【ネタバレ/感想/考察/小ネタ】『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』の鑑定

アクション
TM & (C) 1984, 2021 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 

Jing-Fu
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みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。

今回鑑定をするのは『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』です。

冒険家インディ・ジョーンズの活躍を描いた『レイダース 失われたアーク』に続く、冒険活劇アクションの人気シリーズ第2作。

主演のハリソン・フォード、監督のスティーヴン・スピルバーグ、製作総指揮のジョージ・ルーカスのゴールデントリオが再び集結。

インドを舞台に、前作よりもスピーディなアクションの連続に圧倒される一方、前作より作風がダークな特徴もあります。

そんな『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。

撮影中にハリソン・フォードは大怪我をしていた!?

 

 

■『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』のあらすじと基本情報

まずは予告編をどうぞ☆

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■あらすじ

1935年の中国、上海のとあるナイトクラブ。上海マフィアのドンであるラオ・チェ(ロイ・チャオ)とお宝の取引をする冒険家のインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)だったが、彼らの策略にはまって命を狙われる。ドタバタの中でクラブの歌手であるウィリー(ケイト・キャプショー)、孤児で相棒の少年ショーティ(キー・ホイ・クアン)と共に飛行機に乗り込んだインディは中国からの脱出に成功。しかし実はマフィアの所有物であった飛行機は途中で墜落し、インディたちはゴムボートでからくも脱出してとある川に流れ着く。そこがインドだと気付くインディだったが・・・。

 

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■原題:Indiana Jones and the Temple of Doom

■発掘国/制作年:アメリカ(1984)

■上映時間:118分

■キャッチコピー:この夏=キミは冒険者アドベンチャー・ヒーロー!

■監督:スティーブン・スピルバーグ

■主要キャスト

インディ・ジョーンズ:ハリソン・フォード

ウィリー:ケイト・キャプショー

ショーティ:キー・ホイ・クアン

モラ・ラム:アムリッシュ・プリ

チャター・ラル:ロシャン・セス

フィリップ:フィリップ・ストーン

ザリム・シン:ラジ・シン

 

■『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』のネタバレ感想と考察

①冒険感が際立つ冒険

②イメージカラーは赤と黒

③危機また危機の連続アクション!

④中国人少年ショーティの活躍

⑤日本がらみ

⑥小ネタ/トリビア

それでは鑑定していきましょう!

 

ネタバレ①:冒険感が際立つ冒険

インドを舞台とした新たな冒険!

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前作からインディ以外のキャストが一新。続編ながらもストーリー的には特に繋がりもなく、海をまたいで世界規模の冒険を繰り広げた前作とは異なり、本作の舞台は中国とインドのアジア諸国に限定されてる。最も中国は冒頭の掴みシーンのみで、本作のヒロインであるウィリーと少年ショーティが今回の冒険に参加することになるシーケンスを担っている。主要舞台は緑の大自然と歴史の深い、「0」という数字の概念が生まれたインテリ国のインドに設定されており、シリーズ中では最も文明社会とはかけ離れた環境での冒険となっていて、その孤立した秘境でのサバイバル調が「冒険」というワードがより際立っているように感じますね〜。

また、探すという目的を自発的に持って冒険に出た前作とは異なり、本作では中国でのゴタゴタから逃れてきたインディがインドに流れ着き、そこで邪教徒から弾圧された村人たちから子供と秘宝のサンカラストーンの奪還を頼まれるというプロット。つまりインディがサンカラストーンを求めているわけでもなく、良心の呵責を無視して最低な言い方をするとインディ自身には何のメリットもないわけだ(インディ曰く、サンカラストーンを博物館に寄贈してもホコリを被るだけ)。あくまでも人助けの延長上で進む、シリーズでは唯一の「思いがけない、偶発的な冒険」なんだよね。

ネタバレ②:イメージカラーは赤と黒

現代の世知辛いPTAならすぐに苦情を出すレベル。

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本作のイメージカラーは、ズバリ「赤と黒」。もうとにかく暗い。前作にもおどろおどろしいホラー描写はあったものの、それと比較してもずば抜けて全体的なテイストが暗い。チャイニーズマフィアに毒を盛られて命を狙われる冒頭、荒廃して活気のない村、人間を生贄に捧げる習慣のある邪教徒集団のタギー教と彼らが崇拝するカーリー像の不気味さ、そんなことをして何のためになるのかが分からない心臓引っこ抜き儀式、幼い子供たちが虐待と強制労働で虐げられる様子を平気で映すムゴさ・・・etc。 本筋もそうだし、動物のゲテモノ料理が出てきたり無数の気色悪い虫にたかられるシーンもあったりと、いろんな角度から怖さを突き詰めているほど、ダークな一面が強調されているとしてシリーズの中でもかなりの異質作品になっています。

Jing-Fu
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中盤の象に乗って大自然の中を横断するシーンの緑の背景が美しいからこそ、後半からの赤と黒を基調としたステージが恐ろしく映っているのかもしれませんね・・・。

 

邪教の宗教団体が敵ということもあって、オカルト色もシリーズ屈指の濃さ。インディがタギー一味に捕まってしまい、「悪魔の血」を無理矢理飲まされて洗脳されてしまうシーンなんか、身の毛がよだつ程怖くてトラウマ級に居心地が悪い。インディが闇に落とされ悪に染まってニタっと笑みを浮かべるシーンは、これまでの頼もしいヒーロー像があっさりと折られてしまうとして、6歳当時に初めて観た時から衝撃的で絶望的に響いたんだよな〜。

Jing-Fu
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実はノベライズ版では悪魔の血によって洗脳されたインディの体内に邪悪な蛇が宿ってしまったことが語られており、体内で蛇がトグロを巻いている生々しい描写があったんですよね。これ映像化してたらもっとホラー色が強まってたかも・・・。

 

スピルバーグが携わった作品としては、製作に名を連ねた『ポルターガイスト』に勝るとも劣らないダークサイドなトーンが目立つ作品だった。しかしそうは言ってもやっぱりスピルバーグ作品、所々にユーモラスでコミカルなシーンを挿入してホラーテイストが行き過ぎないよう配慮しているのが見受けられます。その担当がウィリーとショーティのコンビ。じゃじゃ馬のウィリーと無邪気な故に言動が極端なショーティの、コメディ向きのキャラ2人の掛け合いがこれまた絶妙に面白くて、インディと合わせてまるでトリオ漫才でも見ているかのように笑わせてくれる。ある意味、ホラー色と合わせてコメディ色も前作より強めかも!

 

ネタバレ③:危機また危機の連続アクション!

トロッコチェイスは文字通りのジェットコースターアクション!

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毒虫が蔓延る通路、吊り天井の罠部屋、邪教の祭壇、鉱山、ベルトコンベア、トロッコ、水責めの洪水、崖、そして吊り橋。嗚呼、なんて胸を高鳴らせるワードの数々なんだろう。冒険の醍醐味がこれでもかと言うほど詰め込まれている、スピルバーグのサービス精神。中盤までは少々落ち着いているが、物語の後半からアクションがフルスロットルし始め、文字通り「ジェットコースタームービー」へとレベルアップするので目が離せなくなる。しかもただ羅列して詰め込んでいるのではく、ちゃんとストーリー構成の内に考えて配置されているのでテンポが抜群に良かった。前作で培われたギリギリのスリルも継承されていてさらに研磨されており、アドレナリンが滲み出すって、こういうことなんだな〜としみじみ。アクション好きを高揚感で殺したいんだろうか笑

Jing-Fu
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吊り橋のシーンで、冒頭で判明したインディが中国語を喋れるスキルが地味に伏線として回収されているのが好きです。

 

今回、インディは冒頭で唯一のハジキを失ってしまっており、加えて自動車などの現代ツールが登場しないため、彼のアクションは基本的に肉弾戦と体を張ったスタントがメインとなっているのが印象的だった。頼りが限られている以上、前作よりも積極的に相手の体に拳を叩き込んでいくインディは前作よりも熱を帯びていて、上半身を露わにするために体を鍛えたハリソンも筋肉アクションスターとして申し分ない輝きっぷりで仕事に励んでいる。前作では諸事情で叶わなかった剣とムチの大立ち回りも実現していて嬉しかったし、ベテランスタントマンたちも相変わらず色とりどりの職人芸を披露しているし、アクションの勢いだけで言えば間違いなく本作がシリーズNo. 1と断言できるね。

Jing-Fu
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はるか上空の飛行機からゴムボートで飛び出し、スカイダイビングを経て雪山を滑走するという、スピルバーグらしい奇想天外なアクションにも圧倒されます。

ネタバレ④:中国人少年ショーティの活躍

本作を語る上で欠かせない存在が、後にスピルバーグが製作総指揮を務めた『グーニーズ』にも招集されることになる、キー・ホイ・クアン演じるショート・ラウンドだ。スピルバーグに見出された演技力はやはり確かなもので、感情豊かな表現力が実に達者であり、アクションも含めてエネルギッシュに動き回るその俳優像には大人顔負け。プレッシャーというものを感じさせずに活き活きとショーティになりきっているのが観ていて楽しいです。

当時のキージャッキー・チェンの映画が大好きだったらしく、見よう見まねで弟を蹴飛ばしたりしていて泣かせていたというやんちゃぶり 笑 恐らくはブルース・リーが生み出した影響、すなわち新たなステレオタイプ(中国人はカンフーができなくてはならない)のためか、中国人ショーティには僅かながらもカンフーを披露する立ち回りが用意されていた。実際にカンフーの先生を撮影現場に呼び、いわゆる武術指導としてショーティの見せ場をわざわざ作り上げているところに、スピルバーグの気遣いを感じます。

当時アジア人としてハリウッドで大きく成功をしていたのは、本作の公開時点で既に亡くなっていた『燃えよドラゴン』ブルースくらいで、ジャッキーですら『バトルクリークブロー『プロテクターなどの香港・ハリウッド合作で失敗に終わっていた時代。ジャッキーはその後『レッド・ブロンクス』が成功を収めて『ラッシュ・アワー』にて念願のハリウッド初主演を飾るが、『バトルクリークブロー』から換算すると実に18年もの歳月がかかったことになる。一方の本作のショーティは、前作にはなかったインディの相棒という新たなポジションを担っているだけあって役柄がかなり大きく、当時としてはかなり異例な光景だ。ショーティがいなければインディは朽ち果てていたと考えれば、キーに与えられた活躍の規模がいかに大きいかが分かる。ジャッキーや他の俳優の状況を考えても、ド新人の状態で本作のようなハリウッドの超大作で見せ場の多い準主役を任されたキーは、幼いながらもハリウッドドリームを掴んだアジア人の先駆者とも言えますよね。

Jing-Fu
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でもいくら幼い少年だからと言って「ショーティ」(=小さい)のニックネームを与えていることには、当時のアメリカ人が抱く中国人並びにアジア人に対するイメージを少なからず悪く感じてしまう部分もあるんですよね。

 

ネタバレ⑤:日本がらみ

・ショーティの生い立ちと日本

ショーティは中国の孤児という設定で、訳あってインディと行動を共にしている。劇中、ウィリーにショーティとの関係を問われたインディは、ショーティが孤児になった理由として、「ショーティの家族は日本軍の爆撃でやられてしまい…」と説明している。日中戦争中の日本軍による上海爆撃で家族を失ったショーティ。ここでは日本は遠回しに悪者扱いをされており、ちょっと複雑な気分になるな・・・。

 

小ネタ/トリビア

・『レイダース』よりも前の話?

冒頭で語られる通り、本作の年代設定は1935年。意外と知らない人が多いけど、前作『レイダース』は1936年の物語だったので、実は本作は『レイダース』より過去のインディの冒険が描かれているのだ。特に大きい意味はないと思うけど。

 

・離婚と結婚?

本作がシリーズ随一のダークな作品になった背景として、製作総指揮のジョージ・ルーカスは撮影当時の体験が影響していると語っている。当時ルーカスはプライベートで離婚を経験しており、その時のナイーブな気分が映画製作にも伝染したらしい。本作に加えて、同時期に製作された『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』のトーンが暗いのも離婚が影響しているのだ。製作者の心情って、ここまで顕著に作風に影響するもんなのか。

一方、撮影当時ルーカスとは真逆の体験をしていたのが監督のスピルバーグ。彼は本作の撮影を通して親交を深めたウィリー役のケイト・キャプショーと関係性を発展、なんと結婚をして生涯の伴侶としてしまったのだ。元々劇中にはウィリーが池で水浴びをしている最中に蛇に襲われるという場面があったらしけど、蛇を全力で拒絶して顔面蒼白となったケイトを気遣ったスピルバーグがこのシーンを削除して、ここで優しくしてあげたから結婚してくれたのかな?とジョーク混じりに語るスピルバーグ(その後はケイトに対して大量の虫を頭から振りかけるスパルタを強いていたけど笑)。「最終的にウィリーを射止めたのはインディではなく、私だったんだよw」とニターって笑うスピルバーグを、ルーカスは一体どんな気持ちで見ていたんだろうか笑笑

 

・大怪我をしたハリソン?

パンコット宮殿の客間でインディが刺客に襲われるシーン。後ろから首を絞められるインディが刺客を背負い投げするんだけど、ハリソンが相手を背負い投げた瞬間、その場で倒れて大きな悲鳴を上げたらしい。実はハリソン、背骨が浮き上がった象に長時間またがっていたせいでヘルニアを発症しており、この背負い投げで導火線に火が付いていた爆弾が爆発してしまったのだ。腰にナイフを突き刺されたくらいの激痛が走って、撮影続行不可能となったハリソンは緊急入院を余儀なくされる。病院のベッドに担ぎ込まれるも、目覚めるとベッドの下に落ちてしまっていたハリソン。腰の北見のせいで自力では這い上がることができず長時間そのままだったと聞けば、いかにヘルニア爆弾が大きかったかが分かる。

撮影はハリソン不在のまま進められたものの、ハリソンが再起不能になって撮影そのものが中止になってしまうのではと誰もが不安に駆られている程自体は深刻だった。しかしパパイヤ療法が上手くいったことでハリソンの容態は良くなり、撮影前に体を鍛えていたことが幸いしてスムーズに回復ができたそう。ハリソンはまるで『サンダーアーム 龍兄虎弟』ジャッキーのように短期間で奇跡的な復活を遂げたのだ。

ちなみにハリソンが不在中に撮影されていたのは、インディが坑道で子供たちを解放してベルトコンベアの上で大男と殴り合うシーン。ここでインディを担当したのはハリソンと顔つきがクリソツだったスタントマンのビッグ・アームストロング(なんて強そうな名前だ)であり、よく見るとインディの顔が影で映らなかったり画面から見切れているカットが多いのが分かる。後から復活したハリソンのアップを追加撮影して既存の映像に組み込んだというわけだ。

 

・ゲテモノ料理は実は?

パンコット宮殿で客人に振る舞われるゲテモノ料理の数々。ヘビのびっくり料理、甲虫のはらわた、目玉スープ、冷えたサルの脳みそなどなど、悪趣味極まりない献立ばかり。

ヘビのびっくり料理はただのウナギ。甲虫のはらわたはカスタード。目玉スープはゴムのおもちゃで、皿の底に貼り付けてあってウィリーがスプーンでかき混ぜると上に浮かんでくるトリック。冷えたサルの脳みそはラズベリーシャーベット。初見時は思わず身を引くほどインパクトが大きいけど、実際の材料を聞くとちょっと美味しそうに見えてくるのは気のせいでしょうか笑

 

・スター・ウォーズネタ再び?

ルーカス繋がりで、前作でパロディされていた『スター・ウォーズ』ネタは本作でも健在。冒頭の中国でのシーンで、インディとラオ・チェが対峙するクラブの名前は「クラブ・オビ・ワン」となっており、これはジェダイマスターのオビ=ワン・ケノービから取っていることは言うまでもない。

 

・トロッコシーンの真相は?

スピーディなスリルの連続で観るものを釘付けにするトロッコチェイス。「クリスタルスカルの魔宮」もいいけど、こっちのトロッコを題材にしたアトラクションをディズニーシーに造ってほしいくらいのジェットコースターな臨場感がたまらない。実はこの見せ場、実写とミニチュアによる特撮が巧みに融合されて構成されているのだ。実際に美術のスタッフたちが総力を上げて製作した実寸代のトロッコセットは、インディたちのアップシーンで使用されていて、遠目からインディたちを捉えるシーンではミニチュアを低速でコマ撮りしたストップモーションアニメが用いられているのだ。ミニチュアで撮影したのは、トロッコシーケンスの撮影に入る際に全てを実寸代のセットで撮ろうにも、本作の予算がほとんど底を尽きてしまっていたことが起因している。そこでスタッフたちは炭鉱を手持ちカメラのサイズで作ることによって予算削減を図り、アルミホイルで炭鉱内の空間を工作。塗装費も含めて、1ドル98セントというコスパの効いた特撮セットになったのだ。ミニチュアに見えないスピーディでリアルな映像効果がこれまた素晴らしい。

 

・吊り橋シーンは一発勝負?

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断崖絶壁に架けられた長い吊り橋。足がすくむ高さで揺れる吊り橋の上で張り詰める緊張の糸、そして誰もが自然のうちに 本作の撮影時、ロケ地では偶然にもイギリスのダム建設会社が近くでダムの工事をしており、スタッフたちがペコペコしにいった結果、なんと好意で安全性がお墨付きの本物の吊り橋を架けてくれたんだとか。吊り橋を中央でブッツンするために電気的な仕掛けを設置していたのだが、なんと吊り橋が落ちるシーンはぶっつけ本番。もし何か一つでも失敗が起これば再度吊り橋を架けるのは不可能であり、上手くいかなければ特撮で誤魔化すしかなかったそうだ。結果は大成功を収め、ラストシーンに相応しい迫真のスペクタクル映像が映画史に残った。これが特撮だったら、残念だけどチャッちいシーンになってたんだろうな〜。落下するタギーの雑兵たちには手足が電気で動くマネキンが利用されていて、吊り橋とマネキンのスイッチを紐で結び、吊り橋が切れるとスイッチが入ってバタバタ動くようになってた。スタッフたち、遠目のシーンなのに気配りが細かい。

 

・苦労したケイト・キャプショー?

シリーズのヒロインの中で最もドジでヒステリックなウィリーを演じたケイト・キャプショー。何かがある度に甲高い悲鳴を上げているのが印象的だが、肝心のケイトは悲鳴を上げるのが苦手という事実があり、思っていたような甲高い声が出せなかった。そこで取られた措置は、彼女の悲鳴声をアフレコですり替えるという手段で、声の代役に選ばれたのは悲鳴の元祖、絶叫クイーンこと『キング・コング』フェイ・レイなるほど、だからあの悲鳴の綺麗さにも頷ける。

冒頭のクラブでウィリーが身につけている煌びやかな衣装にもちょっとしたハプニングエピソードが。この歌唱シーンの前に中盤のジャングルにおける焚き火シーンを撮影していたんだけど、ここでよく観ると、背景の中で象が吊るされているウィリーのドレスをムシャムシャ食べているのが分かる。象の行き過ぎた雑食のせいで、ドレスの一部が損失してしまったのだ。このドレス、大量の宝石を散りばめて作成した特注品で、もう予備の材料が残っていなかった。そこで苦肉の策として、背中が空いている衣装としてドレスが生まれ変わったのだ。また、ケイトは冒頭のシーンで本当は派手に踊りたかったらしいのだが、ドレスの仕様のせいで願いが叶わず、歌と少しの振り付けしかできなかったそうな。それでも中国語の歌を覚えて披露したパフォーマンス力は凄いと思う。

 

・あの俳優は誰?

冒頭の中国、上海での一幕。ここで登場するチャイニーズマフィアのドン、ラオ・チェを演じているロイ・チャオは、『燃えよドラゴン』ブルース・リー演じる主人公に教えを説く少林寺の高僧を演じていた俳優だ。ブルース・リー関連作では『死亡の塔』にも出演していたり、ジャッキー・チェン『プロテクター』の悪ボスや『サイクロンZ』の裁判長役などでも知られている。本作や『プロテクター』も然り、英語が話せるためハリウッド作品にも顔を出せていた。

ラオ・チェの息子の1人、ウザったく笑いながらマシンガンを乱射させるカオ・カンを演じているのはリック・ヤング『ドラゴン ブルース・リー物語』『トランスポーター』『NYPD15分署』など、90年代〜2000年代初期の英語圏作品でちょこちょこ見かけたっけ。

マハラジャに仕えるパンコット宮殿の宰相として裏の顔を欺いていたチャター・ラルを演じているのは、『ガンジー』での演技が評価されたロシャン・セスというインド出身の俳優。駄作の烙印を拭えないヴァン・ダム主演の実写版『ストリートファイター』でダルシムを演じているのに、手足が伸びずにヨガファイヤーもやらなかったあの人だ。

本作の大ボス、モラ・ラムを演じたアムリッシュ・プリインドでコンスタントに活躍していた俳優で、元々プロレスラーだったこともあって、インディの相手に相応しい体格の良さが目立っていたね。

最後に、『レイダース 失われたアーク』の鑑定の時にも触れたけど、タギー一味の筋肉ダルマでインディとベルトコンベアの上で死闘を繰り広げる大男は、スピルバーグお抱えスタントマンのパット・ローチ『レイダース 失われたアーク』にて、チベットの酒場で登場する大男、そしてプロペラ機の発着場で出てくる好戦的なハゲの大男の2役を演じていた名スタントマンだ。本作での役所はシリーズ内で最も大きく、目まぐるしく動く状況下でのハリソンとの男の殴り合いはシリーズを代表する立ち回り。ちなみに、『最後の聖戦』では滞在時間が極端に減ったものの、飛行船に乗り込んでくるフォーゲル大佐と一緒にいるスーツの男も演じています。

 

■鑑定結果

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オカルティックなホラー気質が強めのシリーズ異色作ですが、同時に勢い怒涛のアクションの連続もシリーズ屈指の面白さ!

 

鑑定結果:オリハルコン映画(☆10)

 

■映画『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』はどんな人におすすめ?

 

・冒険活劇アクションが好きな人

・圧巻の冒険アクションを見たい人

スピルバーグ監督作品が好きな人

 

■最後に

『インディ・ジョーンズ』シリーズ作品の鑑定はコチラ☆

 

『レイダース 失われたアーク』

 

『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』

 

・本作でショーティを演じたキー・ホイ・クアンが出演する『グーニーズ』の鑑定はコチラ☆

 

 

それでは今回の鑑定はここまで。

またお会いしましょう!

 

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