一部ネタバレ/感想:『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』の鑑定結果【インディのルーツと内側に迫る冒険】

アクション

 引用元:https://www.lucasfilm.com/productions/indiana-jones-and-the-last-crusade/ 

Jing-Fu
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みなさんこんにちは!管理人のJing-Fuです。

 

今回鑑定をするのは『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』です。

80年代を代表する冒険シリーズ3部作の最終作であり、集大成でもあります。

■作品情報

・基本情報

引用元:https://www.lucasfilm.com/productions/indiana-jones-and-the-last-crusade/

■原題:Indiana Jones and the last crusade

■発掘国/制作年:アメリカ(1989)

■キャッチコピー

いま、父と息子のアドベンチャーがスピルバーグの世界に燃える!

 

・監督、キャスト

■監督:スティーブン・スピルバーグ

 

■主要キャスト

インディ・ジョーンズ:ハリソン・フォード

ヘンリー・ジョーンズ:ショーン・コネリー

エルザ:アリソン・ドゥーディ

サラー:ジョン・リス=デイビス

マーカス:デンホルム・エリオット

ドノバン:ジュリアン・グローヴァー

フォーゲル大佐:マイケル・バーン

 

・あらすじ

1938年、プリンストン大学で考古学の授業を終えたインディ(ハリソン・フォード)のもとに、マーカス(デンホルム・エリオット)の博物館のスポンサーである大富豪のドノバン(ジュリアン・グローヴァー)から呼び出しがかかり、ある相談を持ち掛けられる。

イエス・キリストの所有物とされる聖杯へと続く手がかりを手に入れた調査隊の隊長が行方不明となってしまったため探し出してほしいと言うドノバン。

関心の向かないインディだったが、その隊長が実の父親であるヘンリー・ジョーンズ(ショーン・コネリー)だと聞かされ、心境が一変する。

昔の父親との確執を引きずりながらも、インディはマーカスと共に、ヘンリーが姿を消したというイタリアのベニスへと向かうが…。

■ざくっと感想

Jing-Fu
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本作の鑑定結果は、、、

鑑定結果:オリハルコン映画(☆10)

 

イエス・キリストが最後の晩餐で使用したとされ、それを使用して水を飲むと不老不死の命を得るという「聖杯」。

シリーズ第三弾となる本作ではインディが聖杯を目指し、ベニス、オーストリア、ドイツ、トルコを股にかけて冒険を繰り広げます。

聖杯への道が記された「日誌」がアイテムとして用意されており、過去作にはなかった、少しずつ宝へと近づいていく謎解き要素が強調されています。

また「父親と息子」をテーマの主軸とした本作では、インディ親子が冒険を共にするのと同時に親子の確執と歩み寄りが丹念に描かれており、単なる冒険活劇に止まらない上質なドラマが意識されています。

また、若き日のインディの冒険も描かれインディの知られざるルーツも明かされていきます。

『レイダース』のマーカスやサラーも再登場して冒険に華を添える他、インディと並んで聖杯を目指す悪の軍団として再びナチスが登場し、インディたちと抜きつ抜かれつの出し抜き合いを展開します。

アクションとドラマ、そして優れた視覚効果とあらゆる面で3部作のラストに相応しい作品です。

 

以下、ネタバレありの感想と考察になります。

作品を未見の方は鑑賞後の閲覧をおすすめします!


 

 

 

 

 

 

 

 

 

■感想と考察

・インディ親子の物語

 

引用:https://www.lucasfilm.com/productions/indiana-jones-and-the-last-crusade/ 

本作では「親子」というテーマが、ストーリーの主体として組み込まれています。

インディと彼の父親であるヘンリー・ジョーンズの関係性を描くことにより、これまで語られることのなかったインディの新たな側面にも触れることになり、物語は今まで以上にドラマチックな仕上がりとなっています。

ヘンリー・ジョーンズを演じるのは、初代ジェームズ・ボンドとして名高いショーン・コネリーです。

もともと本シリーズは「007のような伊達男が世界を冒険する」というプロットから企画が始まっているのです。

それを踏まえると、インディの父親役にジェームズ・ボンド俳優を起用したことには、スピルバーグルーカスの強い思い入れを感じずにはいられませんね。

 

聖杯伝説に取りつかれた厳格な父親と、そんな父親に自分を認めてもらえずに疎遠となってしまった息子。

久しぶりに再会した2人の間には、どこかギクシャクした空気が流れる場面もありますが、腹を割って話をする親子の空間を設けたり、徐々に離れていた距離を縮めていきます。

奇想天外な方法で敵を撃退したヘンリーに対してインディが賢さと敬意を改めて実感したり、息子の生存を確認してインディを力強く抱きしめるヘンリーと、そんな父親の温もりを全身で感じて安堵の表情を見せるインディ。

2人がそれまでの人生で表に出せなかった愛情と感情が溢れ出るシーンに、温かい人間味を感じて思わずこちらの心も和むのです。

 

実はインディ=インディアナは彼の本名ではなく、ヘンリー・ジョーンズ・ジュニアインディの本名であることが劇中で判明します(インディアナはインディが昔飼っていた犬の名前だったのです)。

ヘンリーからことあるごとに「ジュニア」と呼ばれるインディは、この呼び名をいたく気に入ってない様子。

不仲な父親の名前を押し付けられたことに対してアイデンティティを感じないインディが「インディアナ」を名乗っていたのは、親に対する一種の反抗心の表れなのでしょう。

物語の終盤、インディは崖から落下の直前にヘンリーに手を取られるも、岩棚に落ちた聖杯の魔力に心を奪われて必死に手を伸ばし続けます。

ヘンリーが危険を呼び掛けながら発する「ジュニア」はやはり彼の心には響きませんが、ここで初めてヘンリーがインディに対して「インディアナ」と静かに語りかけます。

心の動いたインディは、シリーズ恒例の「結局お宝が手に入らいない」オチとなるも、ヘンリーの手をとって無事生還します。

ヘンリーが初めて、真に息子に向き合うと同時に親としての愛情の欠如を詫びているようにも感じ、親子の絆が見事修復されたとても美しいシーンでしたね。

 

なお、ヘンリー・ジョーンズは厳格で頑固な性格ではありますが、それと同時に非常にコミカルな側面も持ち合わせています。

ヘンリーのドジに振り回されて必死に尻拭いをするインディだったり、インディに怒られまいと自分のミスを隠して誤魔化すヘンリーだったりと、2人のやり取りはまさにコントそのもので、爆笑必至ですよ。

ヘンリーが厳格で強面のキャラクターであるからこそ、お茶目な姿が抜き出て可笑しく見えます。

実はこの2人のドタバタ劇以外にも作品全体的にコミカルな演出が目立ち、シリーズ中で最もコメディ寄りの作品としても十分に楽しめます。

・予想を裏切るヒロイン

本作のヒロインであるエルザは、男勝りのマリオン、ヒステリックなウィリー、それまでのヒロインと比べて凛とした美しさの目立つブロンド美女の考古学者です。

もちろんインディの性格上、出会ってすぐに男心が開花するのは言うまでもありません。

分かりやすい形でエルザにアプローチをかける積極性が笑えます。

その後も、歴代のヒロインらと比べると最もイイ感じの関係になって冒険を続ける2人ですが、オーストリアの古城で囚われていたヘンリーを救出後、驚くべき事実が発覚するのです。

なんとエルザはナチス側の人間であり、自身の聖杯を手に入れる目的を果たすためにナチスに加担していたのです。

作品のヒーローであるインディと激しい冒険を共にして、最後に見事彼と結ばれるはずのヒロイン。

彼女の裏切りは、そんな歴代シリーズの常識を覆す全く予想外のサプライズでした。

彼女がヒロインのポジションから離脱したことによりストーリーの意外性が高まり、なおかつインディ親子の関係性も際立って映し出されているのです。

もしエルザが何のヒネリもないヒロインだったら、インディとヒロインの関りにマンネリが生じたかもしれませんし、本作の掲げる「親子」のテーマがフォーカスされず、全体的なドラマの盛り上がりの欠ける作品になっていたかもしれませんね。

 

劇中でナチスの政治思想には共感の意を示さないような素振りも見せたり、時にナチスの暴力的な行動に心を痛めたりと、決して完全な悪玉ではないのですが、単に己の欲求を満たすためにナチスと手を組んだ強欲さの目立つキャラです。

その強い欲望が仇となり、エルザは自らを破滅させてしまう皮肉的な最期を遂げるのです。

 

彼女の正体を暴いたヘンリーに対して、インディは

「なぜエルサがナチだと気付いたんですか?」と不思議そうに迫ります。

「寝言で言った」と返すヘンリーに目を丸くするインディですが、すぐに2人は口を緩めて小さく笑い合います。

実は親子で1人の女性を共にしてしまったという少々下品なジョークなんです。

なるほど、カエルの子はカエルってわけか。

当時小学校に入りたてだった管理人には「なぜ一緒の部屋で寝ていることがそんなに可笑しいのか」を理解することが全くできず、横で母親が「プハハッ」と吹き出していたことに対して首をかしげていたという記憶が鮮明に残っています。

今考えると微笑ましい思い出だなあ。

・ヤング・インディの冒険

引用:https://www.lucasfilm.com/productions/indiana-jones-and-the-last-crusade/

本作が持つもう1つのテーマに、「インディのルーツ」があります。

冒頭は12歳の若きインディが経験した冒険で幕を開け、盗賊の「コロナドの十字架」の盗掘現場にボーイスカウトとして居合わせたインディが、博物館に収めるべき財宝だと十字架を奪って逃走する逃亡劇が展開されます。

若きインディを演じるのは、名優の故・リヴァー・フェニックス。

とても12歳には見えない大人びた顔立ちですが、正義感の強いインディの若かりし頃を体を張って好演しています。

盗賊から必死に逃げるインディは、高速で移動中のサーカス列車に飛び移るのですが、危険な列車上で様々な動物と盗賊たちの奇襲をかわしながら奮闘するその様子はスリル満点。

その道中で、

・なぜ蛇が嫌いになったのか
・初めてムチを扱う場面
・アゴの傷の由来

 

など、後のインディに繋がるルーツが明らかとなります。

彼の人生の一場面に過ぎないこの時に少々詰め込みすぎのような印象もあるのですが、それでもファンであれば上記の演出には思わずニヤッとするんでしょうね。

 

強い正義感で盗賊をまいたインディでしたが、真の正義を掲げるはずの保安官に裏切られてしまい、結局十字架が盗賊の手に戻ってしまうという残念な結末。

ですが盗賊のリーダーは意気消沈するインディに歩み寄り「今日はお前の負けだ。だがいい根性をしている」と話しかけると、インディの肝っ玉に敬意を表して自身が被るフェドーラ帽をインディに被せるのです。

インディ最大のトレードマークが誕生した瞬間、たまりませんね~。

恐らくは父親に何も認めてもらえなかった環境の中、相手が誰であれ、初めて自分の行いが賞賛された時の思い出として、彼はその後まるでお守りを持つかのようにフェドーラ帽を常備するようになったのでしょう。

帽子の他にも、革のジャケットも盗賊のリーダーに習っているところを見れば、インディにとってこの出来事がいかに強く、プラスに心に刻みこまれていたのかが分かります。

・007スタイルの逃走アクション

過去2作では、ジャングルや砂漠や山奥、そして坑道など人里離れた場所での冒険=アクションが主流でしたが、本作ではベニスの街並みやナチス基地の古城など、近代文明を感じて人々の行き交うオープンな場所でのアクション寄りになっています。

ボート、バイク、飛行機、車などといった、乗り物による追手との激しいチェイスシーンが多く、そしてショーン・コネリーの存在もあってか、全体的なアクションにどことなく『007』作品に近い雰囲気を感じます。

 

終盤、トルコの荒野で勃発するインディVSナチスの闘いが、本作におけるアクションのハイライトです。

ここではナチスが操る第一次世界大戦時の巨大な戦車が登場し、圧倒的な攻撃力と防御力を持ってしてインディに猛威を振るいます。

人でも車でも一瞬でペシャンコに潰してしまう様子が豪快で、戦車の重量級を活かしたパワフルな演出が見ものとなっています。

無敵とも言える戦車内にヘンリーを囚われてしまったインディが馬で疾走し、単身でどのようにして戦車に立ち向かっていくのか目が離せません。

 

・聖杯の試練、インディ親子の試練

引用:https://www.lucasfilm.com/productions/indiana-jones-and-the-last-crusade/

聖杯が隠されているトルコ奥地の神殿のロケ地として、ヨルダンに実在するペトラ遺跡の宝物殿、エル・カズネが選ばれています。

高い谷の壁に建造された古代の建造物の壮麗さには、登場人物のごとく呆気にとられてしまうでしょう。

本物の歴史的な建造物のため、シリーズ中でも最も神秘的なムードが漂うシーンであり、聖杯の眠る神殿としての説得力は申し分ありません。

神殿内(ここはセット)には、聖杯に辿り着くために3つの試練が用意されています。

いずれも失敗をすれば命を落としかねない危険な試練ですが、この時インディは父親であるヘンリーをドノヴァンによって撃たれており、「聖杯の癒しの力しか父親を救う術はない」と突き付けるドノヴァンの思惑通り、インディは聖杯の試練に挑まざる得なくなってしまうのです。

試練の謎を解くカギとして頼りになるのは、片手に持ったヘンリーの聖杯日誌のみ。

父親の命を背負いながら、インディは聖杯日誌=父親と向き合い、彼がこれまで避けてきた「父親」を真っ向から信じる心を試される、聖杯の試練並びに「インディ親子の試練」とも見て取れる重要なシーンとなっています。

 

肝心の3つの試練は「神の息」「神の言葉」「神の道」と呼ばれ、それぞれに自らの知識と自信を試される回避方法が設定されており、緊張の糸が張り詰めます。

中でも最後の「神の道」のインパクトには圧倒されます。

眼下に広がる広大な暗闇を恐れず、橋のかからない崖の間を渡らなければならないのです。

物理的に無理であることにインディは疲弊しますが、父親の日誌を信じて一歩を踏み出した彼は、なんと無事に何もないはずの崖を渡り切るのです。

足場が何もないと思っていた崖の間には、実は背景と同化した橋が擬態するかのように隠れているというとんでもないオチだったのです。

インディを映すカメラがアングルを変えると橋が出現し、また戻ると橋が消える映像マジック。

実は美術スタッフが、一定の角度から橋を見ると背景と同化して見えなくなるように丁寧に丁寧に模様を描いて作り出したミニチュアにインディが合成されているという、まさに血と汗の滲んだ視覚効果の結晶とも呼ぶべきシーンには感服しました。

冷静に考えると、「観客目線は確かにそうだがインディの目線で考えるとおかしいのでは?」となるわけですが、そこは野暮なことは言いっこなしで。

あの時、インディの目線には別の形で擬態現象が映し出されていたのかもしれないのですから…。

 

個人的に試練のシーンで気になったことは2つあります。

「神の息」の試練で神に「悔い改める」=「跪く」に気付いたインディは見事ギロチンを回避するのですが、その後その場で前転してもう1つのギロチンを避けます。

結果オーライだとしても神の前で前転するなんて、どこから着想したんでしょうか…?

もう1つは「神の道」でインディがゆっくり一歩を踏み出す時に靴の裏が映るのですが、驚くほどに凹凸のないツルッツルの靴裏なんですよね~。

『魔宮の伝説』でトロッコの車輪を足で無理やり止めたもんだから、その結果擦り減ってしまったんでしょうか…(笑

 

いざ辿り着いた聖杯も、欲望の塊である人間が選びそうな黄金や宝石の盃ではなく、その中にこじんまりしてひっそりと佇む錆びれたコップであったという意外性もニクく、登場人物の善悪を明確にする結末運びを見事に表現しています。

■日本がらみ

・今回、特に日本がらみの要素は見つかりませんでした。

 

■鑑定結果

Jing-Fu
Jing-Fu

アクションとドラマ、全てにおいて群を抜いた盛り上がりを見せる本作は、シリーズの完結を締めくくるに値する最高傑作です。

 

鑑定結果:オリハルコン映画(☆10)

 

となります!!

 

…と、上記の通り本作を持って一旦はシリーズが完結するのですが、実は長き沈黙を経て19年後となる2008年にシリーズは復活するのです。

そんな『インディ・ジョーンズ』シリーズ4作目についても、近日中の鑑定を予定しています。

過去作についても鑑定をしていますので、よかったら合わせてどうぞ☆

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それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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