みなさんこんにちは! 管理人のJing-Fuです。
今回鑑定をするのは『白頭山大噴火』です。
北朝鮮と中国の国境付近に位置する火山の白頭山が大噴火し、韓国全土が崩壊していく中、更なる噴火を止めようと奮起する人々を描く韓国発のディザスターアクション超大作です。
『神と共に』シリーズや『PMC:ザ・バンカー』のハ・ジョンウ、『JSA』や『G.I.ジョー』のイ・ビョンホン、『新感染 ファイナルエクスプレス』や『無双の鉄拳』のマ・ドンソクら、韓国の人気スターたちが集結しています。
そんな『白頭山大噴火』のネタバレを明かしながら、感想と考察を鑑定していきますね。
ディザスター描写のスペクタクルはハリウッド並み!
目次
■『白頭山大噴火』のあらすじと基本情報
まずは予告編をどうぞ☆
(C)2019 CJ ENM CORPORATION, DEXTER STUDIOS & DEXTER PICTURES ALL RIGHTS RESERVED
■あらすじ
北朝鮮と中国の国境付近に位置する白頭山。ある日、観測史上類を見ない規模での大噴火が発生し、韓国全土が地震や津波によって壊滅状態に陥っていく。長年白頭山の研究を続けていた地質学者のカン・ボンネ(マ・ドンソク)によると、朝鮮半島を完全崩壊させるほどの大噴火があと75時間以内に発生するという。韓国政府は秘密裏にこの噴火を止める極秘任務を計画し、除隊間近であった韓国軍爆発物処理班のチョ大尉(ハ・ジョンウ)をリーダーに呼ぶのだが・・・。
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■原題:백두산/Ashfall
■発掘国/制作年:韓国(2019)
■上映時間:128分
■キャッチコピー:半島が、崩壊する。
■監督:イ・ヘジュン キム・ビョンソ
■主要キャスト
リ・ジュンピョン:イ・ビョンホン
チョ・インチャン: ハ・ジョンウ
カン・ボンネ:マ・ドンソク
チョン・ユギョン:チョン・ヘジン
チェ・ジヨン:ペ・スジ
■『白頭山大噴火』のネタバレ感想と考察
それでは鑑定していきましょう!
ネタバレ①:韓国発! ディザスター×ミリタリーアクション
街が崩壊していくスペクタクルに圧倒される。
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北朝鮮と中国の国境上にそびえ立つ大火山の白頭山。観測史上最大の噴火を起こしたこの火山の地盤を核爆弾で破壊し、朝鮮半島の壊滅をちょっくら防ぐべ! 早い話がそんな感じの物語だ。書くのは簡単だが、未曾有の災害を止めるために核爆弾を使用するとは、かなり横着なアイデアだなぁ。2006年版の『日本沈没』と通づるものがあるな。
吹き出すマグマ、避ける大地、崩れ落ちるビル、そして押し寄せる津波。火山のエネルギッシュな大噴火と、それに伴う韓国社会の崩壊描写はハリウッド映画にも勝るとも劣らないほどの大迫力で、間違いなく韓国映画並びにアジア映画の代表格とも呼ぶべきディザスターっぷりを観ることができる。物語が始まって間もなく、ビルと人でひしめくソウルの街を地震で好き放題に破壊していく韓国アポカリプスの破滅的光景、そこにエンタメとして、崩落するビルや陥没する道路を障害物とした主人公チョ大尉による息を呑むカースタントアクションを混ぜ合わせており、無駄のない導入部の掴みも完璧だった。
ただし、この映画を純度の高いディザスタームービーと呼べるかと問われればそうでもないかな。災害によって壊滅していく街並みやそれに翻弄される人々に焦点が当てられているわけではなく、むしろその裏で展開するバディ・ミッションとミリタリー・アクション、そして世界各国の思惑が入り乱れるストーリーが主軸となって進みます。なので、『2012』や『デイ・アフター・トゥモロー』のようなパニック風味を期待しているとちょっと肩透かしを食らうかも。とは言え、もちろん大災害の圧倒的なスリリング映像の素晴らしさは言うまでもなく、劇中のアクションの興奮具合にも決して抜かりはないので作品としてつまらないことは決してない。特に主人公らが運転する市民バスとアメリカ軍の装甲車の熾烈な鬼ごっこ中に、走行中の道路橋が後ろから崩れていくスペクタクルよ。バスに積んだ核燃料を落とすまいと必死に掴みながら、崩壊していく橋をすんでのところで爆走していくギリギリのスリルはたまらなかった。
その作品スタイルを形容すると、一昔前に任天堂のWiiで発売されていた『ディザスター・デイ・オブ・クライシス』というゲームソフトがピッタリ合うかもしれない。このゲームは地震、津波、洪水、噴火、火災といったあらゆる災害のラッシュアワーに巻き込まれた主人公が、災害の裏側で敵勢力とぶつかりながら銃撃戦とスタントを展開して進んでいくというストーリーで、破天荒ながらも斬新なアクションが売りの知る人ぞ知るゲームだった。
このゲーム結構好きだったんだよな〜。
知ってる人います?
ネタバレ②:イ・ビョンホンとハ・ジョンウのバディ劇
この2人のデートムービーでもある笑
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白頭山噴火の当日に除隊となるはずながらも、妊娠中の妻をアメリカに逃がすことを条件に噴火阻止のための隠密ミッションに参加することになったチョ大尉。そしてそのミッションを遂行するに当たって重要な情報を持つとされる、北朝鮮へのスパイ活動がバレたことによって北朝鮮刑務所に収監されていたリ・ジュンピョン。真面目にミッションを遂行する軍人と手の内を明かさず暗躍するスパイ、『ミッドナイト・ラン』や『スキップ・トレース』とはまた趣が異なるものの、互いにソリの合わない2人が手を組んで進んでいくというロードムービー、またはバディ劇の一面が本作にはあります。
ハリウッドでも活躍できるポテンシャルを持つイ・ビョンホンが演じたリ・ジュンピョンのキャラがかなり個性的。韓国軍によって北朝鮮の刑務所から連れ出された後も物怖じせず、隊員を欺いてはその場から逃げ出したり、と思えばやけにあっさり連れ戻されたり、核燃料を盗み出して中国軍(マフィア?)に売り飛ばそうとしたり、掴みどころのないねずみ男のような二面性ある立ち位置のキャラクターだ。その見た目はかなり汚らしく、尻を丸出しにして野グソをする姿からは、かつての『IRIS-アイリス-』などでイケメンスターとして脚光を浴びた時の輝きはない笑
普段はヘラヘラ笑い、のらりくらりと行動するリ・ジュンピョンだが、闘いの場になると表情が180度変わり、一転して頼もしい存在になる。マシンガンを構えて応戦や援護をする勇姿は、流石はアクションスターとして活躍してきたイ・ビョンホンならではのカリスマで映えてました! ラストにはリ・ジュンピョンが白頭山のふもとに暮らす幼い娘を救おうとしていたことが判明。我が子を救うためにチョ大尉を生かして自らが犠牲となり、死ねスイッチと共に核爆発で散る最期の姿には、貫禄ある父親役をできる年齢だからこそ出せる哀愁が漂っていました。
そんなリ・ジュンピョンとチョ大尉の隠密ミッションは決してシリアスすぎず、2人のやり取りには所々にまの抜けた一面もあって思わず口元がほころぶ。そこは毎度センスの良いコメディが添えられる韓国映画。壁を乗り越えて絆を結んでいく2人の道程を、まるで茶目っ気あるデートのように仕立てているのが愉快だった。
ハ・ジョンウとイ・ビョンホンの2人だけでなく、我らがマ・ドンソクことマブリーの存在も忘れてはいけない。その自慢の剛腕によるパワープレイで火山活動をどのように鎮静化させるのかと思いきや、今回マブリーが演じるのは、地質学者のカン・ボンネ。つまりインテリであるマブリーは今回は終始デスクワークに興じていて、あくまでもミッション遂行のサポート役として奮闘するのだ。メガネとチェックシャツが不恰好で、「俺韓国に未練ないからどうでもええわ〜」と消極的な姿勢を見せるマブリーは結構レアだと思う笑
ネタバレ③:浮き彫りになる各国のエゴ
マブリーはデスクでお留守番。
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自国の崩壊を防ごうと躍起になり、秘密裏に緊急ミッションを進めていく韓国。その作戦遂行のために自国に侵入され、核兵器を奪われる北朝鮮。国境沿いに軍事力を敷いて圧力をかけ、核燃料を横取りしようと暗躍する中国。なんとしてでも災害の主導権のマウントを取り、自国優先に動きたいアメリカ。場所が場所だけに、そして核兵器をツールとするだけあって、パニック劇を押しのけて展開する、軍事力を有する世界各国の激しいマウントの争奪戦。ちょっと大袈裟ながらも外国の思惑とエゴを皮肉たっぷりに描き、しれっと現代の国際情勢に風刺を効かせている。エンタメ作品と見せかけて社会派のメッセージをド直球で投げてくるのが、いかにも韓国映画らしかったかな。
北朝鮮がこの映画観たら絶対キレるぞ笑
ネタバレ④:日本がらみ
・科学忍者隊ガッチャマン
「北朝鮮の軍事基地から核爆弾を奪う」と韓国側から説明されたリ・ジュンピョンが、「お前ら気は確かか? 科学忍者隊ガッチャマンか?」と鼻で笑う。あくまでも字幕で流れるもので、ハングルのヒアリングができない管理人からしたらイ・ビョンホンが本当にガッチャマンと言っているかが分からない。韓国ならではの言い回しを分かりやすくするために、『テッド』みたいに字幕が変わってるだけなのかも。まああながち的外れな例えではないけど。
他にもリ・ジュンピョンが隊員の1人をミミズク(ガッチャマンの主要キャラの1人であるみみずくの竜のこと)と呼んでイジる。ちなみに管理人は、コンドルのジョーがクールで好きです。
■鑑定結果
流石は映画への情熱が熱い韓国。アクションもドラマも演出も申し分ないけど、国際情勢を絡めているのがいかにも今風な作風でした。
■映画『白頭山大噴火』はどんな人におすすめ?
・ディザスタームービーが好きな人
・大迫力のアクションを観たい人
・アジアの国際情勢に興味がある人
■最後に
本作に出演しているマ・ドンソクの他の作品はコチラ☆
・『ザ・バッド・ガイズ』
・『悪人伝』
それでは今回の鑑定はここまで。
またお会いしましょう!
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