ネタバレ/感想『トリプルX:再起動』の鑑定結果【過激さと豪華キャストが増したエクストリームスポーツアクション】

アクション
(C)2016 Paramount Pictures and Revolution Studios. All Rights Reserved.
Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

実写版『モンスターハンター』公開記念!

ミラ・ジョヴォヴィッチ演じるアルテミスの師匠となるハンター役のトニー・ジャーを勝手に応援企画第6弾!

 

 

今回鑑定をするのは『トリプルX:再起動』です。

『ワイルド・スピード』シリーズや『リディック』シリーズで知られる、ハリウッドのアクションスターのヴィン・ディーゼル主演のアクションシリーズ3作目です。

非常にタイミングよく、本日3/27の21時からBS-TBSで放送予定!

それでは早速鑑定していきましょう!

■作品情報

・基本情報

(C)2016 Paramount Pictures and Revolution Studios. All Rights Reserved.

■原題:xXx:Return of Xander Cage

■発掘国/制作年:アメリカ(2017)

■キャッチコピー

極限世界〈xXx〉を体感せよ

 

・監督、キャスト

■監督:D.J.カルーソー

 

■主要キャスト

ザンダー・ケイジ:ヴィン・ディーゼル

ジャン:ドニー・イェン

セレーナ:ディーピカー・パードゥコーン

ジェーン・マルケ:トニ・コレット

アデル:ルビー・ローズ

ニックス:クリス・ウー(元EXO)

タロン:トニー・ジャー

ベッキー:ニーナ・ドブレフ

テニソン:ロリー・マッキャン

ホーク:マイケル・ビスピン

ギボンズ:サミュエル・L・ジャクソン

ネイマールJr:ネイマールJr

 

・あらすじ

謎の男であるジャン(ドニー・イェン)率いる4人の男女がニューヨークのCIA本部ビルを襲撃し、宇宙に漂う衛星をコントロールして地球に落とすことができる「パンドラの箱」という機械が盗まれてしまう。パンドラの箱を取り戻すにも、襲撃メンバーの素性はどの記録にも残っておらず、ゴーストのような存在で追跡ができないことが分かる。事態を重く見たCIA幹部のマルケ(トニ・コレット)は、かつてNSAのギボンズ(サミュエル・L・ジャクソン)にスカウトされ巨大犯罪組織を撲滅させた「トリプルX」のエージェントのザンダー・ケイジ(ヴィン・ディーゼル)が唯一の対抗手段だと悟る。ドミニカ共和国でマルケたちに行方を探し当てられたザンダーは、最初は依頼された任務を受ける気はなかったが、パンドラの箱によってギボンズが死亡したことを告げられて半ば強引に復職させられる。パンドラの箱奪還ミッションにあたって用意されたマルケのチームを拒否したザンダーは、世界中に散らばる彼の同士に連絡を取り始め・・・。

 

■ざくっと感想

Jing-Fu
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本作の鑑定結果は、、、

鑑定結果:ダイヤモンド映画(☆7)!!

ヴィン・ディーゼル主演の1作目『トリプルX』アイス・キューブ主演の2作目『トリプルX ネクストレベル』に続く、新時代のスパイアクションシリーズ第3作目である本作では、ヴィン・ディーゼルが15年ぶりに主演カムバック。シリーズの常連としてサミュエル・L・ジャクソンも続投した他、「宇宙最強」の香港アクションスターのドニー・イェン、インドの大人気女優であるディーピカ・パードゥコーン『ジョン・ウィック チャプター2』『MEGザモンスター』などの大作が続いている兄貴女優のルビー・ローズ『マッハ!』でお馴染みのタイ出身の超人アクションスターのトニー・ジャー、KPOPグループEXOの元メンバーであるクリス・ウー、UFC出身のマイケル・ビスピン、そしてブラジルのサッカースターのネイマールJrなどなど、国際的で多分野なキャストたちの豪華共演で賑わっています。他作品と比べるといまいちパッとしない雰囲気であった前2作に比べ、大勢のキャラクターが大挙して活躍するキャラゲー路線へとシフトチェンジしているのが大きな特徴だ。

シリーズのアクションスタイルは継承されており、スリルと高揚感を煽るエクストリームスポーツアクションの連続には圧倒されるばかり。そしてアクション面で言えば、ドニーさんトニー・ジャーというアジアの2大アクションスターが初共演を果たしたことも見逃せないポイントだ!

とにかく観ていて楽しく興奮するような画が目白押しのため、細かいことは気にせずポップコーンムービーとして楽しみたい。

 

以下、ネタバレありの感想と考察になります。

作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!


 

 

 

 

 

 

 

 

■感想と考察

・個性派揃いのキャラ映画

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前2作と比べると、キャストの色と豪華さは本当に桁違い。主演のヴィン・ディーゼルは本作で製作も担当しており、自身の代表作で長寿シリーズとなった『ワイルド・スピード』シリーズのファミリースタイルに少なからず感化されたんだろう。

キャラ映画らしく各キャラクターにはちゃんと細かい個性とスキルが設けられており、それぞれに均等な見せ場もある。ワイワイガヤガヤした画的な楽しさはお墨付きなので、『ワイルド・スピード』シリーズのような雰囲気が好きな人はハマるはず。

 

■チームトリプルX

ザンダー・ケイジ:ヴィン・ディーゼル

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トリプルXの初代エージェントであり、スリルと興奮をもとめるXゲームアスリート。

長らく姿を晦ましていたが、パンドラの箱の奪還のために復職。

軽快な性格で、ただのヤリチン。

 

アデル:ルビー・ローズ

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普段はアフリカの自然保護区でハンターから動物を守るプロのスナイパー。

姉御肌でかなり強気な性格で、偉そうな奴には無愛想。

「ク〇勃起」とかいう酷すぎるあだ名がある。

 

ニックス:クリス・ウー(元EXO)

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レディ・ガガテイラー・スウィフトと一晩でデートをしたことがある、イケイケなDJ。

持ち前のカリスマで場の空気を支配できる。

「ツルむと楽しい」という理由で連れてこられた 笑

 

テニソン:ロリー・マッキャン

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少々オツムが弱く、気張る時にマウスピースを咥えるカースタントドライバー。

自ら車をクラッシュさせ、その光景をSNSに上げ続けるインフルエンサーでもある。

宇宙人に拉致されたこともあるらしい。

 

 

ベッキー:ニーナ・ドブレフ

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NSAの事務員で、豊富な知識を持った武器のスペシャリスト。

内勤なので自らは武器を扱えないどんくさい一面も。

メガネを取ったら可愛い系で、映画ネタが好きなのでオタクの理想のような女性。

 

 

■チームゴースト

ジャン:ドニー・イェン

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自らの夢を叶えるためにパンドラの箱を盗み出した、チームゴーストのリーダー。

ザンダーと同じく命懸けのスリルに興奮するたちで、卓越した格闘術で複数人を制圧できる無類の強さを誇る。

ドニーさんの異名「宇宙最強」をもじって、左腕に「最強」のタトゥーを入れている。

 

 

セレーナ:ディーピカー・パードゥコーン

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チームゴーストの紅一点。

美しい美貌だけでなく、しなやかな動きで立ち回ることもできる万能メンバー。

素っ裸でロンドンアイに登ったことが自慢

 

タロン:トニー・ジャー

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奇抜な髪型とパリピテンションが特徴の、チームゴーストの戦闘員。

爆発的な近接格闘術とアクロバティックな技で敵を寄せ付けない。

ボスのジャンにゾッコン。

 

 

ホーク:マイケル・ビスピン

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チームゴーストの戦闘員。

特に書くことがない。

 

■その他

ジェーン・マルケ:トニ・コレット

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CIAの女性幹部。パンドラの箱奪還のミッションの司令塔。

司令塔なのにチームトリプルXのメンバーからハブられる。

 

ギボンズ:サミュエル・L・ジャクソン

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NSAの工作員で、トリプルXプログラムの創始者である人物。

カリフォルニアの大干ばつとスケボーとプールの話が、スカウトする時の決まり文句。

第3次世界大戦を密かに阻止した男。

 

ネイマールJr

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サッカーのブラジル代表であるフォワード選手がまさかの本人役で登場。

サミュエル・L・ジャクソンが演じているギボンズから呼ばれたこともあり、「アベンジャーズのスカウトと勘違いした」というブラック極まりないジョークが設けられたゲスト。

 

ダリアス・ストーン:アイス・キューブ

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ザンダーに次ぐ第2のトリプルXエージェント。

「グーチョキパーよりグレネードだろ」という名言と共に、チームの救世主としてカムバック。

「2005年のトリプルXよ!」というベッキーのメタ発言が笑える。

 

・過激さの増したエクストリームスポーツアクション

過去の型に捕らわれない、新機軸のスパイアクションとして製作された1作目は、ヴィン・ディーゼルがストーリー進行に合わせてスカイダイビング、モトクロスバイク、スノーモービルといった離れ業のスポーツ=エクストリームスポーツによるスタントアクションを見せるのが他にはない魅力だった。一方、ヴィン・ディーゼルが久しぶりに主演復帰した3作目でもそのアクションスタイルは継続、それどころかエクストリームスポーツの種類と過激さが更に倍増しているのが明白だ。押し寄せるエクストリームスポーツをアクションの一環として、ストーリー進行に違和感なくマッチさせて組み込んでいるのが巧みだし、何よりテンポが抜群に良くて途中でダレることもない。軽快なPOPミュージックもチョイスが上手く、作風とよく合っていて画の楽しさもより引き立っている。予告に使用されていたファット・ジョーレミー・マーの『All the way up』が本編の雰囲気に一番マッチしていたのにも関わらず、劇中に未使用だったのが残念だけど。

 

Jing-Fu
Jing-Fu

サスペンス映画が得意なイメージがあったD.J.カルーソー監督、ひょっとしたらこういうお祭りアクション映画的な作品の方でも今後手腕を発揮できるのでは?

一応はスパイムービーという位置づけであり、潜入と追跡という流れ、ヴィン・ディーゼル演じるザンダーが周囲の様々な情報を分析して状況を察知するという1作目の特徴はほのめかされているものの、もはやスパイものとしての印象はほとんどなくなっているのも事実。まあ、そこらへんは気にせずとも楽しめるはず。

 

・スキー&スケボー

冒頭、ドミニカ共和国の緑豊かな森林地帯。そびえたつ鉄塔から飛び降りたヴィン・ディーゼルがスキーを使って、雪の「ゆ」の字もないのに山中を滑走していく! ただ滑るだけでなく、木々の密集した中で華麗なアクロバットを決める見事なライディングを披露するのが素晴らしく、ジャングル×スキーというアンマッチな組み合わせもあって非常にインパクトの大きい入りだ。それから間髪入れず、蛇行する山中の道路をスケボーで疾走していく場面に切り替わり、こちらもテクニカルな技術と対向車とすれ違うスリルの連続で、夜な夜な駐車場でスケボーの技術を磨いているような連中にとってはたまらない入りになっているだろう。

 

・モトクロスバイクと海上チェイス

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1作目にもモトクロスバイクを用いたアクションシーンはあったが、本作ではその見せ場と迫力が大幅に増量されている。宙を舞って鮮やかな回転技を決めるだけでなく、ドリフトやウィリーを利用して相手を蹴散らすバイク殺法が斬新。これは「モトクロス・マーシャルアーツ」と呼ばれる、本作で新たに生み出された格闘術だ。そしてヴィン・ディーゼルドニーさんによるバイクチェイスは本作を代表する見せ場の1つとなっている。何が凄いって、ジャングルを通り抜けて海に飛び込む寸前に、2人のバイクの下部がカタカタってトランスフォームして「水上バイク」に変形するんだよ! 何、この男心をくすぐるルパン三世みたいなギミック! 水しぶきを上げながら水上でデッドヒートを繰り広げ、巨大な波のトンネルを潜り抜ける「チューブライディング」まで見せてくれるのだから迫力は満点だ。

 

Jing-Fu
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あとどーでもいいけど、1回バイクごと海中に沈んだヴィン・ディーゼルが再び浮上する瞬間がどう見ても海坊主にしき見えないのが笑える。

 

・ハイウェイのランスルー

ヴィン・ディーゼルドニーさんの第2ラウンドは、何台もの車が走るハイウェイでの鬼ごっこだ。しかも2人とも車の走行方向に対して逆走しながらど真ん中を突っ込んでくる、ドラレコ映像をYoutubeに上げたら炎上必至の危険極まりなさ。パルクールのような跳躍で車をかわしつつ、ドニーさんが足癖も悪くヴィン・ディーゼルを蹴りまくりながら進む妨害レース。ギリギリのスリルで言えば間違いなく作中ナンバーワンの盛り上がりを見せるシーンになっている。

 

・無重力バトル

物語の終盤を飾るのは、コントロールを失った輸送機が激しい上下を繰り返すたびに機内に生み出される無重力、通称パラボリックフライトの中で熾烈な無重力アクション! これは凄い。パラボリックフライトなんて、一般庶民からしたらバラエティ番組でたまにお目にかかるくらいだし、エクストリームスポーツの中でも特に物珍しいアクティビティだと思う。そんなレアで絶技なスポーツとアクションを組み合わせる発想力、素晴らしい。無重力空間で変化自在に泳ぎながら殴り合うアクションなんてそうそう観れるものではないので、そういう意味でも必見の見せ場だ。ここでは殴り役はヴィン・ディーゼルとなっており、ドニーさんは2丁拳銃でのガンアクションに徹している。無重力男たちの挽歌をするドニーさんもかっこいいけど、どうせなら無重力でローリングソバットをするドニーさんも観てみたかったなぁ。

 

・スカイダイビングは・・・

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予想通り大爆発で大破した輸送機。空へほおり出されたヴィン・ディーゼルが物凄い勢いで落下しながら、ともに落下してきた貨物にしがみついてそのパラシュートを必死に解除して・・・。とどこかで聞いたようなデジャヴ感漂うスカイダイビング。そうだ! これはPS3の『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』と同じ展開だ! オマージュじゃない、ほとんど丸パクリじゃないか 笑

Jing-Fu
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よくソニーとノーティードッグからイチャモンつけられなかったな 笑

 

・見せ場と待遇に恵まれたドニー・イェン

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チームゴーストのリーダー、ジャンを演じるドニー・イェン。作品の宣伝ではよく「最強の敵」や「ヴィラン」と示されているが、ジャンは「誤解によってザンダーと敵対しているキャラ」であり、終盤からはザンダーと共闘することになる特殊な人物だ。その見せ場の多さからも、ヴィン・ディーゼルとW主演と称してもなんら違和感がない。ポスターの中央に描かれたドニーさんのポジションを見ても、そのキャラの大きさが十分に伝わるだろう。

ドニーさんにとっては本作は、『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』の直後に間髪入れずに出演した、通算5本目となるハリウッド作品だ。もともとはジャン役にはジェット・リーが予定されていたんだけど、当時は甲状腺疾患の闘病真っ最中の中での心配は的中し、リンチェイは残念ながら降板。次に選抜されたのがドニーさんでした。『ローグワン』でのチアルート役の好演が絶賛されていたこともあり、本作のドニーさんの活躍はハリウッドで更に好意的に受け止められたようだ。

『ハイランダー/最終戦士』『ブレイド2』『シャンハイ・ナイト』、本作でのドニーさんの役どころと見せ場の多さは、それまでのハリウッド作品と比べてもずば抜けている。ほぼ主演ポジションということもさることながら、随所に用意されたアクションシーンには一切の抜かりがない。撮影に当たってのスタッフからのドニーさんへの敬意と配慮は相当なものだったらしく、ヴィン・ディーゼルドニーさんらアクションチームに制限を設けないように気配りを見せていたそう。そりゃそうだ。個性派ぞろいのキャストの中で俳優としてのキャリアはトップクラスでヴィン・ディーゼルを凌駕、映画に主演して作品のヒットを誘うことができるポテンシャルが他とは違いすぎるからね。こう言い方はあんまりしたくないけど、本作の製作にあたっては昨今のハリウッド映画らしくチャイナマネーが働いていることもあり、中国市場での成功を狙った点でも少なからず意識されていたに違いない。

 

・ドニーさん印のアクションを網羅

ノンクレジットではあるが、ドニーさんのアクションシーンには彼のアクションチームが呼ばれており、もちろんその一員として谷垣健治 氏もアクション設計に携わったそう。ホームグラウンドとも言うべき環境下が功を奏し、ドニーさんの動きの活きは素晴らしい。総合格闘技をベースとした戦闘スタイルの中で、ローリングソバットやチェーンパンチといったドニーさんの代名詞ともいえる技がほぼ全てカバーされているのも嬉しい。

冒頭からその勢いは凄まじく、劇中ではヴィン・ディーゼルよりもドニーさんのアクションシーンが先に用意されていて第一印象がかなり強め。物語が始まってすぐのCIA本部のシーンでは、急降下で防弾ガラスをブチ破って颯爽と登場し、会議室を目茶苦茶にしていくドニーさんに早速心を奪われるだろう。得意の足技を駆使しつつ拳銃とディーゼルの高級ジャケットを武器にする立ち回りはまさに香港アクションそのもので、控えめに言っても迫力がヤバい。ジャケットを脱ぎ捨てて露わになった、タンクトップから溢れる筋肉のパンプアップ具合は、とても50過ぎの肉体とは思えない輝きで老若男女を堕落。テーブルの上でブレイクダンスのウィンドミルのような舞を見せ、四方八方からくる銃弾を避けつつ発砲する動きが、一瞬だが特徴的なカメラワークと合わせて印象的だった。

ラストの輸送機墜落シーンにも、ドニーさんが主体となる格闘シーンがある。ここではアクションがより長回しの効いた見せ方となっており、ドニーさんのエクストリーム挙動を心置きなく堪能することができた。これまでにも『イップ・マン 序章』『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』などにおいて銃を素手でかわしてきた無敵のドニーさんだが、本作でも突進してきたライフルの銃身を咄嗟にさばいて軌道を変え、発射された弾丸を別のザコに当てるという手のつけようのなさ。まさに「最強」の名に相応しいよ、ドニーさん

 

・見せ場と見せ方に恵まれないトニー・ジャー

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一方のチームゴーストの一員であるタロンを演じるトニー・ジャーは、『ワイルド・スピード SKY MISSION』で共演したヴィン・ディーゼルから「お前のアクションが必要だ!」と直々にオファーを受けて出演に至る。しかしドニーさんと比較すると総じて見せ場の酷さが際立っているのが非常に残念。決してジャーの動きが悪いのではなく、ジャーの撮り方と演出が悪い製作サイドの問題であることは断っておく。

そもそもジャーが演じるタロンはドニーさん演じるジャンの部下の一人というポジションで、役柄とその大きさが違うことが前提なので仕方のないことなんだけどね。そうは言っても、ヴィン・ディーゼルドニーさんを除いたキャストの中では、映画で主演を張れる器の大きさが格上のジャーを他キャストの中に埋もれさせてしまっているのが実にもったいないことではないか。一応ジャーが活躍する見せ場もあるっちゃあるんだけど、ムエタイコンバットもパルクールもぶつ切り編集が基本で見づらい。ジャーって長回しの中でのアクションが映えるのに、まっこうからそれを潰してしまっているセンスのなさ。多少ならまだしも、とにかくカット割りの多さが目立つのは素人目でも分かるほどだ。

これは同じハリウッド映画の『ワイルド・スピード SKY MISSION』でもやらかしていた失敗。ジャーの披露するパフォーマンス自体は凄まじいので現場では盛り上がったんだろうが、編集で台無しになるパターンだ。凄いことをしているのに凄く見えないという致命傷。ワイルド・スピード SKY MISSION』では見せ場の長さでそれを補っていたので、カット割りどころか見せ場もぶつ切りの本作は、よりジャーの力量と演出が釣り合わない結果となってしまった。「ドニー・イェントニー・ジャー仕事を共にできて良い経験になったぜ」と言う割には、ジャーに対するリスペクトを感じられないD・J・カールソー監督。

 

・ドニー・イェンとトニー・ジャーの対決なし!

(C)2016 Paramount Pictures and Revolution Studios. All Rights Reserved.

これまでも度々話が持ち上がるも、いずれも共演が叶っていなかったドニーさんジャーの共演。しかし本作は、国際的な活躍をするまでに成長してよりハードスケジュールになった2人のスケジュールを抑えるという不可能に近い偉業を実現させてしまった。カンフーとムエタイの2大アクションスターが初共演と言うことで、当然ながらこの界隈のファンの間では公開前から並々ならぬ期待が寄せられていた。

しかし蓋を開けてみれば、2人の絡みはあるものの拳を交えるシーンは一切なし! 世界中のアクションファンの夢を踏みにり、世紀の対決イベントを用意しなかったこのガッカリ仕様だけはいただけない。味方同士という設定が制限になっているのであれば、せめて手合わせとかミットという形でもこの2人が闘う様子は観たかったな~。

Jing-Fu
Jing-Fu

この点だけはD・J・カルーソー監督をバカと呼ばざるをえない。

 

殴り合いが終わった後に

タロン:「ボス~、やっぱり強いっすね~」

ジャン:「だろ?俺最強だもん」

とかいう戯れでもあれば萌えファンもできたろうに。

 

■日本がらみ

・今回、特に日本がらみの要素は見つかりませんでした。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
Jing-Fu

『トリプルX』シリーズにおいては最も楽しくかっこいい良作。細かいことは気にせずに、気軽にリラックスして鑑賞できるポップコーンムービーとして堪能したい。

 

鑑定結果:ダイヤモンド映画(☆7)

 

となります!!

 

トニー・ジャーについて知りたい方はこちらの記事もどうぞ☆

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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