一部ネタバレ/感想:『透明人間』の鑑定結果【たちの悪い粘着透明ストーキング】

ホラー

(C)2020 Universal Pictures

Jing-Fu
Jing-Fu

みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『透明人間』です。

コロナウィルスの猛威によって5/1の日本公開を延期されていた本作ですが、7/10にようやく劇場公開を果たしました。

今日は有給で会社が休みだったので、朝いちで早速観てきました!

■作品情報

・基本情報

(C)2020 Universal Pictures

 

■原題:The Invisible Man

 

■発掘国/制作年:アメリカ(2020)

■キャッチコピー

見えるのは、殺意だけ。

 

・監督、キャスト

■監督:リー・ワネル

 

■主要キャスト

セシリア:エリザベス・モス

エイドリアン:オリヴァー・ジャクソン=コーエン

ジェームズ:オルディス・ホッジ

エミリー:ハリエット・ダイアー

シドニー:ストーム・リード

トム:マイケル・ドーマン

・あらすじ

光学技術の科学者であるエイドリアン(オリヴァー・ジャクソン=コーエン)の完全な束縛に苦しむセシリア(エリザベス・モス)はある夜、郊外にある彼の豪邸のから逃げ出すことを決意する。

セキュリティをかいくぐり、怒りの形相でエイドリアンが追ってくるも、セシリアの妹であるエミリー(ハリエット・ダイアー)の助けもありセシリアは逃走に成功。

セシリアは友人であるジェームズ(オルディス・ホッジ)と彼の娘のシドニー(ストーム・リード)の家に身を寄せる。

それから間もなく、エイドリアンが自殺し、莫大な遺産をセシリアに残したとの報告を、彼の兄であるトム(マイケル・ドーマン)から受けたセシリアだったが、エイドリアンが自殺をするような人間ではないと疑心暗鬼の状態が続いていた。

やがて、セシリアの身の回りで不可解な現象が起こり始め・・・。

■ざくっと感想

Jing-Fu
Jing-Fu

本作の鑑定結果は、、、

ダイヤモンド映画(☆7)!!

1933年の名作『透明人間』を、現代の解釈でリブートした作品です。

もともとはユニバーサルの歴代モンスターたちが集う「ダークユニバース」の1作品として、ジョニー・デップ主演で政策が予定されていましたが、ユニバース第1弾の『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』が大コケしたことによりユニバース計画は破綻、本作の製作も立ち消えになっていました。

満を持して、『アップグレード』が評価されたリー・ワネル監督のもとで、ダークユニバースとは関係ない単独作品として公開された本作ですが、透明人間を扱った恐怖を生理的・精神的に不快に見せ、予想していたよりも怖い作品に仕上がっています。

最新テクノロジーが透明人間を生み出したという設定がいかにも現代らしく、リブートとしては上出来です。

透明人間側の心理描写が一切描かれていないため、「見えない相手の行動」がより一層怖く映ります。

 

以下、ネタバレありの感想と考察になります。

作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!


 

 

 

 

 

 

 

 

■感想と考察

・透明人間がそこにいるかもしれない恐怖

(C)2020 Universal Pictures

近年の透明人間を扱った作品では、2000年の『インビジブル』を思い出しますね(というかもう20年も前の映画なのか)。

『インビジブル』は透明人間になったケビン・ベーコンが獣欲と暴力の限りを尽くしていく様子を、ポール・バーホーベン監督の持ち味であるエロ・グロ演出を織り交ぜて描いたホラー作品でした。

『インビジブル』では透明人間になるケビン・ベーコンが苦悩する様子にも焦点が置かれており、世の男の常であるスケベ心も加担することも手伝って(!)透明人間側に感情移入することもできるため、透明人間の恐怖というよりは堕落し、暴走していく人間の性の恐ろしさが前面に出ていました。

そんな『インビジブル』に対し、本作では透明人間側の内面が一切描かれていません。

姿が見えず、思考も分からない透明人間に対する恐怖は想像以上に深く、部屋の隅やすぐ隣に透明人間がいるかどうかが分からない、「そこにいるかもしれない」という生理的な不快感を煽る恐ろしさ、透明人間の存在に気付いてもらえない主人公の精神的に追い詰められていく不条理な恐ろしさが肝になっています。

透明人間が登場する際の、唐突で鋭い驚かせ方が普通にビビります。

透明人間による粘着的なストーキング、殴る殺すといったフィジカル暴力はもちろん、相手にセシリア名義で酷い内容のメールを送ってセシリアを孤立させるというメンタル的なたちの悪さも観ていて不快ですね。

理不尽なストーキングやDVを受ける女性の精神的苦労が伝わってきますが、その相手が透明人間ともなるとますます辛い・・・。

セシリアのいる部屋を廊下から遠めに覗くシーンや、部屋の片隅が特に意味もなく静止画のように映し出されたりと、透明人間がいるかどうかも分からない中での思わせぶりなくすぐり方も堅実。

徹底的に落とされてもなお自分を見失うことなく、真実に向けて戦おうと立ち上がる芯の強い女性セシリアを、エリザベス・モスが体を張って力演しています。

透明人間相手に、まるで1人で暴れているかのように見える揉み合いはダイナミックで見応えがありました。

・現代テクノロジーで生まれた透明技術

(C)2020 Universal Pictures

1933年の『透明人間』『インビジブル』では、特効薬によって透明人間化するというのが定石でした。

本作では光学技術の結晶としてエイドリアンが作り出した「透明スーツ」を身に着けることによって透明人間が生まれるという、最新のテクノロジーが下地になっていることが今風で、過去作品と比べると斬新ながらも、現代的なリブート作と踏まえると面白い設定です。

まるで全人類の夢であるプレデターの光学迷彩が実現化されたかのような科学的なロマン、そしてメタリックで男心をくすぐるブラックな表面のスマートな透明スーツは素直にかっこよかったです。

ですが、ダメージを負って透明能力が維持できず、一時的にスーツの一部が可視化できるようになるシーンは傍から観てもシュール。

水や煙によって透明な人間がうっすらと浮かび上がる『インビジブル』のような生々しい不気味さは醸し出されておらず、ここばかりはホラーとしては残念に感じる致命傷でしたね。

・綺麗に終わらせないラスト

(C)2020 Universal Pictures

実は透明スーツを着て暴挙の限りを尽くしていたのはエイドリアンではなく、彼の兄のトムであったというオチ。

エイドリアンは豪邸の地下に監禁されていて、すべてはトムの策略だった、、、。

で綺麗に物語が終わるのかなーと力を抜いていましたが、まだストーリーは続きます。

「トムも狡猾なエイドリアンに利用されていて、エイドリアンが生きてる限り私に自由はない」と告げるセシリアは、単身トムの待つ豪邸へと向かいました。

そして「彼が喉を切って自殺した」と涼しげな表情で出てきたセシリアの歩みを映してやっとエンドロール。

エイドリアンが首を切る動きは、まるで誰かに操られたかのような不自然な動きです。

明確に劇中で語られてはいませんが、事の真実をエイドリアンの口から聞き取れないと判断し、セシリアが隠していた透明スーツを身に着けて、自殺と見せかけてエイドリアンを殺害したと取れます。

「サプラ~イズ」とエイドリアンの口癖を皮肉げに返すセシリアの目は達成感で溢れており、まるでセシリアの妹エミリーの喉を切り裂かれた仕返しをするかのように、血で血を洗う決着が衝撃的でした。

彼女の束縛からの解放が、重々しくも自信に満ち溢れた強い女性像として描かれています。

『アップグレード』でもそうでしたが、リー・ワネル監督はストーリーをめでたしめでたしで終わらせると見せかけて、もうひとヒネリのショックをぶつけてくる締め方が上手いですね。

■日本がらみ

・スシ
エイドリアンがセシリアに用意したディナーの中に、スシがあります。
はっきり観えないけど、サーモンといくらかな、あれは?
カリフォルニアンロールっぽいのがなかったのが意外でした。

■鑑定結果

Jing-Fu
Jing-Fu

現代のホラー映画には欠かせない、ブラムハウスプロダクションとリー・ワネル監督が組んで新たに生み出した透明人間の「見えない恐怖と見える殺意」が秀逸な一本でした。

この新たな不条理ホラーの堅さは、キャラの濃いジョニー・デップ主演では表現ができなかったでしょうね。

 

鑑定結果:ダイヤモンド映画(☆7)

 

となります!!

 

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

よろしければシェアをしていただけると幸いです!↓↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました