【ネタバレ/感想/考察】『ドント・ブリーズ2』の鑑定【ラストは? 娘の正体は?】

スリラー
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Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

今回鑑定をするのは『ドント・ブリーズ2』です。

舐めてた盲目ジジイの脅威にさらされる主人公たちを描いたサイコパス・ホラーの続編です。

前作では恐怖の存在であったジジイが主役になり、ホラーからアンチヒーロー作品として趣が変化。

平穏に暮らしていたジジイの生活の崩壊と、命をかけた復讐劇が展開します。

そんな『ドント・ブリーズ2』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

全てが外道の展開は衝撃的!?

 

■『ドント・ブリーズ2』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

『ドント・ブリーズ2』予告1 8月13日 金曜日 全国ロードショー

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■あらすじ

前作から8年後。一命を取り留めた盲目の老人(スティーブン・ラング)は、郊外の家でフェニックス(マデリン・グレイス)という名の少女と共に静かに暮らしていた。幼い頃の記憶がないフェニックスは老人を父親と呼びながらも、中々町や学校に行かせてくれない老人に対して不満を抱いていた。そんなある日、突如として老人宅に謎の武装集団が乗り込んできて・・・

 

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■原題:Don’t Breathe 2

■発掘国/制作年:アメリカ(2021)

■上映時間:98分

■キャッチコピー:この盲目の老人が大切にしているモノ、それは“少女”

■監督:ロド・サヤゲス

■主要キャスト

ノーマン・ノードストローム / 盲目の老人:スティーブン・ラング
フェニックス:マデリン・グレイス

レイラン:ブレンダン・セクストン3世

ヘルナンデス:ステファニー・アルシラ

 

■『ドント・ブリーズ2』のネタバレ感想と考察

①外道VS外道! 前作とは毛色の違う作風

②もう一息ほしい、盲目コンバット

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:外道VS外道! 前作とは毛色の違う作風

盲目ジジイが再び動き出す・・・!

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住人のジジイが盲目であると舐めて強盗に押し入ったチンピラ3人が、実はパワータイプの座頭市であったジジイの返り討ちに遭う惨劇を描いた前作。死んだと思われていたジジイが実は生きていて、同じく生き残ったチンピラ女子の心の中に一生重しが残るというラストのその後にはどのような物語が待っているのか想像もつかなかった。

まず驚かされたのが、続編である本作ではジジイが主役に昇格していたことだ。前作から8年後、ジジイはとある郊外にて「娘」と呼んでいる少女と静かに暮らしていましたとさ。だけど序盤から、ジジイの縛りによってこの少女が学校や友人といった世間とはほとんどコンタクトを取れていないという違和感が漂っている。そもそも前作で娘の再生に失敗したジジイに何故娘が?

Jing-Fu
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まさか誤って殺してしまったシンディの遺体を掘り起こして赤子を救ったとか?

 

な〜んて深読みしてしまいましたけど、答えはもっと簡単。実はこの娘、前作の直後である幼少期にジジイが「誘拐」してきた全くの赤の他人だったのだ! 娘にフェニックスという名前を付け、素性を嘘で塗り固めて自分の娘だと説明するジジイ。またコイツは外道の行為をしていたのかと批判したくもなるけど、火事で家庭を失い道端で倒れていた娘を「保護という名目で誘拐」しているので、ジジイなりの善意が無いわけでもないが、フェニックスのアイデンティティを侵害しているのは事実なので複雑。つまり主役であるジジイに対して感情移入ができないのだ。

で、今回ジジイ宅を襲撃してきた犯罪集団がフェニックスの親がリーダーである麻薬密造グループだったのだ。何だよ、麻薬絡みとはいえ我が子を取り戻すのは当たり前の行為じゃないかとますますジジイを貶したくなる中で、フェニックスの両親たちの衝撃の目的が発覚する。火事で体内を傷つけられて余命僅かのオカンは麻薬の製造人であるためチームには必要不可欠な存在で、適合ドナーであるフェニックスの心臓を移植することが企みだったというわけ。そう、コイツらは『SPL 狼たちの処刑台』をやりたかったのだ。こちらもまさに外道! 同情心が消し飛んだ。それでフェニックスを救うためにジジイがアジトに乗り込んでくるというハイライトだった。

前作と圧倒的に異なるのが、物語の中心人物がジジイであるということだ。前作では主人公たちにとって脅威、悪役のサイコパスであったジジイが恐怖の対象であったのに対し、本作ではジジイが別の悪の存在に鉄拳制裁する、いわゆるアンチヒーローとしての行動が描かれている。この時点で前作とは作風も趣も全く異なり、本作にはホラーの概念はほとんどない。これだったら『ドント・ブリーズ』の正史続編である「2」と銘打つのではなく、ジジイが主役のスピンオフ作品とした方が正しかったような気もする。センスがないので、良いタイトルがあったらどなたか教えてください笑 何より「ドント・ブリーズ=息をするな」であることの意味も成り立っていないように感じたのでなおさらだ。

Jing-Fu
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劇中、溺れたフェニックスに対してジジイ本人が「Breath!=息をするんだ!」と必死に呼びかけ、タイトルを真っ向から否定しているのが笑えますね。

 

一応、最後にはジジイがフェニックスの誘拐も含めて今までの行為を外道と認め(フェニックスを世間に出さなかったのは彼女の素性がバレるため)、彼女に対しても強い詫びを入れる改心を見せながら、戦闘ダメージに耐えきれず絶命。残されたフェニックスは児童養護施設に身を寄せる中で、どんな形であれ自分への愛は本物であったジジイの心情を理解し(両親がクソということもあり)、本名ではなくジジイ命名のフェニックスで生きていくことを決めたところで幕引きになった。・・・と、いかにも綺麗事で締めようとしてはいるものの、スポイドと誘拐のガイキチジジイを美化することができず、管理人はただフェニックスが不憫になっただけなのだった。

 

ネタバレ②:もう一息ほしい、盲目コンバット

自慢の剛腕が悪漢に巻きつく!

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ジジイが主役ということで、前述の通り「息をしてはいけない」という緊張感がない代わりに、盲目というハンデを持つジジイがどのように麻薬密造グループを排除していくのかが見所になる。8年間の平和ボケもあってか、序盤のジジイはそこそこ弱いけども、相手の首に巻きつくムキムキアームの圧迫感は相も変わらず。捕獲した敵の1人の鼻と口をボンドで固めたり、敵のゴリマッチョと熾烈な殴り合いの末に電撃爆発で吹っ飛ばしたりと、攻撃手段のインパクトが大きくて中々見応えはある。そして水道管が破裂して床に水が溜まった部屋で、相手の踏み込んだ足から伝達した波紋を頼りに「盲目の呼吸 壱の型 水面撃ち!」で全員撃ち殺すシーンも拍手を送りたくなるほどの芸当だった。

ただ、麻薬製造グループが結構な人数で組織されているにも関わらず、ジジイの戦闘シーンが気持ち少ないというか、何とも素っ気ないものになっていたのは否めない。ジジイが主役というのであれば、どうせなら怯えながら散開する敵を一人一人、暗闇に潜んで盲目というアイデアを生かした様々な方法で消していく「盲目ランボー」をやってくれた方が面白くなっただろうに。相手も前作のチンピラではなく武装集団であるため、もっとアクションを引き立てることはできたはずだ。前述した水面撃ちや、ガスで相手の視界を遮りながら闘うという盲目コンバットのテーマが守られていただけに、この特色をもっと伸ばしてくれれば完璧だったかな〜。

ちなみに、フェニックスのオトンであるレイランをぶっ殺す時に「お前にも私が見ている暗闇を見せてやる」と親指で両目をぶっ潰すシーンは、セリフもジジイの個性を象徴していてキマっていたし、痛々しさが強烈で最高だった。

Jing-Fu
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このトドメの目潰しは、本作の製作会社ゴーストハウスピクチャーズの創始者であるサム・ライミ監督の『死霊のはらわた』へのオマージュなんでしょうかね。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
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決してつまらないというわけでもないけど、無理矢理続編は作らなくても良かったんじゃなかな〜。

 

鑑定結果:プラチナ映画(☆6)

 

 

■映画『ドント・ブリーズ2』はどんな人におすすめ?

 

・前作『ドント・ブリーズ』のその後が気になる人

・ゴア描写が好きな人

・盲目コンバットが観たい人

 

■最後に

前作『ドント・ブリーズ』の鑑定はコチラ☆

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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