みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。
実写版『モンスターハンター』公開記念!
ミラ・ジョヴォヴィッチ演じるアルテミスの師匠となるハンター役のトニー・ジャーを勝手に応援企画第7弾!
今回鑑定をするのは『トリプルスレット』です。
現代を代表するアクションスター達が集結した、夢のようなオールスターアクション映画!
それでは早速鑑定していきましょう!
目次
■作品情報
・基本情報
(C)2018 TRIPLE THREAT HOLDINGS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED
■原題:Triple Threat
■発掘国/制作年:アメリカ/中国/タイ(2019)
■キャッチコピー
・監督、キャスト
■監督:ジェシー・V・ジョンソン
■主要キャスト
パユ:トニー・ジャー
ロン・フェイ:タイガー・チェン
ジャカ:イコ・ウワイス
シャオシャン:セリーナ・ジェイド
コリンズ:スコット・アドキンス
デボラ:マイケル・ジェイ・ホワイト
ジョーイ:マイケル・ビスピン
ムック:ジージャー・ヤーニン
ステイナー:ロン・スモーレンバーグ
・あらすじ
中国有数の資産家の娘であるシャオシャン(セリーナ・ジェイド)は、父親が残した莫大な遺産を投じ、東南アジアのマハ・ジャヤで猛威を振るう犯罪集団を撲滅させることを誓う。それに対し犯罪集団のボスであるスーフェン()は、コリンズ(スコット・アドキンス)率いる傭兵グループに彼女の殺害を命じる。コリンズはジャングルのゲリラ集落で捕虜となって捕らわれていたが、部下のデボラ(マイケル・ジェイ・ホワイト)らの襲撃によって自由の身になったばかりだった。その襲撃ミッションを人道的任務と騙されてガイドとして利用されたパユ(トニー・ジャー)とロン・フェイ(タイガー・チェン)はなんとか生き延び、コリンズらへの復讐の機会をうかがっていた。また、その襲撃によって集落にいたユダ(イコ・ウワイス)は妻を失い、こちらもコリンズらへの復讐を誓うのだが・・・。
■ざくっと感想
本作の鑑定結果は、、、
トニー・ジャー、イコ・ウワイス、タイガー・チェン。現代のアクション映画を最前線で牽引するアジアの格闘アクションスターたちがトリプル主演、アンビリーバボーすぎるキャスティング。さらに悪役にスコット・アドキンス、マイケル・ジェイ・ホワイト、マイケル・ビスピン、ジージャー・ヤーニンらと、こちらも全く持って死角がないメンツ。格闘アクション映画ファンであれば耳に下だけで昇天しそうな究極の布陣が実現した、まさに「アジア版エクスペンダブルズ」と呼ぶに相応しい逸品です。
このメンツが同じスクリーンの中に凝縮され、会話をし、拳を交えている様子を眺めるだけでもヨダレが止まらないというか、やはり格闘アクションファンにとっては彼らの共演を楽しむことが極上の醍醐味となるわけですよ。物凄くめんどくさそうな大人の事情を見事に回避し、これまで実現が絶対に不可能だったはずのオールスターキャスティング、夢にまで見た対戦カードの数々を歴史に残した功績は計り知れない。
だが実に惜しい! これだけ筋肉と技の動ける逸材たちを集めたにも関わらず、彼らの持ち味を活かしきれていないアクション構築、薄味テイストの決着方法、ファン激怒のもったいない俳優の殺し具合など、ハードルが高かっただけに所々の粗が目立っていて悲しい。要するにファンのことを考えているようで分かっていなかった、そんな作品です。単純明快さを奪った無駄なストーリーも足枷となって引っかかることに。
ゆえに、本作は決して格闘アクションの最高傑作と鑑定することはできませんでした。
以下、ネタバレありの感想と考察になります。
作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!
■感想と考察
・魅惑の大乱闘スマッシュブラザーズ・スターたち
本編にこのショットはないっす。
(C)2018 TRIPLE THREAT HOLDINGS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED
本作最大の醍醐味、それは豪華すぎるキャスティングに他ならない!
勝手ながら主要キャストたちをまとめてみましたので、まるで映画界の大乱闘スマッシュブラザーズのごとき珠玉の顔ぶれをご堪能ください。
■トニー・ジャー
『マッハ!』『トム・ヤム・クン!』で披露した超人アクションによって業界に革命を起こした、ムエタイの闘神。本作の出演陣の中で1番のキャリア、知名度を持つ。
出身国:タイ
格闘技:ムエタイ
代表作:『マッハ!』『ドラゴン×マッハ(SPL2)』
役柄:全てを破壊する嵐の男、そして軍の元コック、パユ役。
プチ鑑定:料理の動きを戦闘に活かすことはないけど、料理の際に「トムヤムクン食う!?」とはっちゃけるのはご愛嬌。
■イコ・ウワイス
『ザ・レイド』で彗星の如く現れた、国際的なポテンシャルを持つ若手アクションスターの筆頭格に立つ存在。タイガー・チェンとは『ファイティング・タイガー』での対戦経験あり。
出身国:インドネシア
格闘技:シラット
代表作:『ザ・レイド』シリーズ、『ヘッドショット』
役柄:コリンズ一味に妻を殺されたユダ
プチ鑑定:常に回りくどく、総じて弱い。
■タイガー・チェン
俳優としての知名度は高くないけど、ユエン・ウーピンの弟子として武術指導で活躍。『マトリックス リローデッド』以降キアヌ・リーブスと組むことが多く、『ジョン・ウィック3』の冒頭でキアヌに目を刺された人。
出身国:中国
格闘技:カンフー
代表作:『ファイティング・タイガー』『カンフートラベラー』
役柄:チャイニーズマフィアに家族を殺された過去を持つ、ロン・フェイ
プチ鑑定:相変わらず顔が怖い。
■スコット・アドキンス
ハリウッドの次世代アクションスターを担う資格と素質があるにも関わらず、出演作に恵まれないことが多い宝の持ち腐れ状態。それでいて本家『エクスペンダブルズ2』への参加実績や、MCUの『ドクターストレンジ』におけるベネディクト・カンバーバッチとの霊体バトルなど、大作や名作への出演もあってフィルモグラフィーが大変なことになってるナイスガイ。
出身国:イギリス
格闘技:総合格闘技
代表作:『ニンジャ』シリーズ、『デッドロック』シリーズ
役柄:傭兵部隊のリーダー、コリンズ
プチ鑑定:車のフロントガラスを殴り割るターミネーター。
■マイケル・ジェイ・ホワイト
メジャー作品での活躍は多くはないものの、「絶対に喧嘩したくない」と思わせる押しの強い体格で常に強烈なインパクトを残す巨神兵。恐らく『バトルヒート』で共演したジャーからオファーがあったんだと思う。
出身国:アメリカ
格闘技:空手
代表作:『スポーン』『ダークナイト』
役柄:コリンズの部下、デボラ
プチ鑑定:イコを締めるシーンの体格差がどう見てもイジメ。
■マイケル・ビスピン
元総合格闘家で、世界王座を獲得した経緯もある確固たる実力の持ち主。実写版ジャイアンをキャスティングするならこの人。こちらも『トリプルX 再起動』で共演したジャーの人脈があって参加したものと思われる。
出身国:キプロス
格闘技:総合格闘技
代表作:『トリプルX 再起動』『ザ・アウトロー』
役柄:コリンズの弟のジョーイ
プチ鑑定:最後が二重で不憫。
■ジージャー・ヤーニン
『チョコレートファイター』で鮮烈デビューを果たした、女性版トニー・ジャーがなんと悪役で参戦。小柄な体に似合わないグレネードランチャーを暴発させ、刈り上げとアイシャドーが妖しく光る黒ジージャーを観ることができるのは本作だけ!
出身国:タイ
格闘技:ムエタイ
代表作:『チョコレートファイター』『チョコレートソルジャー』
役柄:コリンズの部下の紅一点ムック
プチ鑑定:死にざまが一番ムゴい
■ロン・スモーレンバーグ
この人が誰か分かればかなりのアクション通。『WHO AM I ?』のラスト、ジャッキーにダメ出しされながらもラスボスの1人であるキッカーを演じていた人です。ジャーには既に『トム・ヤム・クン!』で蹴られているなど、この手の作品には腐るほど参加してる名端役。誰も知らんだろうけど、実は邦画デスノートのスピンオフ、『L change the WorLd』にも何故か参加してたりする。
出身国:オランダ
格闘技:キックボクシング
代表作:『WHO AM I ?』『ジャン=クロード・ヴァン・ダム ザ・ディフェンダー』
役柄:コリンズの部下、ステイナー
プチ鑑定:敗北要因が非道
■セリーナ・ジェイド
『バトルヒート』でジャーの恋人を演じていた彼女は、『蛇拳』や『死亡の塔』など、70〜80年代の香港映画で見かけた白人俳優のロイ・ホランを父親に持つ女優。元々はアンジェラ・ベイビーが演じる予定だったが彼女に変更。アクションスターではないけど、普通にお美しい。
出身国:中国
代表作:『バトルヒート』『アイアンフィスト』
役柄:中国有数の資産家の娘、シャオシャン
プチ鑑定:ハイヒールを履いたジョン・コナー。
・全力を出し切れなかったアクション
本作を手に取るような人は、管理人と一緒でハードルをかなり高めに設定していることでしょう。これだけ業界屈指のスターが顔を揃えてしまったのだから無理もない。もちろん本作で展開するアクションを全否定する気はないけど、期待が大きかっただけに「トホホ」ポイントが際立って見えてしまうのが残念極まりないんだよなぁ。
本作の致命傷は3つある。まず、それぞれの俳優たちが持つアクションポテンシャルがフルで引き出せていないこと。次に、俳優たちの個性スタイルが格闘に反映しきれてないこと。そして最後に、それぞれの闘いの結末が物凄く雑なことだ。異種格闘技映画の最高峰として、もっともっと前人未到の化学反応を引き起こせる素材をかき集めることができたのに、どうしてほぼ凡庸な殴り合いでとどめてしまったんだろうか。ジェシー・V・ジョンソン監督、武術指導にティム・マンと、スコット・アドキンスと何回も組んでいる業界のトップたちが縁の下を固めているのに、彼らが撮影中にインフルエンザにでもかかって、早く終わらせたいがためにやっつけ仕事をやったんじゃないかと思われてもおかしくないくらい淡白な仕上がり。当然のごとく個人的なジェシー・V・ジョンソン監督とティム・マンの株は大暴落に転じましたとさ。
・トニー・ジャーVSイコ・ウワイス
(C)2018 TRIPLE THREAT HOLDINGS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED
冒頭、いきなり勃発してファンの心を鷲掴みにする、東南アジアから世界に羽ばたいたアクションスター同士の夢の対決。ちょっと短いけど組み合わせは素晴らしすぎる。ジャーは得意のボマイエ特攻やアクロバット蹴りでイコを押しているのに、イコが全く応戦できていないぞ。飛び込んできたジャーの懐にシラット連打カウンターを打ち込むとかできたはずなのに、なぜかイコを強く見せようとする気概が感じられない。勝負もジャーが押し勝ったところで中断されてしまい、実質イコの負けである。開始直後に胸を躍らされたファンは、同時に「おいおい大丈夫か?」と懸念までも抱くことに・・・。
・イコ・ウワイスVSタイガー・チェン
本当は復讐者と勘違いをしているだけなんだけど、タイガー・チェン主演の『ファイティング・タイガー』で既に2人が闘っていることを匂わせるような、「俺を憶えているか?」というイコのセリフに遊び心があって「おっ!」ってなる。だがここでもイコが弱い。一見対等にデッドヒートしているようにも見えるけど、だいたいイコが押されており、ここでは明確にイコが黒星になってしまう。ストーリーの流れを考えるとしかたのないことかもしれないけど、もう少し配慮したげてよ~。
・トニー・ジャーVSロン・スモーレンバーグ
『トム・ヤム・クン!』では一瞬だった2人の交わりが本格化。狭いオフィスを破壊しながらなかなかの熾烈な取っ組み合いを見せる。だけどすっごくいいところでイコが登場し、ロンの背中に発砲していきなり興ざめ。この隙にジャーが鋭角な蹴りでとどめを刺すんだけど、マジで発砲演出が害悪すぎ、いらない。イコが復讐に燃える役柄とはいえ、こんな急展開、誰が得をするんだ??
・イコ・ウワイスVSジージャー・ヤーニン
(C)2018 TRIPLE THREAT HOLDINGS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED
まさかこの2人の対決が実現する日が来るとは・・・。オールスターキャストの中でも、ひょっとしたら一番希少価値の高い組み合わせなのかもしれない。そのくらい、ジージャーがが本作へ「悪役」として参加したことの有用性と存在意義が鮮明になる屈指の対決。・・・と言いたいのに、ちょっと殴って蹴り合った後に、イコが超・至近距離でグレネードランチャーをぶっ放すという死ぬほど危険な行動で強引に終わらせてしまうのだ。当然ジージャーの身体は跡形もなく飛び散るんだけど、その描写に無駄に力が入っていてグロい。これは酷い。こんな呆気なく反則級な終わり方、あんまりだよ~。本作においてはジージャー唯一の格闘シーンと言うこともあって、なおさら肩を落とした裁判レベルの問題シーンです。
・タイガー・チェンVSマイケル・ビスピン
善玉チームと悪玉チームにおいて対の一組になる2人の闘い。2回戦の中でタイガー・チェンは旋風脚や三角飛び蹴りなど、見慣れているものの手堅く映えるカンフーアクションを、マイケル・ビスピンは技術よりもパワー重視の重たい攻撃を披露し、下手な格闘シーンよりは安定した迫力となっている。マイケルに押されたタイガー・チェンがそのまま後ろ向きに壁を駆け上がり、頭上から両膝を垂直落下させる鋭い攻撃はフレッシュな技だった。で、その調子で当たり障りのない決め技で終わらせてくれればいいのに、2人の対決はタイガー・チェンが足元に落ちていたブロックをマイケルの頭にクラッシュさせることで唐突に締めくくられる。・・・はあ??
・イコ・ウワイスVSマイケル・ジェイ・ホワイト
こちらも対となる対戦カード。格闘シーンが始まる前からなんとなく嫌な雰囲気が拭えないが、案の定イコが弱かった。2人の体格の高低差を活かし、イコがMJWの足元を薙ぎ払ったり頭めがけて飛び後ろまわし蹴りを繰り出したりと出だしだけは好調。しかしその後が続かず、イコの持ち味を発揮させることもなくMJWの一方的なワンサイドゲームになってしまう。イコが劣勢に立たされるなら立たされるで、そこに至るまでの過程をもっと手に汗握る展開にできるはずなのに、製作陣は何があってもイコを弱く見せたいようだ。
最後も酷い。突如としてゲリラ乱入をしてきたタイガー・チェンに気を取られたMJWの隙を突き、イコがおこぼれのドロップキックをお見舞いするんだけど、それを喰らったMJWが階段から落ちて柱に突き刺さってあっさり絶命(しかもその描写がすっごくテキトー)するという味気のなさ。「看板に偽りあり」とはよく言ったもんだ。
・トニー・ジャー&イコ・ウワイスVSスコット・アドキンス
これもファンにとっては激アツな組み合わせですね~。ジャーがアドキンスにボコられている時に颯爽とイコが突入してくる光景は興奮するし、ジャーとイコが肩を並べてアドキンスと対峙する様子は、現代の格闘アクション界を最前線で担う3人が揃った、まさにドリームマッチと呼ぶに相応しい組み合わせだろう。
惜しむらくは、この闘いが2対1の構図として成り立っていないことだ。普通2対1の勝負であれば、強い1人に対して2人がどんな連携を取るのかが最大の華であり見ものになる。アドキンスが持ち前のキックポテンシャルを発揮し、滞空時間の長い技を連発させて2人を圧倒するのは良いとして、それを受けるジャーとイコはただ交互に蹴飛ばされてくのが繰り返されるだけで、互いの隙をカバーする様子とか反撃の動作に連携という概念がほとんど皆無。おまけにこれまたイコが弱く、呆気なくフェードアウトしてしまうのも歯がゆい。これだと2対1でしか出せない醍醐味が潰されていて、なんとも切なく物足りない試合運びとなってしまっているのに頭を抱えざるを得ない。きっとファンは、イコがアドキンスに至近距離からシラット連打を放って動きを止めつつ、そこにジャーがアドキンスの脳天めがけてヒジを突き出し飛び込んでくるとか、そういう2人の個性を活かしたコンビネーションを期待していただろうに。『ドラゴン×マッハ』や『ザ・レイド』の2対1を超えることができたはずなのに、残念ながらいずれにも遠く及ばない「宝の持ち腐れ」の代表格シーンだ。
・トニー・ジャーVSスコット・アドキンス
(C)2018 TRIPLE THREAT HOLDINGS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED
真打ち登場! 本作のキャストの中で、この業界において最も豊富なキャリアを兼ね備えた2人の、満を持した念願のサシ対決が実現しました! それはもうファンからすれば、ジャッキーとリンチェイが、スタローンとシュワちゃんが殴り合うのと同等のインパクトを放つと言っても過言ではないほどの熱狂ぶり。言わずもがな作中の善玉と悪玉のトップ同士が拳を交えるとして注目のハイライトに・・・。と言いたいところだけど、ここでもパーフェクトとは呼び難い不満点がちらほら。ヒジヒザの応酬、きりもみキックに宙返りかかと落しなど、ジャーは得意のムエタイアクロバットで攻めているのに、直前とは見違えるほどアドキンスがショボい。滞空時間の長い離れ業を披露できる2人だからこそ、アドキンスにもガイバーキックやサマーソルトキックを出させて、もう最高に派手なドンパチをやってくれればそれで満足だったのに。しまいにはジャーがアドキンスの両胸にナイフをぶっ刺すいらんオプションを付け加えた後に、強力ボマイエでとどめをさしてガッカリ。ナイフいらん! 素直に素手で闘ってもらってからのボマイエだったら文句なしだったのになぁ。
・アクションにも悪影響を及ぼすストーリー構成
どう観ても学校の校庭裏でのカツアゲの図。
(C)2018 TRIPLE THREAT HOLDINGS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED
イコ演じるジャカのストーリーだが、面白くないとか以前に物凄く回りくどいめんどくささがある。妻をコリンズらに殺されて復讐の鬼と化したジャカは、パユとロン・フェイと組むことになり、なるほどここから「トリプル・スレット」=「3つの脅威」となるのか~。・・・と誰しもがそう思うだろうが、その後はこの3人が一緒になって行動をしていくわけじゃないんだよね。ジャカは2人の前からすぐに姿を消し、この2人をコリンズたちをおびき出すためのエサとして利用するのだ。そして時に再度登場して2人が追い詰めたコリンズの手下を殺してはまた去り、時にコリンズの仲間としてまで登場し、まるで中立のねずみ男みたいなポジション。ジャカ曰く「コリンズとも仲良くなって完全に信頼させた後、一気に皆殺しにする」らしい。そんな複雑な話にしなくても、3人が一丸となってシャオシャンを守り、古き良き『ターミネーター』の追う者と追われる者の逃走劇にした方がシンプルで分かりやすかったはずなのに。最終的には「ジャカはコリンズの仲間のフリをして内部を探り、黒幕のスーフェンを追い詰めることになった」というオチはあるものの、説得力としては弱い。さらにはコリンズたちの信頼を得ずとも、警察署内で無関係な人々が大量に死ぬきっかけを作るくらいの捨て身であるならば、彼らと出会った時や和んでいる時に銃をぶっ放して殺せばいいのに、と野暮ながらも不自然なモヤモヤが募る。シンプルでないがゆえに、お祭りアクションでいいはずのテンポが削がれている気もするし・・・。
前述したそれぞれの格闘シーンレビューにも書いているけど、ジャカはコリンズ一味に圧倒的な復讐心を抱いているので、彼らを殺すための手段に躊躇はないという設定が設けられている。そのせいで、パユと揉み合っているステイナーのがら空きの背中に銃弾を撃ち込んだり、ムックをグレネードランチャーで粉々にしたりと、「格闘で倒す」よりも「殺す」意思が強調されており、結果として格闘シーンの決着方法が台無しになり、別の意味でファンを泣かせるハメに。つまり本作のアクションの物足りなさには、バックのストーリーが悪影響を及ぼしているのだった。
■日本がらみ
■鑑定結果
格闘アクションのキャラゲー的な楽しみ方はできるものの、千載一遇の機会を活かすことができなかったアクションの後味は悪かったです。
となります!!
トニー・ジャーについて知りたい方はこちらの記事もどうぞ☆
それでは今回の鑑定はここまで。
またお会いしましょう!
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