ネタバレ/感想/考察『鬼滅の刃 無限列車編』の鑑定結果【アニメの醍醐味が極限に詰め込まれた活劇】

アニメ
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 

Jing-Fu
Jing-Fu

みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『鬼滅の刃 無限列車編』です。

SNSやネットニュースでも、そのメガヒットぶりが大々的に報じられている本作。

管理人は昨日、仕事終わりのレイトショーで本作を観に行ってきましたが、平日の中日のこの時間で文字通り満席状態だった光景を観たのは、一体いつぶりだったんだろう。

断っておきますが、管理人は『鬼滅の刃』に関しては完全な新参者です。

これは余談となりますが、恥ずかしいことに管理人は漫画には非常に疎いです。

幼少期から映画を中心とした生活を送ってきた管理人はあんまり漫画を読んでおらず、そこらへんは周囲の友達とズレがあったんですよね。

ちゃんと読んだことがある・読んでいる漫画は『コロッケ』、『ドラベース』、『ワンピース』、『デスノート』くらいで、今日に至るまでに『ドラゴンボール』『スラムダンク』を読んでないことでどれだけ周囲から「人生損してる!」と言われてきたことか 笑笑

(正直な話すると、あなたの物差しで「人生無駄にしてる」とか言われたくもない)。

『鬼滅の刃』に話を戻すと、アニメは今年に入ってようやく観ましたし、漫画も急遽友人に借りてコツコツ読んでいる状態。

そんな初心者の管理人でも、今回の『無限列車編』は大興奮と感動で大いに楽しめた作品です。

それでは鑑定していきましょう。

■作品情報

・基本情報

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

■原題:鬼滅の刃 無限列車編(Demon Slayer:Kimetsu no Yaiba)

■発掘国/制作年:

■キャッチコピー

その刃で、悪夢を断ち斬れ

 

・監督、キャスト

■監督:外崎 春雄

 

■主要キャスト(声優)

竈門 炭治郎(たんじろう):花江夏樹

竈門 禰󠄀豆子(ねずこ):鬼頭明里

我妻 善逸(ぜんいつ):下野 紘

嘴平 伊之助(いのすけ):松岡 禎丞

煉獄 杏寿郎(れんごく きょうじゅうろう):日野 聡

下弦の壱・魘夢(えんむ):平川大輔

猗窩座(あかざ):石田 彰

・あらすじ

鬼に家族を殺され、鬼殺隊の一員となった炭次郎(花江夏樹)と、鬼に襲われて鬼化したまま炭次郎と行動を共にする妹の竈門 禰󠄀豆子(鬼頭明里)。

蝶屋敷での厳しい鍛錬によって全集中・常注を会得した炭次郎は、同じく鬼殺隊同期である善逸(下野 紘)と伊之助(松岡 禎丞)とともに鎹カラスからの指令を受け、無限列車に向かう。

炭次郎たちは列車内で鬼殺隊の柱の1人、煉獄 杏寿郎(日野 聡)に出会う。

ここ最近でこの列車内で40人以上の行方不明者が出ていて、その調査のために杏寿郎は来たのだと言う。

車掌に切符を切られた直後、列車内に鬼がいることに気付いた杏寿郎は、その圧倒的な力で瞬く間に鬼を切り捨て、彼の迫力に思わず湧く炭次郎たちであったが、、、

■ざくっと感想

Jing-Fu
Jing-Fu

本作の鑑定結果は、、、

エメラルド映画(☆8)!!

10/16(金)の劇場公開から3日間だけで、なんと観客動員数342万人超え興行収入46億円超えという、それまでの邦画劇場アニメの築いてきた記録を軽く超えてしまった本作は、もはやメガヒットという枠をも通り越して「社会現象」として受容するべき盛況っぷりを見せている。

連日本作の大ヒット状況や映画サイトのサーバーダウンなどがSNSでトレンド入りしたり、日本での盛り上がりが下の記事のようにアメリカでも大きいニュースになるなど、いかに世間の人々からの注目度が高いかが伺えます。

ハリウッドもびっくり「鬼滅の刃」大ヒットが見せつけた、“国産映画”の重要性(猿渡由紀) - Yahoo!ニュース
日本における「鬼滅の刃」の大ヒットぶりは、ハリウッドのメディアでも報道された。ハリウッドのメジャー作品が公開を延期し続け、映画館が瀕死の状態にあるアメリカにしてみれば、羨ましく、信じられない話だ。

映画エンタメの本場アメリカでは、未だにコロナウィルス問題が収束を見せずに映画館の非稼働が続いており、そんな冷めきったアメリカ映画界にとっては、きっと日本における本作の驚異的な盛り上がり方は羨ましく見えているんじゃないかなあ。

本作で描かれる『無限列車編』とは、アニメの第一期が終わった直後、漫画で言うと7~8巻で描かれる出来事だ。

大人気の『名探偵コナン』や同じジャンプ作品の『ワンピース』などの劇場版が、原作本編から派生した独自のオリジナルストーリーが基本になっていることと比べると、アニメの続きである「本編」を忠実に劇場用作品としている本作は、非常に稀な境遇の作品に感じたりもする。

漫画では既に過ぎているストーリーがそっくりそのまま描かれるということは、原作を読んでいる人であればそのオチを認知していることになる。

ストーリー展開を知ってしまっている以上、そこまで感動は得られないのかなあとタカをくくっていた管理人ですが、ごめんなさい、これは原作を読んでいても十分に楽しめる興奮に溢れた作品だった!

大迫力の演出と素晴らしい感動、パワーと美麗で彩られた剣劇アクション、可笑しくて笑えるギャグパートに、そして心が震えるドラマ。

展開を知っていようがいるまいがそんなことは関係なく、アニメだからこそ映し出すことのできる表現力に圧倒されました。

もちろん原作の『無限列車編』を全く触ったことがない人でも、純粋に初入門の感動として本作を大いに楽しめるはず!

 

 

以下、ネタバレありの感想と考察になります。

作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!


 

 

 

 

 

 

 

 

■感想

・アニメだからこそ表現できるムーブメント

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

TVアニメと漫画を比較していても、『鬼滅の刃』はかなりアニメとの相性が良いことがすぐに分かる。

殴る蹴るの単なる格闘漫画とは違い、呼吸法による水や炎といった自然物の波動、そして鬼の血気術といった様々な立体的で空間的なオプションが入り乱れる戦闘シーンは、漫画が持たない「視覚的な動き」を利点としたアニメによって、躍動感と凄みに更なる華が出るからだ。

本作も例外ではなく、炭次郎の「水の呼吸」による艶やかに舞い上がる水の波動は息を呑むほど美しかったし、煉獄の扱う「炎の呼吸」は画面の外まで熱さが伝わってくるほどの、文字通りの「熱量」に包まれていた。

「躍動感」という点で観れば、鬼を狩るキャラクターたちが狭くて長い列車内を往来するスピードの表現力は圧巻だった。

「雷の呼吸」で雷鳴のごとき貫きを見せる善逸はもちろん、視覚で追えないほどの煉獄の脚力も、全てが速いということが一目で分かり、それを体感できる見せ方が素晴らしい。

本作の舞台は煙を上げながら前進を続ける無限列車であり、常に動いているステージの全貌を映すことにより、その疾走感で列車内の鬼気迫る攻防のスピーディな迫力に拍車がかかっていたんだと思う。

加えて、TVアニメと同じく歌手のLiSAの歌がバックに流れているのも盛り上がりに一役買っている。

 

アクション中のキャラクターたちを追うカメラワークも、TVアニメ以上の壮大さだった。

炭次郎VS魘夢、煉獄VS猗窩座のサシの対決。

それを映すカメラは、激しい動きを見せながら縦横無尽に動くキャラクターの周囲をとめどなく回り、上下し、地面から見て並行ではなくなり、まるでドローンのような動きを見せる。

それでいて激しい動きに酔うことなく、一連の動作を丁寧に描くことによって状況整理をすることも可能だ。

開いた口のふさがらない空前絶後の臨場感で魅せるバトルシーンの演出力は、漫画や実写には決してできない、まさにアニメでしか表現のできない所業。

漫画では描き切ることのできなかった一つ一つのアクションを緻密かつ優雅に見せることができるのがアニメの醍醐味であり、美麗とグロテスクと迫力を極限まで追求した表現力の裏には、本作のアニメ制作会社 ufotableの血肉を削る丹念な作業が隠れているんだろうと思うと、製作スタッフたちの努力の賜物には思わず拍手を贈りたくなる。

やっぱり日本はアニメを世界に誇ることができる!

そんな胸の高鳴りを感じるほど、本作の「躍動感」には感動しました。

 

アクションシーンは、やはりラストの煉獄VS猗窩座の興奮が最たるものだった。

炎の呼吸で敵を焼き切る煉獄と、闘気に溢れて肉弾戦を主体とする猗窩座が巻き起こす、刀術と拳法の異種格闘決戦は、健全な男児であれば目が輝かないわけはないからね!

・魂の叫び

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

激しいアクションと厚みのあるドラマの中で、キャラクターたちのセリフにも力がこもるのは自然なことだが、それでも本作のラストシーンの「叫び」は重く耳に響いた。

逃げ出した猗窩座に向かって力の限りに放つ炭次郎の罵倒。

煉獄の死を悼む炭次郎の止められない嗚咽。

そんな悲しみに暮れる炭次郎を奮い立たせようとする、伊之助の渾身の説教。

重いというのは言葉の持つメッセージ性ももちろんだけど、声優たちの演技力がとてつもない迫力を帯びていたのが鮮烈だった。

アフレコ中に血反吐を吐いていそうというか、喉が裂けていそうというか、今まで観てきたアニメの中では最も張り裂けそうな、とにかく力強い「叫び」だった。

映画を観終わった後に入場特典の0巻を読んでいたところ、伊之助 役の松岡 禎丞のインタビューページで「台本見た時、これは喉がもたないかもしれないと思った」と書いてあるのが生々しくて、やはり彼らは全身全霊でキャラクターたちに命を吹き込んでいたんだと改めて感心するばかりだった。

普通カラオケであんだけ叫んだら、次の日は鬼奴以上の声になんぞ・・・。

■考察

・なぜ炭次郎への感情移入が強い?

漫画を読んでいた時から思っていたんだけど、これを機に何故 炭次郎がこうも愛しい存在で、感情移入ができるキャラクターなのかを考えてみた。

瞳が優しいという外観的なイメージもあるけれど、多分根本は炭次郎の「喋り」にあるんじゃないかと思う。

炭次郎って、とにかく喋るんだよね。

実際に口から出る言葉はもちろん、むしろ心の声も頻繁に表に表示されている。

しかも心の声=モノローグには「傷が深い、もうダメかもしれない」「手足が動かない」「すごくつらい」といったマイナスの想いが比較的多めに詰め込まれているのが印象的。

本作でも炭次郎は列車内での攻防中や、深手を負いながら煉獄の闘いを見守る中で、いろいろな負の考えを巡らせているのが分かる。

『ワンピース』の主人公ルフィは、戦闘中に弱気な発言をすることなんてまずないし、「彼は考える前に口に出す男だ」という尾田栄一郎 先生のポリシーのもと、長い冒険の中でルフィにはモノローグが一切使用されていないはずだ。

ルフィと比べれば、明らかに気弱な部分の目立つ炭次郎だけど、その苦境の中で強い精神力を持ち直して行動に出し、活路を見出していく姿がたくましくもあったりする。

弱気な思い、マイナス思考、プレッシャーは人間であれば誰しもが内に秘める感情の1つで、そんな人間の「弱い側面」を炭次郎が代弁しているからこそ、彼により親近感を湧かせ、強い感情移入を促すことになっているんじゃないかな

・人間の美しさに散る煉獄

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

ラストに勃発する煉獄VS猗窩座の闘いが本作のハイライトだ。

炎柱である煉獄だが、突出した強さと再生能力を誇る猗窩座の前に完全な劣勢に立たされる。

取り返しのつかない深手を負いながらも、その驚異的な精神力で猗窩座を追い詰めた煉獄だったが、あと一歩のところで猗窩座を取り逃がしてしまう。

煉獄は虫の息の中で炭次郎たちに想いを告げ、笑顔のまま命を落とす。

この時、煉獄は心の中で「自分は自分のなすべき責務を果たすことができたのだろうか」と、死んだ母親に問いかけている。

自身の果たすべきことを全うして乗客全員を守り、将来を任される次世代の炭次郎たちに自身の意志を継いだ煉獄は、きっと信じられないほどの苦しい状態にあっただろうが、母親からの返答を耳にして無言で笑顔を見せた煉獄の顔立ちからして、一切の悔いや寂しさといった後悔を感じることはない。

人間の弱さを見下す猗窩座との戦闘中に「老いることも死ぬことも、人間という儚い生物の美しさだ」と自分の価値観を述べていたが、煉獄の最期の姿には、皮肉と言うべきではないのかもしれないが、そんな人間の「美しさ」が悲しさと合わさって体現されていた。

ここで背景に夜明けの太陽が昇っているのは、魘夢の悪夢から解放されたことに加え、炭次郎たちへの想いを残した煉獄の熱い気持ちも重なって表現されているんじゃないかな。

どこまでも煉獄らしいというか、弱みをいっさい感じさせない、改めて彼というキャラクターの強さが際立つ演出だと思う。

 

余談だけど、煉獄の最期のシーンでは満員になっている劇場中が鼻をすすっていた。

大げさじゃなく本当に全員が泣いていた。

管理人もハンカチを濡らしていたし、横に座ってた若い女性の泣く様子は、『ワンピース』でメリー号が沈むときに「ふ~んふ~ん!!」と大粒の涙を流していたチョッパーだった。

エンドロール中も煉獄にフィーチャーしたものとなっており、煉獄というキャラクターがここまで愛されていることにも驚いたし、無限列車編を原作で最も好きなエピソードだと挙げる人が多い気持ちも分かった気がする。

煉獄って初登場時の印象からして、『ケロロ軍曹』のコゴローみたいな暑苦しいキャラなのかと思っていたけど、そんな固定概念を軽く覆すほどの真面目で強靭な人物だったんだね。

そんな煉獄の死に、キャラクターたちの震える生の声や嗚咽、悲壮感漂うBGMというアニメならではの演出によって深みを出し、漫画で観るよりももの悲しさが増しているのは明らかだった。

アニメならではとしては、煉獄の死を他の柱に伝えるために飛び立った鎹カラスが涙を溜めていたのは余計に悲しかった(漫画の鎹カラスはここで泣いていない)。

■鑑定結果

 

Jing-Fu
Jing-Fu

原作を観ていても未見でも、それぞれの楽しみ方のできる傑作。

間違いなく映画館の巨大なスクリーンに映えるエピソードとして相応しい。

コロナで冷え切っていた日本の映画館に活力を取り戻させたとして、まさに映画界の救世主とも言うべき作品です。

 

鑑定結果:エメラルド映画(☆8)

 

となります!!

 

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

よろしければシェアをしていただけると幸いです!↓↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました