Sorcerer’s Stone

■発掘国/制作年:イギリス/アメリカ(2001)

■キャッチコピー

史上最高のファンタジーがやってくる

 

・監督、キャスト

■監督:クリス・コロンバス

 

■主要キャスト

ハリー・ポッター:ダニエル・ラドクリフ

ロン・ウィーズリー:ルパート・グリント

ハーマイオニー・グレンジャー:エマ・ワトソン

ダンブルドア:リチャード・ハリス

マクゴナガル:マギー・スミス

ハグリット:ロビー・コルトレーン

スネイプ:アラン・リックマン

クィレル:イアン・ハート

ヴォルデモート卿:リチャード・ブレマー

・あらすじ

生まれて間もなくして両親を失ったハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)は、母親の妹であるペチュニア(フィオナ・ショウ)とバーノン(リチャード・グリフィス)のダーズリー夫妻に引き取られた。

それから10年間、夫妻の家で酷い仕打ちを受ける生活が続き、夫妻の子供であるダドリー(ハリー・メリング)にもいじめられるハリーは孤独な日々をおくっていたが、何気ない生活の中でヘビと話すことができたりガラスを消すことができたりと、自分でも認知していない不思議な力を持っていた。

ハリーが11歳を目前にしたある日、ハリー宛に一通の手紙が届く。

「ホグワーツ魔法魔術学校」から届いた手紙に興味津々のハリーだったが、バーノンは手紙を読もうとせずに破棄してしまう。

しかしその後も毎日のように大量の手紙が送られてくることに嫌気のさしたバーノンは、手紙の届かない遠く離れた島の小屋に家族で身を移す。

ハリーがそこでひっそりと11歳の誕生日を迎えた瞬間、突如として小屋の扉が乱暴に倒され、外から大男が入ってきたのだが・・・

■ざくっと感想

Jing-Fu
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本作の鑑定結果は、、、

ダイヤモンド映画(☆7)!!

イギリスの児童文学を原作とした、魔法ファンタジーシリーズの記念すべき第1作目の作品でもあり、同ジャンルの代表作でもある。

管理人は劇場公開時に小学校低学年で、幼いながら母親に連れられて映画館に足を運び、しっかりと「洋画」として映画館で観た初めての作品だと記憶している。

今更『ハリー・ポッター』が何たるかを説明するまでもないというか、管理人の世代にとってはまさにドストライクのシリーズ作品で、本作を皮切りにしたその後のシリーズ展開とともに年少期~ティーンネイジを過ごし、強い思い入れを持つ人はかなり多いはずです。

物語の大半が主人公ハリーをはじめとする幼い子供の目線で描かれていることによって、年少期の管理人をはじめとする全国のチビッ子たちは、なんとなくではあるかもしれないが感情移入をすることができていたんではないだろうか。

そして映し出される魔法界の日常は、不思議で可笑しく、そしてちょっぴり怖くもあり、難しいことを考えずともとにかく観ているだけで五感に響く楽しさがあるんですよね。

だからこそ、本作は大人だけでなく子供にも広く認知され、未だに日本でも人気が続いているんだと思います。

ハリーを演じたダニエル・ラドクリフをはじめ、今ではすっかりと大人に成長したホグワーツの生徒たちの幼くて可愛い姿を眺めるのが、今本作を見返すうえで欠かせない醍醐味の1つでもある。

もちろん原作と比較すると描き切れていない部分もあるものの、映画化作品としては素晴らしいクオリティなのは間違いありません。

多くの人々が本作を語っている中で、管理人は今回感想を交えつつ、「なぜ小さな子供が観ても楽しめる作品なのか」についても考察していきたいと思います。

 

以下、ネタバレありの感想と考察になります。

作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!

 

■関連作品について

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■感想と考察

・「子供の目線に立った映画」を撮れる監督

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原作者のJ.K.ローリングは、本作の書籍を児童文学のファンタジー作品として出版をしている。

彼女は無名の作家であったにも関わらず、『賢者の石』は出版後に子供たちが夢中になったのももちろん、それだけに留まらず大人たちや世界中の人々に愛されることになり、それが映像作品である本作の製作に繋がったのは今となっては語るまでもないサクセス・ストーリーですね。

ここで何が言いたいかっていうと、J.K.ローリングが大前提として本シリーズに掲げているのは「児童向け」であるということ。

つまり作品を映画化するのは良いが、そのうえで決して外せないのが、小さい子供が観ていて夢中になれるのか否か、ということに尽きる。

原作者の想いを汲み取って守るのであれば、子供が観ていて楽しめない作風は、映像化という点の根本からNGとなるのだ。

結果としては、本作は主人公のハリーや友達のロン、ハーマイオニーらの幼い子供視点に立ったストーリー展開が大半を占めており、作品を観ている子供たちが彼らに感情移入ができるようなステージを整えることに成功している。

まだまだ「映画」の持つ全ての魅力を完全に理解・堪能できるとは言えない年頃の子供にとって、本作の2時間半という上映時間はあまりにも長尺だが、子供がハリーたちに親近感を持てるというか、子供目線に立った演出によってそこらへんがあまり気にならないというのが、リアルタイムで本作を観た管理人の素直な感想です。

本作の監督であるクリス・コロンバスは、それまでにも『グーニーズ』で脚本を担当したり、あの『ホームアローン』の監督も務めたりと、子供が活躍する=子供の目線に立つ映画を製作することのできるスキルを持つ映画人であるため、本作の監督としては適役だったんだろうな。

言っておくけど、「子供向けの映画」と「子供の目線に立った映画」は意味合いが全く違います。

後者を製作できるクリス・コロンバスが本作の監督を任されたからこそ、本作は子供から大人までが夢中になれる作品として幅広いファン層を勝ち取ることとなり、今日に至るまでシリーズが愛されることになる原点となったんだと思う。

いくら原作小説が続いているからと言って、もし第一作目である本作が派手にコケていれば、例えばファンタジーの黒歴史『ナルニア国物語』のように、この時点で映画シリーズが打ち切りになっていた可能性も十分あったわけだ。

それらを踏まえても、世界中に多大なる影響を与えるスタートラインを担ったクリス・コロンバスの手腕は、決して無視することができない功績なんです。

・観ているだけで楽しい、「ハリー・ポッターの世界」

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子供をスクリーンにくぎ付けにする理由は他にもある。

ファンタジー作品の要はズバリその世界観。

本作の舞台となるホグワーツ魔術学校やダイアゴン横丁といった、魔法使いたちが人間の目を欺いて暮らす魔法世界は、様々な魔法が飛び交い、多種多用な魔法生物が生息し、摩訶不思議な魔法アイテムで溢れていて、隅から隅まで非常によく作り込まれていると思う。

まず魔法世界の背景を染めるロケ地選考にもかなり力が入っており、例えばホグワーツは外観こそCGではあるものの、内部の廊下や部屋などにはイギリスのグロスター大聖堂やクライストチャーチカレッジなどといった実在する建物内で撮影が行われていたりもする。

その古きヨーロッパの歴史を感じさせる美しい様式は本作の世界観にピッタリで、「ハリーポッターの世界」の背景をリアルかつ幻想的に作り出しています。

そして実在するロケ地を彩るのが、製作当時の映画界でいよいよ主流となり出してきていたCGだ。

魔法に溢れたハリー・ポッターの世界を盛り上げるのにCGは欠かせない演出で、まさに「映像マジック」なCGが可能にした様々な映像表現は、不思議なファンタジー世界の雰囲気の濃さを高めている。

とにかくスクリーンに映る「ハリー・ポッターの世界」はただ観ているだけで楽しいことこの上なく、映画のストーリーを理解しきれない子供が眺めているだけでも楽しめるのはもちろん、大人だって夢中になるのも無理はない。

・アトラクションのような魔法界

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本作では、ホグワーツに入学したハリーが慣れない魔法学校生活を送りながら、自身の出生や両親の死に迫ったり、友達との友情を深めたりしつつ、身近に迫る邪悪な存在から賢者の石を守ろうと奮闘する物語が主軸として描かれています。

その軸となるストーリーから生えた枝を辿るように、物語の脇道には様々な魔法の授業が断片的に組み込まれている。

脇道とは言え、いずれのシーンのほとんどに物語上重要な伏線が隠されているのだけど、基本的には魔法の授業中にちょっとしたトラブルがおきててんやわんやして収束するという、毎週放送のアニメで言えば1話完結と言うか、オムニバスチックとでも言うのかな。

ここで管理人が感じるのは、「映画界に初めて登場する魔法世界と魔法の描写で、観客たちをとにかく楽しませよう」と腕を鳴らす製作スタッフたちの意気込みだ。

ハリーたちの目の前で巻き起こる色々な魔法は、いかなる時でも不思議さや驚きに満ちている。

物語がハリーたちの視点に立っていることもあり、ハリーたちが驚き、笑い、感動する感情の高まりが観ているこちらにもダイレクトに伝わってくる直感性というか、感情移入への手招きが実に上手い。

映画を観ている子供たちは、同じ子供が観ている初めての不思議体験を間近で追従することができ、ストーリーにのめり込まずとも今目の前で起こっている出来事を素直に楽しむことができる、まるでアトラクションに乗っているかのような体験ができるのだ。

あと、本作には思いの外ホラーチックな要素が仕込まれているのも見逃せない点だ。

本作では「月夜の青白い薄明かり」が映像表現として巧妙に使用されていて、それが照らし出すホグワーツのゴシック調の建造や、生気を感じない禁断の森などの不気味さをより引き立てているのが分かる。

登場する魔法生物も実はグロテスクな外見を持つものが多く、特に3つ首のケルベロスを彷彿とさせる番犬のフラッフィーが放つインパクトと本能的な恐怖感に恐れおののいたチビッ子もいたのでは(管理人はなった)?

闇の植物のツタで埋まった気持ち悪い部屋、厳かな雰囲気の魔法チェス部屋、そして漆黒のローブを身にまとい不気味に佇むスネイプなどなど、実は下手なホラー作品より雰囲気だけで怖いと感じさせる場面が多いのは流石と言える。

驚きと感動だけでなく、ちょっぴりとしたスリルや恐怖を煽ってくるような映画体験は、良くも悪くも本作が子供たちの頭に残る印象を強めていることでしょう。

Jing-Fu
Jing-Fu

管理人の個人的な話をすると、ラストでポケモンのゴースみたいになったヴォルデモートの顔がこちらに「グワーッ!!!」と突っ込んでくるシーンがアウトでした。

今見るとなんてことないシーンだけど、初めて劇場で観た時に手で顔を覆った記憶がなぜか残ってます 笑

 

・スポーツ少年も楽しめるクィディッチ

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劇中で登場する魔法使いたちのスポーツ、クィディッチも非常に趣向の凝らしが効いたアイデアでした。

魔法使いと聞けば、誰しもの頭の中にパッと浮かび上がるのが空飛ぶほうきだ。

そんな魔法使いや魔女とは切っても切れない必須アイテムの空飛ぶほうきを使用し、親しみやすい球技とブレンドさせて熱狂必至のスポーツに仕上げたのが、本作の中ではほかに真似のできない、最も個性の効いたイベントだと思う。

アグレッシブに球を奪い合い、互いにシュートを決め合う現代的なスポーツ要素にも通ずるゲームデザインは、どことなくレトロな雰囲気に包まれながらも、致命傷になりかねない危険でスリリングな一面を持つ競技として大興奮この上ない仕上がり。

スポーツ観戦として普通に楽しめる試合運びなので、インドアな子供だけに留まらず、サッカーやバスケにハマっているようなじっとしてられないヤンチャ少年らの心をも鷲掴みにすることは間違いなし。

スリザリンという括りの腹黒さ、ハリーの後の活躍を期待させる天性の素質といった、物語の補填の役割も兼ね備えているクィディッチは、その後のシリーズ作品でも白熱の試合模様とシナリオの伏線を巧みに入り交ぜたイベントとして度々目にすることができます。

惜しむらくはこの場面で描かれる、クィレル先生の黒幕描写があからさますぎることだ。

サスペンスを盛り上げるのであればご法度と言うべきか、クィレル先生へのクローズアップが多くてタネ明かしが簡単すぎる。

まあ、ここもターゲットである子供の観客を考慮した優しさなんだろうな、きっと。

・親近感と愛おしさを纏う子供たち

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ダニエル・ラドクリフルパート・グリントエマ・ワトソン

彼らと同じ世代を過ごして成長し、今ではすっかり大人になって活躍を続ける彼らの姿を知っている管理人世代の目には、本作の3人の幼少期が際立ってキュートに映っているはず!

みんなただ単にかわいらしいだけでなく、あどけなさの中にも大人に引けを取らない凛とした演技力を感じることができるし、それぞれがキャラクターにあてがわれた個性の表現を、俳優としてちゃんと全うしている。

何より彼らが動く様子を観ていて、実写化において彼らこそが適役と一瞬でイメージにハメることのできる説得力が見事だ。

中でもロンは今話題のアレと、そのお調子者な立ち振る舞いやヒステリックさが、『鬼滅の刃』の善逸に似通っているところがあって比較すると笑えてくるし、ロンがチェスを行うときに急に堂々たる顔つきになるのも、善逸が半覚醒状態になって雷の呼吸を操るのと同じくらい頼もしく感じる。

繰り返しになるけど、彼らが見せる喜怒哀楽の自然な上手さに加え、子供目線でのストーリー展開ということもあって、映画を観ている子供たちはハリーたちに親近感をかせるだろうし、逆に親世代たちはハリーたちの抱きしめて守ってあげたいような愛おしさが思わず心に刺さりそう。

メインの3人だけじゃなく、シェーマスやネビル、フィネガンにマルフォイらも、とにかく皆が幼くて初々しく、まるで幼稚園の卒園アルバムを眺めているかのような気分に浸るのが、改めて本作を観直す上での楽しみ方の1つだ。

■日本がらみ

・今回、特に日本がらみの要素は見つかりませんでした。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
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これ、本シリーズを観て育った世代の人が大人になって、自分の子供と一緒に観返すの最高に楽しいんだろうな~

管理人もそんな体験がしたい・・・。

 

鑑定結果:ダイヤモンド映画(☆7)

 

となります!!

 

■関連作品について

次回作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』についても鑑定していますので、良かったらどうぞ☆

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それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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