みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。
今回鑑定をするのは『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』です。
DCコミック出身の名ヴィランたちが集結したチーム「スーサイド・スクワッド」の活躍を描いた2本目の作品。
ハーレイ・クイン役のマーゴット・ロビーが続投、イドリス・エルバやジョン・シナが新たに参戦しました。
監督を務めるジェームズ・ガンのセンスが爆発し、愉快痛快無慈悲な極上のドラッグムービーになってます。
そんな『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。
ラストに生き残るのは誰・・・?
目次
■『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のあらすじと基本情報
まずは予告編をどうぞ☆
(C)2021 WBEI TM & (C)DC
■あらすじ
政府職員のアマンダ・ウォラー(ヴィオラ・デイビス)は、南米の島国のコルト・マルテーゼにて「スターフィッシュ計画」なる世界を脅かすことになる秘密の実験が進められている情報を掴む。彼女は減刑という恩赦を引き換えに、ブラッド・スポート(イドリス・エルバ)、ピース・メイカー(ジョン・シナ)、ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)などといった極悪犯罪人たちを招集して「タスクフォースXチーム」を組織し、スターフィッシュ計画を阻止するように命令を出すのだが・・・
(C)2021 WBEI TM & (C)DC
■原題:The Suicide Squad
■発掘国/制作年:アメリカ(2021)
■上映時間:132分
■キャッチコピー:愛すべきクソやばいヤツら。
■監督:ジェームズ・ガン
■主要キャスト
ブラッド・スポート:イドリス・エルバ
ハーレイ・クイン:マーゴット・ロビー
ラットキャッチャー2:ダニエラ・メルシオール
ピースメイカー:ジョン・シナ
ポルカドットマン:デヴィッド・ダストマルチャン
キングシャーク:シルヴェスター・スタローン(声)
リック・フラッグ大佐:ジョエル・キナマン
サバント:マイケル・ルーカー
ソル・ソリア:アリシー・ブラガ
アマンダ・ウォラー:ヴィオラ・デイビス
■『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のネタバレ感想と考察
それでは鑑定していきましょう!
ネタバレ①:J・ガン監督のセンスが爆発した、くどすぎる傑作
個性派の極悪党たちが再び集結!
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一応の前作に値するデヴィッド・エアー監督の『スーサイド・スクワッド』を観た時には、「ここまで豪華なキャストで個性派キャラクターたちを集結させておいてこんなにもつまらない作品にできるんだ・・・」と失礼ながらも肩を落とす羽目になった。しかしそんな心配を微塵にも感じさせることなく、監督が『スリザー』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズなどのヒットメーカージェームズ・ガンにバトンタッチした本作は、不本意にもデヴィッド・エアーの立場をなくさせるほどの大傑作でしたよ。
ちなみに本作は続編やリメイクではなく、「別の監督が『スーサイド・スクワッド』を撮影したらこうなる」という概念で製作されているようなので、リブートとも言えない特殊な立ち位置ですね。
MCUの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』1作目と2作目を大成功させた後、過去の発言が問題視されて一時期ガン監督はディズニーから締め出しを食らっていたのは、メディアでも大きく報じられていて有名な話だ(その後世界規模の署名活動などで復帰)。本作はその時期に、絶好のタイミングだとワーナーがガン監督を獲得して製作されたDC作品で、ディズニーの元で良い子になりきっていたガン監督を悪ガキに戻したことが一目瞭然。エキサイティングなアクションはもちろん、個性的な大勢のキャラクター、軽妙な挿入歌のチョイス、背景の中に馴染んだナレーション、趣味の悪いコメディ、飛び散る血飛沫と容赦のない人体破壊など、ガン監督のバイブルが全て網羅されており、かつそれらの歯車が完璧に噛み合った愉快痛快無慈悲なドラッグ・ムービーだ。『ガンズ・アキンボ』や『マッドマックス 怒りのデスロード』を上回る刺激の強さ。まるで味が濃すぎるコッテリラーメンを食しているかのような、非常にくどい映画とも形容できるね笑
14人もいる悪党どもを本当に整理整頓して劇中でまとめられるのか。その心配は開始20分もしない内に杞憂に終わる。なんと序盤の内にガン監督作品の常連でもあるマイケル・ルーカー演じるサバントも含めて、必要ないキャラクターが次々と死んでいくのだ! なんと人命を軽視した殺戮の嵐なのか笑 しかも単に顔見せさせて殺すだけでなく、ちゃんとそれぞれに特殊能力での活躍やオイシイ見せ場を用意して退場させているので華がある。意外にも本筋の中心となるのはブラッド・スポート、ハーレイ・クイン、ピースメイカー、ラットキャッチャー2、ポルカドットマン、キングシャーク、リック大佐の7人で、序盤で人数を絞っているのでとっ散らかりの回避にも成功していた。その後も敵だと思って全滅させた部隊が単なる味方の反乱軍だったり、7人の中からも死者を出したりと、情け容赦のなく予想もできない死にっぷりも景気が良すぎで最高!
まさかオープニングを担ってあんなにも活躍しそうだったサバントをあっさり殺すとは・・・笑 しかも死に方が因果応報。
ネタバレ②:厨二病全開のアクション
ブラッド・スポートの武器は厨二病精神溢れるかっこよいものばかり。
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アクションは銃撃、格闘、スタントのどれも抜かりのないダイナミックなかっこよさで弾けていた。イドリス・エルバやジョン・シナといったアクション作品で定評のある筋肉派のスターが参加したこともあり、その見応えは折り紙つき。このブラッド・スポートとピースメイカーの2人は銃撃や武器がメインのアクションが多く、特に中盤のジャングルの野営地でお互いに自慢の武器を披露し合いながらのステルス・キル合戦が面白い。アベンジャーズでいえばアイアンマンとキャップのようなチームの2大リーダーでもあるこの2人、実は能力が被っているというメタいじりがあり、事あるごとに「俺の方が強い、イカしてる」とマウントを取り合う様子が『ワイルド・スピード スーパーコンボ』のロック様とステイサムというか、中学生レベルの喧嘩で笑える。ブラッド・スポートなんか、体中に色んな武器を仕込んでおり、その構え方や武器のギミックがそれこそ厨二病全開で男心に響くね。
『スーサイド・スクワッド』、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』に続いて、ハーレイ・クインのソロ立ち回りシーンが忘れられていなかったのが嬉しかった。やはりDCヴィランの中で格闘担当のキャラは彼女しかいない。マーゴット・ロビーは相変わらずエネルギッシュな立ち回りを披露していて、本作では『サイクロンZ』のように金網扉を利用して叩き付けやソバットを繰り出したり、『レッド・ブロンクス』を彷彿とさせる服(破いたドレス)を操って相手を絡めとる制圧術があったりと、ジャッキー・チェンを意識したかのようなトリッキーな戦闘スタイルが巧みだった。ジャベリンの槍を振るって相手を連続キルするシーンは、色んな意味でガン監督印の映像センスが発揮されているので必見!
ピースメイカーVSリック・フラッグ大佐の格闘シーンでは、床に落ちているヘルメットに2人の殴り合いが反射して映り、その様子を長回しで見せるという映像表現が斬新だったなあ。
あと、反乱軍の女性リーダーであるソルを演じていたのが、『プレデターズ』や『アイアムレジェンド』のアリシー・ブラカだったのは驚いた。久しぶりに見たなあ、この人。
ネタバレ③:止まらないキングシャーク萌え
ヤムヤァム!
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なんと言っても、本作の目玉キャラはサメと人間のハイブリットである人外キャラクターの、ナナウエことキングシャークだろう。ボディは人間で頭部がサメの魚人で、でっぷり筋肉の詰まった巨体の威圧感と生気のないサメの目が一見恐ろしいが、実はコイツが作中いちの萌えキャラだった!
巨体で強くて怖いのに、オツムが弱くカタコトで喋るという佇まいが『怪物くん』の「フンガー」しか言わないフランケン(チェ・ホンマン)と同等のギャップになっていてむしろ可愛い。サメのぬっぺりとした表情はマヌケに見え、生気のない目はつぶらな瞳に変化し、マスコットキャラクターのようなキュートさが溢れてるではないか。しかもこのキングシャークは自分を知的に見せようとしている気持ちがあるらしく、真剣な作戦中に積極的に間の抜けたお門違いの発言をして「お前は黙ってろ!」とハブられてもそれを繰り返す健気さがたまらなく愛おしいのだ。作中のキャラクターの中で唯一愛情や友情との結びつきが強めに設定されていることもあって感情移入もしやすく、おまけにキングシャークの声を務めているのが、あの大御所シルヴェスター・スタローンだというのも注目ポイント! スタローンの辿々しい口調と低音ボイスがキングシャークの見た目と100%適合していて、キャラ造形にもう何の文句の付け所もない。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』で既に仕事を共にしたガン監督への信頼があってこその、スタローンの出演でしょうね!
もちろん可愛いだけでなく、サメということで大好物の人肉を喰いまくる! 「ゴチソウ!」とか「ウマソー」とか耳障りの良いカタコトを発しながらムシャムシャと人間どもを口に放り込んでいく様子が豪快そのもの。血の一滴も残すことなく丸呑みしたり、エゲツなく喰いちぎったり、お菓子のようにポリポリ食べ歩きをしたりと食べ方は千差万別で、時には人体を真ん中から一気に引き裂いて内臓と骨を露出させる、プレデター顔負けのスラッシャー攻撃も披露してくれる。
作中でのフォーカスシーンも多く、都度観客の心を癒してくれる新種の萌え萌えキャラでした。
ネタバレ④:続編はあるのか?
ラストはスターロとの壮絶な戦いに勝利し、ブラッド・スポート、ラットキャッチャー2、キングシャーク、ハーレイ・クインのみが生き残る。中々の人数が死んだよね笑 ウォラーとの交渉でタスク・フォースXの生存メンバーは自由の身になるという、悪党どもにとってはハッピーエンドで幕を閉じた。
しかし、エンドロール前後でもう2人が生存していたことが判明する。まず1人はウィーゼル。序盤で初っ端から溺死するというしょーもない退場をしていたウィーゼルが、まさかの息を吹き返す笑 そしてもう1人はピースメイカー。方向性と信念の相違でブラッド・スポートに首を撃ち抜かれていたピースメイカーが病院のベッドに横たわっており、瀕死だが生還したようだ。
こんな終わり方をするくらいだから、当然製作陣は続編のことを視野に入れてると思います。続編ではこの生き残った合計6人が再びチームを組むのか、はたまたピースメイカーが敵に回るのか、色々と気になるところ!
個人的には、キングシャーク単体のスピンオフ作品が観たい、いや頼む撮ってくれ、ガン監督!
ネタバレ⑤:日本がらみ
・マリオカート
コルト・マルテーゼという発音が上手くできないハーレイ・クインが、「ええい、このマリオカート野郎!」と怒鳴る笑
・死のツボ
敵に捕まって護送中のブラッド・スポートが、目の前の敵を一撃必殺する際、「点穴するぞ。あ?中国武術のことだよ。日本では急所術と呼ばれる。つまりは死のツボさ」と説明する。『北斗の拳』にでもかけてるんだろうかと思っていたら、飛び出したのはシンプルすぎる頭突きで笑えた。
・カイジュウ
後半の山場、宇宙モンスターのスターロが出現した際、ウォラーの部下であるジョン・エコノモスが「カイジュウが現れました!」と興奮気味に驚いている。
スターロは原作のDCコミックではジャスティスリーグとも戦ったことがあるらしい老舗モンスターらしい。今回CGでスターロを映像化するに当たって、初代ウルトラマンのペスターの動きを参考にしていれば面白いんだけどな〜。あるかな?
■鑑定結果
ジェームズ・ガン監督の魅力が全て詰まった、「アメコミの形を借りた戦争映画」だという本作。こんな時代だからこそ映画館の大画面で堪能したい、大人向けのドラッグムービーになってます笑
■映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』はどんな人におすすめ?
・DCコミックファンの人
・『スーサイド・スクワッド』が物足りなかった人
・キングシャークに萌えたい人
■最後に
それでは今回の鑑定はここまで。
またお会いしましょう!
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