【ネタバレ/感想/考察】『ザ・レイド GOKUDO』の鑑定【ラストは? 日本人キャストは?】

アクション
(C)2013 PT Merantau Films

 

Jing-Fu
Jing-Fu

みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

今回鑑定をするのは『ザ・レイド GOKUDO』です。

インドネシアから世に解き放たれ、その真新しさと怒涛の勢いを保つシラット・アクションが話題となった『ザ・レイド』の続編。

アクションのスケールと残酷描写は更にパワーアップし、重厚なクライムドラマとの融合が見所です。

主役は前作からイコ・ウワイスが続投し、また日本からは遠藤憲一松田龍平北村一輝がヤクザ役で参戦しています。

そんな『ザ・レイド GOKUDO』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

キャラクターたちの思惑も考察!

 

■『ザ・レイド GOKUDO』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

映画『ザ・レイド GOKUDO』予告編

(C)2013 PT Merantau Films

 

■あらすじ

ギャングのボスであるリヤディを追い詰め、汚職警官のワヒュを逮捕することに成功したSWAT隊員の生き残りであるラマ(イコ・ウワイス)。兄のアンディ(ドニ・アラムシャー)から「信用できる」と紹介された警官のブナワル(コク・シンバラ)の元に向かったラマは、ブナワルに腕を買われて街のマフィアたちを一掃するために潜入捜査官になってほしいと頼まれるが、危険を犯せないとこの誘いを拒否する。しかし新興勢力として頭角を表し始めているブジョ(アレックス・アッバド)にアンディが殺害されたことを聞いて・・・。

 

(C)2013 PT Merantau Films

 

■原題:The Raid 2: Berandal

■発掘国/制作年:インドネシア(2014)

■上映時間:146分

■キャッチコピー:全 面 抗 争。

■監督:ギャレス・エヴァンス

■主要キャスト

ラマ:イコ・ウワイス

ウチョ:アリフィン・プドラ

バングン:ティオ・パクサオ

ブジョ:アレックス・アッバド

エカ:オカ・アンタラ

ブナワル:コク・シンバラ

キラーマスター:セセプ・アリフ・ラーマン

ベースボール・バットマン:ベリー・トリ・ユリスマン

ハンマーガール:ジュリー・エステル

レザ:ロイ・マーティン

ゴトウ:遠藤憲一

ケンイチ:松田龍平

リュウイチ:北村一輝

プラコソ:ヤヤン・ルヒアン

 

■『ザ・レイド GOKUDO』のネタバレ感想と考察

①特上の格闘アクション×異色のハイクオリティクライムドラマ

②作り込まれたキャラクター

③シラット・アクションの質と幅がグレードアップ

④ウチョとブジョの思惑

⑤日本がらみ

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:特上の格闘アクション×異色のハイクオリティクライムドラマ

畳み掛けるアクションの連続と印象的な決め技、そして容赦のないバイオレンスに度肝を抜かれた前作だったけど、続編である本作はあちらを更に飛び越す衝撃の数々が詰まってました。開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。映画の持つ魅力の全てが素人目でも簡単に分かるほどのグレードアップを遂げている。インドネシアを代表するマーシャルアーツ映画として、アクションのクオリティがより洗練されているのが言うまでもないことは後でじっくり語ることにして・・・。

特筆すべきは敷き詰められた物語。これがびっくりするくらい重厚な脚本で、ドラマ部分は兄と弟の絆の最低限に絞って一本筋のアクションパートに集中した前作とは訳が違う。イコ演じる裏の世界への潜入捜査を命じられた元SWAT隊員のラマをはじめ、それを裏で支える警察、地元マフィア、敵対する日本ヤクザ、汚職警官、そして勢力図の塗り替えを企てるマフィアの新興組織。様々な勢力の思惑と欲望が渦巻く権力争いの中に幾多のドラマがあり、どんどん泥沼のカオス化していく様はクライム映画として王道であるもの、それを普段は見慣れないインドネシア産という原料と本格マーシャルアーツで支えることによって、真新しさを確立させているのが巧みだ。上映時間が2時間半と、この手のアクションジャンル作品には不釣り合いな長尺であるにも関わらず、実際に展開が良く練られているので体感時間は短く堪能できた。

前作の画面サイズがビスタだったのに対して上下に黒帯の入ったシネスコサイズに変化。それに加え、大草原の緑、食堂の赤い絨毯など画面全体を占める単一色のコントラストが際立つショットが複数あったり、妙にカメラワークにコダワリがあったり、時系列の並べ方と語り方にも工夫を入れていたりと、ドラマ作品としても一流映画並みの趣があるのも観ていて大きな特徴で、前作と比べるずいぶん上質さへの意識に変化が出たもんだ。

Jing-Fu
Jing-Fu

本当に同じギャレス監督が指揮をしたのか?と疑いたくなるくらい笑

 

ネタバレ②:作り込まれたキャラクター

前作からヤヤン・ルヒアンも別役でカムバック!

(C)2013 PT Merantau Films

単にドラマ構成と品質が秀逸なだけでなく、登場する各キャラクターたちの造形と掘り下げも素晴らしい。それは主人公のラマやキーパーソンとなる地元マフィアトップのジュニアであるウチョたちいわゆるレギュラーはもちろんのこと、注目したいのは準レギュラーたちの作り込みだ。その代表格が、地元マフィアのバングンの旧友である、殺し屋のプラコソ。なんと演じるのは、前作のラスボス、人間凶器のマッド・ドッグを演じたヤヤン・ルヒアンその人なのだ。マッド・ドッグとは全くの別人設定で、前作だけで彼の持つポテンシャルを終わらせたくなかった、ギャレス監督による人選だ。プラコソはウチョの下剋上の糧として利用される立場にあるんだけど、それだけの役割にしては彼のバックストーリーが非常に濃い。妻子を持ちながらも裏の世界で仕事をするために世の明るみに出られず、妻からは敬遠され、幼い我が子に会わせてもらえない悩みを抱えている。我が子を想いながらも人生の恩人であるバングンのために仕事は続け、その深い信頼関係を逆に利用されて殺されてしまう、なんとも哀愁に満ちたキャラクターなのである。冷たい雪が降る中(インドネシアって雪降るっけ??)、キラーマスターによって殺害される最期のシーンには、著名なドイツの音楽家であるヘンデルの「サラバンド」がBGMに使用されていて、厳かな曲調が彼の悲壮的人生を表現しているかのようなナイス選曲だった。凶暴性全開の立ち回りの迫力は言うまでもないけど、前作とは比べ物にならないほど人間臭い演技をするヤヤンの役者としての一面にも感心する作品だ。

Jing-Fu
Jing-Fu

プラコソの生涯を描いたスピンオフ作品が観てみたいです。

 

もう1組、新興勢力の一味であるベースボールバッドマンとハンマーガール兄妹も忘れられない。お互いに異名どりの武器を駆使して完璧な仕事をする凄腕のヒットマンなのだけれど、こちらにも興味をそそられるバックストーリーが匂わされていたり、単なる悪役キャラに止まらない奥深いキャラ性に惹かれます。おしゃれ好きな女子ながらも聴覚障害者であり左目も潰れているハンマーガールと妹想いのバッドマン。2人が手話で会話したり、任務に出動するためにバッドマンがハンマーガールの手を引っ張って歩き出した際、机に置き忘れたハンマーを彼女が慌てて取る様子は非常に仲睦まじいというか、血で血を洗うバイオレンス劇の最中なのになんだか思わずほっこりしてしまう。その一方で、ハンマーガールの見た目からも、彼らが歩んできた人生は決して平坦なものではなかったはず。2人の出立ち、裏の世界でどのような壮絶な道を歩んできたのか、どうやってブジョの組織に加入したのか、こちらもスピンオフを製作しても余裕でご飯が食べれるくらいの魅力的なキャラクターでした。

 

ネタバレ③:シラット・アクションの質と幅がグレードアップ

一棟のビルという限定された閉鎖空間がバトルステージであった前作とは打って変わって、本作の舞台はインドネシアの広大な街中。「ドラマはいいからアクションもってこい!」スタイルで、狭く動きが制限される状況下ならではの一本道無双を盛り上げていた前作に対し、やれることできることを増やしてアクションの幅を広げたことにより焼き増しになっていないのがお見事。多人数が入り乱れる乱闘の長回しやカーアクション×格闘など、前作とはまた毛色の違うアクションが盛り込まれていて、それでいて次々と群がる敵とあらゆる方法で粉砕していく一騎当千の無双劇と印象的な決め方は継承されているので、もう文句の付け所がないTHE・グレードアップである。

シラットの流麗な連打もさらにパワーアップし、序盤で披露されるイコの壁シャドーの生物学を逸した爆裂スピードに完全に心が持っていかれた(撮影現場を見学していた松田龍平いわく、ガチのスピードで早送り編集などしていないらしい)。他にもジャッキー・チェンのような椅子の使い方をする場面があったり、色とりどりの武器が登場したり、個性的な中ボス戦が増加したりと、見所を挙げれば枚挙にいとまがな買った。

Jing-Fu
Jing-Fu

イコがザコのボディに前進しながら連打を叩き込み、離れすぎると「来い!」と言うように服を掴んで引き戻し、また連打を再開する戦い方が痺れたなぁ。

 

インドネシア映画の持ち味、情け容赦のないバイオレンスと痛々しいグロ描写もさらに過激になっていて、敵味方問わず血飛沫と肉体破壊の連続は見応えタップリ。戦闘を終えるに連れ全身に傷が刻まれていき、まるでボロ雑巾のようになりながら怒涛のアクションを続けるイコasラマがアドレナリンを頼りに動いているのと同じく、観ているこちらも常にアドレナリンがダダ漏れになるよ。これはもはや一種の観る劇薬だ。

Jing-Fu
Jing-Fu

とにかくハードな画にノックアウトされっぱなしですね。

 

・香港仕込みのカーチェイスファイト!

車内でシラット暴れするイコ!

(C)2013 PT Merantau Films

これはちょっとすごいシーンだ。インドネシアの都市部を舞台に、複数の車が激しいチェイスを展開したり運転しながらの銃撃戦があったり、そんな車内でイコが座りながらシートベルトやヘッドレストをジャッキーばりに使いこなしてザコたちをボコボコにしたり、プレハブが崩壊する豪快なカークラッシュがあったりとかなり目まぐるしいアクションが凝縮されている。インドネシア映画にしては・・・とかそういうレベルではなく、普通にハリウッド水準のクオリティで、カーチェイスの迫力がやけに高い。ナニゴトか!? と思えば、この一連のカーアクションを演出するために、製作陣はアクションの本場である香港からブルース・ロウ大将を呼んできていたのだ。この人は香港映画界にてカーアクションとガンアクション、火薬を扱うアクションをを撮らせれば右に出る者がいないくらいの大物で、特殊効果専門チームの「猛龍特技公司(Bruce Law Stunts Unlimited )」を創設して引き連れ、ジャッキー『ポリスストーリー3』ドニー・イェン『導火線』などに参加していると聞けば納得の仕事っぷりを見せてくれてる。

アクションの迫力と洗練さだけでなく、実はカメラワークも結構面白かったりする。ラマの乗っている車内を移していたカメラが外に飛び出し、少し後ろを走っているエカの車まで移動。エカの車内の助席に侵入したカメラは後部座席へと移動し、そのさらに後ろから迫っているバイクにレンズを向け・・・と、一連の動きをどうやっても1人のカメラマンでは演出できないシームレスなひと繋ぎの映像にしているのだ。このトリックは簡単で、単にカメラをバトンリレー形式で複数のカメラマンがヨイショヨイショしているだけなのだ。エカの車内を移動するカメラは、実は助席シートに化けたカメラマンが受け取って車内移動をしている、ものすごくアナログな手法で構成されている。

Jing-Fu
Jing-Fu

後に『ワイルド・スピード アイスブレイク』の無人車シーンで注目されたシートに化けるマン手法は、すでにここで先取りしてたんですね〜。

 

・イコ・ウワイスVSベリー・トリ・ユリスマン&ジュリー・エステル

殺る気マンマンのバイオレンス寄りすぎる名勝負

(C)2013 PT Merantau Films

ラマと、通称「ベースボール・バットマン」と「ハンマーガール」兄妹による2対1の殺し合いは、拳・野球バット・2丁ハンマーが入り乱れる壮絶な異種武器戦。1人が同時に2人を相手にする演出泣かせの高難易度殺陣を、ノンストップかつ不規則なマウントの取り合いでバラエティに富んだ試合運びとしていて全く隙がない。リーチが売りのはずであるバットを舐め回すように振り回して近接でも隙がない、ルーキーズが泣きそうなユリスマンと、おおよそお洒落女子には似つかわしくないハンマーを振るう刺々しいジュリー・エステル。それぞれヘビーな立ち回りが個性的で見応えがあり、動きの鮮度も格別。特にユリスマンのバットさばきに目を奪われるというか、1本のバットだけであれだけ多彩な動きを表現できる彼のポテンシャルは計り知れませんね。本作でブレイクしたジュリー・エステルも、敢えてそうしているのかもしれないけど、自らが振るったハンマーの重さに華奢な体が持っていかれかけてる様子が妙にリアルだった。可憐な風貌×血みどろの荒々しい戦闘スタイルは、他のアクション女優が持っていない彼女ならではの個性ですよね。

Jing-Fu
Jing-Fu

ユリスマンは警棒で、ジュリー・エステルはナイフで、それぞれ後に『ヘッドショット』にてイコと再戦することになります。

 

・イコ・ウワイスVSセセプ・アリフ・ラーマン

格闘アクション映画界に名を轟かせたラストバトル!

(C)2013 PT Merantau Films

本作のラスボス戦。キラーマスターを演じるセセプ・アリフ・ラーマンはシラット界ではかなり名が通っている師匠的な存在で、世界中でシラットのパフォーマンスを牽引してきたキャリアがあり、つまりはイコと同じくリアルなシラットの達人なのだ。そんな2人が本格的に拳を交えるとして、作中においてトップクラスの熱を帯びていることは言うまでもない。

お互いにいきなり殴り合うのではなく、まるでジークンドーの塔手(互いの右手首を合わせた状態)のような構えでジリジリと距離を縮め、そこから攻撃へと派生させていく運び方に特徴があって印象的だった。基本はシラット同士の拳マシンガンの応酬で、時折キッチンのシンクや道具を活かした牽制合戦もあって単調化を回避しているのでグッと観入ることができる。イコが前作にはなかった、非シラットの技術である打点の高い連続蹴りを取り入れ、マルチな立ち回りを披露しているのも面白かった。

途中からはカランビットナイフなる武器が導入され、一瞬の隙が死を呼び寄せる緊張感が一気に加速。インドネシア発祥の武器であるカランビットナイフは刃が半月状に湾曲しているのが特徴で、その分普通のナイフよりも小回りが効いた攻撃を連続させることができるようで、相手の懐に入り込む手技の多さが長所であるシラットとの相性は恋人のように抜群! ラマとキラーマスターが超高速でナイフを振り回し、互いの体にナイフを一閃させて肉をエグってこそぎ合う人肉ケバブ合戦は恐ろしいほど痛々しく、そしてインドネシアアクションの最高峰を極めたかのような圧巻の格闘シーンになってます。人体から流れ出る血の量も香港や韓国アクションですら到達できないほど、まさに死闘と呼ぶに相応しい壮絶な見せ場だ。ここでふと、白くて無機質なキッチンの背景が、辺りに飛び散る鮮血を際立たせ、2人の死闘を盛り上げる支えとなっていることに気が付いて感心したなぁ。

Jing-Fu
Jing-Fu

現時点で、イコの出演作品の中で間違いなくベストバウトになってます。

考察:ウチョとブジョの思惑

物語のラストでは畳みかけるような運命の交差が発生し、どエライ カオスを目の当たりにすることになる。冒頭からの物語を通して、コツコツと積み重ねてきた下準備がいとも簡単に崩れ去る一種のカタルシスとも言える展開だけど、そこに至るまでの経緯に具体的な言葉や台詞による説明がなく、俳優の演技を観て理解するしかないのでちょっと真相を考察してみます。

事のトリガーは終盤のウチョの勘付き。ウチョはそれまで手を組んでいたはずのブジョにショットガンの凶弾を放つ。それは何故か。結論を言えば、ウチョは自分がブジョに利用されていることに気付いたからです。ウチョは食堂でブジョの手首にとある刺青を見つける。これは中盤、ウチョが殺害した男の手首にもついていた刺青と全く同じものだった。この男は、収監中のウチョを襲撃した人物。ブジョがウチョに勢力図の塗り替えのために協力を申し出た時、裏切りを強いることになるウチョへの見返りとして、復讐を実現させるために連れてこられたヤンキーだ。ウチョはこの男の喉笛をかっ切り、晴れてブジョと手を組むことになるんだけど、ラストで刺青がきっかけとなり、この男がブジョの手下であったことに気付いてしまった。つまりこの男はブジョが拉致してきたのではなく、最初からブジョの命令で刑務所に入り、ウチョを死なない程度に襲い、シャバに出た後に自らがウチョに殺されることによって、ブジョがウチョと手を組むきっかけを作るための手駒だったんですね。実の父親を殺すことによって古巣であるマフィアを壊滅させてしまったウチョは、自分がまんまと乗せられてブジョの勢力拡大のための障害を取り除くことに利用されていたことに気付いたのです。所詮は自分も駒の一つで、利用された後は消されることを悟ったからこそ、ウチョはブジョと、彼と繋がる汚職警官のレザを殺したのでしょう。

もう一つ気になるのは、ウチョの財布に隠してあった盗聴器について。これは潜入捜査官であるラマが隙を見て忍ばせた、言わば警察側の盗聴器。終盤で財布の中に隠されていた盗聴器を発見して怪訝そうな顔をしていたウチョだが、その時点で彼は盗聴器を忍ばせた人物が誰なのかを分かっていませんでした。その後ウチョは、前述した通りブジョの陰謀に勘づいて反乱を起こすんだけど、ここで彼は虫の息となって倒れたブジョに対して「ほらよ」と言わんばかりに、取り出した盗聴器を見せつける。そう、ウチョはこの盗聴器を仕込んだのがブジョであると勘違いをしていたんですね。まあ結果オーライというか、ブジョがウチョを利用していたことに変わりはないんだけど、ウチョが反乱を起こす起爆剤の一つとなってしまった盗聴器は、ブジョに撮っては迷惑極まりないイレギュラーアイテムだった訳です笑

その後暴走したウチョは、駆けつけたラマにもショットガンを向けるが、すんでのところで不意を突かれ、ラマによって腹にナイフを突き刺されることに。この時、ラマもウチョも物悲しい表情を浮かべ、熱い抱擁を交わしているようにも見えるのが気になった。きっとお互いに、知り合ってからの日々を思い出していたんじゃないだろうか。今回の潜入捜査はラマにとっては不本意な環境ではあったが、2年以上の歳月の中でウチョと過ごし、少なからず友としての楽しいひとときもあったんでしょう。ウチョは盗聴器の持ち主がラマであることに気付いていないわけで、最後までラマの正体を知ることはなかった。地獄の中に咲いた一輪の友情の花。ラマを1人の友人として信じながら死ぬことができたのは、誰にも認めてもらえず、利用される身でしかなく信用できる者が誰1人いなかった(自分のせいでいなくなってしまった)ウチョにとっては、少なからず幸せだったのかもしれませんね。

 

ネタバレ⑤:日本がらみ

日本から招集されたキャストは超豪華!!

(C)2013 PT Merantau Films

インドネシアで地元マフィアと肩を並べる日本のヤクザ。遠藤憲一松田龍平北村一輝と、拘束にそこそこの金が消えそうな日本の大物ばかり3人を呼んでいるのでとにかく豪華で、登場時間もそこそこ多いので普通に見応えがある。松田龍平にとっては、『ブラック・レイン』で悪役を演じた父親の松田優作と同じく、今回が海外映画出演デビューとなった。その中でも強烈なインパクトを放つのがヤクザの頭領ゴトウを演じた遠藤憲一。威圧感たっぷりの恐ろしい目つきで「オイッ!!!」とか「戦争だぁーーッ!!」と怒鳴るシーンには普通に萎縮しそうになるほど、怖い。

Jing-Fu
Jing-Fu

なんでも、遠藤憲一の演技を観ていた現地スタッフが「いやいや、何もモノホンのヤクザを連れて来なくても・・・」と本気でビビっていたと言う逸話があるくらいだ笑

 

ただ残念なのが、彼らのセリフがめちゃくちゃ聞き取りづらいことだ。海外映画に出演した日本人俳優のネイティブ日本語セリフが何故か聞き取りづらいことはたまにあることだが、本作はその中でもずば抜けて聞き取りが難しい。バンクンがカタコトの日本語を喋っているのも普通にヒアリングがしづらく、日本語のシーンには字幕が存在しないので初見時には確実に会話の内容を見失うことでしょう。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
Jing-Fu

シラット・アクションは前作からさらに研磨され、よく練られているクライムドラマも抜かりはなく、総じてクオリティが非常に高い作品です。普段見慣れないインドネシア映画だと舐めてかかってると手のひらを返すことになります。

 

鑑定結果:ミスリル映画(☆9)

 

■映画『ザ・レイド GOKUDO』はどんな人におすすめ?

 

・格闘アクション映画が好きな人

イコ・ウワイスのファンの人

・インドネシア映画のピークを観たい人

 

■最後に

前作『ザ・レイド』の鑑定はコチラ☆

 

本作の主演俳優であるイコ・ウワイスについての紹介はコチラ☆

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

よろしければシェアをしていただけると嬉しいです!↓↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました