ネタバレ/感想『マッハ! 無限大』の鑑定結果【トニー・ジャー×ジー・ジャー!タイアクションの限界点】

アクション
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Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『マッハ! 無限大』です。

実写版『モンスターハンター』公開記念!

ミラ・ジョヴォヴィッチ演じるアルテミスの師匠となるハンター役のトニー・ジャーを勝手に応援企画第3弾!

 

 

トニー・ジャージー・ジャー、2大ムエタイアクションスターが初めて顔を合わせた、『トム・ヤム・クン!』に続くシリーズ第2弾!

それでは早速鑑定していきましょう!

■作品情報

・基本情報

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■原題: ต้มยำกุ้ง 2,Tom-Yum-Goong 2,

■発掘国/制作年:タイ(2013)

■キャッチコピー

一、CGを使います
二、ワイヤーを使います
三、スタントマンを使います
四、早回しを使います
五、最強の格闘技ムエタイを使います
∞、今度はなんでもアリです!

・監督、キャスト

■監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ

 

■主要キャスト

カーム:トニー・ジャー

LC:RZA

マーク巡査部長:ペットターイ・ウォンカムラオ

ピンピン:ジー・ジャー

No.2:マレセ・クランプ

No.20:ラター・ポーガーム

シューシン:ティーラダ・キティシリプラサート

・あらすじ

シドニーでの騒動から数年後。チャトゥラバートの末裔であるカーム(トニー・ジャー)はマダムローズの犯罪集団から取り戻した象のコーンと共に故郷の村で静かに暮らしていた。ある日、カームの家に象キャンプを経営しているというスチャートが訪れ、コーンを買いたいとカームに迫る。当然のように申し出を断ったカームだったが、不在時を狙われ、コーンを連れ去られてしまう。すぐにスチャートの屋敷に殴り込みに行ったカームだったが、スチャートは既に何者かに殺されており、コーンの姿もなかった。スチャートの姪であるピンピン(ジー・ジャー)とシューシン(ティーラダ・キティシリプラサート)姉妹に殺人を疑われ、さらに警察からも追われる身となってしまったカームは屋敷を飛び出すのだが・・・。

■ざくっと感想

Jing-Fu
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本作の鑑定結果は、、、

鑑定結果ゴールド映画(☆5)!!

タイ発のアクションスター、トニー・ジャーの代表作『トム・ヤム・クン!』の正統な続編であるにも関わらず、『マッハ! 無限大』などという能無しヘタレのダメ邦題が付けられてしまった非常にややこしい作品。当然ながら、日本公開当時は全国のファンからブーイングが飛び出しまくっていた。何も知らない人は本作を『トム・ヤム・クン!』の続編として手に取ることができないし、かといって『マッハ!』シリーズの続編かと思って再生した人も、ストーリーが全然繋がってなくて困惑してしまう。大人の事情があるにせよ、そもそもこのクソダサい邦題だけはいただけん。

とまあ邦題についてのツッコミはここまでで、本作は『マッハ!弍』『マッハ!参』の撮影中のゴタゴタで一時失踪・出家をしてしまったジャーの、映画界復帰作として製作された作品です。やはりファンにとって1番心がときめくのが、ジャー『チョコレートファイター』ムエタイアクション女優のジー・ジャーの初共演と初絡みでしょう。前作から引き続きマーク巡査部長役でペットターイ・ウォンカムラオも続投。ラスボスにはアメリカのヒップホップを代表するグループ、ウータンクランのリーダーであるRZA。その部下でジャーと熾烈な闘いを繰り広げるNo.2役に、マーベルの『ブラックパンサー』で武術指導を務めたことも記憶に新しいマレセ・クランプの起用と、中々ニッチなキャスティングに目が惹かれる。

だけど『マッハ!』『トム・ヤム・クン!』のハードルは越えられなかった。今回はジャーの復帰作ということもあり、「CG、スタント、ワイヤー、早回しを使います!」というキャッチコピーの通り、本作ではジャーのエフェクト不要の超人アクションはかなり控えめ。それでもアクションは普通に凄いことをやっているのはもちろんなんだけど、その見せ方もどことなく冗長に感じて、アクション以外でも映画としてのパワーダウン感は否めませんでした。

でもジャーのアクションに文句を言っちゃいけない。よく「ジャーが本作でスタントやCGを使っているのが残念だ」とか「劣化したなぁ」と言う人を見るけど、どんだけ求める理想が高いんだよ。超人だって老いるんだからさ。そんなに言うなら自分でやってみろよ!って毎回思う 笑 それくらい、ジャー自らが築いた前作のレベルが高すぎたんですよね。

 

以下、ネタバレありの感想と考察になります。

作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!


 

 

 

 

 

 

 

 

■感想と考察

・退屈なストーリー

ブランクのためか、ちょっとぽっちゃりしたジャー。

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物語の大まかなプロットは前作と同じ、「主人公が攫われた象を取り返しにいく」というもの。またか! また象か!! ジャー=マリオ、象=ピーチ姫の図式はいくらなんでも観飽きたわ。超絶アクションが売りでストーリーは二の次とはいえ、流石にここまでやられると面倒見きれん。劇中でマーク巡査部長が「また象か! 子猫じゃあるまいし何でいつもいなくなるんだッ!」とメタ発言をしているくらいで、皮肉な失笑を誘っているのが絶妙。

単純明快なストーリーならまだ救いようもあるものの、本作には何故か「国家間の紛争と和平」、「それを裏で傍観して金儲けをする犯罪集団と軍部」といった、この手の娯楽作品には不向きの社会派で硬いバックで彩られているのでめんどくさい。じゃあそのドラマが面白いのかと聞かれればそうでもなく、中途半端な仕上がり。全体的に今その場で何が起こっているのかが理解しづらく、気を抜いてるとキャラクターたちが闘っている理由、ジャーが誰に追われているのかすらも分からなくなってくる。いくらアクションが主役といっても、あまりにもドラマ方面を疎かにするの考えものだなぁ。

コメディ要素が寒気が走るくらいつまらないのも致命的。『マッハ!』『トム・ヤム・クン!』ではどこか香港映画を思わせるくだらないギャグが微笑ましかったけど、本作のギャグはくだらないとか以前にそもそも面白くない。タイ人と日本人の笑いの感性が合わないことがここに来て露呈したな。

Jing-Fu
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前作のオーストラリアから一転、舞台がタイ国内に限定されているのもスケールダウンを感じる一因となっています。

 

 

・リアルよりも奇想天外を目指したアクション

アクションのキテレツさは前作よりも上!

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CG、スタント、ワイヤー、早回しの解禁で、ジャー本人の肉体の限界を気にする必要がなくなったのが前作との決定的な違いだ。当然、ブランクと加齢を重ねたジャーに前作時のようなスーパーアクションを強いるのは無理な話なのでしょうがない。そこをあくまでも彼の「復帰作」として割り切れない人は観ないほうがいい。とは言え、やはりファンとしてはどうしても『マッハ!』『トム・ヤム・クン!』での栄光を重ねてしまうので、ジャーは本作でも普通に凄いアクションをやっているにも関わらず、それが凄く見えないのが本当に残念。

ジャーの超人アクションというよりかは、それぞれのステージとギミックを最大限に活かして、まるでマンガを観ているかのような派手なアクションが多い。「こうすれば面白いんじゃないかな~」というスタッフたちの創作意欲に満ち溢れたアイデアを汲み取ることができるけど、あまりにも非現実的な動きと写実性のない展開ばかりで冗長に感じ、流れのキレが悪い。前作のアクションスタイルを期待している人ほどカウンターを受けるだろう。建物の屋上でジャーがバイク集団と闘っている時に、1シーンだけジャー視点の映像(いわゆるPOV)に切り替わってアクションをするのは中々面白い試みだと思った。

所々にナイフやバイク、ジャーのキックなど色んなものが不自然に画面に向かって迫ってくる演出がある。これは本作がタイ国内の公開に向けて3D映画として製作されたことによる名残だ。・・・って、別に3D映画にするメリットなくない?笑

・トニー・ジャーVSジー・ジャー

男女の2大ムエタイアクションスターの初絡みが実現!

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本作の目玉企画である、ムエタイ闘神とムエタイ女神の初共演。やはりファンとしてはこの2人が絡んでいるのを観ているだけでも胸熱なのだが、残念なことに頻度が少ない。そもそも劇中では「殺人犯と勘違いされて逃げるカーム」と「カームを犯人と思い込んで追いかけるピンピン」の関係性で成り立っているので、闘うというよりはジージャーの攻撃をジャーが必死にかわして防ぐ、が基本になっており、これを対決と捉えられるのかは難しいところ。終盤に2人が和解した後も、2人が互いにカバーと攻撃を繰り返すような共闘シーンがあるわけでもなく、期待してただけに消化不良でした。

・トニー・ジャーVSマレセ・クランプ

めちゃくちゃしつこいマレセ・クランプ。

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本作の敵である格闘集団のナンバーズ。体のどこかに刻まれた数字が若いほど強い格闘家たちが揃っていると言う割には、ナンバーズの各戦闘員とジャーが順番に闘っていくなんてこともないし、各々が異なる武術を使いこなすわけでもなく、ただ殴って蹴ることのできるそこそこマッチョしかいない地味な画づら。これではせっかくの格闘集団という設定が死んでしまっている。前作でキャラと個性が立ちまくっていたマダムローズ率いる犯罪集団の劣化版と見ざるを得ない。

タイマン勝負は、ナンバーズのNo.2役であるマレセ・クランプジャーの対決が基本になる。ムキムキハゲの黒人は前作にはいない存在であり、片手を地面に着いた非常に打点の高い回し蹴りを繰り出すのが特徴のマレセ・クランプだが、総じて格闘術に個性があるという訳ではなく、やはり前作の敵と比べると印象が薄い。そんなメリハリのない状態で何度もマレセ・クランプと闘うので、観ている方も段々とダレてくるのが正直なところ。でも「死の三連打」のメカニズムは面白かったし、ジャーマレセ・クランプの拳を自分の拳で打ち返すカウンターだとか、ジャーのフェイントを誘う溜め蹴りがあったりと、カッコイイ動きも多く一概に彼らの格闘シーンが詰まらないという訳ではないのでご安心を。

・トニー・ジャーVSザコ3人衆

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ナンバーズのメンバーとしてナンバーを持っているのか、そうではなくナンバーズの下っ端なのかよく分からない、街のそこらへんにいそうなチンピラまがいのザコ3人衆。ことあるごとにカームと闘うことになる3人だが、設定が全てにおいて中途半端。中途半端にただ身体能力が高く、中途半端に打たれ強い。だから3人ともジャーに大技を喰らっては倒れ、その後またすぐに復活してジャーに向かっていくという体たらくが続き、マレセ・クランプ戦以上にメリハリのなさが目立つ。それだったら前作みたいにただのザコがジャーに群がり、それを無双していくアクションにした方が安定の爽快感が保てたろうに。

しかもここで致命的なのが、3人が身にまとう衣装だ。3人とも上下が黒やグレーといった同じような暗めの服装のため、誰が誰だか分からない。おまけにジャーも同色の衣装を着てしまっているため、混戦シーンでは識別が非常に難しい。終盤、『マッハ!』のセルフオマージュっぽくジャーと3人衆がそれぞれの両足(脚ではなく足)に火をつけて蹴り合うシーンがそれだが、四方八方の壁や床も燃えていて画面全体が炎と陽炎に覆われているので、初見では注意しないとどれがジャーなのか見分けがつかなくなってしまうのが悩みどころ。どうせなら個性として固有の技を持たせるとか、「格闘戦隊 ナンバーズ!!」とかポーズを決めさせて、衣装もパキ色で色分けをするというヤンチャがあった方がイジり甲斐があってよかったのに。

Jing-Fu
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せめてジャーの衣装との差別化は図ってほしかったなあ。

・トニー・ジャーVS RZA

トップなのに弱そうなRZA。

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ナンバーズのリーダーLC役を務めるのは、アメリカのヒップホップミュージシャンの
RZA。本業は俳優ではないのだが、『キル・ビル』に楽曲提供をしたり、『アイアンフィスト』『G.I.ジョー バック2リベンジ』に出演したりと、なにかと映画界における絡みも多い。実は彼は武術やマーシャルアーツ映画をこよなく愛しているので、本作をはじめ『キル・ビル』『アイアンフィスト』といったその手のジャンル作品に呼ばれることが多いのだ。劇中でもLCは武術に心酔、愛しているまでの言動を観ることができるので、ある意味LCのキャラはRZAの素の人柄に近いのかも。

LCは劇中で全く闘う素振りを見せないので、演技だけの噛ませ犬か?と心配になるけど、終盤ではジャーと拳を交えるシーンがあってひとまずは良かった。でも彼がナンバーズのNo.0 =最強だった割には、ジャーどころかNo.2のマレセ・クランプよりも弱そうにしか見えない違和感が拭えない。アクションスターではないので仕方のないいものの、そんなRZAジャーを一方的にボコボコにしていくラッシュシーンは可笑しくて笑える。

Jing-Fu
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ラストバトルでは象を守るジャーをRZAとマレセ・クランプの黒人コンビがこれまた一方的に叩きのめしており、スラム街のドキュメントにしか見えないのは気のせいでしょうか。

 

・ス〇ーウォーズ!?

ジャーマレセ・クランプが地下鉄の線路上で闘う場面。電気の通ったレールの上に、水でびちょびちょに濡らした靴で立つと全身に電気が通電するらしく(??)、互いの打撃がヒットするたびに相手に電撃ダメージも加わって威力倍増! それはそれで斬新なアイデアなんだけど、映画好きなら誰しもが必ず引っかかるのが、効果音! 腕や脚が振られる度に「ヴォーン」、打撃の度に「ヴューン、バチバチ!!」。いや、これス〇ーウォーズのライトセイバーやん!!! しかもス〇ーウォーズへのリスペクトとかオマージュでもなく、どう聞いてもこれは公式の音源を無断で使用している盗作だ 笑笑 ジョージ・ルーカスの目に留まらなければいいんだが・・・。

・ジー・ジャーについて

『チョコレート・ファイター』で、男が持ち合わせないしなやかさとパンナー・リトグライ仕込みの強力ムエタイ術を披露したアクション女優のジー・ジャー。本作でも凄まじい空中旋風脚や鋭いヒジ打ちで敵をノックアウトしていくものの、ガタイのいいトニー・ジャーマレセ・クランプが横に並ぶとどうしてもパワー不足に見えてしまう。また本作では、彼女は針を投げて相手のツボを捕らえる独特の戦法を使いこなすんだけど、これがかえってジー・ジャーの体術を繰り出す頻度を削ってしまい、かつ彼女にパワーがないことを助長してしまうような誤解に繋がっているのが口惜しい。

ナンバーズの女性戦闘員No.20との絡みが一切なかったことも残念極まりなかった。No.20はT.M.Revolutionの「HOT LIMIT」みたいなエロエロ衣装で闘う見せ場もあったのに、最後はLCの反感を買って首を絞められて呆気なくフェードアウト。これはいただけない。絶対にジー・ジャーとのキャットファイトで締めさせるべきだった。

Jing-Fu
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ちなみにNo.20を演じるラター・ポーガームは、タイが舞台の1つでもあった実写版『ルパン三世』にも出演していた女優さんです。

 

■日本がらみ

・今回、特に日本がらみの要素は見つかりませんでした。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
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タイ映画の限界がハッキリしてしまった印象。ジャーのポテンシャルを活かしきれなくなったタイ映画界は、これ以降海外に進出したジャーを失う結果に・・・。

 

鑑定結果:ゴールド映画(☆5)

 

となります!!

 

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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