みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。
今回鑑定をするのは『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』です。
南勝久による人気漫画を実写化したアクションコメディ『ザ・ファブル』の続編。
「誰も殺してはいけない」という制約がある中、休業中の殺し屋であるファブルの新たな交流と闘いが描かれます。
主演の岡田准一を筆頭に、木村文乃や山本美月、佐藤二朗らが続投。
さらに平手友梨奈や安藤政信、そして堤真一といった実力派たちも参戦して物語も盛り上げます。
そんな『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。
今回のアクションはハンパじゃないです・・・!
目次
■『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』のあらすじと基本情報
まずは予告編をどうぞ☆
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
■あらすじ
1年間誰も殺してはいけないというボス(佐藤浩一)からの命令の元、大阪で普通の人になりきり、兄妹として生活を送るファブル=佐藤明(岡田准一)と佐藤洋子(木村文乃)。ある日、NPO団体の「子供たちを危険から守る会」代表として世間から注目を浴びる宇津帆(堤真一)と、団体のメンバーだという車椅子の少女のヒナコ(平手友梨奈)と出会ったファブルの脳裏に、過去のある記憶がよみがえり・・・。
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
■発掘国/制作年:日本(2021)
■上映時間:131分
■キャッチコピー:最強の殺し屋、最大のミッション
誰も殺さず、希望を守れ。
■監督:江口カン
■主要キャスト
佐藤明 / ファブル:岡田准一
佐藤洋子:木村文乃
佐羽ヒナコ:平手友梨奈
鈴木:安藤政信
井崎:黒瀬純(パンクブーブー)
貝沼:好井まさお(井下好井)
宇津帆:堤真一
清水岬:山本美月
田高田:佐藤二朗
女優:橋本マナミ
ジャッカル富岡:宮川大輔
クロ:井之脇海
海老原:安田顕
ボス:佐藤浩市
■『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』のネタバレ感想と考察
それでは鑑定していきましょう!
ネタバレ①:劇的に研磨されたド派手アクション
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
「凄いアクションをやってやるぜ」という熱量がひしひしと伝わり、格闘のエキスパートである岡田くんの動きも冴えていたものの、一つ一つのアクションの映し方にもう一声欲しくて残念だった前作。続編である本作の制作決定ニュースを聞いて勝手に心配していた管理人ですけど、いやはや、恐れ入りました。とにかくすげえ。邦画の現代アクション劇を観てここまで胸が高まったのは過去に記憶がないくらい、開いた口が閉じなかった。前作の痒い所に手が届いているというか、岡田くんという高級食材の動きをメインディッシュに仕立て上げられているし、思わず息を飲むダイナミック・スタントアクションも確実にスケールアップ。凄いアクションへの意気込みはそのままに、アイデアも見せ方も迫力も、全てが劇的に研磨されていた! カーアクション、パルクールスタント、サシの本格格闘戦など、本作で新たに挑戦するアクションジャンルも行け行けドンドン。前作でこしらえた下地の上に、着実に肉付けをしてレベルアップを図ったアクションは、興奮と高揚感どころか狂気すら感じる弾けっぷりでした。
今回、アクション面で制作サイドに変化が生じているのは、前作で岡田くん共にファイトコレオグラファーを担当していたアラン・フィグラルツが外れ、岡田くんが単独でファイトコレオグラファーを務めていること。それとアクション監督が富田稔氏からアメリカの人気戦隊ドラマ『パワーレンジャー』や『東京喰種 トーキョーグールー』シリーズでの実績がある横山誠氏に変わっていること。前作よりも明らかにアクションをやっている様子が観やすいので、横山誠の方が本作の世界観においてはセンスがあったんだろうし、何より岡田くんが1人で集中して殺陣を構築できた環境も大きいんじゃないんだろうか。
前作よりも、更に手に汗握ることができるアクションになってます!
ネタバレ②:立体駐車場での暴走カーアクション
冒頭からいきなりアクションファンの心をかっさらっていく、立体駐車場を舞台としたカーアクション。制御を失って暴走する車に『ポリス・ストーリー3』のミシェル・ヨーのように必死にしがみつく岡田くんの姿はかなり危なっかしかった。広いハイウェイとは違い、狭い日本の立体駐車場では面積も限られているし、柱や他の車、更には車止めという障害物も多々あり、更には天井の低さも目に見えて危険。何度も障害物にぶつかりそうになり、その度に岡田くんが様々な動きで回避していくギリギリのスリリングなアクションがたまらなかった。急カーブする車に振り落とされそうになる遠心力と、障害物に衝突した時の衝撃の体感も凄まじい。
本気で屋上から車を超絶ダイブさせた締めも圧巻。車が落下して大破するという一つの動きを、何台ものカメラの映像を使って異なる角度からスローで繰り返し堪能させてくれるサービス精神は、『五福星』をはじめとした、80年〜90年台の香港映画におけるカースタントを見せられているかのようだった。それこそ、まるで香港からブルース・ローを招集したかのような猪突猛進のカーアクションは、『仮面ライダー』シリーズで長いことバイクスタントやカースタントを任されてきた西村信宏 氏によって構築された賜物です。
いち映画のラストシーンとしても機能しそうな掴みのアクション見せ場になっているわけではなく、その後の物語に繋がる重要な役割を兼ねてもいるため、見応えと中身の濃さはかなりのものです。
ネタバレ③:縦横無尽に暴れる団地パニック
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
本作のハイライトとも言うべき、物語の中盤を完全支配する通称「団地パニック」のアクション劇。ごく普通の高層団地を舞台とし、団地という環境を余すことなく活かしつつあらゆるアクションを凝縮。ベンチに座っているおじいちゃんも、走り回ってるハナタレボーズも、井戸端会議をしている奥様方も全員無視するかのような、白昼の団地でのドンパチはシリーズを代表すると言っても過言ではないほど見応えあるアクションシーンになっています。生活感が溢れているというか、団地っていかにも日本らしいステージで、邦画ならではの文化で個性が出てると思う。
住人たちが通路を行き交う中、ファブルと敵のザコたちが周囲の目を盗みながら誰にも気付かれずに戦いを繰り広げる新感覚のステルス・アクションは、常に独特の緊張感に包まれていてハラハラ。狭い廊下の障害物を交わしたり、階段を使うことなくフロアの上下を行き来したり、3Dに動き回る岡田くんを存分に堪能することができる。特に岡田くんと敵役が人1人が入れるほどの狭い壁の間で手足を突っ張りながら闘うシーンは、倉田保昭VSブルース・リャンの『帰ってきたドラゴン』や、真田広之の『吼えろ鉄拳』での壁アクションを彷彿とさせるトリッキーな立ち回り。不安定な空間で炸裂する岡田くんのブラジリアン柔術「ボウ・アンド・アロー・チョーク」という絞技もかっこいい。
何といっても迫力満点だったのが、予告でも大体的に宣伝されていた、団地の横に建てられた外壁工事用の足場を舞台としたアクションシーンでしょう。そりゃアピールしたくなるよ、こんなにも熱を帯びたデス・スタントアクションは。不安定な足場と骨組みの中で繰り広げられる回避と迎撃、危うく落ちそうになってぶら下がる焦燥感、そしてしまいには足場がドミノのように崩壊していく中をギリギリで突っ走っていくスリル。高所特有の危険度を詰め込み、体を張って動き回る岡田くんの格闘とパルクールアクションには、手に汗握ること間違いなし!
団地のフロアをピョンピョンと飛んで移動したり、工事足場での疾走パルクール演出には、日本屈指のパルクールコーディネーターであるハヤテ氏が起用されています。実は真青ハヤテ名義で出演もしているみたいだけど、見つけられなかった(敵の1人かな?)。
ネタバレ④:唸る、ブラジリアン柔術
「団地パニック」のワンシーンで、団地内の一室でファブルと敵の1人がサシで闘う場面がある。ここでの格闘テーマは「ブラジリアン柔術」。柔術なだけに、相手に組みついたり締め上げたりする寝技の応酬が特徴で、狭い室内のシチュエーションとよく噛み合った格闘シーンになっています。三角絞めは『導火線』や『スペシャルID 特殊身分』などでドニー・イェンがよく披露しているので見慣れているものの、デラヒーバやベリンボロといった、非常に小回りで複雑な手捌きで、気を抜いていると動きを追い損ねるような新境地の格闘術に心を奪われる。映画の中でブラジリアン柔術を観ることができる機会自体が少ないので、単純に殴ったり蹴ったりする格闘とはまた一風異なる新鮮さがあった。前作には1体1の本格的な格闘シーンはなく、岡田くんVS福士蒼汰の対戦カードも薄味で酷い仕上がりだったため、こんなにも鬼気迫る取っ組み合いを観ることができて本当に良かった。格闘アクションで目が肥えている人にとっても、思わず目が輝くような肉弾戦になってるはず!
このシーンで岡田くんの相手をしているのは、プライベートで岡田くんのブラジリアン柔術の講師でもあり、選手としてもインストラクターとしても実績のある橋下知之 氏。岡田くんから直々に出演の勧誘を受けたそうです。
ネタバレ⑤:堤真一のアクションが観たかった・・・!
唯一アクション面での物足りなさがあるとしたら、敵の大ボスである宇津帆を演じた堤真一のアクションシーンがなかったことくらいですかね〜。管理人の同世代の人はほとんど知らないみたいだけど、堤真一は言わずと知れたJAC(ジャパンアクションクラブ)の出身で、その過程で真田広之の付き人もやっていた経歴もある人だから、実はかなり動ける人なんです。5〜6年前に明治のヨーグルトのCMで、道義姿で華麗な武道の型を披露していたことを覚えてる人も多いはず。本作では上半身をあらわにする場面もあるんだけど、とても50代半ばとは思えない引き締まった体をしていたので、ラストには岡田くんと空前絶後のファイトを観せてくれるのか〜と思っていただけに残念だった。まあ、管理人が勝手に落胆しているだけなんで・・・。
そんな堤真一だが、人間のゲスの極みを突き詰めた宇津帆のキャラ作りには、前作の柳楽優弥と同じ匂いの役者魂を感じたな〜。あと、さらに峰不二子っぽさが強まった木村文乃演じる洋子の妖艶な美しさには鼻の下が伸びそう。前作では渾身のハイキックの撮り方があまりにも観づらく最低だったのに対し、本作では安藤政信相手にちょっとした立ち回りがあり、見応えある足の絞技を拝むこともできて素晴らしかった。管理人も絞められたい・・・。
今回は優秀なアクションばかりについて感想を書いてみたけど、最後に言うとドラマも非常に濃厚で退屈することなく楽しめました。ファブルの過去と今が繋がり、過去に救えなかった車椅子の少女と心を通わせていくハートフルな情景、その少女を悪の手から守ろうと立ち上がる熱い心意気、そして悪党の美学と私怨と狂気。適材適所でバックを彩るお馴染みのコメディ演出も可笑しく、前作とはまた異なる、善と悪のあらゆる方面の人間味が溢れる物語も魅力的でした。
■鑑定結果
前作を踏み台にして精度の上がったアクションの数々、期待を裏切らないスリルと興奮が詰まっています!
■映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』はどんな人におすすめ?
・前作のアクションが物足りないと感じた人
・スケールの大きい邦画アクションを観たい人
・ブラジリアン柔術による物珍しい格闘を観たい人
■最後に
前作の『ザ・ファブル』も鑑定しています☆
それでは今回の鑑定はここまで。
またお会いしましょう!
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