ネタバレ/感想:映画『ザ・スイッチ』の鑑定結果【ホラー版『君の名は。』】

ホラー
(C)2020 UNIVERSAL STUDIOS

 

Jing-Fu
Jing-Fu

みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『ザ・スイッチ』です。

コロナウウィルスによって公開延期されていた注目の入れ替わりホラーがついに公開されました。

それでは早速鑑定していきましょう!

■作品情報

・基本情報

(C)2020 UNIVERSAL STUDIOS

■原題:Freaky

■発掘国/制作年:アメリカ(2020)

■キャッチコピー

史上最悪の入れ替わり

 

・監督、キャスト

■監督:クリストファー・B・ランドン

■製作:ジェイソン・ブラム

 

■主要キャスト

バーニー・ギャリス(ブッチャー):ヴィンス・ヴォーン

ミリー:キャスリン・ニュートン

ナイラ:セレステ・オコナー

ジョシュ:ミシャ・オシェロヴィッチ

ポーラ:ケイティ・フィナーラン

シャーリー:ダナ・ドロリ

ブッカー:ユリア・シェルトン

 

・あらすじ

アメリカの小都市ブリスフィールド。高校生カップル2組が酒を飲んで楽しんでいる最中に、巨漢の殺人鬼ブッチャーことバーニー・ギャリス(ヴィンス・ヴォーン)が侵入し、4人を惨殺してしまう。その時、家に収集品として飾られていた「ラ・ドラ」という短剣の不思議な魅力に惹かれたバーニーは、短剣を持ち出して家を去った。その翌日、女子高生のミリー(キャスリン・ニュートン)はいつも通りに目覚めてブリスフィールド高校に向かった。父親が亡くなって依頼母と姉ともどこかギクシャクした関係が続いている彼女は、内気な性格もあって高校ではいじめられており、友人は黒人女子のナイラ(セレステ・オコナーゲイ)とゲイのジョシュ(ミシャ・オシェロヴィッチ)しかいなかった。在校生が殺人鬼ブッチャーに殺害されたというニュースが流れており、ブリスフィールド校内はもちろん、町中の人間に衝撃が走っていた。夜になって部活を終えたミリーが一人で母親の迎えを待っていると、なんとブッチャーに発見されてしまう。急いで逃げるミリーだったが、ブッチャーに捕まって短剣で肩を刺されてしまうのだが・・・。

 

■ざくっと感想

Jing-Fu
Jing-Fu

本作の鑑定結果は、、、

鑑定結果ダイヤモンド映画(☆7)!!

 

『死霊高校』『ゲット・アウト』『アップグレード』など、低予算ながらも良質なホラーを生み出し続ける、ジェイソン・ブラムが設立したブラムハウス・プロダクション。そんなスタジオの最新作である本作は、とあることがきっかけとなって女子高生と中年の殺人鬼の魂と体が入れ替わってしまうという摩訶不思議な騒動を描いたなホラー作品です。自分体を取り戻すために奮闘する女子高生ミリーを描いた本作は、日本ではその特異なプロットから「ホラー版『君の名は。』」と呼ばれることも。R15指定ということもあってゴア表現は中々強めで、往年の殺人鬼ホラーをリスペクトしたような演出もあって、その界隈のファンならグッとくるはず。

監督は同じブラムハウス産の『ハッピー・デス・デイ』シリーズのクリストファー・B・ランドンであり、同作のようなスラッシャーとコメディの融合が独特な味となっています。女子高生のミリーを演じるのは、『名探偵ピカチュウ』に出演後、マーベルの『アントマン』シリーズに参加することも決定している注目の若手女優キャスリン・ニュートン。そして殺人鬼ブッチャーを演じるのは、『ロストワールド ジュラシックパーク』『インターンシップ』など数多くの作品に出演するヴィンス・ヴォーンです。お互いに中身が入れ替わったキャラクターをギャップたっぷりに熱演しているのが見所の1つになっています。

 

以下、ネタバレありの感想と考察になります。

作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!


 

 

 

 

 

 

 

 

■感想と考察

・真新しさと王道を兼ね備えたホラー

『悪魔のいけにえ』をするキャスリン・ニュートン。

(C)2020 UNIVERSAL STUDIOS

少女と少年の身体が入れ替わって恋愛に発展していく・・・じゃなくて、可愛い少女と中年おっさんの身体が入れ替わってしまうなんて珍設定、面白くないはずがない。しかも中年のおっさんの素性が「連続殺人鬼」だという、世界中に散在するスイッチ系映画の中でも更に異質な作風になっている。殺人鬼の身体で必死に事実を訴えながら身体を取り戻そうと奮闘する少女と、少女の身体を手に入れて新たな凶行を開始する殺人鬼の殺人絵巻、ビジュアルも心も性格も正反対の2人の対比と演出が素直に面白かった。

R15指定という言葉に偽りはなく、思わず顔が引きつりそうになるゴア描写が満載。ティーンネイジが溢れる道徳の場であるはずの高校を舞台に、『悪の教典』よろしくブッチャーが何事もお構いなしに学生をスラッシャーキルをしまくっていくので、不謹慎極まりないったらありゃしない。しかも殺人を犯すビジュアルがいたいけな可愛い少女であるため余計にクセも強め。ブッチャーの殺人方法はバラエティに富んでおり、丸ノコやチェーンソー、鉤爪に冷凍庫といった様々なツールを使用していて、かつキルカウントも多めのため、コアなホラーファンを魅了するだろう。ワインボトルを口にねじ込み、喉の奥に突っ込んで破裂させるオーバーキルが一番エグかったかな。

スイッチ系の特殊なストーリー、バリエーション豊かなグロ描写が展開される中で、実は往年の殺人鬼ホラーを意識したようなシーンも見受けられた。特にタイトル前の冒頭シーンではそのレベルが高く、酒とセックス真っ只中の若者カップルが惨殺される流れや、何回も暗闇と登場人物を交互に映し、ちょっと気が抜けた頃にいきなりドーンと驚かしてくるのは、まるで殺人鬼ホラーの王様『13日の金曜日』『ハロウィン』などをオマージュしているかのようだった。というか本作の入れ替わりが起こるのは「13日の金曜日」の出来事で、日付を表すフォントも『13日の金曜日』のそれなので分かりやすい。

Jing-Fu
Jing-Fu

毎度斬新な捻りを効かせてくるブラムハウスの映画として見ると、この素朴な恐怖演出と王道さは返って斬新に映りましたね。

 

ちなみに本作は、ジョディ・フォスター主演の親子の入れ替わり物語である『フリーキー・フライデー』からインスパイアを受けた作品らしく、「Freaky(異常な・奇怪な)」という原題からもそのリスペクトが垣間見える。

 

・「私たちの身体が、入れ替わってる〜!?」

こう見えて、10代の乙女。

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スイッチ系なのでやはりコメディとは相性が良く、殺人絵巻が展開される一方で、ユーモアのセンスが絶妙に効いたコメディ演出も所々にあって笑える。このホラーとコメディのエッセンスはかなり愉快で、さすがは同系統ジャンルの『ハッピー・デス・デイ』を監督したクリストファー・B・ランドン監督ならではの手腕と言えるでしょう。『ハッピー・デス・デイ』シリーズといい『ザ・ベビーシッター』シリーズといい本作といい、最近はコメディで味付けをする軽快な残虐ホラーが同ジャンルのトレンドになっているかのようだ。

中身が入れ替わったキャラクターを演じているキャスリン・ニュートンヴィンス・ヴォーンのギャップ演技も振り幅があって面白い。弱気な面持ちからクールで無慈悲な殺人鬼に変貌するキャスリーンの表情もイイけど、やはりコメディ担当はヴィンス・ヴォーン。ただのデカいおっさんの彼が身も心も10代の乙女になりきり、女の子トーンで話してテノール寄りのバスの高さで叫んだり、ドンくさそうな腕の振り方で走ったりと、ギャップという面白さの全てがここに詰まっていた。多分彼のキャリアの中で最もやりがいがある役作りだったろう。おっさんミリーと中身の彼女に惹かれたブッカーがイイ感じの雰囲気でキスをするシーンは爆笑必至。

単にキャラクターが入れ替わるだけに留まらず、入れ替わったドタバタの中でミリーが人間として一歩踏み出し、弱みを克服したり家族とのわだかまりも乗り越えていく成長物語、並びに青春物語としても楽しめる一面があります。

 

・『君の名は。』と比べて・・・

おっさんになっても恋には一途。

(C)2020 UNIVERSAL STUDIOS

日本では、大ヒットアニメの『君の名は。』が身体が入れ替わるスイッチものとして定着していて、つい最近まで綾瀬はるかと高橋一生が入れ替わるTVドラマ『天国と地獄』が放送されていたこともあり、SNSでこれらと比較されてネタにされている瞬間もちらほら。

ミリーになりたてのブッチャーが、鏡を見ながらおもむろに胸を揉むシーンがあったけど、あれは『君の名は。』でも瀧くんが三葉ちゃんの体で全く同じことをしてたよね。なるほど、男が女になったら真っ先にやることは万国共通なんだなぁ 笑 すなわち、おっぱいは正義である。逆に『君の名は。』では三葉ちゃんが瀧くんの体のイチモツに気がついて赤面するシーンがあったが、本作ではそんなシーンはなく、むしろブッチャーの体でイチモツをペチペチと左右に揺らし、「ナニコレ、超面白い〜」と堪能するアホなシーンがあって失笑。ミリーは意外に変態なのかもしれない。

 

■日本がらみ

・忍者

中身がブッチャーとなったミリーが、自宅の台所に音もなくひっそりと入ってきたことにびっくりした母親のポーラが、「まあ、まるで忍者ね」と驚く。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
Jing-Fu

スラッシャーホラー×コメディの入れ替わり物語という斬新さがあり、全体的にテンポもよく程よい娯楽作品に仕上がってます。

 

鑑定結果:ダイヤモンド映画(☆7)

 

となります!!

 

本作と同じブラムハウスプロダクションの他作品はこちら☆

『透明人間』

 

本作で女子高生ミリーを演じるキャスリン・ニュートンが出演する作品はこちら☆

『名探偵ピカチュウ』

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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