ネタバレ/感想/考察/小ネタ『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の鑑定結果【ハイになる準備はできてるか!?】

アクション
[c]2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

 

Jing-Fu
Jing-Fu

みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』です。

間違いなく2010年代を代表するスーパーでクレイジーなアクション超大作が、この度土曜プレミアムで地上波発放送!

皆さん、ハイになる心と体の準備はできていますか?

それでは早速鑑定していきましょう!!

■作品情報

・基本情報

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■原題:Mad Max: Fury Road

■発掘国/制作年:アメリカ/オーストラリア(2015)

■キャッチコピー

お前のMADが目を覚ます

 

・監督、キャスト

■監督:ジョージ・ミラー

 

■主要キャスト

マックス:トム・ハーディ

フュリオサ:シャーリーズ・セロン

イモータン・ジョー:ヒュー・キース・バーン

ニュークス:ニコラス・ホルト

スプレンディト:ロージー・ハンティントン=ホワイトリー

ケイパブル:ライリー・キーオ

トースト:ゾーイ・クラヴィッツ

ダグ:アビー・リー・カーショウ

フラジール:コートニー・イートン

・あらすじ

核兵器による大規模な戦争が起こった結果、地球上の自然環境は汚染されて人類に有害なものとなってしまった。

人々は枯渇した資源を武力で奪い合うようになり、既に文明社会は完全に滅びていた。

元警官であったマックス(トム・ハーディ)は過去に救うことができなかった人々の幻覚に苛まれながらも、「生きる」という本能だけを頼りに愛車のインターセプターで荒廃した砂漠を流浪していた。

その途中でシダテル砦の集団に捕まってしまったマックスは、砦に連行されて自身のありとあらゆる持ち物を奪われた挙句、環境汚染による病人のための「輸血袋」として利用されることになってしまう。

シダテル砦は、イモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)率いる強力な武力を兼ね備えた集団が無害な地下水や農作物を独占し、多くの人々を支配下に置く独裁社会が築かれた場所だった。

マックスが捕まって間もなく、イモータン・ジョーの部隊隊長のフュリオサ(シャーリーズ・セロン)はガスタウンへの資源の調達に赴くと見せかけ、実はイモータンの5人の子産み妻たちを連れ出し、自身の故郷である「緑の地」へと逃亡を実行する。

フュリオサの思惑に気付いたイモータンは、配下の戦闘集団ウォーボーイズの部隊を引き連れ、自身の子を妊娠した妻たちを取り戻そうと砦を飛び出す。

その中に、ウォーボーイズの1人のニュークス(ニコラス・ホルト)の輸血袋として車に固定されたマックスの姿もあり・・・。

■ざくっと感想

Jing-Fu
Jing-Fu

本作の鑑定結果は、、、

ミスリル映画(☆9)!!

メル・ギブソンの出世作となった『マッドマックス』シリーズ。

これまでに3つのシリーズ作が製作されていて、本作は3作目の『マッドマックス/サンダードーム』から実に27年ぶりに撮影された、マッドマックスシリーズの4作目にあたります。

主人公のマックス役はメル・ギブソンから、『レヴェナント:蘇りし者』『ヴェノム』などでの活躍が目覚ましいトム・ハーディにバトンタッチ。

監督は1作目からシリーズを創造し続けてきたジョージ・ミラーが続投!

本編の前日譚を描いたコミックシリーズでは、『マッドマックス/サンダードーム』と本作が繋がっているような描写があるものの、映画を観ただけでは過去作との繋がりを特に感じることもなく、1話完結の作品としてシリーズに馴染みのない人でも楽しめるようになっています。

『マッドマックス2』で構築された荒廃した砂漠の世界を恐ろしいほど深く広げ、狂気の渦巻く独特の世界観を見事なまでに増築しているのが最大の魅力だ。

2時間の尺の中に、イモータン・ジョーの統率する武力集団の狂信的な生きざま、中2病全開にデザインされた車両群が織りなす怒涛のカーチェイスとアクション、それぞれの目的に向かって足を進める多数のキャラクターたちのドラマが濃厚に詰め込まれていて、唯一無二の世界観にどっぷりと没入することができる。

特にカーチェイスを中心としたアクション演出の大・大迫力には目が釘付けになることでしょう。

そしてもう一人の主人公、シャーリーズ・セロン演じるフュリオサをはじめとする女性キャラクターたちの活躍からも目が離せない。

アクションもドラマも映像も演出も音楽も、映画に求めるすべてがマッドで最高峰の盛り上がりを見せるSFアクションの傑作です!

そのあまりにもクレイジーすぎる世界観が、かえって観る人の心を惹きつけてしまう中毒性を秘めているため、観終わった後に思わずリピート欲が沸き上がりを避けては通れない覚悟も必要。

 

以下、ネタバレありの感想と考察になります。

作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■感想

・史上最高峰のカーアクション

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本作のストーリーチャプターは、大きく分けて3つに分割することができます。

1:砦から逃亡したフュリオサを追うイモータン・ジョー軍団の進行に巻き込まれたマックスの追跡劇
2:マックスとフュリオサが手を組み、フュリオサの故郷である緑の地へ向かう逃亡劇
3:緑の地を諦め、ジョーよりも先に砦に戻るために再び引き返す競争劇

 

どのチャプターでも追う者と追われる者が明確にされていて、怒涛のカーチェイスを成り立たせる環境が整っているため、「ぶっ飛び」アクションがこれでもかというほど詰め込まれているのが贅沢すぎる。

冒頭からラストまで、やっていることが派手でバカで最高!

エンジン最大出力!スーパーハイテンション!アドレナリン大放出!

知的さに欠ける言葉が続きましたね。

でも下手に飾った言葉を使用せずとも、難しく考える必要がない、本当にそういうアクションとストーリーが続くんですよ。

きっと頭を空にして知能指数を下げれるだけ下げて観れば、没入感というか、気分が倍以上にハイになるんじゃないでしょうか。

 

爆走する改造車両群のスピード感、重装備の車体がぶつかり合う重量感、爆発とクラッシュで木っ端みじんに吹っ飛ぶ爽快感などの迫力はもちろん、車体の上で巻き起こる取っ組み合いや、別の車両への行き来、銃や近接武器による戦況の変化など、アクションのバリエーションも多彩で観ていて全く飽きない。

「ぶっとび」とは何も、アクションスケールの大きさを表す言葉ではない。

何が凄いって、車両の爆発やクラッシュのシーンの大部分をCGに頼らず、実際に「実行」していることだ。

車両がクラッシュしてウォーボーイズが空中に投げ出される姿も、モンスタートラックが宙を舞う無茶なアクションも、人喰い男爵の改造タンカーが史上最強のランボー爆発する様子も、すべてが本当に起こっている瞬間をカメラに収めているので、製作陣への感心を通り越してただのバカなのではないかと正気の沙汰を疑いかねない。

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↑この爆発もノーフィクション。頭おかしくて最高。

 

常に死と隣り合わせのスリリングなアクションを物語の全編に渡って観ることができるのも、本作の中毒性を高めている要因の1つ。

ブルーレイの特典映像を観れば「このシーン、マジで撮影しているんかい!」と、管理人が本作のアクションを褒めちぎっている気持ちを絶対に理解していただけると思うので、興味がある人は是非!

とはいえ、要所要所に挟まれるドラマ部分は観客への「休憩」を請け負っていて、弾けるアクションへの程よい緩衝材となっているから観ていて疲れないのも良いですね。

・やみつきになるイカれた世界観

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核戦争後の大地が舞台となる本作では、美しい自然や文明社会が崩壊しているのと同時に、人間たちもまた壊れてしまっている。

武力で独裁社会を築き上げ、人道から外れたケダモノの行為を横行させるイモータン・ジョー。

死への独特な信仰とジョーへの忠誠心が全てのウォーボーイズ。

道徳心と論理が完全に欠如してしまったその他多くの人々が暮らす本作の世界は、文字通り「狂って」います。

だが狂ったこの世界観こそが最大に愛おしい!

物語上語られる必要がないのに、景色から人の装飾まで必要以上に細部まで作り込まれ、SFやファンタジーのハードルに掲げられる「世界観」を言葉が出ないほど見事なまでに創造。

資源の枯渇した世紀末の世界に構築された社会と文化と人々の行動は、荒唐無稽ながらケレン味さえも漂わせ、そのリアルさにやみつきになりそうだ。

それは人間誰しもの心の奥深くに眠る「興奮」と「陶酔感」を呼び覚まし、それらを「背徳心」とせめぎ合わせることによって生まれる妙な心の鼓舞を促す。

この世界を楽しんでいる自分は間違っていない。

とにかく頭のネジが外れるくらいにエキサイトできればそれでいい。

恐れてはいけない!

流れに身を任せて楽しめ!

考えるな、感じろ!

そして見習え!

自ら運転席に乗り込んで、自分のモノを取り戻すために先陣を切って発進するイモータン・ジョーのボスの器を!!!

・バカで最高な改造車のデザイン

劇中にはイモータン・ジョーの軍団を始め、人喰い男爵やイワオニ族などといった様々な勢力が登場します。

彼らはそれぞれが、改造に改造を重ねた特殊な改造車を持っており、その外観や数は千差万別。

けたたましく唸るエンジンを積み、火を噴く無数のマフラーや轟くニトロブースター。

舗装のなくなった大地を縦横無尽に突っ走れるような性能の改造だけでも男心がくすぐられるが、さらに相手を牽制するための武器設備も容赦なく搭載し、ボディになんでもない鉄クズやスクラップを大量にトッピングしてディテールにも凝り、男のロマンに100%応えるデザインの改造車両ばかり。

「乗り心地なんてどうでもいいからとにかくパワーだ!」と、まるで荒廃した世界で自分たちの強さや権力を誇示しているかのようですね。

ここでは、管理人の心に特に刺さった改造車両の2種類を紹介します。

・ピースメイカー

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イモータン・ジョーの仲間で、武器や弾薬類の管理を任されている武器商人の専用車両、ピースメイカー。

クライスラー・ヴァリアントのボディ下にアメリカ製の戦車のキャタピラを取り付けた代物で、本作の製作陣曰く「世界最速の戦車」。

まず何より、このデカいキャタピラがたまんないんだよな~。

男子って、キュルキュル音を立てて回転運動を見せるキャタピラ、絶対好きですよ。

さすがにニトロを積んだ車両に比べるとスピードは劣るものの、自慢のキャタピラで悪路を全く気にする必要がなく、劇中ではオフロードに最も強い車両です。

くぁ~、たまんね~!

・ヤマアラシ特攻車両

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バザードと呼ばれるロシア系の盗賊集団が乗りこなす車両の一種。

全身に相手を寄せ付けない無数のトゲを生やしているのが、ヤマアラシと呼ばれるゆえんだ。

ドイツ製の軍用トラックMAN6×6を改造しているだけあって、そのボディは強固で超ゴツい。

オプションとして丸ノコやショベルカーの設備が搭載されていてセンスもイイ。

男子って、工事現場でクネクネ強靭に動くショベルカー、絶対好きですよ(さっきも言った)。

しかもこのショベルは単なる飾りじゃなくて、相手車両の装甲にアームをひっかけてもぎ取るという利便性をしっかりと持っているのが素晴らしい。

くぁ~、たまんね~!

 

皆さんも自分のお気に入りの改造車を見つけてみてください。

とにもかくにも男の好きを全て積み込んだ改造車両群を誕生させた、創作意欲溢れるスタッフたちには心から経緯を払いたい。

・バカで真面目なロッキンミュージック

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フュリオサの追跡劇において、様々な人々の思惑や改造車が溢れる情報量の多さの中、飛びぬけた存在感を放つのが、イモータン・ジョーの部下の一人であるドーフ・ウォーリアーである。

彼は音楽で「戦場でジョーの軍団の戦闘への士気を上げる」ために参加している、完全にモブと言えばモブなのだが、周囲とは異なる特殊な立ち位置にいて、本作のファンの心を魅了してしまったキャラでもある。

後部にはドラム隊を4人乗せ、64台ものスピーカーを積んだドーフ・ワゴンと呼ばれる改造車上のステージに立ち、巨大なダブルネックギターを演奏して周囲のエンジン音にかき消されないほどの轟音でロックミュージックを奏でるのがドーフ・ウォーリアーの仕事だ。

サウスポーな彼が「ジャーン!!」とギターを弾けば、それに合わせてギターの先端から勢いよく火炎が放射される!

うわ~、なんてバカな絵面なんだろう。

バカなのに、なんでこんなにも心がときめくんだろう。

彼の奏でるロックがその場その時のものだけではなく、本編のBGMと巧みにリンクしている謎のバカ演出も最高だ。

しかもドーフ・ウォーリアーは戦闘の最中であればいついかなる時でもギターを弾き続け、自身の務めを全うするのと同時に、何より職務を真面目に「楽しんでいる」のが非常に微笑ましい。

僕も「好きを存分に楽しんでやれる」ような仕事をしたい・・・。

 

ドーフ・ウォーリアーを演じたのは、オーストラリアのミュージシャンであるイオタ氏。

撮影中はCGや合成に頼ることもなく、実際にワゴン上に吊るされ、約60キロの重さ(!!)の特注のギターを構えながら全力で演奏していたらしい!

お、お疲れさんです!

今計画されてる、本作の続編かスピンオフ作に彼が再登場してくれることを切に願う管理人でした。

ちなみに本作は激しいロックミュージックを始め、ヴェルディのレクイエムといった交響曲、そして唸りを上げるエンジン音など、作品を彩る「音」がもたらす絶頂も抜群に冴えていて、耳で作品を観ることもできる。

本作こそ映画館の大スクリーンと大音響の中で楽しむべき作品なのだと痛感する。

・女性たちの力強いドラマと、それを引き立てるヒーロー

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タイトルからは、誰もが本作のことを「『マッドマックス2』のような、主人公のマックスと暴徒が暴れる筋肉アクション映画」だと想像すると思う。

もちろん『マッドマックス』シリーズの主人公はこれまでもマックスであったし、本作はマックスで始まり彼で終わるマックスの物語である。

しかし本作には主人公のマックスを押しのける勢いで、いや、むしろもう1人の主人公にカウントすべきキャラクターがいるんですよ。

それはシャーリーズ・セロンが演じるフュリオサ大隊長です。

物語の頭とお尻をマックスが担っているのに対し、全編の大部分はフュリオサの計画が中心となって描かれており、マックスは彼女の計画にたまたま巻き込まれた存在に過ぎない。

自ら巨大なトラックのウォータンクを力強く運転し、武器の扱いや戦闘能力も長けていて、それらを活かした見せ場も多い。

マックスと同じく寡黙でタフな女性像を、シャーリーズがハードに演じ切っているのがくっきりと脳裏に焼き付いています。

シャーリーズと言えばブロンドの長く美しい髪のイメージが強かったことから、フュリオサを演じるにあたり髪を丸刈りにしたヴィジュアルは、『エイリアン3』シガニー・ウィーバー以上に衝撃的だった。

 

主人公の活躍を見せるフュリオサですが、彼女を取り巻く他の女性たちも多岐に渡る見せ場を作っています。

フュリオサの故郷への逃亡計画に乗じて砦を脱出し、ウォータンクに同情することになる「ワイブズ」と呼ばれる5人の女性たちのストーリーも色が濃い。

健康体であるがためにジョーの子産み女として捕らわれていた彼女たちが、僅かな自由への希望と死への恐怖の間で葛藤したり、自らの体に宿した邪悪な胎児の存在に苛まれたりしながらも必死に前へ進んでいく。

狂った世界の中で人間らしく右往左往に感情を揺らしている彼女たちは、物語に絶大なる深みを及ぼしています。

そして終盤には、フュリオサの故郷の出身者で結成された、女性7名の「鉄馬の女たち」もフュリオサの計画に参加することになる。

中年~老女で構成された彼女らには気品はないものの、バイクを巧みに運転して「ヒャッハー」とライフルを撃ちまくり、戦闘を楽しむ余裕のような笑みを見せているのがワイルドでたくましい。

上記のように、メインキャラは男性であるマックスとニュークスの2人に対して、女性の割合が圧倒的に多い。

ゆえに、劇中のドラマも女性たちの目線に立った見せ方が目立つ。

主人公のマックスが従来のアクション映画で描かれているヒーローとして描かれていないことはとても重要なポイントです。

前述の通り、マックスはフュリオサの計画に偶然ながら巻き込まれ参加するようになった形なので、彼はフュリオサやワイブズと恋に落ちたりするわけでもなく、また彼女らを守るという義理はない。

ワイブスを守るのはフュリオサ、つまり女性が女性を守っている。

マックスはあくまでも手を組むことになった仲間として、彼女らに協力をしているだけなんです。

だからこそ、物語の核となっているのはマックスではなく、やはりフュリオサなのでしょう。

マックスがヒーローのポジションにいないことが、幼少期に誘拐されたフュリオサ、子を産むことだけを強いられるワイブズたちの「私たちはモノじゃない」というメッセージが強く際立たせ、傲慢と権力を振りかざす男社会の中から、自由を得るためにもがき、そして立ち向かう女性たちを精強に映し出しているのではないのでしょうか。

序盤でマックス自身も輸血袋=「モノ」として扱われていたわけで、きっと女性陣たちの思惑と共感できる部分もあったんでしょうね。

最終的に、劇中での活躍に釣り合う恩恵を何一つ受け取ることなく人の波に消えていくマックスの後ろ姿も、同ジャンルのヒーローイメージとしては新鮮でした。

従来のマックスらしい幕引きと言えばそうかもしれませんが。

 

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ところで、ワイブズら5人の女性陣は本当に美しかった。

見た目も性格も特徴も十人十色で、それぞれが異なる美しさのタイプを掲げている。

実はスプレンディド役のロージー・ハンティントン=ホワイトリーは、アクションスターのジェイソン・ステイサムの実のカミさんだったりする。

あ、管理人はライリー・キーオが演じた赤毛のケイパブルが一番眼福になります 笑

■考察

感情移入のできる魅力的なキャラクターばかりが集まっている本作ですが、その中でも管理人が特に深みを感じたキャラクターのニュークスについて少しばかり考察をしてみます。

・ニュークスの変化

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イモータン・ジョーの配下である戦闘集団のウォーボーイズ。

やりすぎなまでにジョーを崇拝する彼らは死を恐れず、むしろ敵を道連れにして派手に死ぬことが最も名誉だとされている恐ろしい連中だ。

ウォーボーイズの一人である病弱なニュークスも、病気でただ野垂れ死ぬことを嫌い、死ぬときはジョーのために闘い派手に散ってやると意気込んでいる。

そんな彼がフュリオサの追跡に参加して彼女に接近、ジョーの裏切り者を殺す機会を3回も与えられるもすべて失敗し、挙句の果てには自分の失態をジョーに見られてしまう。

ここからニュークスの心情だけではなく、顔つきや言動にも変化が見え始める。

自己嫌悪に陥った自分に同情を寄せたケイパブルとの恋の芽生えと、紆余曲折あって自分を仲間だと認めてくれたマックスたちとの交流と彼らへの協力。

死こそ美学であったウォーボーイズの集団内では決して関わることのできなかった、生を想う人間たちに囲まれたからこそ、ジョーのために死ぬことの虚無感、それが自分の運命ではないと疑い始めたのでしょう。

指に止まった虫をおもむろに食べてしまうという何気ないシーンにも、彼が「命」を感じている瞬間が読み取れます。

冒頭では派手に死のうとする直前に「俺を見ろォォ!!」と叫んでいた彼が、最後にフュリオサ一行を救うために一人でウォータンクに残った時には「俺を見ろ・・・」と静かに向かって呟く。

ニュークスの心の内が変化しているこの二場面においては、同じセリフでも持つ意味合いが違う。

冒頭の「俺を見ろォォ!!」には、自分の派手で美しい最期をその目に焼き付けろという強い高揚感。

ラストの「俺を見ろ・・・」には、ケイパブルに対して自分の存在をいつまでも忘れないでほしいという愛と哀しみを感じる。

ニュークスはフュリオサ一行を守るために自らを犠牲にして悲しい最期を遂げるのですが、直前にジョーが死ぬ瞬間を目撃していて、それまで信じていたジョーは絶対的な存在ではなかったと改めて気付いたような表情も見せているので、愛した人を守る選択が間違いではなかったと確信しているはずですね。

命の尊さを理解して人間性を取り戻すニュークスは、劇中で最も人間らしい心情の変動を見せている、感動を与えてくれるキャラクターなのです。

■小ネタ

アクション映画好きとしては、アクションの観点での小ネタをいくつか紹介してみたいと思います。

・香港アクションのDNA

本編を初めて劇場で観た時には気付かなかったのだが、管理人はその後ラストに流れるエンドロール中に気になる名前を発見しました。

ファイトコーディネーター(格闘シーンや殺陣のスタイルを構築するスタッフ)にリチャード・ノートンなる名前が・・・。

この名前にピン来たのなら、かなり通な人ですね 笑

リチャード・ノートンはオーストラリア出身のアクション俳優で、きっと管理人のような香港アクション映画好きであれば知っている人も多いはず。

有名どころで言えば『七福星』ジャッキーサモ・ハンと戦い、『シティーハンター』『ナイスガイ』ではジャッキーの前にラスボスとして君臨したあの人です。

他にも『冒険活劇/上海エクスプレス』『マジッククリスタル』といった香港映画にも出演したり、当時同じく香港で活躍していた白人アクション女優のシンシア・ラスロックとのハリウッドでのコンビ作『チャイナ・オブ・ライアン』などにも多数出演をしていた、知る人ぞ知る存在。

そんなリチャード・ノートンは本作でファイトコーディネーターを務め、劇中いたる場面で勃発する格闘シーンの構成を担っていたのだ。

特に印象的だったのが、マックスとフュリオサが初めて顔を合わせて衝突するシーン。

2人の一進一退の攻防に加え、ワイブスやニュークスも入り乱れて4つ巴のややこしい戦闘の中に、鎖や車のドアをアイテムに取り入れて戦況を揺さぶるトリッキーさ。

銃とマガジンが分離してみんながそれらを揃えようと奪い合う姿には、どことなくジャッキー映画のようなわくわくする雰囲気を感じないだろうか。

格闘アクションの本場の香港映画界で経験を積んできたリチャード・ノートンによって、本作の格闘アクションには香港アクションのDNAが撒かれているわけだ。

また、上記の場面は互いの敵対関係がむき出しになっていることが強烈に伝わってくる激しいアクションシーンだけど、その後彼らが手を取り合って協力する仲間関係になることの布石を打っておく重要な出来事なんですよね。

敵意むき出しだったマックスとフュリオサだが、その後の何気ない会話のトーン、銃の受け渡し、アクション中の行動、歩み寄る距離感を観ていて、今この2人がどれだけ互いを信用しているかの度量が、言葉の説明がなくても明確に分かるようになっているのが素晴らしい。

マックスとフュリオサの関係性をアクションのみで表現することにより、2人の協調性への導入部とその後を組み立てていったリチャード・ノートンには足を向けて寝ることができないよ。

 

ちなみに彼は裏方だけでなく、実は本編にも登場しています。

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ジョーの側近である最高司令官役で、出番は多くないものの、フュリオサに向かってエグい距離を詰めて威嚇してくるというパンチのある一面を見せていた。

あれがリチャード・ノートンだったとはなあ。

・怪物ネイサン・ジョーンズの意外な経歴

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見た目だけで多大なるインパクトを放つキャラクターが溢れている中、屈強な巨体でひときわ目立つ存在である、ジョーの息子のリクタス。

リクタスを演じているのは、オーストラリア出身の俳優であるネイサン・ジョーンズ

元プロレスラーであることからも納得の体を持つネイサンの映画界での経歴は意外と光っており、『ファイナル・プロジェクト』ジャッキーと、『スピリット』ジェット・リーと、『トムヤムクン』トニー・ジャーと、アジアが誇るアクションスターたちと対決してきたキャリアを持っているのが驚き。

特に『トムヤムクン』の、そのあまりにもパワータイプな佇まいの絶望的なインパクトは凄まじかったですよね。

 

最強の体を持つもオツムが極端に弱いリクタスには、ネイサン以外の適役が思い浮かばないほどマッチしている。

これが愛嬌の出てしまう表情を持つドウェイン・ジョンソンであれば、こうもハマっていなかっただろう。

終盤にウォータンクのエンジンを力ずくで引きちぎるシーンでは、過去作でお馴染みのネイサンの唸り声を聞くこともできて、ファンとしては嬉しかったな。

■日本がらみ

・今回、特に日本がらみの要素は見つかりませんでした。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
Jing-Fu

本作をリアルタイムで、IMAX3Dにて鑑賞したときの胸の高鳴りは今でも忘れない。

時折全国の映画館でリバイバル上映がされるイベントもあり、もし最寄りの映画館でリバイバル上映をしているようであれば、ちょっと無理をしてでも足を運んだ方が良い、と断言します!

本作の公開当時に、SNS上で本作のことを「観る麻薬」と表現していた人がいたけど、これ以上に的を得た言い回しはないと思うね。

 

鑑定結果:ミスリル映画(☆9)

 

となります!!

 

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

よろしければシェアをしていただけると幸いです!↓↓

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